通夜の夜はあんなに息巻いていた連中も、結局は元のもくあみ…。「七人の侍」のラストもそうだが、この批評性は黒澤作品の通底概念である。美談続きを敢えて避けるため、通夜の場面を挟んだ脚本家 橋本忍の構成の見>>続きを読む
オフィス、ビル街、ネオンサイン、ビジネスガール、野球のナイター、ゴルフの練習場、バーの看板、小料理屋…。当時は相当に都会的なアイテムだったのだろう。置いてある物やその色の配色など、4Kデジタル修復によ>>続きを読む
いかにも中島哲也監督らしい作品。終盤は若干こじつけ的なストーリーだったが、それなりに楽しめた。
このレビューはネタバレを含みます
深夜のテレビで観で以来、久しぶりに鑑賞。いい作品だなぁと思った記憶があり、今回改めて観たが、やはり自分好みの素晴らしい作品だった。
途中で主人公の死をさりげなく明らかにする構成が良く、そこからは物語が>>続きを読む
西部劇マナーを借りた食に関するコメディ映画。ラーメン屋の再建話が軸になってはいるが、食に関するオムニバスストーリーである。かなり批判を込めた諧謔的な視点で脚本が書かれているのは、さすが食に関しても一過>>続きを読む
誰もこんな事思いつかないし、思いついたとしてもそれを映画になんか出来ない…。フェデリコ・フェリーニは、自分の頭の中をそのまま映像化出来る、天賦の才を持っていた監督だったんですね。
バカラック追悼の意を込めて久しぶりに鑑賞。自転車のシーンは何度観てもいい感じ。
オフビートなバディ物はたくさんあるけど、当時この作品は相当早かった。ジョージ・ロイ・ヒルの手腕に改めて感服。
役所広司がこんなアパートに住んでいると何か刃傷沙汰でも起きるのでは(from「素晴らしき世界」)と思うのだが(笑)、ジャームッシュの「パターソン」と同じく特に何も起きない。例えば映画の中で鳴る電話は何>>続きを読む
クリスマスという事もあり、教授追悼の意味も込めて年内に久しぶりに鑑賞。いつもより増して音楽がしみます。
だいぶ忘れていたり、「御法度」とごっちゃになっているとこもあったりで、思ったより新鮮に観れた。>>続きを読む
樹木希林の若い頃を内田也哉子が演じるというナイスなアイデアが生きた作品。
どうしても実際の樹木希林の死に方と被ってしまうが、全く違うのが真実だろう。
至極当たり前なのだが、親との別離は誰にでもやって>>続きを読む
当時の大ベストセラーの映画化。映画も大ヒットした。公開時以来久しぶりに観たが、今とはなってはかなり古さを感じさせる、単なる特撮映画だという感想は否めないなぁ。それにしても俳優が皆んな若いこと!そして外>>続きを読む
「ローマの休日」を変名で書いた、「ハリウッド・テン」のひとりダルトン・トランボの存在は、以前からドキュメンタリー番組などで知っていたが、こうして役者が演じるドラマになるとまた格別だ。
マッカーシズム全>>続きを読む
女優を育てることに定評のある浦山桐郎の監督第二作。デビュー作『キューポラのある街』の吉永小百合に続いて起用したのは和泉雅子。彼女はこの作品てさまざまな映画賞を総なめにした。(そして三作目『私が棄てた女>>続きを読む
山村聰と上原謙が親子役と聞いて、年齢的に違和感があったので、調べてみたらなんと上原謙の方がひとつ年上だった!
