美咲さんの映画レビュー・感想・評価

美咲

美咲

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渋谷(2009年製作の映画)

4.0

終始、綾野剛が絵になっている。
これはロン毛の綾野剛を拝観するための映画。

内容は特にないけど、綾野剛のファッションや写真、映像の撮り方などカルチャー的な視点では楽しめる映画だと思った。

一瞬大島
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もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)

4.5

クズ男構文。
「承認欲求・責任逃れ・他責思考・見下し」
そして、甘い言葉と女の子扱い。

衣装デザイナー、ショップ店員、タレント、風俗嬢の4人とそれぞれが出会ったクズ男との物語。

理性では離れるべき
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

4.3

じっとりと濃厚な2時間。
漫画でしか出逢わないような甘い台詞と映像に魅せられて、密度の高い映画時間を過ごした。

しつこいくらいに甘えて自分に懐いてくるワンちゃんが急に姿を消すと、寂しくなるものよね。
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くれなずめ(2021年製作の映画)

3.6

近年映画界あるあるの共感を狙ったエモい商業映画に持っていく訳でもなく、音楽頼りの映画になる訳でもない、ちゃんとした映画だった。

大衆ウケではなく、監督の主観に寄せた映画は、予測できない展開があるから
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

4.0

なんか分かる。
どこに行くかではなく、誰と行くかが大事なんだよね。

なんでもない公園も海もバッティングセンターも、振り返るとなんでもないことで笑い合えていたその時間が実は貴重だったこと。
「戻らない
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ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)

4.1

大学3年生の夏、友達の家で観た。
身体に障害がある女の子と大学生の男の子の恋愛物語。

海と魚を連想させる田舎のラブホテルも、高速道路を車で走るシーンで流れるくるりの「ハイウェイ」も、良い味を出してい
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トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

4.0

小泉今日子、香川照之、役所広司。
役者たちの怪演が凄まじい。

水面下では壊れている家族が建前上は食卓を囲み、食事をするシーンが不気味に感じる。終始鬱々とした空気感が画面越しに伝わってくる。

それぞ
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ストロベリーショートケイクス(2006年製作の映画)

3.5

アンニュイな映画。

2時間観るには退屈な作品だったけど、作品の中で感じた違和感や後味の悪さも含めて、それらが時を経て良い感じに記憶に残ってる。

デリヘル嬢の秋代が毎朝煙草をふかしながら棺桶から起床
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そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

4.0

貧困に喘ぎながらも目の前の生活の中で何を諦めたように日々を生きる家族たちの話。
底辺暮らしの中で生活のために体を売る姉、服役中の弟、脳梗塞で寝たきりの父とその父を介護する母。

救いようのない現実の中
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アジアの天使(2021年製作の映画)

4.5

池松壮亮とオダギリジョーの兄弟役が私得。
2人をキャスティングしてくれた人に大感謝。

近年の日韓関係の悪化の影響で、初めはお互いに理解し合えなかった青木兄弟やソル家族たちが、様々なハプニングによりお
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.9

「他人を理解するには、自分を一番理解する必要がある」

赤い車の中でドライバーと家福が煙草をふかすシーンが一番好きだった。車の天井の窓を開け、煙草を持った2人の腕が並んでいるところが絵になっていた。
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アヒルと鴨のコインロッカー(2006年製作の映画)

3.8

明るい鬱映画。

河崎の元彼女が亡くなったり、本屋襲撃事件を起こしたり、サスペンス的な要素がありつつも、濱田岳と瑛太のユーモラスな掛け合いのおかげで切ない物語として昇華されている。

暗くて重い過去を
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リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

4.3

心の中に吐き出せない狂気性や孤独を秘めた高校生たちが人やモノによってそれらを埋めていく。

映画に流れる鬱屈とした空気感が学生時代、誰しもが抱える自らのアイデンティティとの葛藤を映し出しているようで、
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ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)

3.9

田舎コンプレックス、スクールカーストコンプレックスを20代後半の今でも引きずっている若者たちの話。

「私」と「あたし」は、あの頃みんなの憧れだった「椎名くん」に会いに行く。
彼に会うことで、この退屈
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ムーンライト下落合(2017年製作の映画)

3.4

柄本佑監督の短編映画「ムーンライト下落合」。
加瀬亮の舞台挨拶目当てで観に行く。

深夜マンションの一室で男2人がとりとめのないことをしゃべる独特の間と空気感がゆるい。
薄暗い部屋の中から月が見えるシ
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生きちゃった(2020年製作の映画)

3.1

妻と夫と娘と3人のアパート暮らし。
生活のために仕事をする夫と自分を見てくれない夫によって心が乾いていく妻。ごく平凡な家庭。
その平凡な日常が妻の浮気によって全ての歯車が狂い出す。

自分の行いがやが
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.3

恋愛拗らせまくった痛い女の話。

頭の中で好きな人の理想像を作り上げて、でも実際に会ってみたら現実は違くて、そこで初めて自分の作り上げた幻想だと気づき、最後は現実の男と向き合っていく展開が爽快。

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止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

4.5

1970年代を表した渋い映像が刺さった。
新宿ゴールデン街の飲み屋や事務所の哀愁漂う感じもドストライク。
新宿ゴールデン街を通るたびに、この映画を思い出すくらいに好き。

井浦新と門脇麦のむき出しの演
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Red(2020年製作の映画)

