松タケ子さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

こちらあみ子(2022年製作の映画)

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あみ子はなんにも悪いことしてない。ただあみ子らしくしぜんに生きているだけである。実際にはあみ子が娘だったり継子だったり妹だったりクラスメイトだったら困るだろう。無視したり殴ったり捨てたりするかもしれな>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

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デヴィッドバーン現在70歳、そんなに歌が上手いわけじゃないし何なら少し変な声だとずっと思ってる。でも曲を少し聞くだけでわかる。ヤバいアーティストだってね。ART-ISTだよ。気がついたら泣いてた。アメ>>続きを読む

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

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面白かったな。全然面白くないけど。女だから、怒らないから、シングルマザーだから、上級国民じゃないから、公営住宅に住んでるから、パートだから、風俗嬢だから、淋しい寡婦だから。田中良子を形成する全ての要素>>続きを読む

千年女優(2001年製作の映画)

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強烈な恋愛に人生を掻き乱されたことのある人ならば叶わない恋がどれほど苦しく甘美なものか分かるはず。人生の果てに女優が呟く最後の言葉は震えるぐらい真実でとてもシンプル。千年女優というタイトルの素敵なこと>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

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ほとんどダニエルグレイグが印象に残ってない前作よりだいぶ面白かったな。緻密な綿密なミステリーというわけでもないが、これくらい気楽に見られるエンタメが丁度いい。色気を全面に押し出さないダニエルおじさんも>>続きを読む

恋するけだもの(2020年製作の映画)

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恋のクレイジーロードと混同してたことを見終わってから気づいた。オープニング10分ぐらいが面白かったな。

しとやかな獣(1962年製作の映画)

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この若尾文子の役、女優ならば誰もが演じてみたい役なのでは。いや女ならば誰でも、心の底ではこんな女に憧れてしまうはず。優しくて賢くて包容力抜群の東洋一の美女、だけど下賤で軽薄で残酷で絶対に誰も信用したり>>続きを読む

過去のない男(2002年製作の映画)

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ささくれだった心になんというsoothe効果。相変わらず器用な人は一人も出てこないんだよな。みんな無表情で不器用でおかしくて優しい。元妻にお別れをするシーン好きだな。カティオウティネンお姉さんがデート>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

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似たような話だとは思ったが映画版のザ・ファブルより全然おもしろかったなー。新年一発目の映画がこれってどうなんかなと思いながら見たけど(失礼)、女の子が二人ともかわいくて楽しい。

カンゾー先生(1998年製作の映画)

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きっと安吾の肝臓先生とは全然違う話なんだろうな(読んでない)。ストーリーは正直そんなに面白くなかったんだけど、登場人物たちは素敵。麻生久美子のまだヘタな演技とあどけないけど図太い存在感はとっても良かっ>>続きを読む

カーリー・スー(1991年製作の映画)

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子供の頃(30年ぐらい前)父にこれおもしろいよって言われて金ローかなんかで見て、クリスマスっぽい記憶だったけど違ってた。ホームアローンでもコレでも当時の自分にはアメリカの富裕層が住んでる巨大な家やアパ>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.1

メチャクチャよかったな...。
スラムダンク世代だし好きなキャラはいるけど原作最後まで読んだことない(夫の強い希望で鑑賞)。スポーツの勝ち負けに興味が無く、集中して試合を見守ることができないわたしはタ
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

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ヴィルヌーヴ版DUNEを見て、このドキュメンタリーでホドロフスキーが語る未完成の映画のほうが百倍面白かったな...と思ったんだった。転職してまったくアートや狂気に触れない毎日になった今ホドロフスキーの>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

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私をボコボコにする映画こそを私は求めているようなのでマゾなんだと思う。だってこれはとてもつらくてせつない映画。人間の悲しい諸行無常の性。自分の口から出た、相手を一番傷つけることばに自分自身がより傷つい>>続きを読む

グレイマン(2022年製作の映画)

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たまにはこういう情緒も頭脳も一切使わないで済む映画がいいよね。まったく中身もないし、ただ楽しかったな。何よりララランドで冷めて以来メチャクチャ久しぶりにライアンゴズリングがかっこいいという気持ちを思い>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

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時間というものは現実では一方向にしか流れておらず、一秒前にだって戻れない。それを逆にしてくるこの手の映画に私はいとも容易くボコボコにされる。あの時あんなに好きだった人といまは一緒にいないこと。いまべつ>>続きを読む

イカとクジラ(2005年製作の映画)

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こわれてしまった夫婦や家族を描いた作品はいっぱいあるが、なぜ人はそんなツラいものを見るのか?それはツラくて痛くて直視したくない過去の傷をライトなタッチを装ってえぐってくる。今回もなんのために見たのかよ>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

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チンピラやヤンキーは現代でもまだいる。でもヤクザはいなくなってしまった。自分が子供の頃はまだそこらへんにいたのに。犯罪者とか反社とか、カテゴリーが微妙に変わりながらそれっぽいものは残っても、古き良き(>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