そんな事は微塵も感じさせない、山村聰の老け役に感服。(この当時40代中頃)
老いへの不安と>>続きを読む
無法松と並ぶ、阪妻一世一代の名演。ある意味、出世物語なのでエンタメ的にも優れた作品である。
娘の諌言シーンが見事。将棋大会の参加者名簿に自分の名前を書くところも、主人公のキャラクターを一発で表す演出。>>続きを読む
昔観た時の印象よりも、イーニドとレベッカが子どもに見えるのは、それだけこっちが歳をとったせいか。20年以上も前の映画だもんね。シーモアやイーニドのお父さんの方に感情移入したりしてる自分がいる。
しか>>続きを読む
オリジナル完全版というと、こっちがオリジナルかと思うが、オリジナルはイヴ・モンタン主演の1953年のフランス映画で、こっちは1977年にリメイクされたアメリカ映画。30分カットされたやつでは無いという>>続きを読む
そもそも米英独愛合作映画であり、ロシア人もドイツ人もみんな英語で会話している不思議な作品である。(撃たれて「ガッデム!」なんて言ってる)
しかもこんな美人の女性が部隊にいるなんて、現実にはあり得ない>>続きを読む
ノーマンがピアノを弾くと、エマが微笑んで歌い出す。音楽が敵味方を超える良いシーンだ。そしてそれも一瞬で吹き飛ばされる戦場の現実。そして新兵ノーマンは徐々に殺人マシンとなっていく。それもまた人間の本性な>>続きを読む
公開時以来の鑑賞。配役の妙や音楽の挿入され方、ポップな演出など、さすがに当時の新鮮さは無く、やや古びた印象は免れない。時代を越える表現はほんとうに難しい。
しかし改めて脚本は嫌いでは無く、不器用な主>>続きを読む
半世紀前の音楽なのに、全く古びていない。いやそれどころか、瑞々しささえ感じるのは何故なんだろうか…。
71年、ロサンジェルスのA&Mスタジオの隣同士で、キャロル・キングの『づつれおり』とジョニ・ミッチ>>続きを読む
この作品を久しぶりに観て、ゴダールはいつだって自由だったんだなあと改めて思った次第。何にも縛られて無いのがゴダールのゴダールたる所以であり、彼が映画芸術に果たした大きな功績なんだろうな。
コメディ作品は経年変化で価値観がゴロリと変わったりして、ストーリー的に厳しくなる場合が多いのだが、手練れの田波靖雄と松木ひろしの脚本がしっかりしていて、半世紀以上の作品でも楽しく観られる。ベトナム戦争>>続きを読む
ゴダールの映画はだいたい男と女が揉めてますなぁ。それに銀行強盗、撃ち合いバンバン、キレイな海と赤と青。それに加えてこの作品はコミカルな演出が好感持てます。
いつかヒッチコックみたいなことやりたいと思ってて、(結果的に)遺作でやったという感じの作品。
ヒッチコック作品をたくさん観てるひとには、序盤から犯人がわかった人も多いのでは無いのかな。
でも結局、>>続きを読む
『タクシードライバー』公開時からのスコセッシ党員としては、新作を堪能出来る幸せを噛み締める日々。齢80を過ぎて3時間半もの大作をものにするこの巨匠の自身のキャリアの中でも、代表作の仲間に入れても良いの>>続きを読む
福岡音楽映画祭の前夜祭上映にて鑑賞。ストーリーとしてはあって無いようなものなのだが、石井監督が音にこだわっただけあって、全編音楽が素晴らしく、映画に対しての音の付け方がパーフェクトだと思った。特に映画>>続きを読む
福岡音楽映画祭にて鑑賞。今後、大画面&大音量で観られるチャンスはほぼないのでは無いか…。
前日に石井岳龍監督の新作『自分革命映画闘争』を観たのだが、台詞をあえて文章で見せる表現手法やスピンショットを多>>続きを読む
福岡音楽映画祭にて鑑賞。街と文化について、とても考えさせられる映像作品だ。一人でも多くの人に観てもらいたい映画だ。
福岡音楽映画祭にて鑑賞。今にして思えば、余命宣告を受けた後、鮎川さんが亡くなる前に2回ほどお会いできた事もあり、とても感情的になってしまって、落涙を禁じ得なかった。
この作品で優しいという事の格好良>>続きを読む
スコセッシの新作「キラーズ・オプ・ザ・フラワームーン』の予習として4K修復版で久しぶりに鑑賞。
デニーロの出世作だが、そのキャスティングが出来た段階でこの作品の成功が約束されていたと言っても過言では無>>続きを読む
抜け出せない若者の破滅願望を描いた作品。これを見ると渋谷が汚れた街にしか見えない。そもそもこんな痛い映画を作る意味がよく分からないし、ストーリー自体もあまり面白いものでは無かったが、ルミ役の佐々木あり>>続きを読む
ビリー・ホリディという人はステージ以外では、泣いてるか怒ってるかしかしてなかったのか。アレサにしても、ティナ・ターナーにしても、才能あるシンガーにはだいたいろくな男が付いてないパターン。
アンドラ・デ>>続きを読む