シネマQさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

妻よ薔薇のやうに(1935年製作の映画)

4.5

千葉早智子が父がいる家庭という夢見た光景をまざまざと見せつけられる切り返しが残酷。
カメラが引いて同一画面に収まったとて、フレーム内フレームによって分断され続ける。
丸山定夫との別れの時の千葉早智子の
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エターナル・ドーター(2022年製作の映画)

3.0

内側からの切り返しというやつを基調に進んでいくけど、語りの仕掛けに回収されてしまうからつまらない。ショット自体も微妙。そういった断片は見せかけの語りに対抗すべきでは、と思う。
霧に包まれたゴシックホラ
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大砂塵(1954年製作の映画)

5.0

強烈な高低、色彩!
色を獲得していくクロフォードに対する、喪服軍団のマーセデス・マッケンブリッジ。
メインの女の対決に添え物のような男の対決。
シャンデリアを撃ち落として、燃え盛る屋敷。
スターリング
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朝霧街道(1961年製作の映画)

4.5

オープニングの出会いからして凄い。身投げを勘違いからの雨が降ってきて雨宿り。手ぬぐいのやり取りにもクスッとさせてくれるけど、高田浩吉が戸板を焚き木にしようと外してると布を裂く音が聞こえて木暮実千代が座>>続きを読む

合衆国最後の日(1977年製作の映画)

4.5

スプリットスクリーンに監視カメラのモニター群!作戦室の3面スクリーンとか大興奮。
ランカスター達の目的など最初は明かされずぐいぐい突き進んでいく面白さ!説明も入るけどチャールズ・ダーニングのブチギレで
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階段通りの人々(1994年製作の映画)

5.0

タイトル通り、階段に住む人々と階段通りしか出てこないし基本切り返しで語られていくシンプルさ。
この切り返しが何ともサスペンスフルで凄い。
人物が立ち替わり入れ替わり登場してくるけど気がついたら人が増え
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喜劇 特出しヒモ天国(1975年製作の映画)

4.0

芹明香の退廃的というか破滅的というかすごいエネルギー。唐突に裸で川泳いでたと思ったら火に見惚れて恍惚としたり。
ぐるんぐるん話が飛ぶからどこに着地するか分からなくて、山城新伍の死か〜と思ったら、生のエ
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死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

4.0

暗闇がしっかり暗いという怖さ。暖色の灯りの照明が良く、画面のルックが確か。
後半はもう完全にバトル漫画で笑ってしまうけど楽しめる。
ラスト、二人の間には十字架=神がいるというショットが狙いすぎではある
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ゴールデン・エイティーズ(1986年製作の映画)

3.5

原色ガンガンのどぎつさと空疎なハイテンションが80年代ってことだろうか。
ラスト試着室で足だけ見せるのオシャレ。
いまいち乗り切れなくて途中途中ぼーっと見てしまった。
Gun crazy!

ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

4.5

いつもはオーバーなミシェル・ウィリアムズもライカート作品では抑えた良い芝居をする。今回も呼吸や肩を振るわせるなど静かにブチギレてて良い。
あんまり言われないけど、家族構成の情報の出し方や少ないシーンで
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めぐりあい(1968年製作の映画)

4.5

黒沢年男が酒井和歌子を最初にデートに誘う駅のホームのシーン。約束を取り付けようと粘る黒沢年男に無情に閉まるドア。ガラス越しの酒井和歌子の笑顔!もう傑作。
海で泳ぎ離れ小島に行くと、ここで性を感じてしま
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アシスタント(2019年製作の映画)

4.5

淡々と仕事をこなすジュリア・ガーナー。日常の風景に見えるが、少しずつ変な感じが挟まってくる上手さ。
オーソドックスなカットバックによって語られるが、心理的な方に行きそうな題材にも関わらずそういったアッ
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Lift/リフト(2024年製作の映画)

2.5

Netflixはいかに無味無臭の既視感しかない映画を作り続ける実験でもしてるんだろうか。
ケヴィン・ハートすら毒を抜かれて、ヴィン・ディーゼルの偽物みたいな演技して最後はファミリーでハグする様をカメラ
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フランケンフッカー(1990年製作の映画)

4.0

パティ・マレンの魅力でほぼ持ってるような気もしないでもないけど、娼婦たちが爆発していく景気の良さや発端の草刈り機の死などアホすぎて愛しい。

劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ100(2023年製作の映画)

4.0

中村義洋がぶちぶち文句言ったり、わがまま言ってスタッフがイライラしてるシーンが多くて爆笑する。
映像の禍々しさも力入ってて中々に怖い。
結構謎が解明されていっちゃうのは、長編で仕方ないとはいえ映画の強
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幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

4.0

ひたすら邪魔が入り続けて楽しい短編。
エテックス本筋もだけど、駐車できないおっさんやタクシーに乗れないおっさん、メガネに泡がついてワイパー動かすおっさんととにかくおっさんが可愛い。

破局(1961年製作の映画)

4.0

話自体は日本の自主映画にもある失恋と死の話なのにエテックスにかかれば爆笑の映画になってすごい。
ピストルライターかっこよすぎ。

絶好調(1965年製作の映画)

