めんつゆさんの映画レビュー・感想・評価

めんつゆ

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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.0

とにかくグロテスクでした。まともなドラマパートはほとんど無かったんじゃないかと思うほどにグロテスクなシーンの印象が脳裏に焼き付いています。現段階でのスプラッター映画の目指すべきところがもしかしてこうい>>続きを読む

三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.9

掴みどころのない被告人としてスクリーンに登場した三隅からは、その供述の内容や様子から異常者というような雰囲気を纏いながらも、所々で何か空気を読みながらなのか、心の奥に自分の本音をしまい込んで弁護士陣と>>続きを読む

樹海村(2021年製作の映画)

1.1

前作『犬鳴村』に続いて、『恐怖の村シリーズ』と銘打たれた心霊スポットシリーズの第二弾となる今作でしたが、個人的には前作の犬鳴村から比べるとさすがに見劣りしちゃうかなっていう感じでした。前作『犬鳴村』の>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.0

同じような毎日を過ごしていく中で、“このままの日々が続く事への安心感、変化する事を恐れる男性”と、“変わらない事への不安や不信感、変化と進展を求める女性”という、これまでもこれからも普遍的に描き続けら>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.3

一人一人の役者さん達から溢れ出てくる重みとは対照的に、個々のキャラクター達はすごく軽く描かれているような感じがして、その重さのギャップみたいなものを非常に面白がらせてもらいました。また、ギャグテイスト>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.1

完全に肌感覚なんですが、『シン・ゴジラ』を一作目ゴジラの新解釈、リアリティラインに沿った新企画として練り直したリメイク版だとすると、『ゴジラ-0.1』はゴジラというキャラクターと一作目の時代設定を間借>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.3

壮大に感じる世界観と宮崎駿イズムを全身に浴びながら夢中で楽しむことのできた作品でした。冒頭の力強い絵力が持つとんでもない迫力に圧倒され、キャラクターたちの心情を本当にちょっとした表情の変化であったり、>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.2

タイムループものでありながら、主人公の行動が時間軸や状況に何らかの影響を与えながら世界線を変えていくみたいな内容ではなく、登場人物全員が2分間を繰り返しているという現象を共有していて、また繰り返しの中>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.7

各登場人物たちの根性の悪さが極端に描かれているおかげでそれぞれのキャラ立ちがよくて、バラエティ感にワクワクしながら楽しく観させてもらいました。“見返り”というテーマと“動画投稿”という舞台が、“承認欲>>続きを読む

波紋(2023年製作の映画)

4.2

逃げ出すことで心の拠り所を求めようとする姿から、知らず知らずのうちに逃げていた何かに向き合おうとしていく微妙な変化を感じ取らせる演技・演出には非常に心打たれました。ちょっとした表情でその心情や状況に説>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

5.0

それぞれのパートが一人称視点で展開されていて、各パートごとの主要人物の憶測と偏見だけを頼りに物語が進んでいくので、そういう意味では登場人物の目線、感情に共感しながら作品の世界の中へ入っていけたように感>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.5

正直、『仮面ライダー』に関しては、初代ライダーのTVシリーズを数話見た程度のド素人なので、恐らく庵野監督がどこかしらに仕込んでいたであろう“おもしろポイント”や“こだわりポイント”を押さえられないまま>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.0

物語の勢いに圧倒されて、よく分からないまま感動していました。ファンタジー感満載のエンタメ作品という印象ではあるんですが、一方で物語の軸として取り扱われていた『地震』という要素、特に3.11を比喩的では>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

3.1

日本の高齢化社会問題に対して真っ向から勝負しにいったこの設定は公開前から気になっていました。国を挙げてこのプランに取り組み始めるという設定が、あながち無いことも無いという印象を受けたことが妙に不気味で>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.2

マリオ×イルミネーションの化学反応が非常に上手くバランスを取り合っていた傑作でした。イルミネーション作品的な解釈で描かれたマリオの世界観が、元の『スーパーマリオ』シリーズの世界観を崩す事なく、“マリオ>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.3

昨今の戦争映画、特に同一の戦場を描いた『1917 命をかけた伝令』でも感じた前線の緊迫感や戦闘の臨場感は今作に於いてももちろん顕在で、そこに加えて、主人公パウルの中に込み上げてくる狂気や虚無感には圧>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

これまでリブートされてきた『スパイダーマン』作品が、MCUの作り上げてきた世界を通してこういった形で繋がったことにはすごく興奮したし、まさかMCUシリーズであのキャストを見られるなんて考えてもいなかっ>>続きを読む

さよなら、僕のマンハッタン(2017年製作の映画)

3.7

不器用ながらゆっくりとゆっくりと人が成長していく物語が個人的にすごく好きなので、こういったお話には簡単に心を持っていかれてしまいました。主人公のトーマスはもちろんのことながら、彼の周囲を取り巻くありと>>続きを読む

ドライヴ(2011年製作の映画)

