沖田修一監督らしい、優しくファンタジックな人生讃歌でありながら、全編を通して孤独と狂気が通底する映画でもあった。周りの人間がみな優しく、ミー坊もまたポジティブを波及させていく物語なので、基本はほっこり>>続きを読む
人生絶望予行演習映画を撮る深田晃司監督。理屈や正しさやモラルでははかれない、人間の生理的な感情や衝動が噴出する。韓国が出てくるのを抜きにしても、イ・チャンドン的な韓国映画のバランスを感じた。
「ない>>続きを読む
この監督のセンスすごくすごく好き!!!メインビジュアルや「次世代のタランティーノ」という煽りから想像されるよりはるかに地味で小ぢんまりとした作品なのだけれど。
まず、「おれが考えた最強の女の子!」を>>続きを読む
公開当時、「アナザー『エブエブ』」的な評をちらほら見かけて、ずっと気になっていた作品。タイムリープ/パラレルワールドものはどうしても見逃せない!
とても丁寧で、よく練られた佳作だった。異なる可能性を>>続きを読む
安心して子どもに観せられるやつ!登場人物の気づきや成長を通して、『青い鳥』的に願いが叶う過程が、ていねいに描かれていてとても良かった。
ネコはとことんかわいくかっこよく、メッセージは真っ当で明快。ギ>>続きを読む
デヴィッド・フィンチャー×マイケル・ファスベンダーという、一見クールで完璧な仕上がりになりそうな組み合わせが、ほぼ出オチな感じでことごとくハズしの笑いを誘ってくる。頭の中あんなにおしゃべりな上スミスな>>続きを読む
すでに観た友だちから「『やったか……!?』の天丼」「明るくないバトルシップ」というキラーフレーズをもらっていたので、それも含めて楽しく観ることができました。
まず、ゴジラパートが総じてとても良かった>>続きを読む
もう予告観た時点で、「どうせ長くてこってりしててめちゃくちゃおもしろいんでしょうよ!」と思っていましたが、その通りでした。冒頭からもう強固な「映画力」でがっちり観客をつかんで離さない巨匠の手腕!きもち>>続きを読む
眠気がきてるなか鑑賞し始めたのですが、眠気も吹っ飛ぶおもしろさでした。『工作』『タクシー運転手』『ホテルムンバイ』あたりを思い起こさせるようなポリティカルな脱出劇でありつつ、90年ソマリアを舞台にした>>続きを読む
なんというHIPHOPとの親和性の高さ!まず、グラフィティを思わせるような落書き風アニメーションと、かかりまくる大ネタ(M.O.P.!No Diggity!ODB!)。色彩はどことなくA Tribe >>続きを読む
古今東西のアクション映画への愛とアイデアがぎゅうぎゅうに詰まった、宝箱のような映画。映画自体に監督の美学の筋が一本通っているので、どんなにリアリティラインがおかしくとも、安心して観ることができました。>>続きを読む
グランツーリスモ、佐久間さんのラジオで発売日イジりされてる印象しかなくて、映画!?そしてブロムカンプ!?と思ったけれど最高でした。薦めてくれた友だちに感謝!
後出しだけど、ブロムカンプ合ってるじゃん>>続きを読む
監督が意図したであろう戦後アメリカ史観や演劇界のメタファーについてはぼんやりとしかわからなかったのだけれど、それでも思いのほかエモさが伝わってくる作品だった。奇しくも少し前に完走していた『LIGHTH>>続きを読む
ものすごく優れた映画化だった。原作ももちろんおもしろくてスリリングだし、映画でも展開は忠実に再現されているのだけれど、やはり本人による著作と俯瞰で捉えたドラマでは印象が変わってくる。映画では登場人物や>>続きを読む
『スリー・ビルボード』と同じく、本当に隅々まで抜かりない作品。めちゃくちゃおもしろかったです。アイルランド内戦のメタファーや寓話として興味深いのはもちろんのこと、人間ドラマが歯ごたえありすぎる。男性/>>続きを読む
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大好きな監督に主演コンビ、サントラ、と期待しかない作品だったけれど、わたしにはちょっと難しかったです。風刺としては優れていると思うし、Fleabagのように洒脱なウイットやパンチラインを楽しむ映画だと>>続きを読む
いろんな意味で惜しい映画。『ブックスマート』でめちゃくちゃ期待していたオリヴィア・ワイルド監督の二作目だったのに、裏のゴタゴタばかりが先行して劇場へ行くモチベーションを失くしてしまった。
『ステップ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
今さらですみません……。だけど、本気で鑑賞させていただきました。人生にはマトリックス味を摂取したい時が必ず来る……!
