minorityhubさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)

4.2

神の形に似せて人間が、人間の形に似せてそのおもちゃが作られた。
人間が活動するには栄養が、そのおもちゃが活動するには人間が必要。
生物の定義が揺らぎ、無生物の定義も揺らぐ。
そのおもちゃが無生物から除
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クラッシュ(2004年製作の映画)

4.1

人種差別問題をオムニバス形式で。
苦しいエピソードが幾重にも重なったらキツイだろうと臆している人にも、勇気を持ってこの稀有な作品を観てもらいたい。
貧相な服装から人間性を推し量ること。肌の色から、確率
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あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

3.8

北野武監督第三作目。ラブストーリー。淀川長治に「きざだけど、洒落てる」と言わしめた作品。
久石譲の音楽や、ソリッドな展開、キタノブルーが織りなす映像美、静かなシーン故に強調される計算されつくしたカメラ
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JUNO/ジュノ(2007年製作の映画)

3.8

アカデミー賞脚本賞受賞。
あどけない女子高生が、望まない妊娠をしてしまう。さてどうする?
間違った生き方なんて無い。そんな寛容な心が、物語の進行と共に芽生えてくる不思議な映画。
恋と家族愛と命の尊さと
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ミックス。(2017年製作の映画)

3.7

スポ根ラブコメ。元気を貰える。
試合に負けたことも、好きな人にふられたことも、元女房に恋人が出来たことも、演出の力を借りてポジティブに描き切っている。
プライベートでショックなことがあったとしても、こ
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Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)

4.0

坂本龍一を追ったドキュメンタリー。
あらゆる自然音に、旋律が潜んでいる。それらはサカモトの前にだけ、姿を現すのか。
何気ない音もぞんざいに扱わず、まるで宝物かの様に愛でる彼。その姿は観る者に、音楽に対
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名探偵コナン ゼロの執行人(2018年製作の映画)

3.9

名探偵コナンという作品の核となる設定をご存知ですか?
コナンは高校生の探偵だが、薬を飲まされ、小学生の姿になってしまった。彼が幼稚なフリをしたり、幼稚な姿を逆手に取り敵の懐に飛び込んだりと、設定を生か
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サマーフィーリング(2016年製作の映画)

3.7

『アマンダと僕』で脚光を浴びたミカエル・アース監督の前作。
序盤の布石により、その後の静かな展開にも否応無く集中してしまう。登場人物が抱く悲しみの行方が、気になって仕方が無いからだ。時が流れることで癒
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アマンダと僕(2018年製作の映画)

3.7

ライブを終え、自分の役目を果たし、建物を出る歌手。
試合途中で退場することなく、執念をもって必死に戦い、勝利を手にするテニスプレーヤー。
人生のステージは一時哀しみに包まれていようとも、途中で退場する
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あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

3.8

この映画、国際映画祭で様々な賞を受賞していても、インド本国では公開されていないという噂もある。
身分を超えた恋。
巷に溢れるシンデレラストーリーとは一線を画す、階級差別が根付くインドにおける恋バナを、
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

3.7

アカデミー賞3部門ノミネート(監督賞、撮影賞、外国語映画賞)
監督曰く「つまらないシーンや会話で物語を進めたくない」とのこと。
冷戦とは、資本主義陣営(西側)と社会主義陣営(東側)の対立。フランスは前
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二ノ国(2019年製作の映画)

3.7

プレステ4 ゲーム『ニノ国』が気になっていた矢先に、映画版がレンタル店で目に飛び込んできたので、思わず借りた。
観賞後にフィルマチェック。スコアの低さに驚いた。面白かったけどなぁ…
ジブリ作品っぽい雰
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アップグレード(2018年製作の映画)

4.1

『ソウ』シリーズの脚本家としても有名なリー・ワネル監督が手掛けるB級SF映画。
AIの弱点は、外界に的確でスピーディに働きかける事が出来る実体(身体)を持たない事。身体の機能をマシンとして再現する段階
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ジョーカー(2019年製作の映画)

3.9

病気や貧困という脅威が、人を脆弱にする。
それに追い討ちをかける様に、世の中には裏切りが蔓延り、他人の誠意や愛なんて、鉱山にあるダイヤモンドくらい、滅多にお目にかかれない。
ならばせめて自分くらいは、
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ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

3.8

悲劇をロマンスで優しく包み込んだ作品。
アカデミー賞助演女優賞受賞、脚色賞と作曲賞にノミネート。
ジェンキンス監督が「その人の目を見て何か感じるか」で選んだ役者達と、彼らの感情の機微を見事に表現した、
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マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)

3.6

イギリスの新星、スーザンジョンソン監督デビュー作。
2作目の『好きだった君へのラブレター』もフィルマークスでは高評価だ。
ヒットメーカーの片鱗を感じさせる。
女性監督が故に、女性が共感出来る場面が多い
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七つの会議(2018年製作の映画)

3.9

自分の決断の責任は、自分でとるくらいの気概は持っていても、部下の責任を背負うまでのそれは持ち合わせていないリーダーは多い。
部下が問題を起こさないよう管理体制を徹底したとしても、完全には防ぎきれないだ
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バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年製作の映画)

3.7

長きに渡り、バットマンとスーパーマンが積み上げてきた功績が、一気に消し飛んでしまうくらいの衝撃作。
バットマンを見て、地球人の限界をまざまざと感じさせられた。
スーパーマンが活躍しても、もう手放しでは
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劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel II. lost butterfly(2019年製作の映画)

