百鬼園先生さんの映画レビュー・感想・評価

百鬼園先生

百鬼園先生

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苦い銭(2016年製作の映画)

2.5

透明ではない王兵。話しかけたりかけられたり。モラハラDV夫のくだりはむしろカメラが利用されているようにも見えた。昼か夜かも分からぬ部屋。中華ポップスをバックにミシンを踏み続ける労働者を照らすのはオレン>>続きを読む

三姉妹 〜雲南の子(2012年製作の映画)

3.5

薄暗い土間でじゃがいも食べたり、放牧場の崖に座ったり。10歳の中国の少女が本来誰にも知られず一人で過ごしていた場面にカメラが帯同する。叔父の家でおかず取るの微妙に遠慮したり、出稼ぎ帰りの父の膝を妹たち>>続きを読む

デッドプール2(2018年製作の映画)

3.0

グロめのアクションはそのまま、倫理ラインが1より繊細で嫌悪感なく楽しめた。主人公に「お前が言うな」の過剰コンプラキャラ付けたの笑える。そんな事より別映画なんだからサノスのこと言わないであげて! 007>>続きを読む

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.0

拳は肉体を、ビンタは精神を破壊するって誰かが言ってた。善悪なんて描く気はさらさらなく、現実から遊離してしまった男達が暴力にのめり込んでゆく。座った武を少し見上げる更衣室のカメラやラストバトルのライティ>>続きを読む

悪人伝(2018年製作の映画)

3.0

ヤクザ総動員の人間狩りこわ〜。刑事とヤクザ、本来なら交わらない人々が交錯する飲み会シーンが胸熱。食事中に喋る奴は張り手。ぞろぞろ舎弟を引き連れて歩くマブトリカルパレードに心奪われる。@新文芸坐

追龍(2017年製作の映画)

2.5

スーツでショットガンぶっ放すドニーイェンはまんまスカーフェイスだし、中野英雄っぽい人が出てくる場面はアウトレイジ。低空の飛行機と九龍城砦でテンション上がる。@新文芸坐

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.0

少しずつ先が読めるけどそんな事どうでもいいくらい感動した。VHS見ながらギターの指遣い練習するとこ激エモ。靴職人達が科捜研並みに足跡分析したり笑いの質も高かった。死者が現世にやってくる様子は本当に楽し>>続きを読む

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

2.5

表情の豊かさが他作より群を抜いてる。特に目の下のほっぺや口周りの動き。目に見えぬ火風水土にそれぞれキャラを与えたのもかわいい。現状を壊すかもしれない歴史の検証と反省。その上での未来の創造。オラフの「大>>続きを読む

鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

3.0

なんなんだ水浴嬢って、凄いな中国。鵞鳥湖周辺の雰囲気がかなり好きだから旅したい。視覚を刺激する光や痛そうな暴力がやや退屈なストーリーを引っ張る。ピカつく靴での捕物やヘッドライトの連なり、窃盗講習会や斬>>続きを読む

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

2.5

映画の8割が服部樹咲の魅力。椅子の投げ方とか本当に素晴らしい新人。LGBT配慮と裏腹に金持ち・ヤンキー・酔客などのステレオタイプ描写が酷すぎ。配慮ってトータルな視点だと思うけど。男娼窟のおっさんや撮影>>続きを読む

異端の鳥(2019年製作の映画)

3.0

子供や動物に降りかかるエグめの暴力をコツコツと積み重ねてゆく。生き埋め烏、首吊り抱っこ、死体追い剥ぎ、ねずみ穴、馬に乗りながらのレイプなど世界にはまだ見ぬ地獄があるんだなあ。寄って寄ってどーんと引く映>>続きを読む

ザ・ファン(1996年製作の映画)

3.5

前からスーツ+野球帽の大人はヤバいと思っていたけどここまでとは…。話通じないデニーロの顔芸が最高にイカれてる。何でもないラジオのカットバックを運転中の通話にする事で無駄にスリリングにするのとか超トニス>>続きを読む

