木葉さんの映画レビュー・感想・評価

木葉

木葉

映画と山が好き。

映画(629)
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.0

極めて繊細な映画。
どこまでも寂しく、切なく、殺伐と閉塞的な世の中で、心の繋がりを求めている人たちの魂の叫びのようにも聞こえた。
救いは、作者の、普通に生きられない、行き場も逃げ場もない若者たちへの眼
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

3.9

偶然の出会いが齎す、一目惚れで始まる恋から突っ走り、恋愛ドラマで盛り上がる要素、障害を全て排除し、主人公の感情の動きのままだけで魅せられる恋愛ドラマはあまりない。
ホラー的な不穏さ音楽で増強される不気
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判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

4.0

二人の男のほんの些細な諍いから発展する、レバノンとパレスチナの問題。二人の裁判はメディア、国、大衆を巻き込み、
映画は多角的に切り、解決の糸口を模索する。
パレスチナ人は国を奪われ居場所をなくした歴史
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追想(2018年製作の映画)

3.7

イアンマキューアンの初夜 を8年前ぐらいに読み、何年も前から映画化されることを知った時から、ずっと楽しみにしていた本作。
つぐない、アムステルダムのイアンマキューアンが自ら脚本も手がけ、原作には収めら
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沖縄スパイ戦史(2018年製作の映画)

4.2

沖縄戦の犠牲者たちの怒り、底知れない闇、憎しみを肌で感じるドキュメンタリーである。
沖縄戦の裏側を証言者の声、残っている写真から、戦争が齎す負の遺産を、一言では済ませられない沖縄の人々の肉声、痛み、心
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.1

私の中でジェレミーレナー史上傑作で、今年ベスト3に食い込む勢いの映画。
ウィンドリバーとは、アメリカの北中西部に現存する先住民保留地のこと。
凍りつくような辺境の地で起こったサスペンスに、ヒューマンド
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

3.7

25年間、信じてきたものが、ある日、嘘だとフィクションだと伝えられる。自分は赤ん坊の時誘拐され、誘拐犯に育てられ、シェルターから一歩も外に出たことはない。そんな彼が毎日楽しみにしてたのが、誘拐犯の父親>>続きを読む

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス(2016年製作の映画)

3.8

キューバ音楽の歴史を人気ミュージシャンを通して紐解くドキュメンタリー。不遇の時代が長く高齢で成功した彼らのサクセスストーリーを追いながら、成功後の人生がどう変わったかに迫っているのも見どころの一つ。>>続きを読む

子どもが教えてくれたこと(2016年製作の映画)

4.1

紛れもなく良作。画面上から優しさや温かさが伝染し、心の奥底にある温かいものが自然に込み上げてくる。
5人の難病を持つ子供たちの等身大の姿を通して、ありのままを受け入れ、生きることの難しさ、命の重さを考
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菊とギロチン(2016年製作の映画)

3.8

菊とギロチンとは、女相撲とアナーキスト集団。戦争に押しつぶされそうになる時代、それに刃向かい強い精神で時代を突破しようとする若者たちが今にダブる。今は政府や国家に立ち向かおうとする人たちはいないけど、>>続きを読む

未来のミライ(2018年製作の映画)

3.0

かまってちゃんの主人公が時空を超えて、家族の歴史を知る。妹が出来たことにより、両親の愛情が妹に根こそぎ持って行かれ、駄々をこね、あの手この手を使って両親の注意を惹き、困らそうとするくうちゃんが未来や過>>続きを読む

それから(2017年製作の映画)

3.8

モノクロの中で、キムミニの表情がいきいき輝いている。
実生活でも不倫を公表し、未だ堂々と愛を貫いているホン・サンスとキムミニの四作目。
一人の男(社長)と愛人、妻、それに巻き込まれる女キムミニ。この男
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告白小説、その結末(2017年製作の映画)

3.6

スランプに陥った小説家と熱心なファン(エル)が親密になり、小説家デルフィーヌはエルに信頼を寄せ依存し、エルはデルフィーヌの弱みに付け込み、立場が逆転していき、サドマゾの関係性には凍りつき、戦慄が走る。>>続きを読む

女と男の観覧車(2017年製作の映画)

3.7

ケイトウィンスレットが、私はこんなはずじゃない、まだまだ幸せになれるはずと本能的に行動し、観ているこちらを苛立せ、痛々しいヒロインを熱演している。
彼女の豊満な肉体、毒女ぶり、何かに依存しながらも、感
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虹色デイズ(2018年製作の映画)

2.8


虹色デイズ試写 。
一度しかない青春をもっと大切にと思わせてくれる青春キラキラ映画。
男性目線で描かれた青春コミックの実写化。イケメンがそれぞれの形でイケイケどんどん、臆することなくアタックしていく
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.0

しっくりこない作品であった。
ギレルモデルトロのパンズラビリンスを当時劇場で観た時から、デルトロにしか作れない世界観でこの人はもっと凄い作品を作るのだろうと思い、それにシェイプオブウォーターは該当する
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万引き家族(2018年製作の映画)

3.9

いびつな家族のかたちを通して倫理観や道徳観を超えた繋がりを突きつけてくる。
市井に生きる人々の苦難をケンローチは優しく、ダルデンヌは鋭く描く。
是枝監督はさらっと。
今までもあくまでも自然に描くから、
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モリのいる場所(2018年製作の映画)

3.7

モリという人の、心、人生の豊かさに、癒され、心安らぐ。
蟻やカマキリ、てんとう虫、草木花、自然と同居し、自宅から殆ど出ない画家の一日を切り取る。
山崎努が熊谷守一をそのまま生き、樹木希林も自然体に連れ
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名もなき野良犬の輪舞(2017年製作の映画)

