百鬼園先生さんの映画レビュー・感想・評価

百鬼園先生

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ウォーフェア 戦地最前線(2025年製作の映画)

3.0

戦争映画を密室劇として作ったのがフレッシュポイント。起伏が1点しかないし、弾も当たらず死人も少ないけどこれが戦場のリアル。「降り損ねた」って言葉とか。むしろ極限状態の無意味な言動や放心する瞬間などディ>>続きを読む

逮捕命令(1954年製作の映画)

2.0

権力や法の根拠が突き詰めると「ただの紙」に依拠する怖さ。どんでん返しもファクトチェックの不備だから結局何も解決しない。堂々と嘘をついたもの勝ちの世界は現代に通じる。酒場の女の健気さは泣けるが、男への盲>>続きを読む

石炭の値打ち 第二部:現実との直面(1977年製作の映画)

2.5

地の底の崩落事故という事態を前に、全ての人々が共に与えられた役割に取り組む。無能だった上司達も今回は頼もしく、彼らもまた企業の歯車であり連帯の仲間であることが強調されてケンローチの労働者達への眼差しを>>続きを読む

石炭の値打ち 第一部:炭鉱の人々(1977年製作の映画)

3.0

天上からの皇太子訪問という事態を前に、見栄っ張りな上層部と現場労働者の断絶。誰もが経験のある「そこまでやる必要あんすか?」な上司の指示に笑いつつ、窓に挟んだレンガにまでペンキ塗るに至り「頭おかしいんか>>続きを読む

わが心のジミー・ディーン(1982年製作の映画)

4.0

ザ・舞台劇だけどアルトマンでしかあり得ないズームやアップに痺れまくった。鏡や窓を使った時制の飛躍。サンディデニスの壊れゆく女な表情が凄まじい。身を守るために自分につく嘘。現実を拒否する女がミニチュアの>>続きを読む

夢去りぬ(1955年製作の映画)

3.0

身勝手な中年オッサンのロマンスかー乗れないかも…と思ってたら、若い女コントロール不倫名士×天然パパ活女子×粘着ハラスメント青年実業家の最悪な三つ巴でだんだん楽しめた。今日も港区で起きてそうな話。20%>>続きを読む

ロデオの英雄(1953年製作の映画)

2.0

特等席で見るロデオ大会。こんなに色んな出し物あるんだね。牛倒しってすげー競技。そこにうっすら話が載る感じ。スター選手を中心に据えつつも、元選手のクラウンの悲哀がメイン。牛に比べ人間同士の酒場のケンカの>>続きを読む

しあわせな選択(2025年製作の映画)

2.5

こんな情け無いイ・ビョンホン初めて。男性性の自縛とプライドで周囲に涙やSOSが出せない苦しみ。妻の浮気を疑うパンティのくだりは情けなさの極北。世話になったのにあっさり使い捨てられるのは人も紙も同じ。職>>続きを読む

恐怖の土曜日(1955年製作の映画)

3.5

銀行強盗を中心に据え、街中のさまざまな人間ドラマを絡めた群像劇。シネスコのスクリーンを横いっぱいに使う画作りが素晴らしい。惚れ惚れする強盗達の手際。金と愛の欲望まみれた街の対極に据えるアーミッシュ一家>>続きを読む

パスポートのない女(1950年製作の映画)

3.0

最初の人死にの長回しからハバナまでのテンポが凄まじい。ダンスホールなど随所でハッとするカメラの動き。そして霧のジャングル。飛行機からボートへ移行する不時着シーンもすごい。刑事がマヌケなのと(身バレに気>>続きを読む

ウィリー叔父さんの帰還(1948年製作の映画)

3.5

ラノベもびっくりな転生もの。主人公が頭お花畑でイラつくけど絶妙に憎めないの上手なバランス。最後の弁護士交代ガチ法廷劇からダービーの流れはめちゃ高揚するし、ラストの大声援は泣きそうになった。1人の妄想を>>続きを読む

ワーキングマン(2025年製作の映画)

2.5

工事現場と戦場を混ぜ込んだOPがシュールで笑う。話はまどろっこしくて大雑把。他の映画のツギハギ感が強くて随所で既視感も。大金持ちが小金持ちの娘をさらい、汗かいて助けるのは現場労働者って構図もモヤった。>>続きを読む