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

4.0

笑顔も泣き顔も素敵なジョンミン兄貴。人糞と石炭に塗れたドイツの出稼ぎや、ベトナム戦闘シーンの手を抜かなさが韓国映画の底力。オダルスを筆頭にコメディ要素も真面目すぎない娯楽作として優秀だった。戦争離散者>>続きを読む

ザカリーに捧ぐ(2008年製作の映画)

3.5

進行形で起こる信じがたい事件のドキュメンタリー。進行形ゆえ当初の撮影意図から逸脱してゆく過程すら作品内で描かれる。起こった事は文字通り悪魔的悲劇なのに膨大な撮影の記録が最後に導くのは「人が産まれて生き>>続きを読む

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士[完全版](2009年製作の映画)

3.0

リスベットの倍返しターン。だんだん優秀な仲間が集まって活躍するの楽しい。前半は老害大集結。後半は法廷劇。ふてぶてしい弁護士の妹が超頼れる。消極的な関与だったけど、大した調査もせず上の言いなりで司法を歪>>続きを読む

ミレニアム2 火と戯れる女(2009年製作の映画)

2.0

組織売春の話と思いきや想像以上に壮大な背景。リスベット&ミカエルを優秀に見せるために周りを下げる演出だからみんなのポンコツ具合にイライラする。スターウォーズ的な出自の驚きはあるけどアクションの迫力は少>>続きを読む

光りの墓(2015年製作の映画)

3.5

同じ場所を別のレイヤーで見る森の場面や、光の変化が夢の中にまで影響するシーンはインセプションでやっていたことを限りなくシンプルによりエモーショナルに表現していると思った。女神の歌も朝勃ちも野グソも夢の>>続きを読む

北野武 神出鬼没(1999年製作の映画)

2.5

インタビューだから作品としての面白みは薄いけどHANA-BI直後(?)の武のピリついた才気が目に見えるし顔付きもメチャかっこいい。「欠落によるドラマ作り」「臆病さと暴力」「役者とカメラ位置」「終わりの>>続きを読む

アクアマン(2018年製作の映画)

3.5

人を助けて「ハッピーアワーに遅れるぞ!」ってセリフ超推せる。アンチエイジなニコールが家で暴れるアクションと、シチリアでの市街戦がカメラの動き込みで素晴らしかった。一方で海中シーンは良くも悪くもスターウ>>続きを読む

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

2.0

超推理と性格の難は表裏。牛の糞を踏むカットでその「差異が気になってしまう」ポワロ像を描くの上手い。ミシェルファイファーは気合入ってたけど名優たちの演技合戦ってほどは合戦していなかった。格調高すぎて犯人>>続きを読む

L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)

3.5

薬物、売春、人種差別、恐喝、ポルノ、大量殺人。芋づる式というか臓物をズルズル引き出すように明るみに出てくるLAの闇。メインの話だけでなく周辺に散りばめた問題の深さと多さも楽しめる。暴力装置=ラッセルク>>続きを読む

暗数殺人(2018年製作の映画)

3.0

導入からスーッと優位性が逆転した関係に持っていく語り口が上手い。信用できない人間を信用しなければ一歩も進まない捜査。どこでこうなった感が強い圧倒的不条理は安部公房的な気味の悪さに似ている。①情報は持っ>>続きを読む

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

2.5

犯人→手段→動機とそれぞれ捻りをつけながら進んでゆく練られた脚本。でも欲張った挙句、群像劇、密室劇、異常監禁もの、ケイパーものとしてそれぞれ微妙に物足りない。翻訳家らしく数カ国語のやり取りで相手を翻弄>>続きを読む

ラスト・ボーイスカウト(1991年製作の映画)

2.5

たった500ドルの誰にも褒められない仕事に命をかける…この胸熱プロットが全てであとは装飾。妻子の愛より無くした友情の代替えを探す部分に力点を置くのがトニスコっぽい。ウキウキフットボールの歌は頭から離れ>>続きを読む

痴漢電車 弁天のお尻(1998年製作の映画)

