ちろるさんの映画レビュー・感想・評価 - 112ページ目

ちろる

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パッセンジャー(2016年製作の映画)

3.7

SFアクションというよりはヒューマンストーリー寄りなのでSF特有の小難しいことはなく、圧倒的なスケールの映像やBGMでテンポ良く引き込まれるエンターテイメント作品でした。

近未来の地球から遠く離れた
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アノマリサ(2015年製作の映画)

3.4

最初観た時はその人形の顔つきの気味の悪さや、想像以上な暗さに「ちょっとダメかも、、、」と観るのを止めようか迷いましたが、ストップモーションで撮影された人形の細かい仕草や洋服のシワなどの表現の精巧さに思>>続きを読む

17歳(2013年製作の映画)

3.6

少女と大人のに変わる危うい年代の女の心の変化をフランソワ オゾン監督が繊細に切り取ったエロティックでアンニュイな、如何にもフランスらしい作品。

主人公イザベルを演じたマリーヌ ヴァクトのなんとも言え
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天才マックスの世界(1998年製作の映画)

3.8

今まで観たウェス アンダーソン監督の中で一番古いので、今ほどのおしゃれな色彩の映像や、いろんなエピソードのごちゃ混ぜ感は少なめで比較的シンプルで分かりやすいストーリー。
でも、ヘンテコ登場人物のキャラ
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ローラーガールズ・ダイアリー(2009年製作の映画)

4.4

少女から大人に変わる大事な時期を宝物にするための青春のあれこれを、バランスよく入れ込んだなんだかとっても愛おしい作品です。
母親の呪縛の中に閉じ込められて、1人じゃ何もできない大人しい少女役というのが
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女は女である(1961年製作の映画)

4.0

様々な場面で「赤」、「青」がとても印象的に使われ、斬新な音楽の使い方。アンナ カリーナ演じるアンジェラのブルーのシャドウと長い睫毛とアップスタイルや赤いニットなど、60年代のフランスやゴダールの実験的>>続きを読む

サンバ(2014年製作の映画)

3.3

オープニングの明るいダンスのシーンが煌びやかなシーンから打って変わり、その裏のキッチンで働くサンバの働くシーンにチェンジすると、フランスの華やかな表の顔と社会の影で逮捕に怯えながら生きる人々の姿が見え>>続きを読む

インナー・ワーキング(2016年製作の映画)

3.6

人間という仕事を時間刻みにこなし、、、そう、ただこなしているだけの毎日の主人公。
美味しそうなパンケーキも横目で見ながら、楽しそうな海辺にも立ち寄れず、安全に安全に死なないために生きるだけの日々を過ご
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モアナと伝説の海(2016年製作の映画)

3.9

最近のディズニーヒロインと同じく、おてんば、好奇心旺盛、勇敢の三拍子見事に揃ったモアナでした。

海に囲まれた楽園のような島の村長の一人娘であるモアナが祖母の話した伝説の海に呼ばれて、航海の旅に出る。
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家族はつらいよ(2016年製作の映画)

3.4

期待していたほどのドタバタ劇が無くて少し残念。離婚したい母さん(吉行和子)の影も全体的に薄く、もっともっと父さん(橋爪功)をいたぶるのかと思ったら意外に最後まで優しかった。
熟年離婚は近年増えていく一
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ユキとニナ(2009年製作の映画)

3.6

フランスと日本のハーフであるユキと、その親友ニナの夏の忘れられない時間を切り取った物語。

両親の離婚話で遠く離れた日本に行かなければ行けなくなったユキとそれを必死で阻止しようと目論むユキとニナ2人の
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5時から7時の恋人カンケイ(2014年製作の映画)

3.4

5時から7時までしか会えない。
所謂不倫の恋の行く末を、美しい音楽と洗練されたニューヨークの街並みや、セントラルパークのベンチに刻まれる沢山の愛の軌跡と共に語られて非常におしゃれに演出しているけれど、
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ブルックリンの恋人たち(2014年製作の映画)

3.3

ブルックリンの夜のネオンや、街の海沿いの堤防とカモメの声、明け方開くカフェのパンケーキの香りや町中に響く音楽たち。
都会なのにちょっと無骨でクリエイティブさの漂う人々が集うブルックリンの雰囲気を集めた
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天国からの奇跡(2016年製作の映画)

4.1

先日鑑賞した「天国はほんとうにある」ととっても似ているお話でこれも実話ということにただただ驚き。もうかなり始まりの方からずっと泣きっぱなしでした。

主人公の次女アナの難病が一つの軸になっているのです
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サンセット大通り(1950年製作の映画)

4.5

テンポの良さと鬼気迫る演技でどんどん引き込まれます。素晴らしい。

1950年に公開されたモノクロ映画にも関わらず、現代にそのまま移し変えて観ても全く古臭さを感じさせないプロットの完成度や、悲劇感と喜
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シェフ!~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~(2012年製作の映画)

3.4

ジャンレノ演じるアレクサンドルとミカエル ユーン演じるジャッキー ボノ2人の料理バカの掛け合いが絶妙な新旧フレンチバトル。

ジャッキーのちょっとひょっとこみたいな間抜けな顔つきが、すごくいい味出して
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東京家族(2012年製作の映画)

3.8

構成や、展開が微妙に異なるけど、それ以外の台詞回しやストーリー展開などはほとんど小津安二郎監督の東京物語と同じでした。

オリジナルの東京物語では戦死した次男の嫁の、原節子さん演じる紀子さんと、笠智衆
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アンコール!!(2012年製作の映画)

