mimotoxmimotoさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

MOTHER マザー(2020年製作の映画)

1.0

働かず家族から金を無心して暮らす秋子には幼い息子、周平がいる。周平は秋子のために集金の手伝いをして学校へも行かせてもらえない。
ゲームセンターで出会った男リョウと秋子は行動を共にするようになるが、秋子
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SKIN/スキン(2019年製作の映画)

4.5

家族に守ってもらえなかった少年が疑似家族のようなKKKのグループに拾われ、憎しみとともに生活し、見えるところ全てに憎しみの証としてのタトゥーを彫った青年に成長する。彼はKKKの集会で、KKKの仲間から>>続きを読む

SKIN 短編(2018年製作の映画)

5.0

生まれながらに憎しみに侵される人間はないということがあまりにも鮮やかに、残酷に提示されて、息ができなかった。

短編だけではあまりにも絶望が深いので、長編で肌を染めていく憎しみを消し去る困難さを描いて
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.9

観たかった若草物語以上の若草物語。
マーチ家の喧騒がすごいたのしかったし、若草物語の良さがそのまま映画で見られてうれしかった。

ジョーの書いた物語が、活版刷りされて、美しく装丁されて、本になっていく
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ハリエット(2019年製作の映画)

3.5

シンシア・エリヴォ、HBOのドラマ『アウトサイダー』を観ながら、かわいいなぁいいなぁと思ってたけど、いやマジかっこいい。かわいいしかっこいい。
ハリエットの「あなたたちは自由に生まれて、奴隷のことを何
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エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE(2019年製作の映画)

3.5

ジェシー、ジェシー、ジェシー! 起きてしまったことも巻き込まれてしまったこともやってしまったことも、全てを背負って、この運命から逃れることはできないけど、自分で決める道を、自分だけの道を、生きていって>>続きを読む

ランダム 存在の確率(2013年製作の映画)

3.0

彗星によって時間軸を行き来できるようになってる? と思いきや多次元世界のはなし? みたいな感じで、んんん? と思ったのだが、整理をしてみると、原題coherenceにあるように、自分自身の選択にすら一>>続きを読む

13th 憲法修正第13条(2016年製作の映画)

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白人警官による過剰な暴力によってアフリカンアメリカンの命が失われたことに端を発した、ミネアポリスの抗議デモが激化している。
「ブラック・ライブズ・マター」を、歴史的背景から知るために観た。
監督は『ボ
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トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

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わたしは高校生のころ「あいのり」が大好きで毎週欠かさず見ていたので、リアリティー番組について、一度きちんと考えたくて、久しぶりに観た。

十代の頃、この映画を初めて観たときの手触りは、トゥルーマンがテ
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ババドック 暗闇の魔物(2014年製作の映画)

3.4

ババドック、ネトフリに入ってたときにはなぜかLGBTQのタグが付けられてたために、LGBTQアイコンになってるらしい、と聞いて。クローゼットの中にいる怪物だろうか。

直球暗喩ホラーで、内なる不安や恐
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シークレット・ラブ: 65年後のカミングアウト(2020年製作の映画)

4.0

めちゃめちゃいいドキュメンタリーを観た。

わたしが絶対に生きることのできない他人の人生のままならなさや愛おしさに触れるとき、どうしてこんなに心が揺さぶられるのだろう。この世界にはわたしが絶対に知るこ
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マイ・ストーリー(2020年製作の映画)

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学歴や職歴などの経歴ではなく自分のストーリーが何よりも大事で、一人一人が自分のストーリーを力強く語ることが、今すぐは無理でも、未来に国を変える力になるのだ。

若い世代の女の子たちが、キラッキラの顔で
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

3.9

とてもいい、自己理解と他者理解の映画。

有名な映画のワンシーンや小説等の一節の引用を物語のキーポイントやテーマとして落とし込んだ作劇がスマートでたのしい。

主要人物3人のキャラクターアークはもちろ
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オフィーリア 奪われた王国(2018年製作の映画)

3.5

予告見たとき、今イケイケのデイジー・リドリーがオフィーリアなんて演るの🤢と思ってスルーしたけど、こういう"今"ならではの翻訳は大好きだ。
デイジー・リドリーのオフィーリアは正気を失ってなんかないし、女
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映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(2019年製作の映画)

3.5

公開当時、映画クラスタの間でも話題になってて気になってた。

世界を隔絶する境界線を越えて、優しさと想像力は、お互いによい影響を与えることが可能だよね

残酷で異常(2014年製作の映画)

3.0

タイムループものだと聞いていたが、特殊なタイムループというか、主題を際立たせるためのタイムループもの。

妻の死の場面に何度も戻ってしまう主人公の特殊タイムループサスペンスという枠の中でやっているのは
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マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

3.5

ようやく観た。この映画観ずに映画好きドラン好きなんてよく言えたもんだわ、わたし。

バイクに二人でまたがっているシーン、ドランからの逆輸入だけど美しかった。道で倒れて起き上がれないリバー・フェニックス
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今日、キミに会えたら(2011年製作の映画)

4.0

個人的には、『ブルーバレンタイン』より残酷な恋愛映画。アントンとフェリシティの繊細な演技に、もう、震える震える。

こんなに人を好きになれるのは一生に一度しかないって信じていれば、それは何よりも美しく
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.5