ポンヌフの恋人 4Kレストア版(1991年製作の映画)

3.0

恋愛過程の清濁あらゆる感情をぶち込んだ映画。愛を知るほどボロボロに傷付くアレックスの肉体。対して目の回復を知るや愛を忘れるミシェルひどない。焦燥が炎となる地下道。花火と雪のスペクタクル。橋という現実か>>続きを読む

海賊のフィアンセ(1969年製作の映画)

2.0

搾取の構造を裸一貫で逆転させるマリー。男も女も正義や規律を建前に少しでも安く彼女を買い叩こうとする様が姑息。猟銃ストーカー森番はじめタガの外れたオス達の暴走は恐怖すら感じる。自分の価格は自分で決めて豪>>続きを読む

キャバレー日記(1982年製作の映画)

4.5

躁的異空間=ミス・ニッポン新宿店の面々が最高すぎ。狂気的マジメさの店長、女性社員の源氏名、課長の超絶マイクパフォまで全部笑う。前田米造のカメラも動くわ引くわ縦横無尽。OPの風鈴の音や鼻唄の哀愁が残るラ>>続きを読む

天使のはらわた 赤い眩暈(1988年製作の映画)

3.0

マンションから飛び出る竹中直人や、雨の中の追いかけ合いなど走る場面が全部良い。廃屋に行ってからの編集がジャームッシュぽかった。ルーフトップから身を乗り出す桂木からの不穏なガソスタ〜ラストの流れは独特と>>続きを読む

落下の王国 4Kデジタルリマスター(2006年製作の映画)

2.0

世界遺産×圧倒的色彩。徹底的に美をコントロールするスタンスはグリーナウェイやウェス、ラースなどに近いけど語られる物語が弱くて段々飽きる。特に後半1人ずつ死ぬとこのテンポが勿体無い。物語の力を謳いつつそ>>続きを読む

エディントンへようこそ(2025年製作の映画)

4.0

陰謀のパンデミック。誰が被害者でも加害者でもなくコミュニティが崩壊する。家族が陰謀論に侵される過程や、正論に酔って話通じない集団、性欲発の政治活動など現実と地続きの嫌さ。人の営みがSNSに撮られる前提>>続きを読む

ジャグラー/ニューヨーク25時 4K修復版(1980年製作の映画)

3.5

NY=次から次へと災難が降りかかる街。でもホットドッグは美味い。多人種な登場人物や街角の治安のリアル。最初のプエルトリコ系運ちゃん好き。犯人に同情させつつ最後は「あ、ダメだこいつ」って突き放すの上手い>>続きを読む

殺しのはらわた(2006年製作の映画)

2.0

話は二の次で撮りたい画先行。手足切断や人体爆破などのアイデアが楽しい。退路を断つ妻子殺し。雰囲気ある廃墟と藤田陽子の正面カットが良かった。低予算作品は画以上に録音(特に台詞)の雑味が没入感を邪魔するん>>続きを読む

ズートピア2(2025年製作の映画)

2.5

吹替のせいか1ほどキャラを愛せず。てか字幕上映少な。トドの背泳ぎとナマケモノに笑った。ウェポンズに続くキューブリックの引用は食傷気味だけど満席の巨大画面でシャイニング見てる気分は上がった。多くのちびっ>>続きを読む

WEAPONS/ウェポンズ(2025年製作の映画)

3.5

ヤベー奴が家のドアから車に乗り込むまでのワンカットに感動した。知らない人が部屋に立ってるのも怖いけど、一直線に走ってくるのが一番怖い説は水ダウ案件。視点のシャッフルがワンアイデアを引き延ばすだけでなく>>続きを読む

プレデター:バッドランド(2025年製作の映画)

2.5

バッドランドのキモすぎる生態系紹介が楽しい上、後半の伏線回収のような地産地消の武器集めがアガる。上半身と下半身のタッグ戦が最高だし、パシフィックリム的なスーツVS怪物バトルも大サービス。ただ話に深みは>>続きを読む

天使のはらわた 赤い教室(1979年製作の映画)

4.0

地獄のメロドラマ。ブルーフィルムの禍々しさや、カメラの向こう側に心が取り込まれる男女の構造がホラーめいてる。奥行きある画作りが見事で、翳りゆく部屋や容赦ない雨、事務所の間取りもいい。ぼったくりバーでの>>続きを読む