4.2

抗えない闇に生きる中で一筋の光となる存在に出会えたとしたら。
冒頭のシーンからビクッとなり、ストーリー自体は既視感があるのに、何より俳優陣の熱量に呑み込まれて、どんでん返しの連続、時間軸を入れ換えるス
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レディ・バード(2017年製作の映画)

4.0

名作ではないけれども、何度も観たくなる、心が軽くなり、懐かしく温かな余韻が脳内を反芻し続ける。
悩みに振り回された若い頃が羨ましくなる、瑞々しい感性で切り取った映画だ。
自意識過剰で、見栄っ張りで、田
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29歳問題(2017年製作の映画)

3.7

29+1。30歳という伏目を迎える独身女性の悩みに真剣に向き合った香港映画。
キャリアアップのために弛まぬ努力をしてきたヒロインと居心地のいい世界でのんびりと生きる女性の対照的な姿を通して、いかに自分
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.8

歪んだ愛にゾワゾワゾクゾクが止まらなかった。
ダニエルデイルイスの完璧主義者で規律と品位で作り上げた世界(日常)が惹かれ合う女性により壊されていくサスペンス。
愛への執着というか、何もかも崩れ去った時
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OVER DRIVE(2018年製作の映画)

2.6

この映画の主人公は、車というくらいに、車好きでなくても車の魅力にハマってしまう。車好きの人にはたまらない映画。ラリー(WRC)の映画は初鑑賞。F1の映画は、結構観てきてるので、競技としてF1に近いのか>>続きを読む

終わった人(2018年製作の映画)

2.2


これ、私の親の世代、これから退職していく人たち、退職した後の人生を歩んでいる人たちには、背中を押されたり心動かされるものがあるんだろうなぁと感じたりしました。
でも、まだ少し若い私たちにはピンとこな
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

3.7

想像力を掻き立てるカメラワークと、あくまでも静かに恐怖と緊張、不安を煽る音楽、抑揚の効いた演出、スタイリッシュでシンプルな映像美。
権力、貧富、人身売買の底知れない闇を静かに抉る映画だ。
ホアキンフェ
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

3.4

試写会にて。
女子高生小松菜奈とファミレス店長大泉洋の歳の差の恋、と言っても一方的に小松菜奈が大泉洋に恋をするんだけどそれがとてもいい。
若さゆえに、怖いもの知らずで、真っ直ぐにがむしゃらに、想いを伝
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.6

一見すると、インスタ映えするような美しく色彩豊かな絵の数々で、何を観に来たんだっけと思う。しかしこれは夢の国の近くで、数数多に存在するプロジェクトと呼ばれる低所得者向け住宅でギリギリの生活を送る貧困層>>続きを読む

妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ(2018年製作の映画)

3.6

久しぶりにケラケラ笑った。
心が痛い時、男はつらいよで励まされ、頑張ろうと思い、いわば寅さんは私のバイブルみたいなものだった。
安定の山田洋次が近年挑むのは家族のかたち。世知辛く核家族が増え無縁社会に
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孤狼の血(2018年製作の映画)

3.8

役所広司の破壊力抜群の演技。
手段を選ばず、誰よりも怖い存在で、全てをねじ伏せてでも納得させる説得力。
松坂桃李を窘め、暴力団に睨みを利かせ、彼に関わる人たちが駒となる。
役所に負けじと尋常じゃないく
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心と体と(2017年製作の映画)

3.9

こんな不思議な映画にはなかなかお目にかかれない。
ひんやりしてて、透明過ぎる空気感と、厳かな雰囲気と、静謐で美しい映像と、チャーミングな登場人物たち。
コミュニケーションの取り方が夢という。
二人のシ
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.8

この映画の何が素晴らしいかって。
予め我々は、物語の成り行きや、結末がわかっているのに、何故だか、主役二人の恋のはじまりのサイン、恋の過程や二人の目線表情から何かを読み取ろうとして目が離せない。
二人
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モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)

3.8

ジェシカチャステインとイドリスエルバの熱演に尽きる。
強気で意識高い系で才覚と知性のある女性を演じさせたら、彼女の右に出るものはいないくらいその存在感に圧倒される。
今回彼女は、実在のモリーズブルーム
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ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~(2018年製作の映画)

2.5

とてもピュアなラブストーリー。
日本であったYUIのドラマタイヨウのうたをリメイクしたものらしい。
XP (色素性乾皮症 )という太陽の光(紫外線)にあたれない難病を抱えた主人公の女の子が10歳の時か
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ニッポン国 vs 泉南石綿村(2017年製作の映画)

4.0

これは、凄い。こんなん観たら、自分が日頃悩んでることなど情けなさ過ぎてくる。アスベスト被害者と国との闘い8年間の記録を3時間35分という長尺映画にまとめている。濃密過ぎてあっとゆう間で、途中から自分も>>続きを読む

港町(2018年製作の映画)

4.1

これはとても深い。観察ドキュメンタリーなのに、奇跡的な美しい映画。
なんてない田舎町の日常を観察した映画なのに、心に深い余韻が残る。
モノクロームだからこそ、港町の寂しさ、そこに生きる人々の悲哀、慈愛
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女は二度決断する(2017年製作の映画)

3.7

もっと寛容で博愛のある世の中に。
この映画を観たらそんなことをふと思う。
移民排斥の波に揺れるヨーロッパの問題の核心に触れているドラマだ。
映画は実際にネオナチが起こした事件を基に、爆発テロにより家族
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