茉恭さんの映画レビュー・感想・評価

茉恭

茉恭

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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.3

観終わってから、藤井道人監督がなにを言いたかったのか、ずっと考え込んでしまった。
単なる社会派ドラマとしてでなく、極道もんの生涯を描いたのでもなく、
なんだろう、この喉の奥に突っかかったままの異物がと
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.8

そのうち気がつくんだ、共感を求め合う恋愛は上手くはいかないって。
それに気がついたころ、きっと大人になったってことなのかもしれない。
氾濫するカルチャーの中で、「好き」の勘違いがたくさん起こる、そして
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音楽(2019年製作の映画)

4.5

監督兼作画兼脚本兼……etcetcを、たったひとりでやっちまった岩井澤健治の大傑作。
劇場とのスケジュールが合わず、VODでやっと観られた。

みなさんのレビュー通り、
もうこのユルさと、作画のセンス
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約束のネバーランド(2020年製作の映画)

4.1

これぞ、北川景子の正しい使い方。
この顔面が最も有効に使われた作品だと思う。

彼女はきっと、
後の吉永小百合のような存在になるだろうから、
作品は本当に選んで出演して欲しい。
合わない作品に無理して
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ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!(2020年製作の映画)

3.8

これ、シリーズ3作目って知らずに鑑賞。
しかも前作は29年前?!
知らんがなwwwww

所々、???な部分はあれど、
ハッピーエンドで終わるハリウッドコメディは、
いまの時期は大歓迎。

にしてもキ
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魔女がいっぱい(2020年製作の映画)

4.3

この時期にメジャーな洋画を観られるありがたみ!!!
ロバート・ゼメキスこそ、娯楽作品の王道をいく表現者だといつも思う。
この人がDisneyの人だといわれても何の違和感もない。
ちょっとブラックなとこ
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天外者(2020年製作の映画)

3.6

作品として冷静にレビューするには、
あまりに切なく、そして虚無を感じずにはいられない今作、
ただただ、三浦春馬氏のご冥福を祈るばかり。

今回は香典代わりに鑑賞しました。

もうこの姿を追えない。
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Mank/マンク(2020年製作の映画)

4.0

ハーマン・J・マンキーヴィッツって何者か知らない人には、ずいぶん政治色の濃い作品だと思ったと思う。
しかも市民ケーンってなんじゃいとなったら、
もうこの作品の7割がた意味不明なのかもしれない。

しか
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ホテルローヤル(2020年製作の映画)

3.6

なんで波瑠だけ北海道弁じゃないのか、原作未読なので、ちょっとイラついた。
舞台が釧路の端に位置するラブホなので、
ああ、全然予算かからす撮れたねえこれってと含み笑いをしながら観ていた。

映画用に原作
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ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-(2020年製作の映画)

3.5

途中までは良かった。
能面顔の北川景子はさておき、綾野剛の演技力の振り幅をまた見た気がするし、
この後でMIU404を撮ったのだろうと思うので、
伊吹とのギャップも興味深い。

原作は未読だが、
この
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日本沈没2020 劇場編集版 シズマヌキボウ(2020年製作の映画)

4.5

コンセプトを忌み嫌う人も多い中、私は完全にフィクションとして楽しめたので、よかったのかもしれない。
古い小松左京作品を、見事に現代にリメイクした秀作。

こんなこと起きてほしくない。
こんなこと絶対に
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罪の声(2020年製作の映画)

4.0

超厚の原作を、よくも150分に収めたなぁと感心しきりなのですが、
とにかく登場人物が多いので、だれ?だれ?だれだー?と
名前を覚えきれず進んでしまうのが若干もったいない。

と、原作の阿久津と実写の阿
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朝が来る(2020年製作の映画)

3.0

映画というものは、総じて監督のものであり手柄は監督のものであると私は思う。
しかしその逆も然りで駄作…というより受け容れられなかった作品もまた、監督の責任であると思う。

その視点からこの作品を評価す
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望み(2020年製作の映画)

3.8

贅沢なキャスティングと、話題になった原作で、さぁどう料理するんだ?と半信半疑で観に行ったわけですが、結果まぁまぁというのが素直な感想。

反抗期に入った息子の家出から事件が勃発。
息子は加害者なのか被
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星の子(2020年製作の映画)

3.7

怪物・芦田愛菜が数多あるオファーから敢えてこれを選んだ事が1番興味深かった。
題材は新興宗教を土台に、実に素直に育った15歳の女の子を中心にした日常を描いている。

なにも知らずに芦田愛菜だからと選ん
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浅田家!(2020年製作の映画)

4.5

実に良いタイミングで公開したなぁと思う。
家族とは、情熱とは、本当の愛とは?
ちゃんと観た側に考えさせてくれる。
そして事実を盛りすぎない脚本も実によかった。

演者がきちんと役に入り込めている作品は
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

3.4

話の内容は、もはや今更感が否めない内容。
TGの苦悩なんて、これまでも沢山表現されてきた。
それよりやらなきゃいけない方向性があったはず。

つよぽんのキャットウォークがお見事で、
足に視線が行ってし
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.5

別に理解して貰えなくてもいいもーん!と言いながらほくそ笑んでいるノーランが安易に想像できる作品。
とにかく???の連続。
しかしだんだん分からないは分からないなりに、映像の豪華さもあって、
きちんとつ
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前田建設ファンタジー営業部(2020年製作の映画)

