すきまさんの映画レビュー・感想・評価

すきま

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アルファヴィル(1965年製作の映画)

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数年ぶり二度目の鑑賞。前回は、女性の扱いのひどさ(そういうディストピアの設定なので)が我慢しきれず、落ち着いて細部を観られなかった。
今回は、ディストピア側のストレートなディストピアぶりに対し、自由理
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コヤニスカッツィ(1982年製作の映画)

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諸行無常。文明を俯瞰で見た映像詩。
今これを観ても驚きはしないけれど、アングルや距離など、写真や映像を撮るとてもいいお手本になる感じ。
音楽が、出だしは好みからするとやや荘厳過ぎると感じたけれど段々か
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町田くんの世界(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

数年ぶり二度目に観た。
これと前後して『100万回生きたねこ』のドキュメンタリー映画を観て、たまたまどちらも、周囲から遊離していた特異な存在が恋をして決定的な変化を遂げるという物語を内包していた。
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100万回生きたねこ(2012年製作の映画)

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子どもの頃、家に『おじさんのかさ』はあった。
図書館で借りて佐野洋子のエッセイも読んだのに(どれも読みたくなるようなタイトル)、この絵本だけなぜかもう読んだ気がして、ちゃんと全部読んではいなかった。
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眠る男(1996年製作の映画)

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かなり好きな感じだった。
作り物の月は大きすぎ光りすぎる感じはしたけれど、どの場面も美しい。
自分の記憶が場面場面のみで途切れていて粗いことを、大人になってから気づいて、不完全で駄目なもののように思っ
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最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

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風景と語りのみのユニークでシンプルな手法。原作もそうなのか?
集団的精神の進化についての筋書きは、今見るとありふれた哀しい絵空事のように感じてしまったたけれど、映像に使われていた建造物が「スポメニック
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ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

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行政の場で話し合いが奨励されることは素晴らしい。日本でもこのような取り組みは必要に思う。
ただ、ここには激しい討論は収録されていないけれど、実際に行えばもっと険悪で話し合いにならないような場合もあるの
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夢の涯てまでも  ディレクターズカット版(1991年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

出だしのヴェニスで、むしょうに『アンナ・オズ』が見たくなった。
邦題(トライセラトップスを思い出す)は、最後まで見ると良いタイトルだと思った。
すごーく長いけど、飽きる間もない程に物語が展開するし、主
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時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!(1993年製作の映画)

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公開時、同行した友人共々ほぼ眠ってしまい、前に座る友人のわたしと同時に揺れる頭だけが記憶にあった。20数年ぶりに全部通して観られてスッキリ。
カラーよりも天使目線モノクロ映像の方が美しく感じたけれど、
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ほかげ(2023年製作の映画)

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見終わって印象に残ったのは、趣里と森山未来の腕だった。特に未来の。あと子役の目。
いい人悪い人と単純に分かれてないのがリアルだった。孤児や廃兵と呼ばれた人達がどうやって稼いで寝泊まりしていたかを感じら
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きわめてよいふうけい(2004年製作の映画)

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3、4年前に本(写真集?)の方を読んで、数ヶ月前に小原真史さんの方の『カメラになった男 写真家 中平卓馬』と監督と加瀬亮さんのトークを見ていた。
小原さんも、ホンマさんと同時期にたぶんより長く中平さん
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ゲッベルスと私(2016年製作の映画)

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皺への光の当て方に少し意図があるのではと思ってしまった。取り調べのようだ。他の2作では語り手に告発されているようだったけど、これは自分達も彼女とい一緒に取り調べを受けているようだった。皺を醜いと書いて>>続きを読む

メンゲレと私(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「ホロコースト証言シリーズ」3部作最終作だけど2つ目に鑑賞。
前の一本と話を混同して覚えてるかもしれないけれど、ユダヤ人側の証言を2つ続けて見たのは、状況把握として良かった気がする。

『ユダヤ人の私
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ユダヤ人の私(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ホロコースト証言シリーズ3部作の中で一本目に見た。
経験者一名と向かい合ってのインタビュー撮影で、暗いモノクロが顔の皺や表情まで非常に鮮明に映し出して、おそらく鑑賞者自身が聴いていると感じるような臨場
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東京戦争戦後秘話 映画で遺書を残して死んだ男の物語(1970年製作の映画)

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「風景論」理解の為に見て、その意味で非常に役立った。
映画の筋は、女性の役回りが癪に障るものの(彼女の心理がぴんとこない)、記憶喪失ものとして結構面白かった。
タイトルは『東京战後奇譚』とでもすれば良
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ヒア&ゼア・こことよそ(1976年製作の映画)

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東京都写真美術館で鑑賞、何とも言えないタイミング。
最近は、配信で気になったところを巻き戻しながら見ることが多かったので、字幕のスピードについていけない。退化した。
もう一度見たいけど、単体では廃盤。
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

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以前から見たかったもの、ようやく見られた。
宇宙モノには異質さをデザインして見せてもらいたい。
この映画はそれで満ちていて、非常に満足した。
異様で美しくて、フランス語の響きや声も良い。
わたしなら植
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水のないプール(1982年製作の映画)

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女性の台詞や喋り方やキャラ設定はどうにもあり得ないし、不快で後味が悪いのに、部分部分良くできたところや豪華キャストがありテンポ感も良く、最後まで見てしまった。
日本映画の歴史ではあるし、想像の中は自由
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見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界(2019年製作の映画)

