人の温かさが胸に染み渡る。そしてこの映画を観るだけで人に優しくしようと思えるから不思議だ。
カウリスマキの登場人物たちはいつものように、仏頂面で無愛想なんだけど、心根は優しく、シリア難民の青年にも温か>>続きを読む
試写会にて。
恋愛ミステリー、嘘を愛する女 を見た。
満員で途中からすすり泣く人もいる中、私は冷めていた。
舞台は東北大震災の後の東京。震災直後出会った、長澤まさみと高橋一生はすぐ惹かれ合い同棲し5年>>続きを読む
純粋に面白いのだけど、全くハマらなかった。イギリスらしいブラックユーモアが効きすぎており、初っ端のアクションシーンからエグさが半端なく、うわ、何でもアリなのねと思ってしまった。
主役エグジーは立派に成>>続きを読む
どうしても、何だか、要らなすぎるのも詰め込みながら、大事なところをおざなりにしてる感じが否めませんでした。
1番大好きなエピソード4、5、6、は、私の生まれる前公開だったから、その後のしか劇場では観れ>>続きを読む
どこまでいっても救いがなく重たく深く抉られ、破滅的で心痛くなる作品。韓国映画アシュラを思い出す。日本映画もここまで来たかとぐっと込み上げるものがあった。壮絶、圧巻のフィルムノワール。登場人物も閉鎖的な>>続きを読む
長回し、モノクロ、3時間48分という長尺。
昔の恋人によって濡れ衣を着せられ30年間も投獄されていたある女の復讐をカメラは追う。
ワンシーンワンカット、4時間弱、狂気の沙汰のような映画であるが、蓋を開>>続きを読む
こういう映画は日本では作られないだろう。原題は否定。
ホロコーストの事実を否定する学者とホロコーストの真実を追求する者の裁判。何しろホロコーストの真実の著者が訴えられ、被告となるのだから。ホロコースト>>続きを読む
これこそ、不快度200の映画だ。冒頭のジェフミルズの違和感ある爆音テクノから、心がざわつき、耳が痛くなり、そして突発的な暴力シーン、痛ましい描写から気持ちが萎えてくる。
瑛太の怪演が素晴らしい。
人は>>続きを読む
秋のトリノの風景が素晴らしくて、郷愁、人恋しい季節にぴったりの映画だ。
ローマで暮らしていた主人公が夫から度重なる暴力を受けて、息子を連れて友人のいるトリノ、はじまりの街で再出発する。
慣れない生活、>>続きを読む
宣伝のわりには、単調、平坦でもどかしさが残る映画。菅田桐谷の対比、二丁拳銃川谷、木村文乃の熱演はいい。監督がそれを生かせなかったのが残念。
2人が演じるからこそ、お笑いの世界の厳しさ、それでも夢中にな>>続きを読む
この映画を観て、今年公開されたはじまりへの旅、ショーンペンのアイアムサムを思い出した。
亡き姉の意志を受け継ぎ、主人公である叔父は7歳の賢い姪と一緒に楽しく暮らしている。ギフテッド=天賦の数学の才能、>>続きを読む
いわゆる誰を信じていいのか分からなくなるスパイ映画だが、熱く揺さぶられるものがある。ソンガンホが昔から大好きで、この映画では卑屈で気弱だけど最後にはかっこよくてやっぱり好きだ。
日本が朝鮮半島を統治し>>続きを読む
カンドンウォン演じる刑事がイビョンホン演ずるカリスマ詐欺師を執拗に追いかけ、必死に捕まえようとするクライムアクション。
最後に勝つのは、正義か、悪か。
イビョンホン演じる詐欺師はゲスく、金欲にまみれ、>>続きを読む
どこにでもある日常、ふわふわした恋を描いた映画がとても切なく胸に迫る。
今彼(太賀)と元彼(オダギリジョー)の間で揺れる女性ツチダを臼田あさ美が演じる。彼女は男性に尽くし、男性に依存し、昔の恋を引きず>>続きを読む
おじいちゃん、死んじゃったって。
普段バラバラの親戚家族が、おじいちゃんのお葬式で田舎に集まるこの作品は、懐かしく、温もりがある。
死んだおじいちゃんがみんなを集めてくれた。しんみりしたり、ドタバタ劇>>続きを読む
幸せの代償は大きかったということか。
20年前に別れた夫から、ノクターナルアニマルズという小説が送られてくる。主人公は地位もお金もない元夫に見切りをつけて、親の理想通りに結婚し、今や富と地位を手に入>>続きを読む
決して共感することは出来ないのだけれども、大きな感動が待ち受けるドラマだった。
人の誰でも持ってる汚い、クズな部分をさらけ出す。冒頭から蒼井優のクレーマーぶりが凄い。そして汚い身なりの阿部サダヲの蒼井>>続きを読む
2021年の重苦しい空気、痛み、リング上でのたぎるような熱量が伝染してくる。
主演2人の競演、脇を固める俳優陣の熱演、カメラワーク、素晴らし過ぎて、涙がとまらなかった。
バリカンことヤンイクチュンから>>続きを読む
