matsuomidnightさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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どろ犬(1964年製作の映画)

3.8

薬でもなく、ましてや刃物でも無い。殺し方がいささか強引すぎやしないか?

生きる(1952年製作の映画)

4.1

通夜の夜はあんなに息巻いていた連中も、結局は元のもくあみ…。「七人の侍」のラストもそうだが、この批評性は黒澤作品の通底概念である。美談続きを敢えて避けるため、通夜の場面を挟んだ脚本家 橋本忍の構成の見>>続きを読む

秋刀魚の味 デジタル修復版(1962年製作の映画)

4.1

オフィス、ビル街、ネオンサイン、ビジネスガール、野球のナイター、ゴルフの練習場、バーの看板、小料理屋…。当時は相当に都会的なアイテムだったのだろう。置いてある物やその色の配色など、4Kデジタル修復によ>>続きを読む

下妻物語(2004年製作の映画)

3.6

いかにも中島哲也監督らしい作品。終盤は若干こじつけ的なストーリーだったが、それなりに楽しめた。

横道世之介(2013年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

深夜のテレビで観で以来、久しぶりに鑑賞。いい作品だなぁと思った記憶があり、今回改めて観たが、やはり自分好みの素晴らしい作品だった。
途中で主人公の死をさりげなく明らかにする構成が良く、そこからは物語が
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タンポポ(1985年製作の映画)

3.9

西部劇マナーを借りた食に関するコメディ映画。ラーメン屋の再建話が軸になってはいるが、食に関するオムニバスストーリーである。かなり批判を込めた諧謔的な視点で脚本が書かれているのは、さすが食に関しても一過>>続きを読む

フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)

3.8

誰もこんな事思いつかないし、思いついたとしてもそれを映画になんか出来ない…。フェデリコ・フェリーニは、自分の頭の中をそのまま映像化出来る、天賦の才を持っていた監督だったんですね。

明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

3.8

バカラック追悼の意を込めて久しぶりに鑑賞。自転車のシーンは何度観てもいい感じ。

オフビートなバディ物はたくさんあるけど、当時この作品は相当早かった。ジョージ・ロイ・ヒルの手腕に改めて感服。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.9

役所広司がこんなアパートに住んでいると何か刃傷沙汰でも起きるのでは(from「素晴らしき世界」)と思うのだが(笑)、ジャームッシュの「パターソン」と同じく特に何も起きない。例えば映画の中で鳴る電話は何>>続きを読む

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.8

クリスマスという事もあり、教授追悼の意味も込めて年内に久しぶりに鑑賞。いつもより増して音楽がしみます。
だいぶ忘れていたり、「御法度」とごっちゃになっているとこもあったりで、思ったより新鮮に観れた。
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東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2007年製作の映画)

3.7

樹木希林の若い頃を内田也哉子が演じるというナイスなアイデアが生きた作品。
どうしても実際の樹木希林の死に方と被ってしまうが、全く違うのが真実だろう。

至極当たり前なのだが、親との別離は誰にでもやって
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日本沈没(1973年製作の映画)

3.5

当時の大ベストセラーの映画化。映画も大ヒットした。公開時以来久しぶりに観たが、今とはなってはかなり古さを感じさせる、単なる特撮映画だという感想は否めないなぁ。それにしても俳優が皆んな若いこと!そして外>>続きを読む

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年製作の映画)

3.8

「ローマの休日」を変名で書いた、「ハリウッド・テン」のひとりダルトン・トランボの存在は、以前からドキュメンタリー番組などで知っていたが、こうして役者が演じるドラマになるとまた格別だ。
マッカーシズム全
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非行少女(1963年製作の映画)

3.9

女優を育てることに定評のある浦山桐郎の監督第二作。デビュー作『キューポラのある街』の吉永小百合に続いて起用したのは和泉雅子。彼女はこの作品てさまざまな映画賞を総なめにした。(そして三作目『私が棄てた女>>続きを読む

山の音(1954年製作の映画)

3.8

山村聰と上原謙が親子役と聞いて、年齢的に違和感があったので、調べてみたらなんと上原謙の方がひとつ年上だった!
そんな事は微塵も感じさせない、山村聰の老け役に感服。(この当時40代中頃)
老いへの不安と
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王将(1948年製作の映画)

4.0

無法松と並ぶ、阪妻一世一代の名演。ある意味、出世物語なのでエンタメ的にも優れた作品である。
娘の諌言シーンが見事。将棋大会の参加者名簿に自分の名前を書くところも、主人公のキャラクターを一発で表す演出。
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.8

昔観た時の印象よりも、イーニドとレベッカが子どもに見えるのは、それだけこっちが歳をとったせいか。20年以上も前の映画だもんね。シーモアやイーニドのお父さんの方に感情移入したりしてる自分がいる。

しか
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恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

3.6

オリジナル完全版というと、こっちがオリジナルかと思うが、オリジナルはイヴ・モンタン主演の1953年のフランス映画で、こっちは1977年にリメイクされたアメリカ映画。30分カットされたやつでは無いという>>続きを読む