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都写美で鑑賞。
途中ところどころ意識が飛んだけど、とても興味深かった。
絵、予想より数倍でかい。実物が見たい。
海図を書く家系だったというのに納得。
経済基盤があったから、売ることなく描き切れたんだろ
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岸辺の旅(2015年製作の映画)

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無性に、「(私という人間は)何でこんなにややこしいんですかぁ?」「まぁいいじゃないですか」のやりとりが観たくなってレンタルした。
ピアノの場面での「もう一度最初から、優しく滑らかに。自分のテンポで。」
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

久しぶりに見た。
最初に見た時の感想はもうすっかり忘れてしまった。
厳しい環境で暮らす、10代前半と後半の子達を対比させた話としての印象が、今回は残った。
映画では主人公と親友は愛情を保つ側に留まる設
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カメラになった男 写真家 中平卓馬(2003年製作の映画)

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写真と記憶と時間と言葉の関係、反復すること、自我の解体とは、大人とこどもと記憶喪失者の違い、色々考えてしまう映画でした。
少し前に見たフィクション『林檎とポラロイド』も少しだけ思い出した。
見て感じた
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キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜(2020年製作の映画)

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期待せずに見たけど、かなり面白かった。
最近興味があるno wave周りのニューヨークを見れた。
相手にされなかった時代の彼らの、生活と自分のやってるアートとを直結させた考え方、切り開いていくエネルギ
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

なぜこれほどヒットしたのかは分からないし、面白いというのとも違うけど、興味深い映画だった。
春樹的モチーフもふんだんに入っていた(わたしの好きな要素は少ないけど)。
小器用で自分を空っぽと悩んで消える
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アカルイミライ(2002年製作の映画)

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昔録画していたのを久しぶりに見たけれど、相変わらず訳がわからないのに好きだった。
アカルイとは?とやはり首をかしげるけど、大人にとっての明るいとは全然違う、という監督の言葉についてはその通りだと思う。
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曖昧な未来、黒沢清(2002年製作の映画)

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黒沢清監督作品は一部しか見ていないけど好きで、これを見るのは二度目。非常に日本人的手法を取る人だと思う。
曖昧とも表現できるけれど、本来分からないはずのものを絶対にはっきり説明したりしない、という強い
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ラストレター(2020年製作の映画)

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何度もサインするのが印象的な映画だった。
サインも手紙の延長なのか、意味があるんだろうな。
何にせよ、手で書くことは今を刻むことで、それを描いた映画ではないかと思った。
それぞれの家の撮り方が良かった
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日本製少年(1995年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

レンタル屋でバイトしてた頃、店で借りて好きになった。
バイトの後輩におススメを尋ねられて、何本かの中にこれを入れたら、結構受けた。そのバイト先の小規模チェーン店は数年後潰れた。
最初になぜ借りたかは覚
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8日で死んだ怪獣の12日の物語(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

YouTube無料公開で初めて視聴。
どこまでが計算づくの比喩として入れられているのか、今見るから偶然そのように見えるのか、COVID-19に関する変遷を忘れ始めているこのタイミングで見ると考えてしま
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花とアリス(2004年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

女の子たちのかわいこわい暴走ぶりと、美しいシーンとの対比で、くらくらするのが楽しい映画。
自分が追いかけるのはOKで他人のストーカーは怖いとか、女の子ってそうだねぇという場面が可笑しい。
何と言っても
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SELF AND OTHERS(2000年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

千葉市美術館の企画展に付随して鑑賞。
かなり画像は粗い。
音楽の使い方はちょっと浮いているように思った。
もっと馴染む自然な音にすれば、中途半端にドキュメンタリー的な感じでなく、本来に近い映像詩の雰囲
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四月物語(1998年製作の映画)

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YouTubeで四月限定公開されていたので再見。
公開当時は、岩井監督作品はこんな明るそうな話より暗い方が好みなんだけどと思いつつも、加藤和彦さんが出ているのに興味を持って映画館へ行った。

インタビ
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はちどり(2018年製作の映画)

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色味や画角や視点、植物の使い方などがとても好みの映像だった。音楽も。
女性達の表情や肌の質感や主役の子の雰囲気は、岩井俊二映画に通じる感じがした。
アジア映画はあまり知らないけれど、風景は台湾っぽく、
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四季(1969年製作の映画)

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各社で配給が終わるみたいなので、アマプラにある傑作選を駆け込みで見た感想。
日本のアニメーションが線と動きで魅せるのは、浮世絵や絵巻物の頃からの伝統に、近代に取り入れた立体感、現代のヌルヌル感が組み合
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川の底からこんにちは(2009年製作の映画)

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Gyaoで滑り込みで見た。
スカッと爽快な後味の方向性は「のりちゃんのり弁」や「あまちゃん」と似ていた。
こういう人生の引き受け方があるのかと軽い衝撃を受けたけど、デフォルメを差し引けば、才覚のない庶
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アメリカン・エピック エピソード3 多民族音楽国家アメリカ(2017年製作の映画)

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数日かけてオーディションに出掛けてレコードを録音できても、自分の家にプレーヤーはなく聴けない人が多かった時代だったこと、出身地の今は誰も住んでいない集落の様子など。
雇い主の家に行って聴いたミシシッピ
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