marilyn0122さんの映画レビュー・感想・評価

marilyn0122

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.5

全ての事象にはさまざまな側面があり、
人は真実に依って生きるのではなく、
自ら物語を選び取って生きているのだと突きつけられる。
物語がなければ生きられない、とも。

長尺が全く苦にならない、ひとつも無
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燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火(2022年製作の映画)

3.7

あの極彩色の看板はネオンの書道。
納得…!
シルビアチャンが出る作品にハズレなし。
今回も良作でした。
私の好きだったあの頃のキラキラした香港がいっぱい詰まってた。ありがとう。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

いやもう、変態で天才だ。
知らずにデートムービーに選ぼうとしてる人は気をつけて!気まずいよ笑!

まるで人類の歴史を観たかのような、壮大で親密な余韻。
個人的には「バービー」のそれよりも、フェミニズム
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

ヴェンダースはどの作品も素晴らしいけど、
この作品は彼のひとつの到達点だと思う。
結局映画は人間が作るもので、ヴェンダースの人に対する深く優しい眼差しは、彼自身がちゃんと生きてきたからこそ、培われたも
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風再起時(2022年製作の映画)

3.7

香港映画祭で鑑賞。
1950年代からの汚職にまみれた香港警察と裏社会の関係を30年以上にわたり描いた大作。
この時代の香港好きにはたまらない。
特に香港の60年代ってなんでこんなにオシャレなのよー。
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ブルー・ムーン(2023年製作の映画)

3.8

香港映画祭で鑑賞。
良作。鬱鬱とした展開の中にも香港らしい笑いや図太さがあり、ちゃんと高揚感あるシーンも見れて、まとまりが良かった。
ロレッタ・リーは年をとっても可愛らしかった。
主人公のグラディスリ
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毒舌弁護人〜正義への戦い〜(2023年製作の映画)

3.7

ラストの熱い演説など、昔の香港映画だったらありえないと思うが、これが今の香港の人たちの思いなんだろうと感じた。

フィッシュリウ、プライドの高い悪役振りが良かった!唇のツンとした感じ、いいね!

あと
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ムービー・エンペラー(2023年製作の映画)

3.4

東京国際映画祭で鑑賞。
アンディラウもやはりちょっと老けました。
迫り来る老いや焦り、静かな怒りや諦め。
本人をもどこか彷彿させる映画スター役を
彼自身はどんな気持ちで演じていたのかな。
プランクしな
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愛は銃(2023年製作の映画)

3.9

東京国際映画祭で鑑賞。
音楽、波や雨の音、カメラワーク、全てがキャラクターの心情に寄り添うようで素晴らしい。
静謐な悲しみに満ちている。
台湾という国の風土も作品の演出に大きな効果をもたらしている気が
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西湖畔に生きる(2023年製作の映画)

4.0

東京国際映画祭で鑑賞。
数年前にフィルメックスで「春江水暖」を観て、わたしこの先、この人の作品全部観る!と決めたグーシャオガン監督の最新作。
中身思ってたのと違った。
でも、傑作だった。
すべてに、リ
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成功補習班(2023年製作の映画)

3.7

東京国際映画祭で鑑賞。
藍正龍!「花より男子」観てたよ!
こんなに立派な監督になっていたとは知りませんでした。
韓国映画の「サニー」にもちょっと近いノスタルジー満載なテイスト、十代あるあるなカッコ悪く
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青春の反抗(2023年製作の映画)

3.5

東京国際映画祭で鑑賞。
台湾版百合映画と言ってしまえばそれまでだけど、主演の女子ふたりがとても繊細で複雑で、良質な青春映画として、観る価値が十分にある作品だった。
特にチン役のイェシャオフェイは中性的
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.9

東京国際映画祭で鑑賞。
冒頭にあれだけ料理のみのシーンをただただ流すってよほど信念がないとできない。トランアンユン監督って本当に絵が見えてる人なんだなと思った。
ドレスやアクセサリーが可愛いなーと惚れ
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.1

傑作!震えた!
猿之助事件の最中に観たからか
すごく印象に残ってます…。
ケイトブランシェットってどんなに酷い人間を演じても、決して薄っぺらく見えない。役者本人の持つ人間力や魅力が役に重なって、傲慢で
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サンシャイン・オブ・マイ・ライフ(2022年製作の映画)

3.2

香港映画祭Making Wavesで鑑賞。
視覚障害の両親とその娘の話で、
ヤングケアラーをめぐる問題にも触れた
ざっくり言うと香港版コーダです。
香港の庶民の日常が丁寧に温かく描かれていて、さすが監
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七人樂隊(2021年製作の映画)

3.9

香港への迸るような愛を感じる作品たち。
どれもその監督らしさが出ていて面白かったけど、中でもアンホイ監督の「校長先生」は素晴らしかった!
限られた短い尺で、多くを語らず小さなエピソードと表情を見せるこ
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.1

文句なく面白かった!
トップガンを十代にリアルタイムで観てきた世代としては正直、
でもさ…トップガンでしょ?笑
的な斜めで見る感じが最初ありましたが…
本当にトムクルーズに土下座したい。
彼の映画プロ
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プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