4.1

いやー、泣いた。原題がアンコールじゃなくてSONG FOR MARIONとのことで、そのままの方が良かったと思う。
なんせ、作品全体にマリオンのアーサーへの愛と、皆んなのマリオンへの愛がたくさん詰まっ
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おとなの事情(2016年製作の映画)

3.4

月食の晩に集まった3組の夫婦と1人の独身男性が携帯を見せ合うゲームを始める。
もっと軽くてコメディタッチな作品なのかと思ってたら、深刻になるようなシーンがけっこう多くてポップな気持ちで観る感じのもので
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

3.9

1960年代の台湾で起こった少年による殺人事件が起こるまでの物語。
上海から台湾に渡ってきた主人公小四の家族。小四の通う学校と不良チームの抗争など、それぞれの世界を軸としながら不良でもない、模範学生だ
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天使の涙(1995年製作の映画)

3.8

ウォン カーウァイ監督ならではの独特な色味や映像効果、そして音楽の使い方は現在も十分な見応えがあった。

眠らない街香港で生きる孤独な5人の男女の絡まりそうで絡まらない関係が良い。
ラストまでずっとハ
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さざなみ(2015年製作の映画)

3.6

45年寄り添った夫婦にさざなみが押し寄せる。静かにでも着実にザワザワ、ザワザワと音が聞こえてくるようだ。
原題より邦題が優れてると思ったのってほんと何年ぶりだろう。

女は過去の恋愛をすっかり忘れ去る
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.3

ポスターやタイトルのイメージとは違って思っていた以上に重く、遣る瀬無い気持ち一杯になって劇場を後にした。
観た後もモヤモヤ残る本当に辛い、社会の不条理さに対して流れた自分の涙に何か覚えがあると思ったら
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.1

どんよりとした曇り空の田舎の村と石造りのお城のような暗いお屋敷の映像。
物語に暗い影を落とすのは、内戦によって両親に生まれた混沌とした思いによるものだろうが、アナと姉のイザベルはそれを知る由もなく、彼
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世界中がアイ・ラヴ・ユー(1996年製作の映画)

3.7

歌って踊って恋をして、とびっきり魅力的なニューヨークのとある上流家庭のお話。

ウッディ アレンらしい台詞回しを残しつつ、道端でも、宝石店でも、お葬式だって突然歌って踊り出すから、ミュージカルが苦手な
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フラッシュダンス(1983年製作の映画)

3.7

とびっきりおしゃれな80年代が詰まってる作品でした。
主人公アレックスがかわいい!
好きな人の事になると激情型で怒ると物投げるしかなり激しいので、およよ!ってなったけど、笑顔がとびっきりキュートなヒロ
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おやすみなさいを言いたくて(2013年製作の映画)

3.9

冒頭から救いのない自爆テロを行う女性とその家族の映像。
そしてそこにいる罪のない子供達まで犠牲になる惨劇があまりにもショッキングだった。

女性報道カメラマンとして戦場に赴き、常に死と隣り合わせの日々
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イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年製作の映画)

3.8

最近は比較的シリアスな作品ばっかり観てたから、こんな風に映画で笑ったのは久しぶりかも。

ポジティブで明るい世にも奇妙な物語といった感じ。
ジムキャリーのコメディー映画ってマスク以来あまり面白いとは感
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自転車泥棒(1948年製作の映画)

3.8

イタリアネオ+クラシッコ映画祭にて今作を初めて鑑賞しました。
第二次世界大戦の敗戦を終え不景気真っ只中のイタリアの貧困を描いた「イタリア ネオリアリズム」の名作とも呼ばれている通り、極限の貧困の中で生
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マンハッタン(1979年製作の映画)

3.5

モノクロで写しだされるマンハッタンの映像と、それに乗せて流れるラプソディーインブルーが流れるシャレオツなオープニングに、おー来たぞ来たぞと期待も高まる。

頭良くて、会話も哲学的だったりして、説明過多
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追憶(1973年製作の映画)

4.2

昔観た時には、この作品の良さが全く分からなかったので、すっかり内容忘れていたけれど、今観ると名作だと言われた所以がわかる。

学生時代から政治運動をするケイティと、学園のヒーローであるハベルの恋。
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ダメ男に復讐する方法(2014年製作の映画)

3.4

男の人にとってはなんか観たくないような、そして女にとっては痛快すぎるコメディでした。

女って敵対する時は見境無くなるけど、一度結束固めたらとんでもないパワーを持ってしまうんだ!

キャメロン演じる美
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ドリーマーズ(2003年製作の映画)

4.7

退廃的で何故か艶めかしいパリの若者の世界観をベルトリッチ監督の映像美で表現したような作品。

親のお金を当てにしながら、現実を避けて、自分たちの夢の世界で自堕落な生活に身を興じる主人公たちの姿は、まる
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ソムニア 悪夢の少年(2016年製作の映画)

3.5

美しい蝶々の幻想的な映像と少年の夢に出てくるキャンカーマンの秘密が切ない。
ストーリーとしては、比較的シンプルめなダークファンタジーではあるけれど、後半に向けて一気にホラー度合いを強めて畳み掛けてきま
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ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女(2009年製作の映画)

4.2

フィンチャーのハリウッド版を映画館で観て衝撃を受けましたが、スウェーデンのオリジナル版は今回、ようやく観ることができました。

ストーリーはほぼ同じなので、言わずもがなですが、こちらは流石3時間越えと
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バルフィ!人生に唄えば(2012年製作の映画)

4.0

始まりからインドのダージリンのカラフルな街並みや、みずみずしい光と暗闇のコントラストも本当に綺麗で、まず映像に引き込まれました。内容も特に期待してなかったから、予想以上に感動した作品だったのでなんだか>>続きを読む