3.8

大人しそうで清楚なのに扉開けたらエロいというギャップのある女と、誰にも興味なさそうなのに自分にだけ唯一優しくしてくれる男。
現実にいたらどちらも魅力的な人だろうなと思った。

夏帆と妻夫木聡の絵が良い
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.9

埋められない心の穴をお互いで埋め合う関係性。
それ以上でも以下でもない。

テルコは尽くせば尽くすほどマモルに沼って、マモルは尽くされれば尽くされるほどテルコと距離を置きたくなって。

今の私なら、目
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緑色音楽(2017年製作の映画)

4.3

オダギリジョーと村上虹郎とネバヤン目当てで観た映画。

オダギリジョーの肩の力抜けたような演技が好きなんだよな。この頃の虹郎も妙に独特な雰囲気があって良かったし。

虹郎がお風呂に入って不貞腐れてるシ
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.2

オムニバス映画の傑作。
構図を意識した撮影方法がアート作品の切り取りのようで面白かった。

3つの物語の展開はどれも観ていて飽きない。観客の予想を裏切るストーリー。
クスッと笑わせる意外性がある。
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ロマンスドール(2019年製作の映画)

4.3

空気感が好きな映画。

ラブドール職人の高橋一生、その妻の蒼井優。
妻を愛しているからこそ、隠し通すことしかできなかったこと。
夫の負担になりたくないからこそ、言えなかったこと。

最後にふたりが抱き
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

4.0

「ボクたちはみんな大人になれなかった」
=ボクたちはみんなこんな大人にはなりたくなかった

なのかな。

現在の2020年から1995年の「ボク」を回想する過程で、唯一本気で愛した元彼女(伊藤沙莉)と
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生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

4.3

どんな内容だったかははっきりとは覚えていないけど、確かに観たその輪郭と感覚だけは自分の中にずっと残っている、そんな作品。

趣里のゆれる青いスカート、赤い部屋で踊る趣里。
劇中で時折現れる、赤と青のコ
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うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.9

KBCシネマでうみべの女の子を観た。

狂気性とノスタルジーな雰囲気があってゾクゾクした。
劇中のはっぴいえんどの「風をあつめて」がなんとも言えない世界観を作っている。

主人公の女の子は浅野いにおの
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ゆれる(2006年製作の映画)

4.4

都会でカメラマンとして成功した弟と田舎のガソリンスタンドで働く兄。
自由奔放な弟と物静かな兄。

持つ者と持たざる者の対比が痛いくらいに描かれている。

男の嫉妬と嘘。
何が真実で何が虚偽なのかうやむ
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真夜中乙女戦争(2021年製作の映画)

3.5

退屈な日々を過ごすぼっち大学生がサークルに入り、美人な女性の先輩に興味を持ち、「真夜中乙女戦争」という犯罪に巻き込まれていくストーリー。

池田エライザが絵になる。ジャズバーで歌っているシーンは彼女の
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やわらかい生活(2005年製作の映画)

4.4

自由でだらしなくて欲望に忠実な主人公。
その彼女を甘やかす男たち。

夕方に散歩する姿や銭湯に入っているシーンが穏やかな街並みと相まって「やわらかい生活」というタイトルにぴったりだと思った。

車の中
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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

3.8

映像美に魅せられた初めてのフランス映画。

青髪のエマが美しく、格好よかった。
エマの青色の眼差しで下から顔を覗きこまれたら、女性だと分かっていても、ドキッとしてしまう。

アデルの一目惚れからはじま
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紙の月(2014年製作の映画)

4.4

銀行員として働き、穏やかな夫と生活する一見どこにでもいそうな主婦が若い男に沼り、罪を重ねる転落人生。

非モテ男性がキャバ嬢にガチ恋して、貢ぎまくって破産した後に事件を起こすみたいなニュースを連想する
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愛のむきだし(2008年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

エログロ。狂気的。
一度観たら二度と脳裏から離れない衝撃的な作品。

幼少期の家族の崩壊で狂った西島隆弘。
彼は駅で女性のパンツを盗撮するようになる。
ある日、西島隆弘の盗撮集団に対して一人で立ち向か
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TOKYO!(2008年製作の映画)

4.6

オムニバス映画『TOKYO!』で監督を務めるポン・ジュノの作品が良い。

引きこもりの香川照之vsピザの配達員蒼井優。
若き頃の蒼井優がめちゃくちゃ可愛い。

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.3

部屋で冗談を言い合ったり、商店街でふざけて踊ったり、誕生日ケーキを一緒に食べたり。
過去の恋人との思い出を思い出す映画。

キラキラした過去の記憶と何気ない現在の結婚生活。
このふたつのコントラストが
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モテキ(2011年製作の映画)

4.9

ブギー・バック!!

女、エロ、ネット、サブカル。

非モテ男子に突然訪れたモテ期による脳内再生が面白い。

長澤まさみ、やっぱ可愛いなぁ。この可愛さには誰も勝てん。
そして麻生久美子の役柄が不憫で切
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怒り(2016年製作の映画)

5.0

映像が美しい。
必要以上に言葉を使っていないその余白が人に結末を"想像させる"作品。
俳優陣の表情や演技が凄い。引き込まれる。

人を「信じる」難しさを考えさせられる。
身近の大切な人を疑う罪悪感や苦
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