第一幕で『マトリックス』をやり直すの、完全に村上春樹じゃん!(てかラナの方が先だか>>続きを読む
小1の娘と鑑賞。親も子も楽しめたー!ストーリー的には起こる事件や展開、スピードなど、とても小さくて地味な作品だなぁと思うのだけれど、しみじみ良かったです。
大人の目線で観ると、まず入国やファイアタウ>>続きを読む
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トムの生存を確認……!もうトムの生きざま映画という意味で、『トップガン マーヴェリック』とほぼいっしょ。今回は「トム」「アナログ」「ハリウッド映画」が三位一体となったメタファーで観客をぶん殴ってくる。>>続きを読む
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アニメーションの神による、半自伝的かつセルフオマージュにあふれた作品。スピルバーグの『フェイブルマンズ』であり、村上春樹の『街とその不確かな壁』だと感じた。どの巨匠の作品も「わしの業はこれじゃい!」と>>続きを読む
オールドスクールなホラーかと思いきや、元気なBBAホラーであり、生と性にまつわるおかしみと哀愁が交互に訪れる、絶妙な味わい。
男は度胸を、女は若さを誇示し、それがかえって死を招くのも現代的。数々のオマ>>続きを読む
観ている間じゅう、ずっと最高がつづき、さらに先があるしあわせ。2024まで生きる…!
誰しもが圧倒される映像表現。ポップカルチャーとモダンアートを浴びる、アイキャンディな快楽。クリエイターたちの喜び>>続きを読む
知人の訃報を受けて眠れず観始めたが、ウェルメイドな失恋映画だった。
すべての恋人だった人たちが共有できるような、親密さと郷愁と気恥ずかしさと後悔がとても自然に描かれている。「ビフォア」シリーズのような>>続きを読む
小二病の自分がぐいぐいひっぱりだされた!決めポーズか~ら~の~走りーーー!速ェーーー!オラわくわくすっぞーーー!
まず、エズラ・ミラーの魅力パネェ……。彼の素行は決して肯定できるものではないけれど、>>続きを読む
けっこう突飛な設定なのに、内容はめちゃくちゃ地に足がついていて、しみじみ良い……。生きざま女優J.Loの説得力〜〜〜!
パートナー間の知性と思いやりが当たり前に尊重される様子が心地よくて、ニコニコし>>続きを読む
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サラ・ポーリーは個人の話を「私たちの物語」にする監督だと思う。権利を奪われつづけたことは同じだが、考え方も傷のかたちもちがう女性たちがひたすらに対話することで新たな地平を切り拓いていく様子に、胸を打た>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
すごい映画だった。豊かな余白をもった映画の隅々に細やかに散りばめられたピースを拾い上げていくと、観客それぞれにちがった心象風景が浮かび上がるようにつくられている。監督が観客の想像力と記憶が呼び起こすノ>>続きを読む
え、エモーーー!大ヒットしてしかるべきーーー!
ジャンプでピクサーでベスト・キッド!仲間とのコミカルな修行シーンはジャッキー映画で、キメ画の強さはS・S・ラージャマウリ!いいとこどりすぎるつよつよアニ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
カンヌで脚本賞もクィア・パルム賞も獲っているのだから、たぶんわたしの感覚がずれているのだと思うのですが、とにかく合わなかった……。そもそも🍎発言や「社会的責任と思いやりを足した」発言から強烈な違和感を>>続きを読む
「ターのことをどう思うか?」ということに集約される映画だと思うのだけれど、その思考を促すピースがグレーにグレーを重ねるような複雑さをはらんでいて、頭が忙しかったし、おもしろかった。意見を決めようとする>>続きを読む
まずは期待通りに幕を引いてくれて本当に感謝。最後までガーディアンズのみんなは本当に愛おしく、アクションは楽しく、メッセージは優しく、音楽は最高で、安心して大好きなシリーズを見届けることができました。>>続きを読む
「絶対に好きなやつ!」と各所から薦められて、完全に「絶対に好きなやつ!」だった。失敗のチャンピオンが率いる最高のチーム!「失敗することを止めたら本当に失敗してしまう」というメッセージは、いまのこどもた>>続きを読む
『フォードVSフェラーリ』みたいな胸熱お仕事映画を期待していたのですが、予想外にこぢんまりとした、コメディ色が強い作品でびっくり。楽しかったけど。
往年の名曲を散りばめた「今ならないわー」という80年>>続きを読む
『ちはやふる』と比べると地味な映画なのですが、とても良かったし、青春映画としてとても新しかった。小泉監督はその文化の良さを誠実かつポップに描きながら、その本質を射抜くのが本当に上手いと思う。本作は「水>>続きを読む