DWさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

4.5

■徹底してドライで省略の極みような映像/描写、犯行の場面ですら淡々と描かれる。
オルガにとって世界は、このような“無機物”に見えていたのだと思う。

オルガの感情や内面を読むのは難しい。
彼女は世界を
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愛しのアイリーン(2018年製作の映画)

5.0

■映画の神様がいるならこれと『岬の兄妹』は地獄行きにするはず。

泣いたり笑ったり恥ずかしかったり正視できなかったり…。観ているこっちがぐちゃぐちゃになりました。

すばらしき世界(2021年製作の映画)

-

■点数が付けられない映画。

ヤクザの姐さんの「すっかり人間もおらんように…」というセリフ。これは(心を持った)人間が世界からいなくなった、という意味だと解釈しました。でも、この映画には“人間”がたく
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ふたりの人魚(2000年製作の映画)

4.0

■夢のようなプロット。
物語の中で物語を生成する、淡い迷宮。

時々挿入される電子ノイズ/ビート×中国歌謡が異常なくらいカッコいい。

日日是好日(2018年製作の映画)

3.5

■日常の中ですべり落ちていくもの。
それに偶然目が留まったり、知らずに一日を終えたり、それが大事なことだったとずっと後になって気づいたり。
上手く言えないけど、そんなことを思いました。雨の音が良かった
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クレマチスの窓辺(2020年製作の映画)

4.0

■四日目と六日目の衣装がめちゃくちゃ綺麗。
四日目と六日目の衣装がめちゃくちゃ綺麗❗

映画は…妙に散漫な感じで(でもそれがいつの間にかクセになって)、日常の中の人と人との結び付きやほつれ、少し怖くな
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青空娘(1957年製作の映画)

3.5

■50年代東京、若尾文子、ボルドー色のスカート。

女中のヤエさんと、(若尾文子に)ケンカに負かされてすぐに懐く弟が好き。

夕方のおともだち(2022年製作の映画)

4.0

■原作のマンガが超ド級の名作なので観るのをためらっていたけど映画も凄く良かった。

SMの話なので受け入れがたい人もいるだろうし、「なに言ってんの?」と言われるかもだけど、この映画のすべての台詞は、愛
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セバーグ/セバーグ 素顔の彼女(2019年製作の映画)

4.5

■ブラックパンサー党との関与からFBIに盗聴され、徐々に壊れていくジーン・セバーグ。憧れの女優さんなので、観るのが辛くて三回くらい止めました。

60~70年代の男たちの“大義ある仕事”(皮肉です)が
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.0

■おとぎ話みたいな世界❗
ピンクを基調にしたホテルの色使い、装飾、ドイツのロケ地の景色がポップで可愛くてずっと観ていられる、人の動きまで可愛い(笑)

純粋なミステリーを求める人には少しパンチが足りな
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殺人の告白(2012年製作の映画)

3.5

■もっと人の心の暗い部分をえぐる暗澹系かと思ってたら結構なエンタメだった。
サスペンス×アクション×コメディ。もう韓国がド派手にアクションやる時って、「打倒ハリウッド」の気合いで作ってる気がする😅
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シャドウプレイ 完全版(2018年製作の映画)

5.0

■最高。巨大システムの中で踊り、荒れ狂う人々/人間模様。
あと50回観てもこの映画の構造が理解できない気がする(笑)サスペンスとかミステリーとかのジャンル分けが不可能。

原題の『風中有朶雨做的云』は
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小公女(2017年製作の映画)

4.5

■とても普遍的なテーマが含まれているので大事に、大事に観ました。

お金がないのに何かに手が届きそうなミソさんと、持ってるのに何かを失っていきそうな人たちの境界線ってどこにあるんだろう、と思いました。
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犬猿(2017年製作の映画)

4.0

■この監督、大好き。
キャラの造形からストーリー展開~暗転までずっと面白くて目が離せない💡

お姉ちゃんみたいなマジメな人には新井浩文さんみたいなめちゃくちゃな男が似合うのに。ベビースターチキンチャー
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ファーザーズ・デイ/野獣のはらわた(2011年製作の映画)

3.5

■ソニック・ユースの「Death Valley '69」のPVを98分間ずっと観てるような感覚。
アメリカB級カルチャーのポップなところ、ゲスいところ、ダルいところ、全部出てる。

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

4.5

■ずっと、こんな映画が、観たかった。

「今から銀河をぶっ壊しに行く」🚀
死に際にこんなセリフ言ってみたい。

非常宣言(2020年製作の映画)

