とってつけたはりぼてのようなぴかぴかの豪奢なお洋服とお屋敷、あざやかすぎる田舎風景がなんだか滑稽でおもしろかった。退屈なお茶会。へんてこな自画像。ぼやけたピアノと歌の演奏会。189世紀の上流階級をいじ>>続きを読む
夢をすいとられ搾取される女たち。豪奢なショウビジネスがいわゆる あっち系 のひとたちが成り立たせているのだからしょうがないし、金と名声を選んだのはあなただ。なんてゆわれたらぐうの音もでやしない。今もな>>続きを読む
ひとは哀しみでどこまでも堕ちてゆく。残酷な衝動。身勝手な正義感。はかりしれない”母”なる愛。いくつもの哀傷が冷たい波のように押し寄せ、窒息しそうだった。
たっぷりの愛情をもらえていなかった(と思ってい>>続きを読む
頑なな男の孤独。瞳に潤む女の寂寥感。天から遣わされた無垢な赤ちゃん。3人の間にあるのは長距離トラックのエンジン音と蔑ろにされた沈黙。じぶんのからっぽを埋めるように吸いこむ煙草の煙はただ虚無の宙へと消え>>続きを読む
夜を照らすカーニバルの明かり。凝視する鬼の目。まやかしで救われるひとびと。窓から舞いこむ粉雪。中途半端な優しさ。愛憎をもてあますかわいそうなわたしたち。
さびしかった。みつけた愛は殴られて潰れて雪にと>>続きを読む
オスカルの調子はずれな弾む歌とともに旅をする。孤児院からぬけだした裸足のラスムス。世の中の冷たさを感じながら、雨に打たれてふるえるふたり。春風にそよぐ草花のようにやさしく寄り添うふたり。
楽しかったこ>>続きを読む
いつも我慢しているおねえちゃん。わがまま放題のいもうと。自分のことでいっぱいのパパ。家事が苦手なママ。
「おとなはわかってくれない!」な寂しさから、家族みんなの幸せへの道を見つけてゆく優しい春風みたい>>続きを読む
荒波をすすむ漁船。午前3時にセットした目覚まし時計。2人だけにわかる 喧嘩。手話でしか伝えられない歌への想い。真っ赤なドレス。手のひらに響く音楽。おおきなイカのぬいぐるみ。
アメリカのリメイクってい>>続きを読む
クジラの瞳のおくには宇宙。クジラはこの地球(ほし)の守り神。 ウォーターピープルの不思議な歌は郷愁と憧憬をつれてくる。失われた色と音を思いだして溢れた涙の硝子玉には遥かなる記憶。
このあわただしい世界>>続きを読む
ゆったりとした日常のなかで描かれる平成のわびさび。流れる時とともに変わりゆくひとびとの生き方(とりわけ都会の)。むかしの中央線はつつましやかでかわいいかったな。駅員さんが意気揚々と切符をきってくれる改>>続きを読む
「改革なんて幻想よ」
独房で語られるおとぎ話。それぞれの夢みるユートピア。ただ、自由に生き、愛したいと願うだけなのに。愛も情ももみくちゃにされて、ごみ溜めに捨てられる。いつだってどこだってわたしたちは>>続きを読む
宇宙のあちこちで、男と女の異種の愛がせめぎあう哀しい声が聴こえる。絡まり合わない視線。何万光年もの距離のよう。わたしたちはそれぞれの 愛 を信じる異星人。人生はいくつもの夢の繋がる鎖なのに。彼女の純真>>続きを読む
お馬の嘶き。ぽくぽくと気持ちよく土を跳ねる蹄。カチャカチャと賑やかな甲冑。煩わしい騎士道よりもわたしを愛して。誘惑に負けた男。女を赦した男もまとめて裁かれたような、やるせなさ。慈悲深い老婆もわたしたち>>続きを読む
化学よとまれ。きょうも立派に寡黙な木々たちが切り倒される地響きが煩い。海はますます汚れて、可哀想な動物たちは装飾品にされる。この酷い世界。 享楽にふけって からっぽ をけとばす。なにもかも馬鹿みたいだ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
あなたのその執着。汚れた手と眼鏡。彼女の本能がいくら主を止めようとも、脱出できない場所 へとまた戻されるだけ。あなたは完璧にやってのけたんでしょうね、きっと。なにも語ってくれないけれど。ただ、世界は酷>>続きを読む
光と影のゆらぎ。それはひとの善悪のまたたき。泉の水面に映った三者三様なあの木の閃き。彼女の妖艶な輝きは、うちなる魔女の気づきか恋の開花か。魔女の娘を娶った牧師の過去は罪か救済か。けれど彼女はたしかに愛>>続きを読む
覚えたての あいらびゅー。おならができた子1等賞。気まぐれに翻るうわさ話。吐いて許して笑顔でこんにちわ。
ぼくたちはテレビがみたいんだ!沈黙の鍛錬を決行する!