4.0

映画にしないで深夜枠の連ドラでやって欲しかった!が最初の感想。
こういうふざけたことを、プロ中のプロが本気でやった時の感動ときたら!!!!!
もう、挫折と小さい時の自分との約束の繰り返しだよねこれ。
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ミッドウェイ(2019年製作の映画)

3.4

なんだか納得がいかない。その一言だった。
娯楽作品として単に見るなら楽しかったかもしれない。
でも、これは史実だし、それに過不足があったとしても脚色はしてはいけないんじゃないかと、ずっとモヤモヤしてし
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

4.3

原作既読。主演の二人のイメージはちょっと原作とは違うけれど、まぁ、これはこれでという印象。妻夫木街道(妻夫木→池松→という使い勝手がいい役者)まっしぐらの成田凌が、アッサリ目の今ヶ瀬を演じたのだけが、>>続きを読む

パヴァロッティ 太陽のテノール(2019年製作の映画)

4.5

神に与えられし才能とは、容姿や声や音楽センスだけに在らず、
その環境がほとんどだといつも思う。
たとえばビヨンセが貧困家族の中で生まれていたら、
たとえばメッシがサッカーとは無縁の環境で育っていたら。
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人数の町(2020年製作の映画)

3.5

世界観は実に面白い。
そしてフォローするわけではないけれど、「バイトするならタウンワーク」のCM監督の荒木氏の初監督作品で、
この作品は第1回木下グループ新人監督賞で、準グランプリを獲った作品のようで
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オフィシャル・シークレット(2018年製作の映画)

4.2

この作品のレビューは難しい。
慎重に言葉を選ばなければいけないと切に思う。
題材は民主主義のお手本アメリカの当時の大統領が、
実はとんでもない大嘘をついていて、
それによって大量虐殺がなされたイラク戦
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宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年製作の映画)

4.0

まず、無駄なBGMがないのがすごくいい。昨今の作品はこれでもか音楽が多すぎて辟易していたので、ここですでに好感が持てた。
そしてインスタの画像加工にでも出てきそうな、
青緑の色彩が藤井監督の好みなのだ
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(2020年製作の映画)

3.5

こんなベテランの監督、脚本家なのになんなん?!が正直な感想です。
この素晴らしい演者たちを殺したのは誰だ!!と言いたくなる。
菅田将暉に田舎の垢抜けない青年を演じさせたら最高に上手いのは、
「そこのみ
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ジョーンの秘密(2018年製作の映画)

4.3

これはよくできた作品。
実話を基にしたものですが、原爆がどうやってできたのか、そして彼女が選択したことは果たして正解だったのか狂気だったのか、考えさせられます。
普通に恋愛映画でも通用しそうな濃いヒス
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海辺の映画館―キネマの玉手箱(2019年製作の映画)

5.0

私はいったい何を観させられていたんだろう?これが大林監督が血肉を注いで表現したかったことなんだと、真正面から叩きつけられ、圧倒され、そして180分が終わってしまった…。
とにかくコンセプトも展開も斬新
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ロマンスドール(2019年製作の映画)

4.1

期待していなかった分、面白くてびっくり。
SEXドール(ダッチワイフじゃないよw)職人と、
そのボディモデルの話なんだけど、
思った以上に泣かせに来る。
夫婦のあり方、問題との戦い方、そして別れ…。
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バタフライ・エフェクト(2004年製作の映画)

3.9

他人といえど、「人生で出会った映画No. 1」と言われると、
では観てみるかとなるわけでw
しかしこの作品、VODはない、DVDも廉価版はないで、
やっと見つけたTSUTAYAでせっかくなので三部作借
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デザート・フラワー(2009年製作の映画)

4.0

非常に、辛くて苦しい作品ですが、受け止めなくてはならない事実です。
FGMと略される女子の割礼、つまりは性器切除という慣例…。
いまやほとんどの人がスマホを持ち、贅沢な食事を口にしている中、
いまだ餓
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劇場(2020年製作の映画)

3.6

又吉作品は、既視感に脚色した形で表現される文体が多いので、
今回も例に漏れず、「あるある」にエグい色を足した感じになった。
劇中ずっと山崎賢人のナレーションが続くので、
正直途中からうぜぇと思うように
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透明人間(2019年製作の映画)

4.1

従来の透明人間の概念を壊した作品。
ソシオパスが本気になればこんなことできてしまうんかーい!
という、一見サイコホラーにも思えた作品だけど、
きちんと伏線を回収するし、辻褄もあうように作られている。
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はちどり(2018年製作の映画)

2.5

まったくハマる場所が一箇所もなかった残念な作品。
韓国社会ももちろんわからないし、
1994年という中途半端な設定も???だったし、
とにかく男尊女卑と高学歴至上主義と家族の序列が色濃く残る韓国は、
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銃2020(2020年製作の映画)

3.8

一番びっくりしたのは友近。すげー毒親を演じきったなぁ。
こういう泥臭いのぜひ今後も観たい。
そして原作者本人が脚本を手掛けた名作「銃」のアレンジ編。
内容としてきちんと面白い。
脇が豪華すぎるキャステ
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MOTHER マザー(2020年製作の映画)

3.6

どうして長澤まさみだったんだろう?
彼女のステップアップのためにやらせたのか、もしくは過信したのか。
こんなどんな泥水飲んでもど底辺感も淫乱感も出せない女優に、
こんな胸糞悪い毒親やらせても、なんだか
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