Marikoさんの映画レビュー・感想・評価

Mariko

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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.8

ヨルゴス・ランティモス
「籠の中の乙女」「ロブスター」
「聖なる鹿殺し」「女王陛下のお気に入り」
メイン作品を通じて、
支配・被支配の関係とその破壊を
入り組みながら描いてきた。

今までは、破壊後に
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

4.1

【人は何故願うのか。星に願いをかけることを始めたディズニーにしか展開できない、哲学的に「欲」と向き合う作品】

ストーリーはシンプルで
ディズニーらしくも
現代的かつ哲学的に昇華され、
その辺りに10
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バービー(2023年製作の映画)

3.9

人類の様々な属性を無効化し
自己/人間/人体回帰させる作品。

そのために、
世代・老いも、
ジェンダーも、
フェミニズムもホモソーシャルも、
人間性も人形(物体)性さえも、
取り扱い、二項対立を破壊
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.3

エックスに引き続き、
自己たらしめるものは何かを問う。

エックスの時は「老い」によって
夢や性が枯渇した状態を
羨み妬むような殺人が印象的だった。
若い頃は夢や性がアイデンティティになりうるが、
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怪物(2023年製作の映画)

3.9

3つの視点が結合していく巧妙な羅生門造り、さすがの坂元節。
湊と依里が戯れる様子は、まるで自然の一部のように美しく、尊く、儚い。繊細な愛の育み方に落涙。
しかし「視点の不可視」がテーマとなりすぎて、互
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.8

待望脳汁"マジ卍"作品🧠👍
以下総括です。

■1を観た方がいいかどうか問題
・1観た方が何倍も楽しめる
・かつ1の特徴値(表現・テンション)をブーストさせているため1で合わなかった人はキツイ140分
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

5.0

現資本主義構造の中で「美しさ」を対価に稼ぎまくるヤヤが居ながら、ヨットの中で現資本主義構造&人類は文字通り"逆流"し、島では別物の資本主義が誕生し、ヒエラルキーが逆転する。逆転後は、カールの「美しさ」>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

5.0

🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥
蜂起!咆哮!反乱!
非日常・非現実スペクタクル!
IMAXで観に行かれたし!
💧💧💧💧💧💧💧💧

あまりの衝撃で言語ロスだぜ🫶
テンションぶち上げの
音楽・アクション・ドラマ、
3時
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PLAN 75(2022年製作の映画)

4.4

【生きる価値とは何か。
 権力・経済合理性への警鐘と
 互いの"ケア"の必要性】

母が75 歳になり、
見て見ぬふりをし続けてきた
高齢化を面と向かって勉強する
良い機会と思い鑑賞。

早川監督節が
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流浪の月(2022年製作の映画)

4.7

愛おしく、美しい映画。
壊れそうで、ぎゅっと抱きしめたくなる。

150分、確かに体力が要る…。
「怒り」と同様の重さがのしかかる。
しかし、ホン・ギョンピョ氏の煌めく映像、
キラキラする音、ほぼヒー
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.5

”人間でよかった”そう思える人間賛歌映画。
観終わった後、きっと希望に満ち溢れるはず。

ウルトラマン知識皆無でも楽しめる。
シン・ゴジラと同一世界線。
好きだった人は絶対楽しめる作品。
110分程度
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凶悪(2013年製作の映画)

3.8

「死刑に至る病」を受け見返し。

見るの2回目だが、
相も変わらず苦痛で吐き気を催す作品。
エグエグのエグ。だがそこが白石節。

切り込むテーマは、
我々が生きていく上で、
必然的に向き合わなきゃいけ
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

4.5

「死刑に至る病」を受け見返し。

”アガペー”がテーマ。
R-15だが性・グロ描写は控えめ。

当時のキャッチは
「共感度0%不快度100%」だったが、
個人的には大共感・大号泣作品。
女性には響きや
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.9

展開が多く2時間飽きずに観られる。
容赦ない拷問シーンはさすがの白石節。
救いは無く、えぐみ強、疲れてる方は要注意。

私は、
家庭/社会システムへの警鐘的作品だと感じた。

子どもは親を選べない、
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.5

純粋に、世界No.1幸福国フィンランドが、
どんなホラーを描くのか興味が湧いた。

もっともっと抉ってほしかったが、
面白かった。

毒親のエゴ、
毒親に愛されるため報い続ける主人公、
その際生じる負
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.7

アイデンティティ・孤独・愛を「身体」を使って
語り尽くしていて、非言語的でとても好きな作品でした。

必死で自分の生まれもった、
使いこなしてきた体に抗おうとする
2人の主人公が印象的。

確かに、私
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.5

(再編集)
★未鑑賞の方に伝えたいのは、どのキャラクター・どのシーンに着目して観続けるかによって感想が割れるので、ご友人・パートナーとそこを整理して感想シェアできるとベストだと思います。最後に2人以上
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楽園(2019年製作の映画)

