まささんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

まさ

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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

3.5

男手一人で幼子を育てた余命わずかな父の残された日々を描く。里親探しの日々と父子二人の時間を淡々と描いていく。緩やかに時が流れ、胸に強く迫り来るというほどのものはないものの、父の気持ちに思いを馳せると、>>続きを読む

オットーという男(2022年製作の映画)

3.9

少し予想はしていたものの、それ以上に涙腺は崩壊してしまった。街の細かいルールにうるさくて、口悪い頑固親父オットー。最愛の妻を失くした喪失とともに紐解かれていく二人の育んだ愛の温かさに既に涙腺は緩む。そ>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

3.9

Winny のことは知ってた。当時、職場でだったか、自分のパソコンに入れるな、使うな、削除しろ、みたいなことを言われたような気がする。そんなこともあって、Winny というプログラムになんとなくダーク>>続きを読む

茶飲友達(2022年製作の映画)

3.8

作品への興味と休館する映画館に今一度足を運んでおきたいとの気持ちから鑑賞。高齢者をターゲットにした売春クラブを舞台に、この社会にあるあちこちの孤独、寂しさが映し出される。ギャンブルや盗癖への依存、困窮>>続きを読む

すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

3.4

安楽死を選択した父と、その決断に戸惑いながらも手助けをする娘を描く。老年の親を持ち、中年を迎えた自分にとっては、親の老いとどのように向き合うか、そして自分の老いをどのように迎えるかを考えさせられる。で>>続きを読む

ひとりぼっちじゃない(2023年製作の映画)

3.4

予告編を見てなんとなくチョイス。想像以上に不思議な世界観が繰り広げられていた。コミュニケーション不全の生きづらさと、その先にある妄想。それらが恋愛や欲情と絡み合い、深くて怪奇的な沼に入っていく。はっき>>続きを読む

ICE ふたりのプログラム(2018年製作の映画)

3.7

ロシア映画だということで、抵抗が全くなかったと言えば嘘になる。時間にあう作品を見渡して、興味を持てた作品を素直に見ようと思い、鑑賞。急に演者が歌い出し、ミュージカル要素が盛り込まれた作品であることに気>>続きを読む

エッフェル塔~創造者の愛~(2021年製作の映画)

3.5

史実に基づくストーリー、らしい。パリ万博のシンボルとして建設されたエッフェル塔にまつわる愛の物語。興味すらなかったコンペに手を挙げたギュスターヴの胸の内にあったアドリエンヌへの想い。一筋縄ではいかない>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.9

もちろん知ってはいるが、アニメはほとんど見てないが、とにかくいい、アニメ見てなくても楽しめるという話を聞いて、時間もできたこともあり、鑑賞してみた次第。映画館に足を運ぶ選択をした俺を誉めてやりたい。す>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

3.9

今泉作品であり、有村架純が主演とくれば、見ない選択肢はない。そしてその選択は大正解。優しさと温かさがいっぱいの作品だった。有村架純演じるちひろさんの素直さと温かさ、そして芯の強さがなんとも素敵で格好い>>続きを読む

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.7

卒業と同時に廃校となる高校生それぞれの卒業前日から当日を描く群像劇。卒業を控えたそれぞれの恋心がなんとも切ない。それでも、新しい世界への一歩を踏み出す光を感じさせるところに若さ、青春を感じる。河合優実>>続きを読む

ワース 命の値段(2019年製作の映画)

3.4

9.11のアメリカでのテロ犠牲者への補償対応の責任者として臨んだ一人の弁護士の実話に基づく物語。命の価値を決めるという困難な課題にいかに立ち向かうかを追いかける。どんな人の命も尊い、というのは理想だが>>続きを読む

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.7

海辺の古めかしい映画館を舞台に、ベテラン女性スタッフとアルバイト男性スタッフそれぞれの生き様と心の交流を通して、人生を問い掛ける作品。社会の不条理や生きづらさ、苦しさや諦めに溢れている日々。その中でい>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

3.6

刑事と被疑者という一線を越えてはいけない男女の秘められた愛を、サスペンスチックにかつ官能的に描く。終始煙にまかれた互いの気持ちと、それに呼応するかのような、暗喩的な表現が散りばめられた演出。分かりにく>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.6

音楽に自分の出し得るすべての力を捧げた青春ストーリー。若者3人のそれぞれの熱い思いもいいが、どうもおじさんは、彼らを見守る大人たちの情深さに目が行って、涙腺が緩む。CGはともかくとして、音楽は素晴らし>>続きを読む

愚か者のブルース(2022年製作の映画)

3.7

広島のストリップ劇場を舞台に、場末の劇場館長と、大ヒットの初作と大コケの2作目以降メガホンをとらずにピンサロ嬢のヒモに成り下がっている映画監督の男2人の物語。夢を追いかけるロマンと現実、栄光と孤独を人>>続きを読む

シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)

3.5

テレビドラマをしっかり見ていたわけではないが、池井戸作品はなんとなく好きなので見ておこうと。池井戸作品に求めるものって、金の世界の裏にあるスリル感たっぷりのカラクリの面白さと勧善懲悪的なところだろうか>>続きを読む

ぬけろ、メビウス!!(2022年製作の映画)

3.6

これまでなんとなく生きてきた契約社員女子の生き直しストーリー。流されて生きてるなと思うことも、ステレオタイプなチョイスをしてると思うこともある。まいっか、仕方ないよな、と呟くことなんてしょっちゅう。そ>>続きを読む

対峙(2021年製作の映画)

