百鬼園先生さんの映画レビュー・感想・評価

百鬼園先生

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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.0

戦艦をぶち壊したり銀座を蹂躙するゴジラに大満足。特攻でゴジラの頭を吹き飛ばすゴア味も凄く良い。ただ反戦を謳いながら、国防のために命を捧げる美談はあまりにも戦争の枠組みと相似形すぎてモヤモヤした。金も人>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.5

風雲パワハラ安土城。あの信長像はかつて殿と呼ばれ、今は家臣を失った男の自戒なのか。金のある時代劇は楽しい。加瀬亮と中村獅童が名演技。加瀬のド方言は地元民の目から見てもかなり上手かった。体から離れた瞬間>>続きを読む

くるりのえいが(2023年製作の映画)

3.0

変化し続けるくるり。次作はもうこのメンバーじゃなさそうなドライさも含め良い。セッションでIn Your Lifeの原型が切り出される瞬間は鳥肌。老けた岸田がライブの時だけ10歳は若返ったり、バンド内で>>続きを読む

デーヴ(1993年製作の映画)

3.0

入れ替わりまでのテンポが異様に良くて、画で見せる作りに好感。硬直したシステムは外から来た人間の方が運用を上手くやれる…ってのはどの現場も同じ。慣例を鉛筆でほどく予算削減会議の楽しそうなこと!デーヴがい>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.0

めっちゃ能書き垂れるのにマヌケに失敗する殺し屋に全職業共通の納得感あった。待機の長さ、準備や後始末の手間、Amazon利用やレンタカー手配なども地道。殺される女が保険おりなくなるからせめて事故死に見せ>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.0

詐欺師は人を騙す前にまず自らを善人だと洗脳すると聞く。オセージの民を殺して富を吸い取るデニーロが、本人は本気で彼等の良き友と思ってる感じが底知れず怖い。いつの世も特殊詐欺の末端はアーネストの様な欲深い>>続きを読む

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.5

膨大な「ト書きセリフ」はもはやオーディオブック。長尺だと疲れそうだけど短編だからこそ独特の味に。作者)物語の主人公)主人公が読む本の書き手)書き手が描くヨガ行者)ヨガ行者の回想)という過剰に複雑な入れ>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.5

想像の5倍は不死身。もはや理屈じゃなくて精神論。テンポが良いし、地雷など容赦ない人体破壊描写に引き込まれた。自ら火ダルマになって犬をかわしたり、水中で敵の首から酸素いただくの最高。この手の映画は「お前>>続きを読む

ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)

2.0

幽霊やら猿人間やら森の不思議な説話集。山の怪みたい。森と街、透析患者と古の女王を並列で描くアピチャッポンの語りに医療とスピリチュアルという通底テーマを感じた。幽体離脱のラストシークエンスが特に異質で、>>続きを読む

狼男アメリカン(1981年製作の映画)

2.0

狼男の登場までけっこう焦らされる。CGなしの物理変身は骨がバキボコ鳴って迫力あるけど、その後の襲撃場面はズバリを見せてくれないから少し物足りなかった。でも終盤のアンデッド被害者の会が大集合するポルノ映>>続きを読む

バレリーナ(2023年製作の映画)

3.5

最近よく見かけた女VS男(社会)がテーマの映画の中でも、変にツイストしないドシンプルな復讐劇で面白かった。全編チョンジェンソの目力が最高。インスタっぽい絵柄も突き詰めた果てのカッコよさがあるし、アクシ>>続きを読む

サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

2.0

コン・リーがほぼかたせ梨乃。舞台と現実のシームレスな行き来は野心的で面白い。でも同時にモノクロ映像や手持ちカメラのアート色にはエンタメに振り切れない煮え切らなさを感じた。租界、南京政府、重慶政府など当>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

2.5

ジョンウィックの感動は見たことのないアイデアのアクションにあるはずなのに、最新作はキル数が増えただけでフレッシュさが物足りない。良かったのは交通事故×銃撃が入り混じる凱旋門と、火炎銃での真俯瞰バトルか>>続きを読む

