merrydeerさんの映画レビュー・感想・評価

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CURE キュア(1997年製作の映画)

3.5

恐ろしい映画だ。

人間の深層心理に潜む心の闇に揺さぶりをかける刺激的な展開でありながら、流れる空気感が常にどこか淡白で、支離滅裂ではないのに焦点が合っていない様な不穏さが付き纏う。
視覚的なり、世界
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黄龍の村(2021年製作の映画)

3.4

余計な前情報は絶対入れないで鑑賞しよう‼︎
有りふれまくった村ホラーでしょ?、となめてかかった連中をあっと言わせる痛快作‼︎
ハードル下げまくった方がむしろ良い‼︎



ほんとバカ。(嫌いじゃないぜ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

とにかく色々と圧倒される作品であった。
狂ったプロットであったり、歪んだ世界観なのに美しい映像と可愛らしい音楽であったり、誰も彼も強烈過ぎるキャラクターであったり、その狂気を見事に演じ切る演者の凄まじ
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.0

過激、過激、また過激なスプラッター描写のオンパレードに悲劇、悲劇、そして絶望なストーリー展開。
たまたま同時期に鑑賞した某邦画ホラー/スプラッター作品が過激なゴア描写の畳みかけと合間合間に劇中歌を織り
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.5

展開の浮き沈みが精神的不安定のソレようでとにかく心臓に悪い。
物語の軸となる復讐劇的側面とラブロマンス的側面が錯綜しながら進行し、落ちたと思った所から再浮上して、また観てるこっちの精神を揺さぶってくる
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音楽(2019年製作の映画)

3.0

大橋裕之の傑作漫画を岩井澤健治監督が映像化。

制作期間は7年に及び、作画枚数は40,000枚を超えるというエピソードからも、声優には坂本慎太郎、岡村靖幸、劇中音楽にはスカートの澤部渡に、主題歌はドレ
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パターソン(2016年製作の映画)

3.9

アメリカのパターソン市で妻(と犬)と暮らすバス運転手パターソン(本名とのこと)の一週間が経過していく様子が淡々と流れ続ける。
月曜日の朝の起床から始まり、翌週月曜日の朝の起床で終わる。
平日は、朝の起
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サイドウェイ(2004年製作の映画)

3.3

軽妙なテンポで進展するシナリオとタイプが違う主役コンビの軽快なやりとりで魅せるコミカルな雰囲気に包まれて大枠としては楽しく鑑賞できて、カリフォルニアの美しい風景にも引き込まれる魅力的なロードムービー。>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

3.6

1985年ダブリン、経済状況も夫婦間も危うい家庭、その都合で転校させられたカトリック修道会が運営する荒れた学校には校則に厳格な校長や気性が荒いいじめっ子。
主人公コナーを取り巻く環境はいきなりハード。
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オーディション(2000年製作の映画)

3.4

愛情には痛みが伴う(物理)

初見時に「もう二度と観ない」と思ってたのに観てしまいました。(アマプラくん迫真のおすすめのせいで)

改めて見返すと、(ロブ・ゾンビと同じく)やはり目を背けたくなるクライ
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.5

エドガー・ライト監督が、コルネット3部作からベイビー・ドライバーを経て、おふざけはほぼ無しで非常にストイックにサイコホラーを追求した印象の一本。

ファッションデザインを学ぶため、故郷を離れロンドンの
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私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

4.0

厳格な母親にとっての理想の娘像と思春期に差し掛かり変化する様々な事への興味・関心、そのギャップがもたらす葛藤やストレスを感情が昂ぶるとレッサーパンダに変身してしまう、というぶっ飛んだ主人公の設定と色彩>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.4

2022年アカデミー賞ノミネート!の放つパワーに惹かれて鑑賞したものの、正直、1時間程度が経過するまでは、主題は何となく見えるけど格別の面白味までは見出せず、平坦な展開も相まって、さすがに離脱しようか>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.7

長い鑑賞時間と共に心が満たされていく作品でした。

原作は味気ない読み味ながら不思議な求心力を持つ作品という印象でしたが、本作はその原作を再現することに重きを置いておらず、要所で原作の設定や主題、見せ
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.2

いつになく哀愁と危うい雰囲気が漂うブルース・ウェイン、ヴィランのリドラーの悪趣味な手口とそれに付随するサスペンス、ミステリー要素、デヴィッド・フィンチャーの名作セブンよろしく雨や夜の描写が多めで晴れ晴>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.8

ルイーザ・メイ・オルコットによる1860年代終盤の自伝的小説「若草物語(Little Women)」が原作。
原作者自身がモデルである、ニューヨークで教師を勤める傍ら作家を目指すも中々自分の望む通りに
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.4

1890年代のニューイングランドの孤島を舞台にウィレム・デフォー演じるベテラン灯台守とロバート・パティンソン演じる新人灯台守の交流の日々が描かれております。

舞台も登場人物もミニマルで、2人以外の他
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足跡はかき消して(2018年製作の映画)

3.3

従軍経験が原因で社会生活に適応できず、娘と森の中でホームレス生活を送る男性親子2人を中心に物語は展開される。

いわゆる普通の社会生活に戻る機会が幾度か訪れ、娘はその新しい生活に順応する事に少なからず
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