こどもの 屁 理屈が愉快に踊ってずっと笑>>続きを読む
さりげない会話と接触。人生におけるささやかなドラマと可笑しさ。放たれ漂う言葉たち。一期一会の泥くさい奇跡。役者さんたちのお芝居。愛おしい愛おしい。
街は変わりゆき、ひとは足早に流れ、拒絶され受け入れら>>続きを読む
少年のひかりを湛えたきみの目をみていると、無防備になってしまう。身につけてきた鎧が剥がされる。きみの純真さが憎くてさ。そんな自分からわたしは逃げ出したくなってしまうの。ぜんぶ綺麗な思い出にしてしまいた>>続きを読む
命を刻む振り子時計の音が悠然と響く。灰色の空にむかってはためく純白のクロスは心許なく風に煽られる。信じる ということを忘れてしまったわたしたちはなんと儚く脆いのか。信じる 神 はそれぞれの胸のうち>>続きを読む
老害だとかなんだとか古びたひともものも爪弾きにされがちだけれど、染み込んできた苦汁とともに、寛容や知恵や伝えてゆかなければならない経験が言葉となって滲みでる。そんな想いが夜空の無数の星の煌めきとなって>>続きを読む
はじめて彼を前に溢れた涙は、きっとその 奇跡 ゆえなのだろう。優しさという鎧を纏ってもそのおくの好奇心が蠢いている。そうして面会人はその罪悪感のために哀しそうに目を泳がせる。けれど言葉を重ねるたびに、>>続きを読む
あの内戦のさなか「笑うには復讐だ」と教えられた笑いピエロになりたかった少年のほろほろと崩れてゆくこころは、大人になっても笑うことは赦してもらえない。
「終わってるのはこの国だ」それに躍らされ愛に狂った>>続きを読む
バカ を馬鹿にした馬鹿の末路。たいへん楽しくけらけら笑えるのに、じんわりとあたたな人情に泣かされちゃう。
バカ でいるのって最高にかっこいいのに。ひとはわかり合えないことを括りにして バカ にしてしち>>続きを読む
満ちることのない不毛に、気づいてしまった。ふいに手に入れた耽美な恋。淫靡に游ぎ、あなたと飛びたかったのは空色の別世界。もう放せない。もうもどれない。狂人になるか聖人か。あなたの渇きをわたしの涙で泉にし>>続きを読む
心地よいエンジン音。蝉の合唱。煩い喧騒。背中で語る想い。転がりでる嘘と夢。ひろってゆくたくさんの出会い。
君たちは、その みち の先になにをみつける? blacktopをすべるように進む魅惑の箱のなか>>続きを読む
"計画"が、あそこまで細かいところまで謀られていたことにおどろいた。なるほど。
けれど片っぽの青い瞳から零れた涙は、良心の欠片。まだきっと救われるはず。まったくおなじにんげんなんてふたりといないのだか>>続きを読む
陽の光はどこまでもやさしく、風は容赦なく肌をさして、積もった愛憎は執拗に舞っていた。
ふたりはお互いを愛してとけあい、世界を憎んだ。無力で儚いふたりはあの泥んこのなかで、風のやんだ刹那に囚われていた。>>続きを読む
シグナルでトリップ。暴れているのは、わたしのなかの”獣”。 こころの柔らかいところを覗かれ突かれているような恐怖と屈辱。
「幸せにならなきゃ。他の人を幸せにできない。」
「他人の幸せが自分の幸せなら?>>続きを読む
ドラマチックがすぎる嵐の夜。いつまでも灰色の蓋をされたような空。永遠に解かれることのなかった言葉は海へ還っていった。あわせ鏡のなかのわたしとあなた。すいこまれてとけて夢幻に連なるわたしとあなたとあなた>>続きを読む
この星はあまりに美しく、宇宙は底知れぬ神秘を湛えているのに、壊れかけの宇宙船でひとりぼっちのぼくら。母船を見失ってしまったぼくたちは、いったい何処へゆけばいい。??
閃くほんとうのぼくの声は、何光年先>>続きを読む
やがてやってくる哀しみ(内戦)を予感させてしまうくらいに幸せな日々に、眺めているだけで涙があふれる。消えてゆく友人たち。去ってゆく家族たち。家のなかにもひかれてしまった境界線。波間に消えていった愛の言>>続きを読む
甘美な欲情をもてあます。たまらない吐息のうるさい夜に。そうやって鳥籠から放たれても結局、鎖で繋がれていた。だから"破って"やる。ありとあらゆるものをね。
あの男との最後のセックスは、復讐と決意のようだ>>続きを読む
かりそめの家族はそれぞれの過去が語られることもなくただ、生きるためにひとつ屋根の下に寄り添う。彼らがようやく身をおくことができたって、心休まる場所なんてどこにもない。選択肢なんてひとつもない。鼻歌がう>>続きを読む
乾いてゆく大地。容赦ない太陽に殺されるなすすべもない動物たち。塞ぎこんだ頑固な(誇り高き)馬はお気にいりの場所で死にたがっている。この熱は家族の絆まで焼ききってしまうの??枯れてしまった畑に水を撒いた>>続きを読む
社会的弱者の声をだれが聴いてくれているだろう。?? 狼にでもなって遠吠えでもすれば、だれかの耳にははいるの。??
森でひとりぼっちの狼が、死んだ。「未来へむかって」 ぼくたちはおちてゆくしかないのだろ>>続きを読む