Yuki10さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Dominion: Prequel to the Exorcist(原題)(2005年製作の映画)

3.7

お蔵入りになったもう一つの『エクソシスト』の前日譚。
『エクソシスト ビギニング』より地味で娯楽要素は薄いが、手堅い人間ドラマとして楽しめた。
先進国イギリスの傲慢さに嫌気が差し信仰に悩む描写や宗教の
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エクソシスト ビギニング(2004年製作の映画)

3.6

メリン神父の過去を描いた前日譚。
パズズとの因縁や1作目に繋がる伏線を盛り込み娯楽性が高く楽しめた。
戦争のトラウマがある女性を救えなかったが、悪魔祓いを通して神父に回帰する流れが綺麗。
発掘を強行す
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エクソシスト3(1990年製作の映画)

5.0

謎の猟奇殺人事件を追う刑事が悪魔憑きに遭遇する1作目の正当な続編。
骨太な刑事サスペンスが基盤となり1作目に引けを取らない怖さや異様な緊張感に溢れた続編として素晴らしい。
凄惨な事件の直接的なグロ描写
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エクソシスト2(1977年製作の映画)

3.6

前作から4年後に起こるリーガンの異変とメリン神父の死の真相に踏み込んだ2作目。
脳波実験によってリーガンの失われた記憶を探る物語を主軸にSFやファンタジー要素が加えられて楽しめた。
本格的な恐怖を追求
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エクソシスト/ディレクターズ・カット版(2000年製作の映画)

5.0

小学生の時に観て以来大好きなホラー映画の金字塔。
当時取り憑かれたリーガンよりもカラス神父の夢の描写に心底戦慄した思い出が蘇る。
オカルトブームや社会現象を巻き起こした傑作である以上に人間ドラマとして
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ザ・ネスト(1987年製作の映画)

3.7

言わずと知れたゴキブリパニック作品。
ストーリー自体は安っぽいが、娯楽性の高い見せ場が多く面白かった。
環境に適応するゴキブリが最高に気持ち悪くて良い。
『クリープショー 』のゴキブリ的な悪趣味さに見
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呪われた息子の母 ローラ(2021年製作の映画)

3.8

カルト教団から逃げた母子の恐怖を描いた作品。
謎の病に蝕まれる様子が痛々しく夢のシーンを交えた不気味な映像と風景の対比が美しい。
終始息子への愛が強調されていた分予想外のラストに驚いた。
序盤の何気な
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悪魔の追跡 4Kデジタル・リマスター版(1975年製作の映画)

4.5

カルト集団の儀式を偶然目撃しただけで追われる不条理さが素晴らしかった。
少しでも安心させる隙を与えず畳み掛けるような嫌がらせの数々に底意地の悪さを感じる。
『ヘレディタリー/継承』に似た不穏さや人間不
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アリゲーター(1980年製作の映画)

4.1

下水に流したペットのワニが地下で巨大化し人間を襲うアニマルパニック作品。
『ジョーズ』のサメに引けを取らないワニの脅威が遺憾なく発揮されて面白い。
ワニ視点のカメラワークや接近時の効果音から『ジョーズ
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ミンナのウタ(2023年製作の映画)

4.0

あまり期待せず高を括っていたら予想以上に怖くて楽しめた。
『呪怨 白い老女』的なシーンをはじめ『呪怨』シリーズの怖さに似た要素が多く、真相が恐ろしい。
カセットテープの謎を解明するサスペンスが軸で次第
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クロムスカル リターンズ(2011年製作の映画)

4.6

前作を凌駕する気合の入った人体破壊やクロムスカルの魅力が発揮されて最高だった。
クロムスカルに追われる展開から警察が加わると同時に内輪揉めを描く事でより面白さが増す。
組織的な犯行の場合、食い違いは必
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ナイトビジター(1970年製作の映画)