マッスルモンク(2003年製作の映画)

2.5

全裸ギャグ満載のくせに最後はとんでも無い場所まで連れてかれる。相変わらずベースの設定(今回はカルマの仕組み)が雑だけど、腕吹っ飛ばす停車場での銃撃戦や、一斗缶に人を詰める発想にはひれ伏すしかない。1分>>続きを読む

ワンダーガールズ東方三侠(1993年製作の映画)

2.0

ファンタジーすぎて最後はゴーストバスターズ。小鬼が死ぬ時に小便漏らすの怖すぎ。カンフーの導演は古臭いけど、ドラム缶での飛行や横回転するバイク、列車衝突や落下する女の子&猫を助ける場面が独特なギミックで>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.5

マフィアの元に「来ちゃった♡」するチャーミングなマッコールさん無双。状況が飲み込めない悪人を見るの楽しい。殺しの前の静かな語りがキタキターって感じ。勝手に動く車や防犯カメラへの映り込み、ベッドに滴る血>>続きを読む

シックス・センス(1999年製作の映画)

3.0

初見。秘密は誰にも言わないで!ってキャプション入ってるのに自分がオチ知ってるのは世間の口の軽さを示す由々しき問題。前半は「あーミスリードさせようとしてんなー」みたいなあざとさに目が行ったけど、様々な幽>>続きを読む

デッドポイント 〜黒社会捜査線〜(1998年製作の映画)

3.5

カフェの幼稚なセクハラ…演劇を見るように強盗を鑑賞する街の人々…からの凶悪事件発覚!の流れる展開がメチャ面白い。いつものトー映画より婦女暴行など犯罪が生々しくてビビる。パンイチマシンガン男とか激怖。途>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

感情や物語は二の次で美術に全振りする潔さ。過積載な列車、作りかけの高速、将軍の3部構成スピーチ、箱をかぶる天体観測、各種自販機や発明品など、各々の美術作品を鑑賞する僻地のトリエンナーレ。モノクロの場面>>続きを読む

ハート・オブ・ストーン(2023年製作の映画)

2.0

先日見たデッドリコニングと比べて、全てをコントロールできるAIの怖さが空調止めるぐらいだったので今ひとつ。ガルガドットが正体を明かした後のカーチェイスは混沌としていて楽しかった。IM6が次のミッション>>続きを読む

デッドエンド 暗戦リターンズ(2001年製作の映画)

3.0

話は単純だけど唐突で珍妙。一方で映画的なアイデア満載で、数百回のコイントス、追跡バードウォッチング、煙と音の強奪、アイス休憩のある逃走劇、雨の自転車ランデブーなどめっぽう楽しい。夜の路上の美しさは別格>>続きを読む

トルテュ島の遭難者たち 4Kレストア(1976年製作の映画)

2.0

ツアーの引率者が次第に狂気を帯びてくるあたり限りなくユルいヘルツォーク。さすがにグダりすぎで森の行軍や島上陸のあたりはドキュメンタリーかと思った。10分で港に着きますって言われて、数時間後に深夜の山中>>続きを読む

幸福(1934年製作の映画)

2.0

音ないのにダイナミックなギャグを炸裂させるの笑える。橋の上プロレスや家ごと泥棒、自殺風車など。書き割りのような背景美術も独特でベタとシュールの狭間。実労働なき仕事は泥棒と同じ…働かざるもの食うべからず>>続きを読む

フリーク・オルランド(1981年製作の映画)

1.5

柱頭のカリスマ、双頭のハモリ、磔刑のオペラとマティーニ、黒ドレス髭爺、屋上歓迎会、絵葉書への階段…面白い画はあるけどその羅列は退屈。出落ち後の各々のシーンも長いんだよな。ホドロフスキーもだけど身障者集>>続きを読む

トゥルー・ロマンス(1993年製作の映画)

2.5

タラ脚本だけど会話が物語を凌駕しないよそ行き仕様。スレーターがシドビシャスでありトラビス。てかワイルドアットハート。オタク兼チンピラって設定が珍しい。飛行機や列車を横目に車でしか移動できない2人の不器>>続きを読む