3.8

高校での銃乱射事件の加害者と被害者双方の両親による対話劇。それぞれの語りから滲み出るそれぞれの癒えない傷と喪失。被害者遺族と加害者遺族という対立的な立場にある両者が、それぞれのやり場のない怒りや苦しみ>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.6

サイレント映画からトーキー映画へと時代が移る映画界を舞台に、表舞台の華やかさと、舞台裏の狂おしさ、そして栄枯盛衰の激しい有り様をマッドな雰囲気たっぷりに描く。3時間の長時間を激しく、そして見事に駆け抜>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.6

長距離寝台列車で一人旅する女性のロードムービー。手放したい日常を忘れさせる出会いが旅にはつきものだ。見ていると自分の何十年も前のバックパックの旅の思い出がよみがえる。俺も旅の目的はああったような気もす>>続きを読む

銀平町シネマブルース(2022年製作の映画)

3.6

映画っていいもんだ。映画を作る人、演じる人、上映する人、そして見る人。そんな映画に関わる多くの人たちの愛と熱を感じる。映画に生活を豊かにする力はないかもしれないが、色んな人の心を豊かにすることは間違い>>続きを読む

生きててごめんなさい(2023年製作の映画)

3.6

不器用な男と女の恋愛模様。人は皆それぞれに不器用だ。割れ鍋に綴じ蓋、と昔から言うが、世の中そんな組み合わせばかりなのかもしれない。そして人は移ろいやすい。昨日まで愛おしく思えた恋人の仕草が、鬱陶しく思>>続きを読む

#マンホール(2023年製作の映画)

3.5

会社の同僚が主催した結婚式前夜のパーティーの帰りにマンホールに落ちてしまったエリート営業マン。穴から出ようと必死に次々と繰り出される策略で見える、ネットの裏に広がる闇の世界。そして、それらを操る者たち>>続きを読む

エゴイスト(2023年製作の映画)

3.4

予告編で気になっていて鑑賞。同性愛を起点にしながら、広く、そして深い形で愛について描写し、愛について考えさせられる。予告編にいい意味で騙された感じ。テーマとしてはとてもいいのだが…、どうも終始カメラワ>>続きを読む

金の国 水の国(2023年製作の映画)

3.6

予告編を観て少し気には留めていたものの、観て大ケガをする姿を想像して敬遠。それでも鑑賞後の満足感を述べるレビューを目にして、最初の自分の好奇心を信じて鑑賞。信じたお陰で満足感を得る。隣り合う敵国同士の>>続きを読む

スクロール(2023年製作の映画)

3.6

それぞれにどこか薄暗さを抱える若者たちが主人公。不思議な雰囲気を帯びる幻想チックな冒頭劇に、その後もタイトルが付されたチャプター仕立てで、視点が切り変わっていくところなど、文学的な雰囲気が大切にされて>>続きを読む

レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

3.6

約3時間の長編作ではあるが、人柄や背景をたっぷりと描いていて、満足感を得ることができた。歴史物ではあるが、むしろ「日の本一」気の強い男女の夫婦のラブストーリーという印象が強い。新鮮な信長像に加え、本能>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.6

内戦下にある本島から離れた静かな田舎の孤島を舞台にしたおとぎ話のような作品。昨日まで仲良しだった関係から、些細なことをきっかけに互いを憎しみ合い、やがて争いを止められなくなる。そんな人々の負の側面を映>>続きを読む

グッドバイ、バッドマガジンズ(2022年製作の映画)

3.5

新人女性編集者の奮闘ぶりを通して、エロ雑誌の斜陽を描く。エロ雑誌制作のカオスな舞台裏にも、読ませる誌面作りの矜持があるところがいい。さらには、エロとは、セックスとは、といった哲学的な雰囲気もまぶされて>>続きを読む

あつい胸さわぎ(2023年製作の映画)

4.0

主題歌を聴きながらレビューに向かうのは久々だ。そしてちょっと思い出して涙を浮かべている自分がいる。泣ける映画とは思ってなかったから、不意を突かれて余計に涙腺が崩壊してしまった。女子大生の千夏が、恋に、>>続きを読む

私の知らないあなたについて(2022年製作の映画)

-

不覚にも冒頭に微睡むという失態。なんとかストーリーは途中から追えたものの、どこかやもや感が。この違和感が主人公の不思議ちゃんなキャラクターによるものか、冒頭の見落としからなのか、分からないままに終幕。>>続きを読む

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

3.5

ドイツがユダヤ人の大量虐殺を決めた会議の一部始終を描く。会議を再現的に描いた、ただそれだけの作品ではあるが、その淡々とした雰囲気がかえって恐ろしい。なんとも残酷な内容が議題となっているが、出席者のそれ>>続きを読む

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.7

予告編に見た少年の目の輝きに惹かれて鑑賞。映画監督の幼少期を描いた作品と聞く。なるほど、幼少期の溢れる好奇心を思い出させるノスタルジーと、映画の持つ魅力をたっぷり感じさせてくれた。子供時代の好奇心って>>続きを読む

パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

3.9

予告編で気になってチョイス。とにかくドラテクシーンがカッコいい。これ多分俺が運転ヘタクソ、いや、できないヘタレなおっさんやから余計に思うのかもやけど、きっとそれだけじゃないはず。スピード感のあるドライ>>続きを読む

世界は僕らに気づかない(2022年製作の映画)

3.8

フィリピン人のシングルマザーに育てられた男子高校生を主人公に、家族やパートナーとの様々な愛の形と揺らぎを描く。愛したい、愛されたい間柄であればこそ、不意の一言など、ちょっとしたことが関係のこじれを招い>>続きを読む