3.8

時に緊張感、時に温かさを漂わせる静けさ、その行間の深みにどんどんと惹き込まれていく感覚になる作品でした。ストーリーはいわゆるアクション映画の王道的な展開ではあるような感じだったけど、ライアン・ゴズリン>>続きを読む

オーディション(2000年製作の映画)

2.9

決してリアリティラインを逸脱しているわけではないけど完全なフィクションとして目に映ってくる雰囲気が、どことなく青年誌で連載している漫画みたいな、そういうワクワク感を感じさせてくれる作品でした(原作が小>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.2

敢えて年齢を感じさせるイーストウッド監督の唯一無二の渋みと、これまでのキャリアを凝縮させた様な役柄の深みは、間違いなくこの人だからこそ出せる人物像だったのだろうなと感じました。全く裏切りも無く、余計な>>続きを読む

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

3.7

ひと組の男女が、友人から恋人へ、恋人から家族へと、形を変えながら人生を歩んでいく過程での心の距離や気持ちのすれ違っていく様子がすごくリアルに描かれていて、特にお互いの気持ちが確実に離れていっている時の>>続きを読む

バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)

3.2

映画『トイ・ストーリー』に登場する少年アンディが作中で観ていたとされる映画作品ということで、要するに劇中劇のフルサイズという設定の『トイ・ストーリー』シリーズのスピンオフ作品でした。劇中劇という設定で>>続きを読む

宮本から君へ(2019年製作の映画)

3.5

“生きている”ということをこれ以上無いくらいにアグレッシブに表現し切っていて、その圧倒的なパワーで押し切ってくる作品の姿勢に完膚なきまでに仕留められてしまいました。ところ構わない怒号、絶叫、暴走、そう>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.9

今作もジョーダン・ピール監督らしい不気味な空気感を漂わせたホラー描写でありながら、前作、前々作の様な人種問題を絡めたスリラー要素とはまた違った作風に仕上がっていて、ピール監督作品の新境地とも言えるエン>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.9

感性や感情、気持ちや心といった人間の持つ目に見えないものをそのまま具現化した映像が視覚を通して脳に直接入ってきている様な感覚でした。劇中で映し出されるマリアンヌの視点であろうカットは、どれも正に絵画で>>続きを読む

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

2.7

世界観と、それを表現するイラストにすごくオリジナリティがあって、特にネット上の仮想世界『U』の壮大なスケールとユーモア溢れるアバターの数々には楽しませてもらいました。設定やテーマが『サマーウォーズ』的>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.9

さすが実力のある役者さん達だけあって、自然体過ぎる演技にどんどん引き込まれていきました。部屋のレイアウトだったり、掛時計に表示されている曜日だったり、延いてはコロナ禍でマスクが当たり前になっている光景>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.2

映画全体の雰囲気が暖かい明るさに包まれていて、画面いっぱいの豊かな彩りが、コミカル且つハートフルに描かれた家族愛の温もりをより優しく表現しているようでした。聴覚障害のある家族を持つ主人公ルビーの葛藤や>>続きを読む

シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

4.2

非常にノリの良い軽快な音楽と共にアメリカ中を駆け巡る爽快感が最高なロードムービーでした。生き生きしたキャラクター達の画面内から溢れ出ているかの様な活気に、観ているこちらもものすごく元気を貰えたし、サク>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.6

時間経過が異常であるという超現実的な場所が舞台になっていることにすごくワクワクしました。また、人が年老いていく姿への哀愁というか物悲しさや、幼少期の子供たちが思春期・青年期を通過していく人生の経過をこ>>続きを読む

千年女優(2001年製作の映画)

4.1

現実と劇中劇、二つの世界がリンクしながら展開していく物語が、激動の時代を歩んできた女優・藤原千代子の人生そのものともリンクしていて、ひとりの女優の一途なラブロマンスが今敏監督らしいとてもファンタジック>>続きを読む

牝猫たち(2016年製作の映画)

2.9

三人のデリヘル嬢が、それぞれで人生の虚しさを感じながら日常を過ごしていく中で、それぞれの顧客となる男性との接触をきっかけに彼女たちが心のどこかで刺激を求める様子が描かれているのですが、顧客の男性たちも>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.1

オープニングのタイトルバック、劇中音楽はもちろん、ウルトラマンの容姿や、禍威獣・外星人との戦闘シーンに於ける細かい描写など、細部に至るまでTVシリーズ『ウルトラマン』の要所を抑えた再現がされており、全>>続きを読む

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

4.4

この作品を題する上で、“病”というフレーズがこの物語の表現としてこれ以上ないくらい適していて、心の隙間、心の弱さに付け入って、ある種、洗脳の様な形で相手に近づき、そして最終的に自分の欲求を満たしていく>>続きを読む

バブル(2022年製作の映画)

1.9

アニメーションのクオリティが非常に高い作品だなぁと思いました。荒廃した東京、ボロボロになったコンクリートに生い茂る草花、そして大気中に浮遊するたくさんの泡、それらが太陽光に反射してキラキラ輝いている描>>続きを読む