4.1

Fate初心者なので、この作品を観て初めてエロ要素があるシリーズだと気づいた。その要素に眉をひそめる人もいるだろう。しかし、である。
マスターにサーヴァントが仕えるという設定や、迫力あるバトル、多くの
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500ページの夢の束(2017年製作の映画)

3.7

元天才子役ダコタファニング主演作。
障害も個性。目的へのアプローチの仕方が特別なだけ。現代社会では周りの人達からの理解が無いと生きづらいかもしれないが、それもテクノロジーの力で解決出来る日が来るだろう
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

4.0

初めて月に着陸した人物の話。実話。ヒューマンドラマだよね。SF要素を期待した人が多いからか、評価は実力より低めと感じる。映像は地味で、ストーリーは決して大味では無い。機微を感じながら楽しむ静かな作品。>>続きを読む

メアリーの総て(2017年製作の映画)

3.8

女性作家が小説「フランケンシュタイン」を執筆するまでを描いた作品。
破壊のエネルギーをまともに受け止めるのではなく、創造のエネルギーへと方向転換させ、見事に適応した彼女の強さを見習いたい。
世の中に理
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

3.9

アニメ表現の力を借りることで、マーベル色が見事に中和されている。マーベル作品が苦手な人にもオススメ。
作画の濃度の半端なさが伝わってくる。設定や脚本も斬新。じっくりコトコト煮込んで料理されたアニメとい
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アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

3.9

素晴らしい映画とレディ・ガガの歌が同時に楽しめる、コスパが良い作品。
ガガは『シン・シティ』にも女優として出演していたんだねー。
役者として活躍してきたブラッドリークーパーの初監督作。
何度もリメイク
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メリー・ポピンズ リターンズ(2018年製作の映画)

3.6

リアルなCGが多い昨今、アニメと実写の融合は逆に新鮮だ。
今作では、メリーポピンズの服には赤、バンクス家の服には緑が使われていることが多い。その配色を使用する背景には色々な意図があるらしい。
以下のリ
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.9

アカデミー賞10ノミネート作品。
オスカー俳優三人の贅沢とも言える演技の応酬や、無駄なシーンが一つもないソリッドな展開が見所。
特殊な映像技法も話題になっている。
ランティモス監督が創る作品のほとんど
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アラジン(2019年製作の映画)

4.2

アラジンのダンススキルはダンサー顔負け。ジャスミンは超絶美女な仕上がり。ジーニーの完成度は、物理法則を無視して好き勝手に表現出来るアニメには劣ると高を括る輩をも、驚かすであろう。
もしディズニーストア
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.0

クイーンの曲が劇中で流れる度に、その一つひとつが自身の記憶領域に、ありふれた既知曲から心が震える曲へと、上書きされていく。
そんな感覚を是非皆に味わってほしい。
一部ストーリーが事実とは異なると指摘さ
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鈴木家の嘘(2018年製作の映画)

3.8

ネガティブな言葉が巷に溢れるような世の中になったけれど、流されてはいけない。言霊は間違い無く存在するのだから。
耐えられない苦しみから一時的に解放させてあげる為の嘘って必要だと思う。この世界の全てが真
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運び屋(2018年製作の映画)

4.0

仕事一筋で生きてきた、犯罪とは無縁な高齢の男が、麻薬の運び屋をすることになる。
ジャケ写から受ける印象通り、気品に満ちた作風。至福なひとときを与えてくれる。
絶対的な拘束時間から自らを解放することは、
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こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018年製作の映画)

4.1

筋ジストロフィーという難病を患い、介護を受けながら生活する主人公と、彼を支える家族やボランティアの人達とを描いた、コメディタッチのヒューマンドラマ。

障害者を心のどこかで差別してしまう人も、ボランテ
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アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

3.9

ディストピアで身体をもらった記憶喪失のサイボーグ女性が主役。
漫画『銃夢』(がんむ)が原作。
他にシリーズ漫画作品として『銃夢 Last Order』と『銃夢 火星戦記』がある。


サイボーグ達の迫
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ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

3.8

アカデミー賞3部門ノミネート作品である『ボーダーライン』の続編。
残酷なシーンをクール&ドライに描く手法は健在。人の命すらも軽くやり取りされる世界の恐ろしさを感じる。
ラストシーンは次回作を予感させる
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心と体と(2017年製作の映画)

3.7

一見地味で退屈にみえる展開も、観るものの感覚が研ぎ澄まされてさえいれば、底なし沼のような深みを帯びたものだと感じるだろう。
結末がギリギリまでわからない緊張感も良い。
恋愛がうまくいかない絶望感に押し
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億男(2018年製作の映画)

4.1

お金についての示唆を与えてくれる友達っていいね。
お金は物々交換の媒介や、持つ者の富の可視化など、様々な機能がある。何を求めるかが違い過ぎる夫婦は上手くいかないよね。
俺が大金を手に入れたら、ライザッ
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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

4.1

ハリポタ魔法ワールドは、マーベルやスターウォーズに引けを取らない壮大さ。そして今作は、一層広がりをみせる展開に、前日譚効果で奥行きまでもがプラスされているのだから、鬼に金棒。
ファンタスティックビース
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