こんな軽やかで派手でめちゃくちゃイケてる、一筋縄じゃいかない女性だらけのアクション映画は今まで観たことがない。
チャリエンとの決定的な違いは、組織の統制や指令とは全く関係なく存在する「正しくない」女た
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スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

3.5

虚構の強度がMAXで、物語の構成の美しさで言ったら文句のつけどころがない。

ただ、あまりにも物語が優先されたキャラクターアークとキャラクター設置で、物語の駒に思えてしまった。
あらゆる物語には、それ
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レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

3.5

ファーストシーンとラストシーンの対比に、鉛を飲み込んでしまったような気持ちになる。
イッサくんの「成長ぶり」に、どうか時よ戻れと祈りたくなる。

その場所に沈殿している歪みや散らばっている怒りの火種を
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ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

3.0

映画として完成度は高くない。あれこれ詰め込みすぎだし、映像で見せられるところも台詞で説明してしまうし、予定調和すぎるプロットだと思う。初めてドラン映画を観る人には退屈かも知れない。

だけど、ものすご
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

3.6

レネーがこの映画のすべてを決めている。泣く予定じゃなかったのに、レネーの繊細な一挙手一投足に気づけば落涙してたし、最後は号泣してた。

誰かの人生を読んだり観たりすると、悲劇的な人生だったんだな、と思
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黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

3.5

愛してる映画『ショート・ターム』の監督デスティン・ダニエル・ クレットンの久しぶりの映画じゃん〜と思ってたのしみにしてた。

主人公が直面する問題が二元論として映像ではっきりと明示するとか、心情を映像
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チャーリーズ・エンジェル(2019年製作の映画)

3.5

めちゃくちゃチャーリーズ・エンジェルだった。
わたしは、テレビシリーズは見れていないながら、2000年のチャーリーズ・エンジェルリブートの大ファンだ。チャーリーズ・エンジェルには、映画として優れてい
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.5

泣いてしまうよ、だってこれ「家族」への依存の話だもの。
アリ・アスターの「家族」という社会の捉え方が毎度わたしをえぐってくるんだけど、つら。

傷ついてる原因も「家族」だけど、悲しみに共感して癒やして
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スキャンダル(2019年製作の映画)

3.5

Metooムーブメントの前のできごとだし、FOXだし、簡単には手と手を取り合うことなんて絶対にできないけれど、女性たちを繋ぐ細い糸が確かに見えた。

強い女でいろ、なんて、誰からも要請される筋合いない
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ミス・アメリカーナ(2020年製作の映画)

4.0

みんなに「いい子」だと思われたかったテイラーが、たくさん悩んで苦しんで、信念を持って言いたいことを言おうと決意して、世界のために発信していく姿はゴージャスすぎる。
テイラーのような大スターが、フェミニ
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ナショナル・シアター・ライヴ 2020 「リーマン・トリロジー」(2019年製作の映画)

5.0

すごい。めちゃくちゃすごい。

舞台美術がめちゃくちゃかっこいい。
俳優の動きと台詞と物語にリンクしエモーションを増幅させる音楽がめちゃくちゃいい。
そしてとにかく3人の俳優がめちゃくちゃすごい。
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.5

高級すぎる、高級すぎるぞこの映画。

え、みんな大好き英国俳優たちこんな感じで出てくる映画なんですか???
という驚きから始まり、
戦争映画こわいんだよな〜
という苦手意識を忘れるロジャー・ディーキン
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ハスラーズ(2019年製作の映画)

4.0

こういう映画に出会えるから映画ファンをやっててよかったなと思う。
ジェニファー・ロペスとコンスタン・ウーがW主演でも大きな賞を獲っていないから観る人は少ないだろうけど、複雑な女性キャラクターを描いた映
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.0

オールドファッションなミステリ(のパロディ的な)を、最旬の俳優たちで観られるのはたのしいよね〜〜〜。
出演者に推しがいる人は間違いなくたのしい。そしてダニエル・クレイグかアナ・デ・アルマスかクリス・エ
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.9

もっとガンガンナチスやナチスに心酔していた人たちを皮肉って笑いものにしてくるのかと思ってたんだけど、そうじゃなかった。
もちろん笑えるけど、あの時代、ナチスに染まった人たちを、ただの笑いものにしないと
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ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019年製作の映画)

3.5

シャーリーズ・セロンが、今、ラブコメやってくれるありがたさったらない。全ての女性、全ての女の子は憧れ不可避だろう!!

ある少女が女性大統領を見て憧れるように、別の少女はラブコメを観てその恋に憧れる、
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ジュマンジ/ネクスト・レベル(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

リブート一作目がとてもよかっただけに、残念。
一作目と同じことを繰り返すだけならまだしも、語り方が下手になっていてつらかった。

まず、年老いることに悲観的な老人と死期が迫る老人を使った語り方が最悪な
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

レースシーンがおもしろくないはずはなく。
ただ、シェルビーとマイルズの友情はこんなにきれいなものだったのかな? という多少の疑問を抱かざるを得なかった。ル・マンでフォードが3車揃ってゴールすることを強
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