きみどりさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

誰も眠らない森(2020年製作の映画)

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デジタルデトックスのキャンプに参加した若者たちが森の中で酷い目に遭うホラー。
ポーランド製のスプラッタですが、ホラーの定石どおりにさくさくと話が進みます。

登場人物のひとりのゲーマーの子が「実況の配
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静かなる叫び(2009年製作の映画)

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ヴィルヌーヴはケベック出身で事件当時は20代前半。この銃乱射事件が彼の人生に強く影を強く落としたことは想像に難くない。

80分足らずの短尺に、その日とそれからの日々が凝縮されている。モノクロで限界ま
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大誘拐 RAINBOW KIDS(1991年製作の映画)

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【名作再訪】

上質な犯罪エンタメ作品。こういうの見ると思うが、1980年代後半から1990年代半ばあたりの底抜けの明るさが、21世紀の薄闇に慣れた目には眩しい…眩しすぎるのよ!

北林谷栄の名演と、
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ザ・ゴールドフィンチ(2019年製作の映画)

4.5

どこへ連れて行かれるのか分からない映画。でも、それがどこか知りたくてしょうがなくて、最後まで着いていってしまう映画。そして見終えてこれは、「人生そのもの」だったと思える映画。

「モノより思い出」が正
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パプリカ(2006年製作の映画)

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『インセプション』のモチーフになった作品と聞いてやっとこ観ましたが、ノーランよアンタずいぶんと節操なくパクったのな…。

いいようもなく筒井康隆の物語なんだけど、今敏監督だからこそのこの映像表現。
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ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

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ゴールドラッシュのとき、いちばん儲けたのは採金に使う工具を扱った業者だったと聞く。リーバイスも金鉱掘りの作業着屋が出発点だった。
結局のところ、そんなものだったのだ。

それでもゴールドに人は魅せられ
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悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)

4.0

親の因果が子に祟る。キリスト様をいくら拝んだって、因果応報、罪は消えてくれやしないのだ。

モジャ頭の出てこない横溝正史ものをアメリカ映画にアレンジしたような、湿度高めの作品。南部という土地には怨念が
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マージン・コール(2011年製作の映画)

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リーマン・ショックの前日譚。
若手社員、中間管理職、経営トップたちのたった一日のできごとを描いている。
物語の終わりには登場人物たちと同じように心身共に疲れ切ってしまった。

その後を知っているだけに
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この茫漠たる荒野で(2020年製作の映画)

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南北戦争後、ズタボロになった南部を舞台にした、傷ついた男と少女の過酷なロードムービー。

トム・ハンクス演じる退役軍人の仕事が、街々を巡って新聞記事の読み聞かせをするという設定が目新しかった。
識字率
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来る(2018年製作の映画)

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妻夫木聡と黒木華の夫婦関係のありようが極上のホラー。とくに妻夫木の悪気まったくない自己中イケダンぶりが怖いのなんの。
「はよ◯ねや!」とモニタに向かって叫んでしまいました。

あー、怖かった。

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

5.0

名作再訪。

妊娠中、お産の恐怖を誤魔化すために観た。ますます怖くなって、しばらく悪夢が続いた。アホですね。この時期に『エイリアン』シリーズも観て、赤子がお腹を食い破って出てくる夢もレパートリーの一つ
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説きふせられて(2007年製作の映画)

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ジェイン・オースティン版「逃した魚はデカかった」。

サリー・ホーキンスが劇中さんざん歩かされ、走りまわらされていた。あの哀感たっぷりの表情は本当に辛かったんじゃないかと邪推してしまう。
それほど美人
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ステップ(2020年製作の映画)

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片親家庭でとっても大変!というわりには、呑気そうに暮らしてるなあという印象。家もそんなに散らかってない。乳幼児持ちが仕事すんのって大人が二人いても家の中はカオスですよカオス。
それにいくらフレックス制
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時の面影(2021年製作の映画)

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大英博物館には「略奪博物館」という不名誉かつ的を射た呼び名があるが、自国の優秀な在野の研究者からも略奪してたのね、というお話。
上品でもの静かで、見応えある作品でした。

レイフ・ファインズが歳を重ね
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友だちのパパが好き(2015年製作の映画)

5.0

100分の尺のあいだ捨て場がほぼ皆無。キモチ悪く、悲しく、惨めで、笑える。

吹越満を筆頭に、出てくる男連中のダメさ加減と薄気味悪さが素晴らしい。
かといって、マヤちゃんは言わずもがなで女性陣も問題だ
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思いやりのススメ(2016年製作の映画)

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ロードムービーと擬似家族ものにハズレ無し。あと、ポール・ラッドも。

セレーナ・ゴメスは長いことジャスティン・ビーバーの恋人というイメージが強かったですが、良い女優さんだなと最近になって思うようになり
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サリー 死霊と戯れる少女(2012年製作の映画)

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ホラー映画としての出来上がりはともかくとして、1970年台のイギリスの民家には石炭貯蔵室(?)があるらしいという住宅事情にほほーっとなりました。

出てくる大人たちが、両親も教師も坊主もことごとくダメ
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私というパズル(2020年製作の映画)

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第一子の出産を控えた若い夫婦の、1ミリも幸せを疑わない描写が悲痛だった。
長回しのお産のシーンが辛いんだけど素晴らしくて、心を持っていかれました。

そして夫婦の物語かと思いきや、これ母娘の葛藤がけっ
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なんちゃって家族(2013年製作の映画)

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ものすごぉぉくくだらないんだが、役者が良いのと脚本がちゃんとしてるので、楽しい。

いまや若手悪役の先頭を切って走るウィル・ポールターが、間抜けで純朴な少年役を楽しそうにやっている。可愛い。ラップシー
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ウーナ 13歳の欲動(2016年製作の映画)

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リズ・アーメッドとルーニー・マーラ目当てで鑑賞。フィリップ王配…じゃないトビアス・メンジーズが出てた!

