midimidiさんの映画レビュー・感想・評価

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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.5

これは良かったです。良かっただけでなく、嫌なところが無いという希少な映画でした。
「温かい映画」と言うと途端に胡散臭くなるけれど、この映画は芯から温めてくれる映画。
舞台となるヘルシンキの街は、日本で
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

これはフェミニズムについての映画だ。ロマンスでもポルノでもホラーでもない。
最初は無垢な幼女のように登場するベラが、凄まじいスピードでセクシュアリティを手に入れ、知性を獲得し、社会を知り、自我を発見し
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.9

隅から隅まで「アンビエント・トウキョウ」映画だった。
まあ良く出来たファンタジーなんである。
銭湯とか、行きつけの居酒屋の感じとか、ちょっと羨ましくなるし。
あんな可愛い姪がひょっこり訪ねてきたり、結
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ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(2003年製作の映画)

4.5

指輪三部作の完結編。かつて映画館で観て、物語自体の感動と、シリーズが終わってしまうことの寂しさに感情がクシャクシャになったことを今も忘れない。
私的永遠の名作すぎて今までfilmarkしてなかったけど
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.1

とにかくケイトブランシェットが凄い。tarという架空のマエストロ、知的で強気、時に尊大で傲慢な、一般の人から見たら憧れと敬遠が入り混じる複雑なキャラクターに、実在するかのようなリアリティを与えた。一体>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.7

ライブシーンの演奏のパワー、それと互角であろうとする映像の振り切れ方よ。
モーションキャプチャの威力で、音と動画のシンクロは完璧。でも欲を言えば、そのレベルを超えたブッ飛び具合の映像表現は、もっと何か
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デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

4.3

これは凄かった!ボウイの過去のライブ映像、出演映画、インタビュー、絵画、ファッション、舞台、ダンス…あらゆるジャンルのクリエイティブの記録が、おおむね時間軸に沿ってびっしりと詰め込まれ、135分どのカ>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.7

マルチバース設定のSFか!そんでカンフーか!面白そうじゃん‼︎と、はりきってIMAXで観たら、映像が目まぐるしすぎてちょっと悪酔いした。それでも設定といい世界観といい、スピーディーで奔放な展開といい、>>続きを読む

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.9

予想していたよりもずっと、烈しい感情や暗い情動が、そして人生の現実と、映画が与えてくれる夢が描かれた、大人のためのドラマだった。
1980年代イギリス、まだ#metooやblacklivesmatte
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バビロン(2021年製作の映画)

3.8

観たかったものは観れたし、十分楽しませてもらったし、ラストはシンミリした(しかし長い...)
冒頭、映画界を夢見る青年マニーが、象をトラックに乗せて砂漠の荒地を映画界の大御所の館まで運搬するシーン。マ
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.9

2023初映画。かなり面白くて吉だった。神話の舞台キャメロット王国のどこまでも続く荒涼とした草原、切り立った海岸線、沼と湿原…中世ブリテンの大地をイメージした世界観(ロケ地はアイルランド)にどっぷり没>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.9

知り合いの現役陸上自衛隊員が、この映画を見てしばらく鬱から抜けられなかったそうだ。それも納得の、容赦無い過酷な戦場描写。
本来ならば未来あるはずの兵士たち、その何万もの命を駒として使い捨てることしかし
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.4

2022年、観たけどレビュー書いてなかった映画のひとつ。観てる間は「すげーな、これ」と思っていたが、身終えてからは、この映画について誰かに語りたいという気持ちにあまりなれなかった。ショッキングな描写の>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.5

2022年、観たのにレビューし忘れてた映画のひとつ。
アメリカ人から「リコリス・ピザ」と描かれたTシャツを貰ったので、人気のピザ屋さんかと思いきやレコード屋さんだった。そしてこの映画のタイトルだった。
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エルヴィス(2022年製作の映画)

3.6

2022年、観たのにレビューし忘れてた映画のひとつ。
悪くなかった。エルヴィスがなぜ、当時の女子にキャーキャー💞言われてたのか、ちょっとわかったような気にもなれました。

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

4.2

凄い映画、凄い物語だった。
これまで長年アルモドバル映画を観てきて、おもしろいなとは思っても、共感できる部分はあまり無かった。でも、今回は映画に出てくるたくさんの女たちの一端に自分も繋がっているような
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ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ(2021年製作の映画)

4.3

111分の中で、ルイス・ウェインの人生を追体験したかのような濃密な映画体験。私的今年ベスト映画の一つになった。
数年前、ロンドン郊外の精神病院付属美術館でサイケデリックなオーラを発する猫の絵に衝撃を受
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パディントン 2(2017年製作の映画)

4.1

前作が良かったのでまあ見ておこう、と何気なく見始めたら、あっという間に引き込まれてしまった。冒頭、骨董屋で見つけた、ロンドンの名所を巡る飛び出す絵本。それを見つめるパディントンは絵本の中のロンドンに引>>続きを読む

魂のまなざし(2020年製作の映画)

