まささんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

まさ

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波紋(2023年製作の映画)

3.6

枯山水の庭を眺めるように、私たちは作品に登場する彼らを眺めている。その有り様は、醜さを通り越して、あまりに可笑しい。しかし、水の中にいる彼らは、一滴の波紋でさえ影響を受けるほどにか弱い。正義ぶった、す>>続きを読む

最後まで行く(2023年製作の映画)

3.6

空き時間に合う作品で本作をチョイス。リメイク元の韓国版は未鑑賞。思いのほか面白かった。クライムアクション的な要素はもちろん、サスペンスの要素やコミカルな要素も盛り込まれていて盛りだくさん。コイツ悪い奴>>続きを読む

宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

3.6

伊藤沙莉が出てるコメディ作品、しかも予告編で彼女の突っ込みを見せつけられれば、もう見に行くしかない。家族愛、兄弟愛をまぶしてはいるものの、かなりコメディ寄りのトーンで、設定もギャグコント並かそれ以上に>>続きを読む

銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

3.7

原作未読で鑑賞。もちろん宮沢賢治は知ってはいたが、彼の背景、家族のことなど知らないことが多すぎた。彼の物語世界の背後にあった家族の物語。原作が膨大なのだろう、序盤は時代が目まぐるしく飛んでいき、ほんの>>続きを読む

ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)

3.7

移民の子供たちが生活する施設を舞台に、そこで働くことになった一人の料理人の奮闘を描く。移民の子供たちの置かれた厳しい現実を描きつつ、彼らの未来のために奮闘する人たちの温かさが尊い。移民の子供たちを教え>>続きを読む

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

3.6

愛に翻弄される一人の女性の物語。仕事に、病身の父の世話、子育てと忙しい日々を支える彼女の愛。しかし、その愛があるゆえに、彼女に悲しみや辛さをもたらしてしまう。それでも愛を求めるサンドラに明るい朝は来る>>続きを読む

君に幸あれよ(2022年製作の映画)

3.6

真司と理人、それぞれに傷を抱え、正反対で分かり合えそうもない二人が出会ったことで起きる化学変化が危なっかしいけど素敵。理人の不思議な柔らさで、真司の鋭い刃の奥にある優しさの欠片が染み出され、大きくなっ>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

3.6

ロバ目線で人間社会を描くロードムービー。ロバの視点であぶり出される、人間の矛盾や愚かさ、そして傲慢さ。私利私欲ばかり追い求め、些細なことで傷つけ合い、いがみ合う醜い姿が浮き彫りになる。ロバと言えば、先>>続きを読む

セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.7

アダルトショップでアルバイトをすることになった地味な女子大生サロール。彼女が様々な客、そして経験豊富なオーナーであるカティアとの出会いと触れ合いによって成長し、自分の生きる道を選ぶ姿を描く。内気でいつ>>続きを読む

アダマン号に乗って(2022年製作の映画)

3.5

セーヌ川に浮かぶ精神疾患の患者さんたちのデイケアセンターとそこに集う人たちを映し出すドキュメンタリー。一人一人がそれぞれのスタイルで好きなことをしながら、自分のペースで周りと関わったり、一人の時間を過>>続きを読む

不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

3.7

共学の進学校を舞台に、数学を題材にした青春ストーリー。落ちこぼれの男子高校生と彼を密かに慕うクラスメートの女子、そして高校の警備員で、実は天才数学者とそれぞれのキャラクター設定がいい。韓国作品ではよく>>続きを読む

せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.6

江戸時代末期を舞台に、肥溜め売りの青年二人と、武家の娘のおきくが織り成す青春恋愛物語。舞台は昔であるが、言葉遣いは今っぽく、古めかしさは感じない。貧しい生活の中でも、したたかに明るく生きる青年の姿、そ>>続きを読む

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

3.7

とある大学のぬいぐるみサークルの人々を描いた作品。傷つきやすく、閉じこもりがちな人々のやさしくも危なっかしい日々を描く。周りを見渡せば、器用に周りに合わせて、世の中を上手く歩いていける人ばかりでは、も>>続きを読む

午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

3.5

1981年パリでは、社会主義的な政策を掲げるミッテラン大統領が勝利し、市民は喜びに満ちていたらしい。そんな社会の片隅で、夫と別れ、二人の子供を一人で育てることになったシングルマザーが主人公。彼女が眠れ>>続きを読む

小さき麦の花(2022年製作の映画)

3.6

中国の田舎の農村に暮らす夫婦の物語。貧しいながらも素朴で働き者の夫と、障害のある内気な妻。互いの家族で厄介者扱いをされた二人が、互いに支え、慕い合って生活する姿をドキュメンタリーのように描いていく。他>>続きを読む

「16」と10年。遠く。(2020年製作の映画)

3.6

交通事故で記憶を失った少女と幼馴染みの10年を描いたストーリー。10年前と今とを行き来しながら、それぞれの事情や思い、そして秘められた真実が浮き彫りになっていく。自然豊かで美しい景気を背景に、青春時代>>続きを読む

俺を早く死刑にしろ!(2022年製作の映画)

3.9

陰惨な事件を起こし、反省どころか処刑を臨む加害者に、一人の女性教誨師が献身的に彼に向き合い、罪深さを思い起こさせる感動ストーリー…ではない。展開とともに、衣装や部屋など細かい設定への違和感を募らせてい>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

3.7

ぶっきらぼうなタクシー運転手とお喋りな老婆によるロードムービー。お洒落なパリの街を巡りながら、老婆の壮絶な人生を振り返る。彼女と運転手の人生の交差模様が面白くて、切なくて、そして素敵。街を歩く一人一人>>続きを読む