4.2

同調圧力によって築かれた偽りの楽園
楽園と地獄は表裏一体
誰かにとっての楽園は
誰かにとっての地獄となる。

異質な存在が、
既存コミュニティで、
彼らなりの善意をもって
生き抜こうとする姿は尊く、
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.8

フィクションを超える映画と、
映画にしか出来ない追悼。

(宇多丸も言ってたけれど、
シャロン・テート事件はググって
見たほうが吉。)

とにかく愛を感じた。
ラストで映画史が変わる変わる詐欺の
映画
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来る(2018年製作の映画)

3.5

初めてのホラー鑑賞。
ホラー苦手勢の皆さまのためにコメントしておくと、私はかなりビビってたが、脳裏にこびりつくトラウマシーンはなく、ただ1人になると少しビクッと思い出す「怖音」や「怖い動き」がある映画
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

5.0

あらゆる人に観て欲しい。
矛盾しかない現代に生きる私たちに、
クリティカルヒットを喰らわせる現代風刺映画だった。

この映画では、
イラっとすること、ヒヤッとすること、
全てが試されている。

映画の
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.8

私の世界史未履修の露呈…。
それは置いておいて…。
登場人物の多さと私の理解力の低さ…。
それも置いておいて…。

報道の自由 VS 政府
という構図は、燃えた。

こんなに「あちゃあ…」となる、
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.7

張り裂けるような気持ち。
でも、その痛みから逃げてはいけない。
その痛みこそが、
幸せだった記憶を
想い返させるトリガーとなるから。

直近で見た映画のなかで、
最もキュンとしたし、
いくつも自分の中
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娼年(2018年製作の映画)

3.8

「〇〇大の人とヤったって自慢しちゃお!」
と吐き捨てるギャルとのセックス。

「現在の豊かでインスタ映えするニッポンで、
なにより足りないのは
まっすぐな欲望と幸福な性である」
石田衣良の想いからのス
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ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

4.5


「1000年前の歌が、
今のあなたたちにも届いたように。」

この一言で、涙が溢れた…

人間は一瞬の積み重ねでしか、
生きることができない。
でもその「一瞬」は、
「想い」によって保存できる。
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.3


愛の反対語は、忘却。

「愛」そのものや、「自分が今ここに居る」という現象は、モノではなく、ひとりひとりの魂にしか遺らない。形がなくても、想い続ける大切さを学ぶ映画。

本当に、
↑みたいに私の言葉
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The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

3.5

ソフィアコッポラ作品、
とくにヴァージンスーサイズと、
サムウェア好きです。

ガーリーカルチャーの巨匠の、
新作を見るべくワクワクしながら、
見に行きました。

ソフィアコッポラ作品って、
いい意味
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.8


///// 鑑賞2回目 03.12 MON /////

改めて観て心に残ったワードは、
「こんなに複雑で美しいものを、
壊したくない」

イライザは、
お姫様だけれど、オナニーもする。
美人ではな
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.9

素晴らしいが、
何か物足りない、
そんな映画でした。

私が捻くれているだけかも。

エログロどんでん返し映画を、
好んで見過ぎているだけかも…。

音楽も良いし、サントラ買ったし、
演出も素晴らしい
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22年目の告白 私が殺人犯です(2017年製作の映画)

4.0

テンポが良く、
爽快な裏切りが多い、
楽しい映画だった。

どんでん返しがとにかく多い。

あとは、
完璧な悪人なんていない、
とメッセージを残すところも、
すきでした。

人と関わる上で、
関わって
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アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)

4.0

徹底した厨二病映画。

ただ、徹底しているからこそ、
こちらが恥ずかしくならず、
清々しい。

色調やファッション、
音楽、アクションが全て調和していて、
だいすき。

改めて、
サンローランの美しさ
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.6

わたしもひねくれ者だから、
共感しかなかった。

何か発言された言葉には意図があり、
その意図はその人のエゴなのだろうと、
決めつけてしまう悪い癖。

理性と本能、
人間はその両輪で成り立っていること
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キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

4.6

相変わらずの楽しい映画。
「秒でアガる」と打たれたコピーは、
間違っていない。

アクションもスーパーだが、
個人的にはテーマも熱い。

今回もまた、
全人類が解答を出せずにいるテーマ、
「麻薬問題」
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少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)

4.1

愛の伝え方と受け取り方について考え、
家族を設ける意味を考える映画。
母親と息子のお話。

最初のシーン、
現在の母親が、
村八分に合う様子からスタート。
家にべっとりと赤いペンキを塗られる。

細く
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ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

3.5

最高に美しい。
そして最高に恐ろしい。
ファッションモデルのお話。
最後だけ納得できなかった。

物語は、エル・ファニングが、最高の美貌の持ち主ということを程に進むが、私はそうは思わなかった。いや、可
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お嬢さん(2016年製作の映画)

3.9

確かに、成人指定映画なのに、
展開がめちゃ面白い。
こんな展開になるとは思ってなかった。

成人指定かまして、
「闇深そう」と見せかけ純愛を語る作品。

ただ、「変態」映画と謳うわりには、
変態感が足
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