じっくりと噛み締めたくなる映画だった。
婚約者の友人、原題はフランツ。婚約者の名前である。この婚約者は戦争で亡くなっている。その友人が訪ねてくるというところから物語は、始まる。
最大の謎は、中盤で解き>>続きを読む
マリオンコティヤール、シャーリーズセロン、ジェシカチャスティンと、アラフォーの綺麗な女優の輝く映画を観てきたが、どれも共通するのは回想形式。愛を綴る女、アトミックブロンドは、途中でオチが分かってしまっ>>続きを読む
シャーリーズセロンが強く、気高く、孤高の女スパイを演じる。
89年ベルリンの壁崩壊前のベルリンは灰色の世界で不安定で、その中で暗躍するスパイってこんなに一匹狼で、常に死と隣り合わせなのね。音楽と映像の>>続きを読む
題名からして女性のまっすぐな愛を綴ったラブストーリーを想定していたが、恋愛ミステリーとも取れる、トリッキーな映画で、ラスト待ち受ける感動は一入。
マリオンコティヤールが狂気に満ちた一方的な愛情を持つ、>>続きを読む
これは、素晴らしい。少女たちのアップカットが、演技ではなく、素を見せつけられてるかのようで。
いじめを主題にしたこの映画は、最初からわたしたちも、スクーリンに投げ込まれたかのよう、緊張感を持ち、息を潜>>続きを読む
不意の出会い、小さな偶然の連続が誰かの人生を大きく変えることがある。
そんなことをしみじみと考えた。
そして、寂しさを感じる映画なのだけど、その寂しさが案外心地良かったりして。
主人公の幼少時の父の愛>>続きを読む
圧倒的熱量と、優しさに沁み入る映画。
ただただ、ヤンイクチュンと菅田将暉のエネルギッシュさに度肝を抜かれる。
2人の気迫溢れる演技は、ヒリヒリしながらも生きるパワーを与えてくれる。
狼のような荒々しさ>>続きを読む
こういう映画が大衆受けする映画なんだろうな。
NASAで働く黒人女性三人にスポットを充てた今作は、白人至上主義のなか、立場は弱いけれども、へこたれず、一生懸命前に進む女性の姿が見れて微笑ましい。
とに>>続きを読む
痛いくらいグサグサと、突き刺さるものが、この映画にはあった。
自らの生きる場所を求めて、苦難を乗り越えた日々。苦難を乗り越えるには、必ず、痛みを伴う。
自らのルーツを否定し、捨て、スウェーデン人に同化>>続きを読む
新たな戦場体験型映画。
これは、反戦映画でもなく、その場にいた人々の何としてでも生き残るという想いを大切にした、ノーラン監督自身のプライドをかけた映画のよう。
防波堤の1週間と、海の一日と、空の一時>>続きを読む
恐るべし、韓国映画。
臨場感溢れてて、ダイナミックな新感覚のパニックゾンビ映画。
まず、轢いたはずの鹿が突然立ち上がる場面から、不気味で怖い。
密室で、それもハイスピードで走行している列車に、謎のウイ>>続きを読む
最初から最後まで、観客も福山雅治も、役所広司の掌で転がされる。
トリッキーで、惑わされる映画。
役所広司の、目の動き、捉えどころのない表情。
役所広司ありきの映画。
二転、三転する、役所演ずる殺人犯>>続きを読む
何だろう、この込み上げてくる温かさは。
地球が侵略されるのかもしれないのに、温かさや優しさが詰まった映画で、こんな描き方もあるのだと、感動した。
侵略者と人間が繋がっていく画の連なりのようで、根本的な>>続きを読む
これは、実話らしい。目を背けたくなる現実が福祉の国デンマークであったとは。
1967年、2人の兄弟が病気の母親と引き離され、男児向け養護施設に預けられる。施設では、しつけという名のもとに、体罰が行われ>>続きを読む
裁き。素晴らしかった。インド映画は、ポジティブで、動の要素が多い。しかし、この裁きは、静かに、多民族国家として様々な宗教、言語が混ざり合う現代のインド社会や権力の本質を見据える映画になっている。
下水>>続きを読む
なるほど、もはやミュージカル映画だ。オシャレな映像と選曲の素晴らしさ。音楽のための映画ではないかと思ってしまった。
エドガーライトの映画は好きなのだが、こういう、見てくれが先攻している作品にはどうも、>>続きを読む
まさに、リアリズム。
これが、フィリピンの過酷な現実。
麻薬なしでは、生活していけないという。
昨年6月にドゥテルテ大統領の政権が発足して以来、フィリピンは麻薬の取締まりを厳しくするようになった。ドゥ>>続きを読む
血の繋がりや、男女の本質についてうまく突いている映画だ。
バツイチ同士の再婚を主に家族とはを問うた今作は、葛藤し傷つけあいながらも、問題を解決するのではなく、お互いにとっていい着地点を見出すことで、素>>続きを読む