3.5

何をやっても上手くいかないしキャンプそのものも捕まって刑務所みたいなキャンプ場へ案内されてしまう。
面白さはあるものの、ちょっとギャグに意味が込められすぎてて爆笑まではいかない。
ラストカット可愛すぎ
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健康でさえあれば(1966年製作の映画)

4.0

本格的な吸血鬼映画で嬉しい1本目。
映画館のマナー講座から悪夢のようなCM世界を皮肉った感じの2本目。
ずっと聞こえる騒音が本当にストレスな3本目。
ショットがとにかく良い4本目。
どれもアクションが
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時は止まりぬ(1959年製作の映画)

5.0

生活のルーティンが若者の登場によって乱されていく様が可笑しく楽しい。
異物が入ってきて、少しずつ動作がシンクロしていって最後は長年の友のように背負って歩く。たったそれだけのシンプルなことがこれだけ美し
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逃げきれた夢(2023年製作の映画)

4.5

冒頭の工藤遥との会話から視線をやるやらない、といった切り返しの面白さが詰まっている。父親の様子が変だから視線をやり、変だから背けてしまう。
切り返しがメインながら単調にならないよう、決めるべきところは
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放蕩娘(1981年製作の映画)

4.0

冒頭のジェーン・バーキンと夫とのシーンが撮影も編集もバキバキに決まってる。
ピコリ家へ移動してから、佇まいは美しいもののメンヘラ芝居が過剰な気がせんでもない。
ラスト、アップへ入るタイミング、移動に合
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.0

どうにもキャラクターが漫画的でしんどいのは変わらず、アクションも見本市という感があってノリきれない。
ジャッキー・チェン映画のように笑いにまで昇華できるほどのハチャメチャさまで到達できたら凄いことには
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

2.5

話はしっちゃかめっちゃかだし、アクションもクライマックス以外ダメダメだし中々ひどい出来。
原作のギャグ部分も全くハマっておらず、原作の笑いとハードな描写が隣り合わせになってる良さを活かせてない。
登場
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明日はない(1939年製作の映画)

4.0

美しい過去のために嘘をつく女と理想の未来のために嘘をつく男のすれ違いが切なく悲しい。
そのために暗い過去がずっとエドウィジュ・フィエールに纏わりついている。

映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(2019年製作の映画)

4.0

しんのすけがひろしに抱きつき、よろめき何とか耐えるものの家まで辿りついた瞬間転んでしまう。今回のひろしはアクションの結果が遅れてやってくる。
だから花を送るというアクションが結末まで引き延ばされる。
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映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者(2020年製作の映画)

3.5

敵もつまらないし、湯浅政明はいなくなっても悪夢的な部分は継承されて欲しいところ。
終盤の落書きを描き始める子供たちのアクションは面白いものの、描かれるもの自体は大人の想像力の範疇で微妙。

映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝(2022年製作の映画)

3.5

もう少し忍法にクレしんらしい無茶苦茶なものが見れたら良かったけど。想像できる範囲で止まってる。
泣かせにくるしんのすけ主観の想い出ストリームより、クライマックスのしんちゃんの心にはシロがいるんだねって
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PROSPECT プロスペクト(2018年製作の映画)

3.0

ミニマルなSF。船内からカメラが出ずに惑星へ落下する冒頭良い。窓から見える炎、パラシュート。が、肝心の外へ出るファーストショットが良くない。その後も会話シーンがまあつまらない。
暗闇を暗闇として撮る夜
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65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

3.0

アリアナ・グリーンブラットがアダム・ドライバーに花をあげるところと指笛が継承ではなく異なる文化の交流として存在してるところはまあまあ。
無駄に凝った設定だけど活きておらず謎。どうせならもっと大嘘が見た
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ある犯罪の物語(1901年製作の映画)

3.0

ほぼ舞台の撮影。
奥へ伸びる死刑台と首が落ちるカッティング。少しずつモンタージュが発見されていく。

ワイヤーを通して/スルー・ザ・ワイヤー(1987年製作の映画)

4.0

横移動かっけ〜。
嘘みたいな結末にグッと来る。2リットルコーラ、ラッパ飲み真似したくなる。

ロッキーVI(1986年製作の映画)

3.5

バカにしまくってて笑える。
本家と真逆で誰も集まらないラスト。

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.5

序盤は地下鉄の地獄ぶりなどゴア描写の行き過ぎに興奮するものの、病院に着いてからは退屈。
ワンカット飛び降りやビニールと黒沢清フォロワーも感じさせる。
主人公のレジーナ・レイ可愛くて良かった。
台湾映画
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コータローまかりとおる!(1984年製作の映画)

4.0

ひたすら髪を切る刃物と対峙し、パンティに執着する黒崎輝に、宙吊りと落下のアクションが徹底されて繰り返される。
大葉健二の怪演が楽しい。コータローの長髪に対してのつるっぱげ!
何一つ意味を為していかない
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アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

2.5

ジェームズ・ワンでもどうにも出来ない悲しいユニバースの完結作。
ゴタゴタで脚本変更しまくったかどうかは知らないけどあまりにやっつけな展開。始まった瞬間からつまんなくて悲しくなる。
ブラックマンタも適当
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