スターリングラード(2000年製作の映画)

3.5

そもそも米英独愛合作映画であり、ロシア人もドイツ人もみんな英語で会話している不思議な作品である。(撃たれて「ガッデム!」なんて言ってる)

しかもこんな美人の女性が部隊にいるなんて、現実にはあり得ない
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フューリー(2014年製作の映画)

3.7

ノーマンがピアノを弾くと、エマが微笑んで歌い出す。音楽が敵味方を超える良いシーンだ。そしてそれも一瞬で吹き飛ばされる戦場の現実。そして新兵ノーマンは徐々に殺人マシンとなっていく。それもまた人間の本性な>>続きを読む

嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)

3.8

公開時以来の鑑賞。配役の妙や音楽の挿入され方、ポップな演出など、さすがに当時の新鮮さは無く、やや古びた印象は免れない。時代を越える表現はほんとうに難しい。

しかし改めて脚本は嫌いでは無く、不器用な主
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キャロル・キング ホーム・アゲイン ライブ・イン・セントラルパーク(2023年製作の映画)

4.0

半世紀前の音楽なのに、全く古びていない。いやそれどころか、瑞々しささえ感じるのは何故なんだろうか…。
71年、ロサンジェルスのA&Mスタジオの隣同士で、キャロル・キングの『づつれおり』とジョニ・ミッチ
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勝手に逃げろ/人生(1980年製作の映画)

3.8

この作品を久しぶりに観て、ゴダールはいつだって自由だったんだなあと改めて思った次第。何にも縛られて無いのがゴダールのゴダールたる所以であり、彼が映画芸術に果たした大きな功績なんだろうな。

カモとねぎ(1968年製作の映画)

3.8

コメディ作品は経年変化で価値観がゴロリと変わったりして、ストーリー的に厳しくなる場合が多いのだが、手練れの田波靖雄と松木ひろしの脚本がしっかりしていて、半世紀以上の作品でも楽しく観られる。ベトナム戦争>>続きを読む

カルメンという名の女(1983年製作の映画)

3.7

ゴダールの映画はだいたい男と女が揉めてますなぁ。それに銀行強盗、撃ち合いバンバン、キレイな海と赤と青。それに加えてこの作品はコミカルな演出が好感持てます。

日曜日が待ち遠しい!(1982年製作の映画)

3.8

いつかヒッチコックみたいなことやりたいと思ってて、(結果的に)遺作でやったという感じの作品。

ヒッチコック作品をたくさん観てるひとには、序盤から犯人がわかった人も多いのでは無いのかな。

でも結局、
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

『タクシードライバー』公開時からのスコセッシ党員としては、新作を堪能出来る幸せを噛み締める日々。齢80を過ぎて3時間半もの大作をものにするこの巨匠の自身のキャリアの中でも、代表作の仲間に入れても良いの>>続きを読む

軽蔑(1963年製作の映画)

3.8

青と赤の映画。BBが美しく輝いてること。ジョルジュ・ドルリューの音楽が素晴らしい。

自分革命映画闘争(2023年製作の映画)

3.8

福岡音楽映画祭の前夜祭上映にて鑑賞。ストーリーとしてはあって無いようなものなのだが、石井監督が音にこだわっただけあって、全編音楽が素晴らしく、映画に対しての音の付け方がパーフェクトだと思った。特に映画>>続きを読む

狂い咲きサンダーロード(1980年製作の映画)

3.9

福岡音楽映画祭にて鑑賞。今後、大画面&大音量で観られるチャンスはほぼないのでは無いか…。
前日に石井岳龍監督の新作『自分革命映画闘争』を観たのだが、台詞をあえて文章で見せる表現手法やスピンショットを多
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アザー・ミュージック(2019年製作の映画)

4.0

福岡音楽映画祭にて鑑賞。街と文化について、とても考えさせられる映像作品だ。一人でも多くの人に観てもらいたい映画だ。

シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~(2023年製作の映画)

4.0

福岡音楽映画祭にて鑑賞。今にして思えば、余命宣告を受けた後、鮎川さんが亡くなる前に2回ほどお会いできた事もあり、とても感情的になってしまって、落涙を禁じ得なかった。

この作品で優しいという事の格好良
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.0

スコセッシの新作「キラーズ・オプ・ザ・フラワームーン』の予習として4K修復版で久しぶりに鑑賞。
デニーロの出世作だが、そのキャスティングが出来た段階でこの作品の成功が約束されていたと言っても過言では無
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ABYSS(2023年製作の映画)

3.4

抜け出せない若者の破滅願望を描いた作品。これを見ると渋谷が汚れた街にしか見えない。そもそもこんな痛い映画を作る意味がよく分からないし、ストーリー自体もあまり面白いものでは無かったが、ルミ役の佐々木あり>>続きを読む

ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ(2021年製作の映画)

3.6

ビリー・ホリディという人はステージ以外では、泣いてるか怒ってるかしかしてなかったのか。アレサにしても、ティナ・ターナーにしても、才能あるシンガーにはだいたいろくな男が付いてないパターン。
アンドラ・デ
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