わたしの見ている世界が全て(2022年製作の映画)

3.7

タイトルどおり、わたしの見ている世界がすべて
、な人を取り巻く日々と、そんな人に掻き回される人々を描く。自分のことは分からない。自分がどれだけ周りの人々に影響を及ぼしているのかなんて、なかなか気付かな
>>続きを読む

美しい彼〜eternal〜(2023年製作の映画)

3.7

高評価のレビューが多いことが気になり、ドラマ未見ながら、時間もあったので鑑賞。ほとんど女性客というアウェイチックな状況は気にしないようにして鑑賞。まあとにかくなんとも映像の美しさ満開。主人公の清居のキ>>続きを読む

幻滅(2021年製作の映画)

3.8

19世紀前半のフランスを描いた作品ながら、そこで繰り広げられる愛憎劇は今の世の中とさほど変わらない。金と権力、そして愛欲に操られる人たち。真実を追い求めず、金ばかり追い求めるマスコミ。謙虚さを忘れた人>>続きを読む

トリとロキタ(2022年製作の映画)

3.8

移民として入国した二人の子供たち。「姉と弟」のように寄り添って生活するというささやかな二人の願いとは裏腹に、闇社会の片棒を担ぐことでしか生きていけない現実が切なく悲しい。実話をベースにされているらしい>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.7

父として、仕事人として自分なりに一生懸命に生きてきた男が、余命僅かとなった現実を前に、生きることの意味を問い直す。原作となった黒澤作品は未鑑賞。勤務経験を積み重ねて、案件の寝かし方、スルーの仕方ばかり>>続きを読む

世界の終わりから(2023年製作の映画)

3.7

紀里谷監督の描く世界の終末。本監督はこの作品でメガホンを置くと言われていて、力の全てを尽くしたと言われたら、そうかもと思ってしまうかもしれない。空想ファンタジー作品として映像美を楽しみつつ、この世界へ>>続きを読む

少年たちの時代革命(2021年製作の映画)

3.6

香港の民主化デモをとらえた「理大囲城」に続いて鑑賞。自由の前に立ちはだかる大きな壁に直面した若者たち。立ち向かう者、諦める者、無力感を覚える者。それぞれの若者が様々な感情を抱え、混乱、困惑していく。そ>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.6

自由が利かないまでに太ってしまった男の物語。展開とともに、彼のこれまでの失意と後悔が紐解かれていく。長い間会わずに暮らしてきた娘との再会と、二人の心の交わりにストーリーの焦点が次第に絞られていくが、そ>>続きを読む

理大囲城(2020年製作の映画)

3.7

自由を奪われることに自らの身を投じて戦った若者たちに迫ったドキュメンタリー。時代に抗う強い意志とともに、逮捕や攻撃への恐怖、疲労、内部対立。壮絶な現場での混乱や動揺がそのまま映し出される。いずれにして>>続きを読む

雑魚どもよ、大志を抱け!(2023年製作の映画)

3.9

小学生を主人公に、彼らの家庭や生活で抱えるもやもやと苦しみ、そしてそれらを分かち合う仲間と友情を描く。彼らを見ていると、自分の小学生時代を思い出す。仲良し三人組で、「探偵団」を名乗り、電車の高架下の資>>続きを読む

零落(2023年製作の映画)

3.6

原作未読で鑑賞。長期連載漫画の執筆を終え、次回作が浮かばず、停滞、凋落といった状況に加え、周囲に悪態をついて関係を断然していくことで、鬱屈を抱えながら孤立していく漫画家を描く。どうしょうもないクズな男>>続きを読む

14歳の栞(2021年製作の映画)

3.6

実在するというかホントの中学2年生のクラスとその一人一人を追いかけたドキュメンタリー映画。特別いいクラスでもなく、悪いクラスでもなく、不登校の子もいて、そのまま追いかけて取り上げていてリアルさがある。>>続きを読む

ロストケア(2023年製作の映画)

3.9

42人もの老人を殺めた介護士とその罪を追う検事の物語。認知症の老人を家族の苦しみに焦点を当てる。それぞれの倫理観に迫る厳しい問いを投げ掛けてくる。中年の曲がり角を越え、親の老いに向き合う立場でもあり、>>続きを読む

The Son/息子(2022年製作の映画)

3.7

本作が問いかけるものはあまりに厳しい。とりわけ、父親としての役割や責任について強く考えさせられる。父への大きい期待を裏切られることで受けた子供の傷みの深さは計りしれない。どんな傷みも与えた側は無頓着だ>>続きを読む

死体の人(2022年製作の映画)

3.9

作品の感じからチョイス。そして唐田えりかが出てることも理由の大きな一つであることを否定しない。生と死、好きなことを続ける難しさと尊さ、親への愛、子への愛、と色んな要素がこれでもかと詰め込まれている。強>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.6

庵野秀明監督作てことで鑑賞。仮面ライダーをよく見てた訳ではないので、本来の仮面ライダーのテイストがどこまで残されているのか、どの程度「シン」なのかは分からない。一方で庵野さんらしさは随所に感じられた。>>続きを読む

赦し(2022年製作の映画)

3.3

予告そしてフライヤーの女性、加害少女役の松浦りょうの表情が気になり鑑賞。同級生の少女の命を奪った罪で7年もの間服役している少女の再審の行方とともに、少しずつ積み上げられていた被害者遺族の平穏が軋んでい>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.6

本作はスピルバーグの自伝的作品という。夢と希望に溢れたキラキラした世界というよりは、家族間の葛藤や、しょっぱい青年時代のエピソードが紡がれていたのは、意外な展開でもあった。でもそれらから伝わってくるの>>続きを読む