3.0

社会不適合な神々のアベンジャーズ。交わらない各自の独り言を重ねたり、不幸の前に必ず怪獣の如き轟音が鳴る病的演出すごい。銃撃シーンの気持ち悪さは武や清。赤くて薄い服を着た長曽我部が寒さに震える動きが超か>>続きを読む

少女暴行事件 赤い靴(1983年製作の映画)

3.5

田舎を出た人間が変わらない田舎を求める身勝手さ。「ここで生きてるのは俺たちだぞ」の台詞が刺さる。その他「ヅカじゃねえんだよ、奴隷工場だぞここは」などパンチライン多数。過去を取り戻そうとする初体験再現シ>>続きを読む

藍色夏恋(2002年製作の映画)

3.0

もどかしい青春の「辻褄の合わなさ」。大人になるって無理して辻褄合わせる術を学ぶことなんだろうな。街の緑や校舎を背負うシルエットなど背景の作り方が完璧。過剰なまでに思い悩む女子も、ひとつの質問を何度も繰>>続きを読む

バナナ・パラダイス(1989年製作の映画)

2.0

バカ2人の表情がチャーミング。よりによって!な職業に着いちゃう弟の不運。兄ちゃんも小児性愛すれすれのぶっ壊れ方がヤバかった。あれだけ苦労したのに歳とったらむっちゃイヤなオヤジになってて失笑。国家のアイ>>続きを読む

ジョニーは行方不明/台北暮色(2017年製作の映画)

2.5

性格も愛せる自立した最っっ高のギャルが出てくる。ホットパンツでのあぐらが自然すぎて尊い。物語に驚きはないけど、水たまりを行き来する自転車の波紋やマジックアワーに溶ける台北の夜が美しかった。人生がエンス>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

2.0

いやいやいや…そんなオチ全く納得できないよ。 Coincidence (偶然の一致)の連発からソックリ家族が現れるまでは期待値上がりまくりだけど、世界観雑すぎない?血塗れアレクサの冷静さに爆笑。@Am>>続きを読む

痴漢電車 下着検札(1984年製作の映画)

2.5

エロ×昭和史×コメディ×密室殺人×ダンス×ホラー。過剰だけどサービス精神が舟盛り状態で嫌いになれない。女体の内部視点カメラが衝撃。「張作霖って誰?」「張本勲の本名だろ?」「あの3000本安打の?」の流>>続きを読む

サランドラ(1977年製作の映画)

1.5

都会のしょーもない家族と、田舎のしょーもない家族がダラダラと殺し合う家族対抗デスマッチ。せめて田舎側はそれが生業なんだからもっと腕磨いといてよ。結局犬が一番強いんじゃん。@Amazon

百貨店(1926年製作の映画)

4.0

圧倒的センス!ファッションも笑いも絶妙にツイストした展開も楽しい。彼氏の裏切りをドアの隙間から見つめるカットの凄さ。クライマックスのタイツの間抜けさ。「口臭もないのに嫌われる男」みたいな人物紹介もいち>>続きを読む

殴られる彼奴(あいつ)(1924年製作の映画)

3.0

研究も妻も奪われた男がピエロになって果たす復讐譚。恋人たちのピクニック場面が秀逸で時間経過をパンにたかる蟻で表現するとことか狂ってる。一方で粋な木こりの爺さん登場させたり変なバランス。ピエロをリンチす>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

3.0

時間を飛び越えるのではなくUターンさせるタイムマシン。だから決して未来には行けず、過去のある時点まで戻るにも同じだけ逆行しなければ辿り着けないというノーラン物理。この物理授業と並行して「贋作の話…いる>>続きを読む

ファンタズム(1979年製作の映画)

3.5

闇夜に差し込む色彩。銀の球、白い部屋、黄色の指の悪夢的発想。画面のビジュアルインパクトは美ホラーと呼ぶにふさわしい。何より喪服で闊歩するトールマンがめちゃカッコ良く、街中でドライアイス越しにポーズ決め>>続きを読む

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