メーヌ・オセアン 4Kレストア(1985年製作の映画)

3.5

旅先だとしょうもない会話や出来事も記憶に残るように、話は滅茶苦茶だけど不思議と面白い。異国を旅する行き当たりばったり感。自分じゃどうにもできない船の乗り継ぎは夢に出そう。適当に主人公が変わり、人が出会>>続きを読む

アデュー・フィリピーヌ 2Kレストア(1962年製作の映画)

3.0

女2人を男が追うパリ編が最高に楽しかったけど、メンヘラ化した女2人が男を追うバカンス編はただただ苦しい。島の陽光の下で繊細な話の底が一気に抜ける気がした。生放送や出たがり社長CMの裏側を捉える作りが楽>>続きを読む

バルドー/ゴダール 2Kレストア(1963年製作の映画)

1.5

パパラッツィに比べると物足りない。役者より裏方寄りのメイキング。カチンコを持つ女性スタッフまでビキニなのリゾート撮影っぽくていいな。BBの共演者や監督との距離感が思わせぶりでドキドキする。「軽蔑」は高>>続きを読む

パパラッツィ 2Kレストア(1963年製作の映画)

2.0

メイキングを撮りながらも目線を見つけて一つの作品にしてるの凄い。音の付け方がキレキレ。限られたBBの素材のリフレインや、パパラッチとの擬似対話など編集もアーティスティックだった。迷惑な存在であるパパラ>>続きを読む

アル中女の肖像(1979年製作の映画)

3.0

当然のように「飲酒観光」とかぬかす語りから期待高まる。圧倒的美貌の主人公がコニャック白ワイン時々ビール。色彩豊かで時にオッパイやおしり丸見えな衣装がクール。性欲のための飲酒じゃないの孤高だし誰も吐かな>>続きを読む

レッド・ドラゴン レクター博士の沈黙/刑事グラハム 凍りついた欲望(1986年製作の映画)

3.0

主張しすぎなマジックアワーや構図がこっ恥ずかしいが嫌いじゃない。色のない暗室で恋に落ちる殺人鬼。ロマンチックな虎!脱童貞したのに自らの狂気で幸せぶち壊すの切ない。顔パンストで変態じゃないって言われても>>続きを読む

スター・トレック(2009年製作の映画)

2.0

画面にフレア入れ込む演出に命かけてた。アクションよりも人間ドラマやSF設定の面白さ。ただ男の顔の趣味が監督と合わない(パイク船長以外)。ガモーラがガモーラ的な緑の異星人と相部屋だったの不思議な感じ。ト>>続きを読む

忘れられた人々(1950年製作の映画)

3.5

少年院帰りの悪い仲間が厄災となり全員不幸に。障害者リンチや冤罪、暴力やゴミまみれの死など容赦無い展開の中で、更生の機会が奪われる瞬間が一番こたえた。いい子になりたいけどなり方がわからない…というセリフ>>続きを読む

エル(1952年製作の映画)

3.0

超粘着モラハラ童貞DV中年男の大暴走。鐘楼で人を踏みつぶしたい!階段の手摺りを棒でガンガンガン!あたり激コワ。早く逃げて!神など心の救いに全くならないという狂ったジグザグ歩きを見て、ブニュエルは逆に人>>続きを読む

不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

3.5

雨宿りから恋に落ちるまでのスピードと孤独な2人の説得力が完璧。ヘイト描写があからさますぎるけど、周囲の理解と反比例して愛に不協和音が響く展開に痺れた。文化障壁としてのドアや窓、次の間から覗くアングル。>>続きを読む

天使の影(1976年製作の映画)

1.5

観念と物語が半々。ずっと目の焦点の合わない主人公の顔力。娼婦のヒモのファスビンダーのクズぶりがヤバい。話はよくわからないけど天井の高い空間と、場面転換で場違いな音楽が流れる時だけおっ!てなる。地獄に堕>>続きを読む

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