masahitoOKさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.4

韓国版ジョーカー。

弱者を哀れむべき存在として描くのではなく、追い詰めると恐ろしい存在になり得ることを描く。
高らかな、警鐘。

臭いから浮かび上がる格差、無意識の見下し。
半地下から地下へ。
彼ら
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.3

「地獄への道は、善意で舗装されている。」

誰も悪くない。
マロニーですら、彼の職務を忠実に遂行しているだけ。

勤勉で、真面目で、責任感が強く、頭だって悪い訳じゃない。
そして何より、他人の気持ちを
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.9

好きだから、結婚する。
でも、嫌いになったから、離婚するわけではない。
離れて暮らす苦しさよりも、一緒に暮らす苦しさが勝ってしまったら。

終盤に二人が感情剥き出しで罵り合うシーンがつらい。
つらい、
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僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング(2019年製作の映画)

4.3

哲学的なテーマや、社会問題を扱った重厚な映画ではない。
躍動するアニメーションで、人を守るために戦うカッコよさをひたすら描いた映画。
ヒーローとは何か。
アベンジャーズやスターウォーズに負けない映画を
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この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.8

前作を劇場でも観たし、アマプラでも観たし。30分くらい追加シーンがあるみたいだから、好きな映画だし、一応観ておくか。
なんて、軽い気持ちがコトリンゴの「悲しくてやりきれない」が聞こえてくる頃には、吹き
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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

4.0

貧困、無教育、虐待、DV。
負の連鎖を断ち切るためには、圧倒的な才能と努力を以てしても足りないのか。
じゃあ、彼女はどうすれば良かったのか?
非難でも擁護でもなく、問いを投げかける良作。

アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

4.0

男と女の映画であると同時に、息子と父の映画である。ラストシーンは、悲しくも、温かい。幸せとは何か。大事な人との時間を大事にしたくなる。

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

3.8

シャイニングの続編を観に行ったら、サイキックバトルものだった。
いや、でも、全然アリ。
ローズが美しく、カッコイイ。
やはり、悪役が魅力的じゃないと。
アブラが闇落ちしそうで、ハラハラしたけど、闇落ち
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ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

3.7

サラ・コナーの初登場シーンがカッコ良すぎて、涙目に。
既視感が多いシーンが多かったが、ワンシーンごとのクオリティはさすが。
ヒーローを産むから、ではなく、あなたがヒーローだから。
続くのか?

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

3.5

評価に困る。
序盤の長回しダンスシーンは素晴らしい。
終盤の混沌パートは力み過ぎ、冗長な印象が強く、早く終わんないかなー、とまで思ってしまった。
が、映画館を出た後、渋谷の人混み、地下鉄の通路が、あの
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空の青さを知る人よ(2019年製作の映画)

3.8

SF (少し不思議)な日常を描く、日本ならではのアニメーション映画の系譜。
冒頭のベース演奏シーンでガッチリと掴まれた。イヤホンを使った外界と内面の音響の表現が素晴らしかった。
シンノ、アオイ、アカネ
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僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)

3.7

ユラは神社でイエスに何を願ったのか。
出来心で、あまりに眩し過ぎるカズマの失墜を願ったのではないか。
だとしても。
少年にはあまりにも残酷すぎる。
現代版、ジョバンニとカムパネルラの静謐で美しい物語。

スペシャルアクターズ(2019年製作の映画)

3.4

良くも悪くも、「カメラを止めるな!」を踏襲して、監督の持ち味として確立された感。
最後のどんでん返しが無ければ、主人公の成長物語としてキレイにまとまったんだろうけど、そうはしたくなかったんだろうね。
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

4.2

設定自体は良くあるifものだが、最後の落とし込みが秀逸。
例えビートルズは存在しなくとも、ビートルズの生み出した曲は、受け継がれるべき人類の財産。
そして、名曲を生み出さなくとも、ジョン・レノンはジョ
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

4.3

まず、音楽映画として最も重要な、音楽が素晴らしい。
当たり前のことのようだが、これに成功している音楽映画は少ない。
そして、セリフではなく、表情と仕草、そしてピアノの音で感情の揺れ動きが表現されている
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.7

ダークヒーローの誕生。
バットマンのことではない。
そう、ジョーカーこそ、真のダークヒーローだったのだ。

ゴッサムシティを自分ごととして見る日がくるとは思わなかった。
無敵の人、ジョーカー。
背筋が
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ある船頭の話(2019年製作の映画)

4.5

クリストファードイルによる、風景がとにかく美しい。
水墨画のような、山水画のような。
もはや失われて存在しない、ファンタジーの世界にも感じる。
日本の山河をこれほど美しく切り取った映像を、他に知らない
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.4

登場人物すべてに血が通っている。
テロに巻き込まれた人々はもちろん、テロを起こした人々さえも。
家族がいて、人生があって、思いがある。
そして、そんな彼らを断絶し、殺し合わせているものは何なのか。
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.1

血と汗と涙と精液に塗れた、新井英樹の世界を実写化できるとは。
蒼井優と池松壮亮の、生命力。
眩しすぎて、直視できないのは、私が歳を取ったせいか。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.9

ブラピとレオ様のバディもの、というだけでお腹いっぱい。
前半、大人しめのブラピにあれ?となるものの、そこは「スナッチ」「ファイトクラブ」の暴力の化身、ブラピ。
VS ブルース・リーでギアチェンジ、VS
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

4.1

平凡な少年が、スーパーヒーローになる物語。その理想型。
Don't think.Feel!

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.8

冒頭の戦闘シーンから、大和沈没までが素晴らしい。日本映画におけるCGを用いた戦闘シーンで、これほどのものを見るのは初めてかも。
菅田将暉の逆転勝利で大団円か、というところで、急激に増す田中泯の存在感。
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

3.8

分かってはいても、ドキュメンタリーとしか認識できないようなリアリティがあった。
演者は境遇の近い素人を起用した、と知って納得。
前半は少し単調にも感じたが、終盤、怒涛の展開。
同時代に生きるものとして
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天気の子(2019年製作の映画)

4.3

新海誠の現時点での最高傑作。
庵野秀明が紅の豚を見て、「宮さんはパンツを脱いでいない。」と評していたが、今作での新海誠は完全にパンツを脱ぎ捨ててますな。

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

4.1

リアリティがある映画、ではなく、リアルを喉元に突き付けてくる映画。
結婚って何だろうね?