完全に高木さんのベクトルが刺さっているのに鈍感な主人公がもどかしくて思わず「蹴りたい(西片の)背中」にタイトルを変えたいくらいだったが(笑)、まあそれでも萌える箇所がそこかしこにあり、しっかりと2時間>>続きを読む
90分ずっと息を押し殺しながら観ずにはいられなかった... 我々の普段と大差ない「普通」の街だったマリウポリがわずか数日で戦場になり、目の前で次々と命が吹き飛んでいく様子を最前列で目の当たりにさせられ>>続きを読む
アイナ・ジ・エンドが醸し出す唯一無二の世界観にただただ圧倒された、彼女がいなければ到底成り立たないように思える一本。時間軸が飛びまくったり「あえてこんなきつい描写いるのかなあ」と感じたりする部分もあり>>続きを読む
スタローン先生の敬虔な信者(笑)としては一応満足はしたのだが、一方でもうこのシリーズ限界に近いかもな...という諦観も同時に持った次第。相変わらず自分でも書けそうな話なのにw十分楽しめた事は確かだが、>>続きを読む
ドラマやドキュメンタリーなどで数々頭に入っていたが、ここではその中のわずか数日間だけに絞り、ダイアナ妃の視点からの窮屈さを徹底して描いている。一見すると、あからさまに別の方向を向いている夫、しきたりで>>続きを読む
突然今まで知らなかった弟を預かる事になった...という図式からだいたい展開は読めて、大きなルートの狂いなく目的地に着陸する系のお話だが、それでもそこに至る過程での主人公の心情の描き方、周囲との葛藤など>>続きを読む
西部に名をとどろかせたバッファロー・ビルが話の中心とはいえ、ロバート・アルトマン監督作という事で普通の西部劇のはずがないよなあ...と思っていたら、その通り「西部劇のその後」を描いたような作品だった。>>続きを読む
自分の好みゾーンからはギリギリ外れたが「幻の傑作」と評される理由はよくわかったし、ジョン・カサヴェテスの映画が好きな人とかならドハマりしそうな一本だなと思える。ストーリー命な自分なんか門前払いするよう>>続きを読む
初見で満点をつけたオリジナルvsこれまで個人的に何一つ合わないクドカン、というほこたて対決だったが(笑)、悪ふざけに走りすぎずオリジナルにかなり忠実、それでいて日本人の感覚に合うように細部が調整されて>>続きを読む
モノクロの中でタイトルにある魚だけがパートカラーになった鮮烈な画、全盛時のマット・ディロンやミッキー・ロークが登場する青春もの、という枠組みは申し分ないのだが、そもそも兄という存在を持った事もなければ>>続きを読む
自分にはない疑似体験として「娘に巣立たれる父親」を面白おかしく体験させてもらった。突然娘の結婚話が出てからあれよあれよという間に物事が進み、どんどんATMと化していく自分に気づき(笑)そして最後は出費>>続きを読む
カルト教団に連れ去られた男を連れ戻すため、自ら教団に乗り込んでいく...という凄まじいストーリーは勿論、完全にナチスを連想させるようなこんな教団が本当にあった事にも驚かされる。題材は極めて重いが、比較>>続きを読む
追いかけるのも大変なほどの圧倒的な情報量と密度、しかもそれらが入り組んだ時系列で紹介されるので、3時間頭をフル回転させた結果鑑賞後は熱暴走しそうになった(笑)。エドワード・テラーとかアーネスト・ローレ>>続きを読む
最初は人間関係も謎だし、感情の振れ幅も少ないので「これ本当に面白くなるのかなあ」という感じだったが、徐々に人間関係の図式が見えてくると過ぎ去った時間の重さに強い郷愁を覚えるし、瞬間を切り取ればあまり変>>続きを読む
リューベン・オストルンド監督の前作「スクエア~」が自分にとって完全にねじれの位置、互いに素な感じでかすりもせず、この監督は絶対鬼門だなと思いつつもパルム・ドール受賞作をほぼ全部観てきた身としては手を出>>続きを読む
放り出されてしまった重度のコミュ障の主人公が1人で殻を破る話だが、菊地凛子の演技がうますぎた結果いたたまれなさも半端なく上昇しており、正直観ていて辛かった... 自分もたいがいコミュニケーション下手だ>>続きを読む
「最初すれ違っていた2人が徐々にシンクロしていく」という個人的にも大好物の路線。早い段階で設定が理解できどういう事が起こるか判り、おおむねその予想通りの場所に着地するのだが、それでも清々しい余韻に包ま>>続きを読む
うーん、評価する人が間違いなく一定数いるのは確かなのだが、自分はこの毒気とあざとい見せ方にすっかり拒絶反応を起こしてしまったなあ... シンママへの容赦ない差別感情とか生々しいいじめとか虚構と判ってい>>続きを読む