4.0

極寒の吹雪の中、脱獄し身近な人を殺害しては独房に戻る男を描いた作品。
序盤で真相が明かされるが、手の込んだ犯行や緊張感に満ちた雰囲気が見応え満載で楽しめた。
完全犯罪を目指し綿密に煮詰めた話をサラッと
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地獄へつゞく部屋(1959年製作の映画)

4.0

幽霊屋敷で一晩過ごせば大金が貰えるゲームに招待された男女5人の一夜を描いた作品。
心霊現象で1人ずつ死ぬ定番の展開と思わせてから話頭を転じ、自然とサスペンスに移行させる手法が秀逸。
予想外のラストも印
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たたり(1963年製作の映画)

4.4

携わった者が不審な死を遂げた幽霊屋敷に赴いた男女4人が超常現象に遭遇する様子を描いた作品。
冒頭のショッキングな死の見せ方や不穏な老化からただならぬ異様さを感じ引き込まれた。
心霊映画であるにも拘らず
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ヘルハウス(1973年製作の映画)

4.3

地獄邸と呼ばれる呪われた屋敷が舞台のオカルトホラーで物理的な心霊現象のみならず人間の精神を掻き乱す演出が際立って面白い。
科学的な視点から霊現象を解明しようとする試みが巧みに作用し楽しめた。
屋敷の不
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インキーパーズ(2011年製作の映画)

3.1

怪奇現象が起こるホテルの真相を突き止めようと奔走する話。
どことなく不穏さを感じる幽霊の演出や舞台設定は良かったが、盛り上がりに欠けて単調。
過去の事件を更に掘り下げ徹底的に恐怖心を煽って欲しかった。
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危険なメソッド(2011年製作の映画)

3.6

ユングとフロイトが1人の女性患者により決別するまでを描いた作品。
ユング視点の会話劇がメインで全体的に淡々としているが、クローネンバーグ要素がしっかり感じられて楽しめた。
性的欲望を理性で抑えていたユ
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.8

人体の変化に対する受容と拒絶が根底にあり未来への警鐘を鳴らし問いかけるような作品で面白い。
進化の先にある社会的影響や危険性が犯罪を通して描かれ主人公の変化も見応えがある。
新しい肉体感覚への適応と否
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ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

4.5

過去を捨て幸せに暮らす主人公が不意の出来事で家族崩壊を招き、完全な決別から再生までの流れが綺麗で面白い。
不穏な冒頭の長回しから惹きつけられた。
別人として生きていても人は完全に変われず過去に苦しめら
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暴力教室(1955年製作の映画)

3.7

非行少年の跋扈する学校に赴任した新人教師の奮闘を描いた作品。
授業崩壊だけでなく教師に対する暴力や執拗な嫌がらせが多い中真摯に向き合う姿勢は良いが、不良更生の教育的な側面が目立ち物足りなかった。
戦後
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キラーコンドーム ディレクターズカット完全版(2023年製作の映画)

4.3

避妊具が人を襲う単なるB級コメディではなく、現代に通じる多様な性や愛の在り方等のメッセージが盛り込まれた社会的な作品で面白い。
傷ついた過去を引きずり恋愛に踏み込めない主人公のミドルエイジクライシスの
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スマイル(2022年製作の映画)

4.0

明るくポジティブな笑顔のイメージを逆手に取って恐怖に陥れる演出が最高。
ここで来ると分かっていても久しぶりに身構える程クオリティが高く、緩急をつけ怖さのツボを押さえた作りも良い。
カメラワークと音楽が
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悪魔館 死霊のせいなら、有罪。(2020年製作の映画)

3.8

死んだ孫を生き返らせる為に出産間近の妊婦を監禁し悪魔が降臨する話。
間違った選択をし続ける老夫婦の破滅譚として面白かった。
気弱な夫と手段を選ばない妻が黒魔術に傾倒し、如何にも怪しげな男に頼る雰囲気か
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イビルアイ(2022年製作の映画)

4.4

童話的な魔女譚に土着要素や無垢な少女の恐怖心が加わった不条理劇で面白い。
御伽噺は作り物と分かっていても現実と重ねる幼さが子供視点で描かれ、抗えない運命に救いはない残酷さも良かった。
猜疑心に苛まれて
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Pearl パール(2022年製作の映画)