4.0

ウォンカーウァイ的情緒満載の映画だった。
失ってしまった愛に対する執着よ…

わたしなんでこういうアジア的メランコリック&キザが大好きなんだろう。
要所要所に感じる香港映画のオマージュ?もひたすらエモ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

聴こえる、聴こえないという分断は
伝えたい、伝えようって気持ちだけが繋ぐ。
すべての人間関係にリンクするテーマだなと思う。

主人公の気持ちもさることながら、父、母、兄、先生…彼女を見守る人たちそれぞ
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放浪の画家 ピロスマニ(1969年製作の映画)

3.6

ジョージアの風景、風俗全てが情緒的で
どこか懐かしく、可愛らしい。
人々の繊細に重なる歌声と踊り、大きなパンとワイン、つぶらで悲しげな瞳の動物たち、美しい絨毯に壁紙、面白い形の帽子、娘たちのヴェールと
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歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡(2019年製作の映画)

3.2

神保町で長年働いてきた身として
岩波ホール最後の上映作品、そして
かつて読んだ「パタゴニア」への
懐かしさから鑑賞。
とはいえほとんど内容を忘れていたので…
なかなかハマるには苦労する、手強い映画でし
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金の糸(2019年製作の映画)

3.2

人生を終えるとき人はみな、納得のいくストーリーを自らに語りながら死んでいくものだと何かで昔読んだことがある。
自分の人生は幸せな結末であったと信じることで、穏やかに、死を受け入れることができるんだろう
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.8

3時間ひたすら陰鬱が続くんだけど、嫌いじゃなかった。バットマンは初歩レベルの知識しかない私でも十分面白かったし、延々と雨の降り続くゴッサムシティの世界観はカッコよかった。
長尺に二の足踏んでる人も多い
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名付けようのない踊り(2022年製作の映画)

3.5

踊りってつまるところ神様とのコミュニケーションなんだよね。
目に見えないものや自然と自分が繋がり、内なる感覚が他者に伝染していく。
昔観た本気の石見神楽を思い出した。

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.8

ストーリーを追うというよりは雑誌をペラペラめくって感じていく作りなので、ボーっと観れちゃうんだけど、ボーっとしてるといろいろ見落としちゃう繊細で隙のない見事な作り。どのシーンもストップモーションにして>>続きを読む

浅草キッド(2021年製作の映画)

3.7

たとえ血の繋がりはなくても、
人は誰かの親になることができる。

出番を待ちながらタップを踏むシーン、
師匠にハイヒールを差し出すシーン。
受け継がれていくものに
胸が熱くなりました。

柳楽くんは当
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.6

ホントにこの時代のロンドンにタイムスリップできたら、超クール!なんだろーなー。
ファッションも音楽も、ロンドンびいきなら絶対観るべき映画。
古いヨーロッパの街って、幽霊が出ると噂の館や通りがわんさかあ
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

3時間という上映時間が全く気にならないほど、しみじみと集中して観れた。
原作を読んでいたので、あの短い話をどうやってこの尺に?と思っていたけど、実際は他にも村上さんの複数の短編や書いてきたモチーフを盛
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.8

立ち止まってどうしても歩き出せない人の悲しみが描かれている。
そこまでする必要があるのか、と思うけど
そんな一途さや潔癖さが少女性なんですよね。
それはともすれば残酷さにも繋がる。
でも残酷にみえてふ
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眺望良好(2019年製作の映画)

3.0

往年の香港映画らしい、ひでえ話(笑)
昔から香港の人は、ハチャメチャに笑い飛ばす一見アホな作りで、社会の闇をしれっと風刺するんですよね…
いやいやこれコメディですからね?なにも主張なんかしてないですか
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.6

観た直後は正直「終わってくれてよかった!」と思った。
ところが鑑賞後10日たってもこの映画のことが頭から離れない。もう1回観てみようかな、という気持ちになってきている。

登場人物2人の狭い空間での感
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神と共に 第二章:因と縁(2018年製作の映画)

3.8

地獄ってずいぶん狭い人間関係で構成されてるんだな笑…と思ったけど、人間社会の仕組みをそのまま冥界にあてはめて興味を引く見せ方や、地獄の神が普通に株投資をやっちゃうコメディ感とか、家族の泣ける人情話とか>>続きを読む

神と共に 第一章:罪と罰(2018年製作の映画)

3.8

ウェブコミックが原作だけあって、キャラがみんな個性的で面白かった。

そして私が大好きだった韓国映画やドラマの主役たちがどんどん出てくるから、楽しくて仕方ない!

「素晴らしい一日」のハジョンウ
「猟
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ウェイティング・バーバリアンズ 帝国の黄昏(2019年製作の映画)

3.0

主人公が基本受け身の姿勢で、さまざまな理不尽に観る側も一緒に耐えていく話なんだけど、彼が元々どんな価値観を持って生きてきた人なのかあまり語られないので、今ひとつ共感しにくかった。
原作者が脚本も手がけ
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ロスト・シティZ 失われた黄金都市(2016年製作の映画)

3.0

タイトルから楽しい冒険映画かと思ったら、重厚な人間ドラマだった。

主人公が冒険を重ねながら、妻や息子との関係が変化していく様は興味深い。アマゾンに向かう旅の途中、列車の窓から外を眺めるシーンは象徴的
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