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おもしろくないわけじゃないし所々笑えるんだけど、とくにハマらなかったな、、、PTA作品の熱心なファンな訳でもないし、どちらかといえば苦手なのかもしれないと今日思いました、、、
息子もいいけど、フィリッ
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浮雲(1955年製作の映画)

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この映画のスゴさに10年前気づけなかったのは年齢や経験が足りていなかったからなのか?
森雅之みたいなナチュラルボーン自己中には一番近づいちゃダメなのに、どうしても惹かれてしまうクズで気弱な魅力。美人な
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

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王道ヒーロー俺が主役タイプのトムクルーズがちょっと苦手です。脇役やってるときはけっこう好き。前作はタケ子史上最高にキモいキスシーン賞を受賞しているが、今回は還暦前のおじさんのピロートーク場面で善戦して>>続きを読む

天使の涙(1995年製作の映画)

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ウォンカーウァイの映画の中でも一番ぐらいに好き。わたしが香港映画を好きなのはその三枚目感なんだと思う。格好良さと情けなさの絶妙な配分。絶対に他の国の映画では醸し出せない蒸し暑い何か。その時代、場所、配>>続きを読む

40歳の童貞男(2005年製作の映画)

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マネーショートを見てスティーヴカレルのおかわりがしたくなった。ブチ切れたり困ったりして一生懸命な彼を見るとなぜか心安らぐ。ガチめな宗教ビデオみたいなエンディングがいい。

マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

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空売りが何なのか調べてもふんわりとしか理解できず、劇中みんなが話してる内容もまたふんわりしている。残念なわしの頭よ。
ケネディ大統領の父親も大恐慌の予兆に気づいたことで莫大な資産を築いたというが...
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

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面白い小説の映画化は高確率でつまんなくなりがちだが、珍しくその例外。水原希子、演技クソだと勝手に思い込んでましたが(失礼)、良かったな。原作も映画も、女子同士の、または生まれた場所や経済レベルの分断を>>続きを読む

三姉妹(2020年製作の映画)

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ムンソリさんが私と同じ三姉妹の次女をやっているので結構期待して見た。きょうだいの有無や生まれた順番が性格に影響を及ぼすのは間違いないだろう。自分は中間子なのでこんなにひねくれて育ったんだとバチバチに感>>続きを読む

マイ・ブルーベリー・ナイツ(2007年製作の映画)

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ジュードロウがゲーハー界のハンサムになる前。世界有数のロマンチスト・ウォンカーウァイにかかるとニューヨークの片隅も香港の色彩になり、赤いライトに照らされたレイチェルワイズは何故かコンリーに見えるんだな>>続きを読む

君が君で君だ(2018年製作の映画)

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ストーリーはそこまでノレなかったんだけどひとりひとりのキャラがよくて。どういう風に人を好きになるかなんてみんなちがうわけで。向井理は三枚目とか社会的に駄目な男を演じると本領発揮するなー。

くれなずめ(2021年製作の映画)

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エンディングのウルフルズの歌詞がとても心に沁みた。でも劇中わたしの頭の中にはなぜかオザケンのこの歌詞が終始回っていた。
やがてぼくらがすごした時間や
呼びかわしあった名前など
いつか遠くへ飛び去る
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ニキータ(1990年製作の映画)

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リュックベッソンのどれも似たようなモチーフの作品の中でわたしはこれがぶっちぎりで好きだな。クズで犯罪者でひとりぼっちのニキータ。優しさだけが取り柄の彼氏の、優しさの威力。似たようなストーリーばっかり撮>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

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昔の記憶のような、どこか夢の中のような白黒。この不思議な消炎作用でクソで不寛容な世界に優しいフィルターをかけてくれるよう。大人になるとぼんやりとしか思い出せなくなる、もしくは全部忘れてしまう瑣末で大切>>続きを読む

フェアウェル(2019年製作の映画)

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自分は一日中メメントモリしちゃうこじらせ中年なので心に残る映画となりました。亡くなったあとになってあれが最後の別れだったと思うのと、亡くなる前にこれが今生のお別れなんだと思うのとは当たり前だけど全然違>>続きを読む

不死鳥(1947年製作の映画)

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明らかに中年の田中絹代さんとピチピチイケメン佐田啓二のラブストーリー、昔の映画の強引な年齢設定いいよね。おぼこい女学生のくせに何もかも知り尽くしてるような凄みがあるもんね。たまに人殺しそうな目をする田>>続きを読む

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

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お祭り騒ぎ、楽しかったな、、、!石畳の古い街の、精神病院の無邪気な面々(幼児なおじいちゃんとか)。シックでかつギンギンな衣装とかさぁ。見逃さなくてよかった。

バタアシ金魚(1990年製作の映画)

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好きな娘のホルモンバランスを狂わせ過食に走らせる気持ち悪い筒井道隆の、暴走する純愛。昔ってこんな感じで気軽に人んちで飯食ってたな、、、。ワンレンロングを頭頂部でポニーテールにする高岡早紀がカワイー。浅>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

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静かな映画。心の中は嵐と炎。この映画の感想を書くことは無理そうなので諦める。この言語化できない余韻を求めていつも映画を見ている。