5.0

夢を追いながら何処かで現実と折り合いをつける時は必ず訪れ、元に戻れないと知りながらも前向きなパールに感動。
夢が叶う幸せを予感させる煌びやかな冒頭から良い。
成功者の義理の妹との対比が特に印象的で限界
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バチカン・テープ(2015年製作の映画)

3.8

誕生日を境に豹変した女性の悪魔祓いを描いた作品。
エンタメ要素は少ない分リアリティ重視で徐々に取り憑かれる変化が面白い。
誰しもが悪魔の標的になり、全く因果関係が無く恐ろしい。
象徴的なカラスや怖がら
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

4.6

強敵な悪魔にも怯まないラッセル・クロウのキャラが際立ち娯楽性の高い悪魔祓いが最高だった。
精神疾患として悪魔憑きを扱う一面がエクソシズムの歴史に即していて興味深く、存在を信じない上層部との対比も良い。
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クリスマス・ブラッディ・クリスマス(2022年製作の映画)

4.5

クリスマスイブにロボットサンタが暴走して人間を襲う話。
斧を使って殺害する基本スタイルに忠実で見応えある人体破壊が最高。
子供にも手をかけ足で顔を潰す描写が特に好き。
何度倒されても立ち上がる手強さに
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ゴンタウ 降頭(2007年製作の映画)

4.4

警察官連続惨殺事件が起こる傍らで妻にかけられた呪いを祓おうと奔走する刑事を描いた作品。
グロさ満載の呪術が素晴らしく禍々しい雰囲気も相まって最高。
ムカデを吐き出し死体に蛆虫が湧く描写が特に好き。
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ザ・ショック(1976年製作の映画)

4.3

夫の死別後、再婚相手と息子と郊外の古い屋敷に住んでから異変が起こるバーヴァの遺作。
白目を剥き豹変した息子からの嫌がらせや多様な怪奇現象で徐々に狂っていく様子が面白い。
幸せな時に過去の因縁によって突
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ハウス・バウンド(2014年製作の映画)

4.2

保護観察処分で自宅軟禁される不良少女が怪奇現象に襲われる様子を描いた作品。
ありがちな屋敷系ホラーと思っていたが、二転三転する予測不能な展開に驚いた。
主人公を取り巻く登場人物のキャラクターが濃厚で仕
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

4.2

従来の人形ホラーにテクノロジーを加え精密なAIの暴走と現代風刺が反映されていて面白かった。
『チャイルド・プレイ』シリーズや『シャイニング』、『エイリアン2』のビショップ等のオマージュが単なる焼き回し
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廃棄少女(2011年製作の映画)

2.7

『先生を流産させる会』の特典。
マスクを被った謎の人物との攻防戦を描いた作品。
自主映画として余計な情報を入れず勢いで作ったような印象。
血まみれのラストと表情が好き

先生を流産させる会(2011年製作の映画)

3.6

実際に起きた事件を元にした作品。
胸糞悪さと厭さが詰め込まれ重かった。
思春期特有の不安定さや集団心理が働き先生をどんどん追い詰めて救いがない。
過保護なモンスターペアレントも厄介で人間の醜悪さを随所
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クロールスペース(1986年製作の映画)

4.3

美女限定のアパートを営む猟奇殺人鬼を描いた作品。
飼育監禁ホラーとして完成度が高く偏執的な覗き趣味も良い。
女性に消極的な印象を持たせ他人の生活を覗く様子が狂気的で面白い。
ナチスに縁があった医者の父
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ヴァージン・スローター(1983年製作の映画)

4.2

3人のギャングが押し入った先の古い民家で美少女に殺される話。
全体的に単調だったが、少女の異様な雰囲気や不穏感が際立ち恐ろしかった。
3人の内2人は特にタチが悪く根っからの狂人感も良い。
店員に対する
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