3.1

物語の中心は久しぶりの休暇で連日のスキーバカンスに訪れた四人家族。(夫婦と男女一人ずつの子供と言う構成)
バカンスの最中に見舞われたアクシデント時の夫の行動が妻と子供たちに失望感や不信感を抱かせ、残さ
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.0

久しぶりに観てもやっぱり面白い。

ミステリアスな前半、狂気的急展開な中盤、ちゃちなホラーよりよっぽど強烈で恐ろしい終盤(と言うかオチ)。
特にその衝撃故にある程度記憶に残っていた中盤の急展開は今回久
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マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

3.3

芽が出ない人形師が家計のために新たに就職した先の奇妙なオフィスで偶然見つけたジョン・マルコヴィッチの意識に15分間つながる穴を通して展開される人間ドラマ。
というちょっと何言ってるかわからない奇天烈な
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ぼくとアールと彼女のさよなら(2015年製作の映画)

4.8

高校最終学年の主人公グレッグは校内であらゆるグループに顔見知りを作りつつ、そのどこにもどっぷり属することはない。
敵がいないと同時に深く付き合う人物は一見感情の起伏少なめな幼馴染の黒人アールに留めてお
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

3.6

言わずと知れた古典的名作。
それ故に、本作を良しとするにも物足りないとするにもどうしてもクラシックへのバイアスがかかってはしまいます。

現代基準で考えればスリリングな演出やら伏線回収やらがある訳では
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

3.7

厳格な父親、一見良好な関係を築いている継母、歳の近い妹を持ち、レスリングに励みつつ恋人との時間も楽しむ高校生タイラーを主軸に物語はスタートする。
一体何を見せつけられているんだ、と思えるほどに順風満帆
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.5

冒頭に据えられたミニチュア模型作家アニー(演:トニ・コレット)の母の葬儀後から、彼女の家族の身の回りで巻き起こる不穏(というか狂気的)な出来事を描く正しくホラーな一作。

たまたま最近観賞した同じくト
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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

3.8

ニューメキシコ州に住む7歳の少女オリーヴがカリフォルニア州で開催される美少女コンテストに参加するため、諸々の事情で一家揃って大分ガタが来てるワーゲンのマイクロバスで800マイルの旅をするロードムービー>>続きを読む

害虫(2002年製作の映画)

3.0

最近、たまたま目にした記事で言及されていて初見(10年以上前)以来の観賞。

思春期の心の闇、蟠り、衝動、等々その辺りのナイーブだったりセンシティブだったりする感情を抽象的なトーンで描いている感じ。
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シリアスマン(2009年製作の映画)

3.1

大学で物理学を教える生真面目なユダヤ人の男性が次から次に災難に見舞われる様がコミカルだけどシュールかつどこか淡白なテイストで淡々と展開されていきます。

主人公の周りには、無職病気持ちで居候の兄、何故
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.7

子どもの頃の交通事故の後遺症で耳鳴りが続くが、iPodでお気に入りの曲を流すと耳鳴りも忘れ超絶テクニックのドライバーに変貌する犯罪組織の逃し屋という主人公のキャラクター設定が最高にクールな訳ですが、映>>続きを読む

ウィッチ(2015年製作の映画)

3.1

主演はクイーンズ・ギャンビット(未視聴)のジャケ写が激カワなアニャ・テイラー=ジョイちゃん!
とか言ってる場合ではなくなる絶望魔女ムービー。

1630年のイングランドが舞台でありつつ、「敬虔なキリス
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サンキュー・スモーキング(2006年製作の映画)

3.9

嫌煙派の声が高まるアメリカで喫煙者の権利を守るために奮闘するタバコ研究所の広報部長が主人公の社会派コメディ!
…ではありつつ、タバコの健康被害云々はあくまで物語を展開するためのフックであり、煙草に引っ
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.6

18世紀イングランドの宮廷を舞台とした恐ろしき女の闘いが煌びやかな映像と薄汚いユーモアと共に描かれております。
個人的に世界史には全く明るくないので、史実を踏まえた楽しみ方というのは恥ずかしながらほと
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ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999年製作の映画)

3.4

魔女伝説が残る森の真相を映画科の学生が追うモキュメンタリー。
ほぼ全編が手持ちカメラのPOVなので、BGMや特殊効果等の装飾は皆無。
それ故の臨場感というか、追い込まれた人間が精神的に消耗していく様や
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アヴリルと奇妙な世界(2015年製作の映画)

3.3

産業革命が起きず蒸気機関がエネルギーの主流である1941年のフランスを舞台に科学者一家の少女が祖父を探す物語。
と言う事で、ほんのりとジブリの影響も感じつつ、それ以上にお国柄が出たような洗礼された洒脱
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ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)

3.7

タイムループ設定だけ残した別物ではなく、完全に前作から地続きの続編。
なので、基本的に前作鑑賞が前提の作りのためか、前作ではある程度漂わせていたホラー、スリラー要素をほぼほぼかなぐり捨てており、代わり
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ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.5

インパクト大なパケ写や明らかに不穏なあらすじから受けるシリアス一辺倒な印象に反して、ウザ目で痛快な主人公のキャラクターとその精神的成長、所々コミカルで軽快なテンポ感など、ややもするとこの手のジャンルの>>続きを読む

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