親が反対して恋路に邪魔が入る、という話は洋の東西を問わずあまたあるが、ここまであからさまに痛々しい壁を設けんでもいいだろ...と思うような酷い恣意的なハードルがいくつも設けられて、正直観ていて疲れるし>>続きを読む
原作完全未読なのでどの程度話に入れるかな?と危惧していたがそんな心配は全く無用!全盛時の藤川球児の火の玉ストレートかのように熱くて活き活きしていて観る側の心にグサリと突き刺さってくる、原作読んでみたい>>続きを読む
恋愛感情を持てない主人公が、そんなの持って当たり前だろと振る舞う周囲とのギャップに悩む...こうして主人公の側から感情を掘り下げて見ていくとその苦悩もある程度は理解できるのだが、あまりに主人公が相手の>>続きを読む
未見も残り少なくなったウォン・カーウァイ作品が含まれているが、彼の「若き仕立て屋の恋」のロングバージョンを先に観てしまったので完全におさらい的な感じになってしまった... しかも一番見たかったその話が>>続きを読む
「Mr.Boo!」というシリーズは日本が勝手に名乗らせているものなので「~したりなんちゃったりしちゃって」の広川太一郎の名調子以外は全然トータルの繋がりなどないのだが、でも全体的にモサっとした雰囲気の>>続きを読む
まず何よりも「ピーター・タウンゼント」ってあのマーガレット王女とのロマンスの人?!そんな経歴が!という事で驚く。そのピーター本人が記者として接し、詳細な記録を残してきた長崎の被爆者との交流を娘が紐解い>>続きを読む
おそらく実家にいた頃にテレビで何度も観ていたはずなので思い出すかな...と思ったら最後まで記憶はずっと地中に埋まったままだった(笑)。ただ、彼らの前作(なのか?)「インベーダー作戦」でこのシリーズ限界>>続きを読む
「転生したらハエになって全力で復讐する件」的な、S・S・ラージャマウリ監督が「バーフバリ」で一躍有名になる直前の作品。ぶっ飛んだ設定だし全編化学調味料だけで作られた料理のような感じだがだがそんなことは>>続きを読む
レニー・ハーリンってまだ現役だったのか!が一番の驚き(笑)。彼の作品なのでもうちょい重厚で暗めのアクションかと思ったが、そこはジャッキー・チェンが出ていることもありかなりコミカル路線に振られていて、彼>>続きを読む
純粋に映画として観たら「まあ中の下」という感じだが(笑)、ブルース・ウィリス最後の主演作品という事でこれまで名演から迷演まで(笑)幅広く楽しませてくれたお礼も込めて評価甘めかな。以前のような活気は当然>>続きを読む
カウリスマキ引退の報を聞き悲しんでから数年、こうしてまた「絶対に美味しいと判っている行きつけの店」を久々に訪れて心から満足する、という体験ができるというのは本当に幸せなものである。特徴のあるライティン>>続きを読む
望まぬ妊娠をして、親にも相談できないまま中絶の旅に出る少女とその友人の行く末を極めて淡々と綴ったロードムービー。誰にも知られないまま終わらせるために長距離の旅に出るのだが、これと言って大きなハプニング>>続きを読む
山本幡男という一人の人間、そしてその彼の想いが起こした嘘のような実話は間違いなく心に響く...のだが、ただこの映画を観た時に「文字情報で得られる感慨」以上のものが上乗せされていなかったとも感じられ、素>>続きを読む
全米最大級の偽札犯を父に持つ娘が書いた自伝が基だが「こんな素敵な父親がいつの間にか」ではなく最初から徹頭徹尾ダメ男な父親なので、父に対する同情は全くなくむしろ「口先だけは調子が良いが行動も信念も伴って>>続きを読む
フリッツ・ラングといえば「メトロポリス」のイメージしかなかったのだが、こんなひと捻りふた捻りもある、サスペンスともブラックコメディともつかない絶妙な作品も残していたのか!と改めて勉強になる一本。ただひ>>続きを読む
「環境に恵まれない少女」がなぜ「無差別大量殺人犯」になったのかを、音楽などの演出を一切交えずに淡々とダイレクトに描いているので、オルガが進んでいくのを止めたくても止められないもどかしさが終始漂う。「い>>続きを読む
2023/12/31再鑑賞。劇場公開以来十数年ぶりに観たが、題材も良く演劇としても映像作品としてもやっぱ超一流の名作だなあこれは。戦争を経験していない日本人でもこれだけ胸熱になるのだから、あの当時を知>>続きを読む
2023/12/30再鑑賞。あと数年早くても社会的に実現せず、数年遅いと旅立つ人が増えていたはずで、本当に「ここしかないという実現の機会が最大限に生かされた」こと、そしてそれを心から敬愛するヴィム・ヴ>>続きを読む