3.8

期待を1ミリも裏切らないものが見られて良かった。
画家として生きることと、生身の女性として生きることの相克を、硬質な美しい映像で、描写しすぎることなく余韻を持たせて描く。
恋をしても自分の描く絵の中に
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さかなのこ(2022年製作の映画)

3.5

「さかなクンがなぜさかなクンになったのか気になる」という友人に誘われて観た。
好きなことを仕事にする、ということの難しさと、仕事になっていくことの喜び。
上京し、水族館やペットショップなどの仕事を点々
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映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ(2022年製作の映画)

3.5

配信で気に入って何度も見ていたので、同じくこのアニメを好きな友達を誘って、仕事帰りにレイトショーで鑑賞。金曜の夜に映画館で(大好きだけど、すでにストーリーを知っている)アニメ映画をみるというリラックス>>続きを読む

アネット(2021年製作の映画)

3.3

久しぶりにカラックス節を堪能したのと、アダムドライバーが頑張っていたので、映画としてどうこう以前に気がすんだ。でもストーリー自体は鬱展開で辛かった。エンディングのキャスト総出の提灯行列ですらメタ感出せ>>続きを読む

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

4.0

アネットを映画館で見た後、なんだか再度これを見たくなって、てかドニ・ラヴァンが観たくなって、配信で鑑賞。
比較はできないが、アネットより好きだと思った。
インターミッションとして、夜の街角をアコーディ
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.8

綺麗な化粧箱に詰められたチョコレートのような映画、だと思った。美しい色彩、魅惑的な香り。齧ってみると、ほろ苦いカカオとナッツ、ブランデーやスパイスの味と刺激と舌触りが展開する。こんなものでお腹はいっぱ>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.8

アダム・ドライバーがしりあがり寿さんに似ていることを発見した。ニカッと笑うひとの良さそうな笑顔と、資産家の息子としての冷徹さ。その矛盾なきギャップ。
今作で彼は役者として最大限有効に使われていて、すば
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.3


オリジナルが好きすぎて見るのを躊躇している人がいたら、そんな心配は無用です。オリジナルをリスペクトしつつも現代にリメイクした意味が十分すぎるほどあり、更新すべきところは更新されている。映像が新しいだ
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.2

壮大な物語の幕が上がる感覚を堪能できる第一部。
砂漠の国、巨大な砂虫、大人数の白兵戦…などなど過酷な状況を描いているのにもかかわらず、全てのカットが夢のように美しい映像の魔術。
ただ映像と音響に身を預
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クルエラ(2021年製作の映画)

4.0

ただただ、楽しかった。80's&60'sミックスの豪華絢爛な少女マンガ風絵巻&エマストーン(2.5次元風ルックス)&悪役をやってもどこか良い人風のエマトンプソン。ファッション、音楽、どこを切っても絵に>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

失われた人を思い続けるということ。
失われた人と、自分の中で、ずっと対話し続けるということ。

西島秀俊演じる家福は妻を亡くした俳優/演出家で、彼が出演/演出するチェーホフの劇が入れ子のように作用し、
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.5

久しぶりに映画館へ。全部一人で90分のストップモーションアニメを作るというのは本当に凄いが、何かを作ってると数年なんてあっという間に経つというのもよくわかる。
造形は凝ってて、ヤン・シュワンクマイヤー
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ペイネ 愛の世界旅行(1974年製作の映画)

4.0

追悼、エンニオ・モリコーネ。テーマ曲が本当に素晴らしい。愛と平和をテーマにした詩的なアニメーション映画。今観ると懐かしいが、世界は1970年代当時から何ひとつ進歩していないことにも気付いて、泣ける。

ハウルの動く城(2004年製作の映画)

3.8

ロックダウン生活に癒しを求めて、配信で鑑賞。懐かしい!
当時よく意味がわからなかったストーリーや設定に、改めて唸った。

老婆になったり、若返ったりするソフィーの設定にはいろんな意味が込められている。
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.3

イギリスのロックダウン生活一週間目にして、煮詰まったのでアマプラで配信してたこれを見てしまった。
これ、2018年版の「サスペリア」と共通点多いと思った。
・異国のカルトコミュニティに入りこむヒロイン
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大脱走(1963年製作の映画)

4.4

何回観てもそのたびに凄い映画だと思うし、家族が観てるのを途中から観ても引きこまれて最後まで観てしまうし、各登場人物がどんな末路を辿るのか知っていてもやはり手に汗握るし、人間関係の綾に泣けるし、ニヤリと>>続きを読む

ダウントン・アビー(2019年製作の映画)

4.3

イギリスの地方都市の映画館で鑑賞。満席。
日本でドラマの最終シリーズを見ながら、あ〜終わらないでー‼︎と願っていたくらいだから、ずっと観たかった映画版。そして、ドラマシリーズのスピンオフくらいかなとい
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ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

4.3

しみじみと良かった。アルモドバルの自伝的映画ということだが、創作とマジカルなひねりが施され、時空を超えて魂の追憶の世界に誘われる。

スペインの洞窟住居に暮らした幼年時代。その白い壁と、天窓から射す光
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