3.5

■上空にイ・ビョンホン、地上にソン・ガンホを配してのスカイパニック。これで面白くなかったら誰かが責任を取った方がいいと思います(笑)

終盤の乗客たちの“決断”のくだりで評価が割れそう。自分は「それま
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ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

4.5

■サクッと観れるのに超ヘヴィ。サイコパス×オタクの二等品の恋愛。両方にフルスイングしてる所が凄い。

森田剛さんの壮絶な演技に👏でもこれ絶対に途中で観れなくなる人いると思う。

フランス組曲(2015年製作の映画)

3.5

■壮大な恋愛ものはたいてい途中で離脱するのだけど、この作品は占領下の町の人たちの複雑な人間模様や、中盤からサスペンス要素も加わってきてかなり面白かった。ブルーノ中尉の感情を抑えた演技が(彼の立場を想像>>続きを読む

狂気の愛(1985年製作の映画)

4.5

■冒頭のミッキーマウス強盗から終始ハイテンションな展開。
すぐ殴る、銃を撃つ、燃やす、いきなり脱ぐ。その間に挿入される哲学的なセリフとダンスミュージック。
めちゃくちゃ過ぎて映画の歴史にイタズラを仕掛
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ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

4.0

■もっと単純な話かと思ってたけど、諸々の感情、入り乱れる。。。

定石通りの展開/キャラに少しイラッとする人もいるだろうけど、初めてのデート?の音楽や図書館での読み聞かせ、ダイビングの景色、クラリオン
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ヤングガン2(1990年製作の映画)

4.0

■インストの音楽がめちゃくちゃカッコいい。子どもの頃に観た映画で音楽が印象に残ってるのは(タイプは全然違うけど)これと『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』❗

西部アウトローたちの友情と裏切
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.0

■レクター博士が強烈すぎて途中から犯人がどうでもよろしくなる映画。

あと主演のジョディ・フォスターにほとんどの男が女性蔑視/性的な視線を向けているのに対して、レクター博士だけがそうでない。この映画で
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モア(1969年製作の映画)

4.0

■ミムジー・ファーマー、二作目。イビサ島でひたすらヘロイン打つお話。

似たような映画で思い浮かぶのは『ギターはもう聞こえない』だけど、あそこまで痛切な感じはなく、60年代のファッションやイビサ島の風
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渚の果てにこの愛を(1969年製作の映画)

4.5

■砂漠の街での不条理恋愛サスペンス。少しジェーン・バーキンの『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』っぽい。古い映画だけどファッションも含めてオシャレ❗

伝説の女優といわれてるミムジー・ファーマーを初め
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女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)

4.0

■後半、怒濤のミステリー展開、ぜんぜんタイトル負けしてない❗ちょっとコメディも入ってる(笑)

オートアサシノフィリアとか解離性同一障害とか予知能力とか、、、初期の黒沢清監督の作品にありそう。あったら
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.0

■美しく残酷、目の保養。
この倒錯した愛の形(特にアルマの心情)は女性の方がよく理解できるのでは。

終盤のあの展開は自分の予想とは違いました。僕はあれを食べるのはアルマの方だと思ってたので。こういう
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マッチスティック・メン(2003年製作の映画)

4.0

■ジャケの女の子がスケボー持ってたから何となく観始めたけど、終盤どんでん返し系だった❗
楽しい/可愛い/かわいそう💦でも結局ハートウォーミング。ストーリー上手くまとめてるなあと思ったら、監督『ハウス・
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優しき罪人(2018年製作の映画)

4.5

■俳優さんたちの演技に加えて、構図、さりげない色使い等が素晴らしく、近年韓国映画の佳作だと思います。

肝心な部分をあえて省略して、そこは観る人の判断に委ねるというテクを駆使しまくっているので、主人公
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ちいさな独裁者(2017年製作の映画)

4.0

■どんどん人の心が無くなっていく(笑)
エンドロールが見もの。人のズルさや醜さっていつの時代も通用してしまうのかな…。

シリアスとブラックユーモアが行ったり来たり。臆病者が調子に乗っていくさまはかな
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鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)

4.0

■決して来ない相手のために用意した二人分のテーブル…これは評価が割れると思う。

深読みかもしれないけど、ヴァージルはそれが“贋作”だと分かっていながら、あえてそれを信じたのでは?

僕はこの映画を、
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多日想果(2019年製作の映画)

3.0

■話はベタだけど店番で温麺作ってるシーンほろっとなる🍜台湾行ってみたい。
主人公が使ってるカメラはロシアのLOMO❔