暴行!(1976年製作の映画)

1.5

闖入からの監禁って一番胸糞。でも主人公が無策すぎて全く応援できず。何度もあったよねチャンス。これなら裁ち鋏でのセルフ手術するサブ兄の方がまだかわいげあった。カット割ったらずぶ濡れの元妻が立ってるカット>>続きを読む

桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール(1978年製作の映画)

4.0

素晴らしい青春映画。失踪した友の手掛かりはnon-noだけ。信州ー金沢ー京都。SEXマウントの向こうに見える性への不安と焦燥と自意識。挿話も脇キャラも無駄がなく、ヤクザの弟分とのキスはお互いが優しくて>>続きを読む

セブン・ビューティーズ(1975年製作の映画)

3.0

フェリーニの弟子って感じの顔面と美術。収容所や精神病院のセットがもの凄い。色男がモテテク駆使して戦争生き延びる話かと思ったら全く歯が立たず絶望した。収容所の女所長との駆け引きは先が読めない異常さ。駅で>>続きを読む

童年往事 時の流れ(1985年製作の映画)

3.0

ちびまる子的なノスタルジーと思いきや後半は暴力と死が色濃い。台湾少年のグレ方が引くレベルで応援モードが維持できず。少女との件は牯嶺街的な展開まで想像しちゃった。家の内と外で流れる時間の手触りの違いは、>>続きを読む

恋恋風塵(れんれんふうじん)(1987年製作の映画)

4.0

構図と光が全編完璧でカットが変わる度に溜息が出た。映画同様に寡黙な2人の透明感。田舎の家族の足型を元に靴買うとこ健気で泣けるし、デート中にバイク盗まれるとこの反応が切ない。同期の飲み会の雰囲気も好き。>>続きを読む

暴力団/ビッグ・コンボ(1955年製作の映画)

3.0

公私混同する刑事が優秀なのか無能なのか分からん。一方で悪党ながら常に薄笑いのブラウン率いる暴力団の面々が魅力的。冷酷なブラウンが元妻を最後まで殺さないのも人間味ある。ザ・都合のいい女のリタが物語都合で>>続きを読む

土曜日正午に襲え(1953年製作の映画)

2.5

さすがに悪党どもの計画が杜撰すぎだし、女は女で楽天的すぎる。影とフレームを駆使した動物病院での殺しや、暗転から怒涛の銃撃が起こる銀行強盗の場面が印象的。さっきまでベラベラ喋ってたやつが突然ガクーと死ぬ>>続きを読む

三等兵親分(1966年製作の映画)

3.0

理不尽な軍隊イジメはフルメタルジャケットだし軍旗盗みはオーシャンズ。軍隊組織のクソっぷりを見せつつ、ここでしか出会わない様々な階層の連帯が素晴らしい。好きな女の手紙をみんなの前で馬鹿にされるの理不尽の>>続きを読む

喜劇 女の泣きどころ(1975年製作の映画)

3.0

中川梨絵のいじらしさよ。偶然見つけた敏腕マネと無双する前半の疾走感が痛快でここもっと見たかった。あの子は本当に死んじゃう子だから…ってセリフに泣くけど、その後の行動が真逆の太地のどうしょもなさが切ない>>続きを読む

新世紀ロマンティクス(2024年製作の映画)

2.0

素材のつぎはぎ感が強くて、過去作の流用は単に懐古趣味だなーとしか思わなかった。二本立てで直前に長江哀歌を見てたから余計に既視感強かったのかも。だからこそ新撮の2022年パートが良くて、中でもラストシー>>続きを読む

長江哀歌(ちょうこうエレジー)(2006年製作の映画)

3.5

半裸のおっさん達が麺食ったり煙草吸ったり。しかもみんなエエ筋肉。労働者達がお札に刷られた風景見せ合い「ここ俺の故郷」と言い合う場面は泣けた。長江や廃墟など背景の画力も映画を底上げ。全てが壊される街に人>>続きを読む

ファイナル・デッドブラッド(2025年製作の映画)

3.5

家族もいてまうぞ!な死神しつけー。初手から危険極まりない建造物でワクワク。クソガキへのお仕置きはニッコリ。タトゥー&ピアス兄ちゃんの長すぎるフリオチが本当におしゃれで伏線回収とはかくあるべきと思った。>>続きを読む