まあ、なんというか、人の心を逆撫でする映画。
中年男が13歳の少女と関係を持つのを「愛」で誤魔
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ボビー・フィッシャーを探して(1993年製作の映画)

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ローレンス・フィッシュバーンが若くて細くて色気たっぷりだし、ローラ・リニーが「台詞が一応ある」だけの若くて可愛いチョイ役だし、ジョーン・アレンが母親役で出てくるし、ウィリアム・H・メイシーもひょっこり>>続きを読む

メイズ・ランナー:最期の迷宮(2018年製作の映画)

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1と2の内容をすっかり忘れてしまうほど、感染症映画になった3作目。もはや迷宮はタイトルにのみ残る。
都市の過密化とグローバリゼーションが、いずれパンデミックを起こだろうと言われた末の、ただいま2020
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メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮(2015年製作の映画)

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迷路は、迷路はどこへ行った…?

とにかく若者たちが死に物狂いで砂漠を走り回っている印象。ビジュアルは『マッドマックス』の世界線にも通じている気がする。
そして物語の転がり方がすごく…RPGっぽい。う
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メイズ・ランナー(2013年製作の映画)

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主役よりも、脇のトーマス・サングスター、ウィル・ポールター、カヤ・スコデラリオのブレイク直前の姿が美しい作品。

欧米のジュブナイルものはゴールディングの『蝿の王』をなぞっていることが本当に多い。ちょ
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ピラニア 3D(2010年製作の映画)

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若者たちでごった返す、濡れTシャツコンテストの会場を古代から蘇ったピラニアの大群が襲う!

いつも反応に困る(褒めてる)映画を撮るアレクサンドル・アジャ監督。今作は思い切りB級に振り切っているので、困
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エスケーピング・マッドハウス(2019年製作の映画)

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これまたダサい邦題を…と思ったら、オリジナルのままだった。

19世期末の精神病院でひどい目に遭う女性のお話。サイコスリラーのつもりで観ていたらまさかの実話ベースでびっくり。
ラーメン食べてたら最後の
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ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)

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無重力状態で出血すると、本当にあんな感じになるのでしょうか。非常にインパクトある絵面でした。怖かった。

柔らかい肌(1963年製作の映画)

4.0

トリュフォーが脚フェチとバルザックへの偏愛をあますところなく表現したクラシック。
四半世紀ぶりに観たが、いや…昔の私は本当にものを知らない馬鹿だった。なんかすごいお洒落な作品だという記憶があったのだけ
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

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ウディ・アレンの語りの展開は落語に似ていると密かに思っている。
情けない男が出てきてあっちに転がりこっちによろけ、コイツしまいにどうするつもりかなと気を揉んでいるうちに、いつの間にかすべてがきれいに落
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スカイスクレイパー(2018年製作の映画)

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ドゥエイン・ジョンソンが巨大複合施設のセキュリティのエキスパートという設定で出てくるものの、頭脳戦はなくほぼ力技で解決。妻も軍医なのでそこそこ強い。久しぶりにネーブ・キャンベルを見たが、きれいにトシと>>続きを読む

Mank/マンク(2020年製作の映画)

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美術史学の授業で『市民ケーン』を観てレポート書けという課題が出たものの、映画を最後まで観られなかったために単位一個落としたという恥ずかしい過去がありまして。
その後もなんどか試してみるも、どうしても最
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バレット・ヘッド/キラー・ドッグ(2017年製作の映画)

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ジョン・マルコビッチとエイドリアン・ブロディが「犬派? 猫派?」でキャッキャと盛り上がるシーンが観られるだけでたいそう俺得。
そしてお魚のくだりは明らかに笑わせにきている。
あと、間抜けな相棒のくだり
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ボイス -深淵からの囁き-(2020年製作の映画)

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お化け屋敷に取り憑かれた子どもを親が必死で救い出す話かと思いきや、初っ端から容赦なく飛ばしまくり。

アー…コワカッタ。

短尺で低予算でサクサク展開するよくできたホラーですが、いろいろ描写が酷いので
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mellow(2020年製作の映画)

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中高生じゃあるまいし、いいトシした大人が「好きですよ」と言うだけにこんなグズグズやってりゃ少子化にもなるわな。
…という自民党の高齢議員みたいな感想はさておいて、この映画の隠れ主人公はイカれた人妻のと
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ユージュアル・ネイバー/マッド・マザー 生贄の少年(2013年製作の映画)

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子どもに対する親の所有欲を醜く描いたお話か…。正直なところ自分にも少なからず我が子に対してそういう感情はあるわけで、改めてこんなん観せられると、ううう身の置きどころがないですわ…と思ってたら、ぜんぜん>>続きを読む