mistyさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

3.8

衝撃でしばらく鬱になるくらい戦闘シーンが激しかった(さすが、パッションを撮ったメル・ギブソンでたる)。
沖縄戦というのは日本人である僕にとってアキレス腱みたいなもので、もうそれだけで苦しい。日本が唯一
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戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

4.4

紛れもない名作。これ、実話(原作は伝記)に近いんだ…と考えると鳥肌が立った。
ポーランドのピアニスト、シュピルマンを実際に救ったのがホーゼンフェルト大尉で、シュピルマンは戦後も活躍して20世紀を超えて
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返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

4.0

「読書して何が悪いんだ!」自由に本を読むことが重罪に問われていた時代。そんな悪夢のような台湾の記憶を風化させないという感動的なメッセージを強く感じる。そこが、悲劇に悲劇を重ねたホラーゲーム『還願』とは>>続きを読む

マザー!(2017年製作の映画)

2.9

「歓待の掟」みたいな設定が面白い。あと音の描写。音響だけで非現実感を味わえる…。
だけど設定を速めて大風呂敷にした後半から、話が行く先を失って、あれよあれよと雪崩が起きる風に崩落していくのは狙っている
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

2.2

もし知名度がそこまでなかったら音響と美術が素晴らしいこの作品を密かに発見した気持ちになって嬉しかったろう。
しかし、人が死にすぎで、ストーリーにはほぼほぼ飽きれてしまう笑 もうちょっと丁寧な話にでき
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散り行く花(1919年製作の映画)

4.3

大筋はあまりにもシンプルな悲哀劇なのだが、それを成立させた異質な物語背景が妙に際立って、この作品のスケールの大きさに思いを馳せてしまう。中国とイングランド。阿片の芳香に満ちた世界観のなかで、リリアン・>>続きを読む

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

3.6

自分の乏しい歴史認識だけでは理解できず、台湾の白色テロ事件について調べた。こんなに複雑な情勢が30年以上も続いたんだと思うと、厳しい近隣国が難しい政治的状況を耐えてきたのかと感慨深いし、何よりなにも知>>続きを読む

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

3.8

「言葉は吐き気や苦痛をもたらすだけだわ」
謎が多く、何か読み解けそうな気もするが何もできないところがデイヴィッド・リンチ作品と似てるかも笑 リンチ作品は「いかにも」な粗野な印象を故意に散りばめている
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アマデウス(1984年製作の映画)

4.5

視聴者がサリエリの視点を共有しつつ天才・モーツァルトを目の当たりにするという構図になっているだけに、ラストシーンは示唆的で圧巻ですらある。
モーツァルトはまるで嵐のようで、彼が通り過ぎたあとは、文字通
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極道の妻たち(1986年製作の映画)

3.6

とにかく強烈! とくに、終盤の岩下志麻とかたせ梨乃の泥臭い「女の戦い」的なやつがすごかった笑

今みても映像が綺麗。バブル期の絢爛をうまく演出。
途中からちょっとテンポが落ちて、中だるみ感はある。登場
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ゴジラ(1954年製作の映画)

3.5

初代ゴジラ。この映画から日本の戦後の特撮が始まったという簡単な解説を調べてはみた。見終わった結果としては、ゴジラシリーズ特有の作法が良くもわるくも(意外性のあるアイデア、織り込まれた人間側のドラマとい>>続きを読む

左利きの女(1977年製作の映画)

4.0

フローベールの「素朴なひと」が作中に出てくる。大好きな作品なので、この映画を観てさらに相乗効果を受けてしまった。フェリシテの生き様。

『左利きの女』を観ている間、非常に曖昧な安心感に包まれた。電車の
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.2

すごく癒される。登場人物たちが感情的になることはほぼ無く、控えめな演技の下に彼らの憤りや哀しみを鑑賞側が想像するように自然となっている。
色彩感の緻密さよ。。どのシーンとっても異常なほどこだわりがある
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担え銃/チャップリンの兵隊さん(1918年製作の映画)

4.8

監督・主演チャップリン。いやーワシは感動した。。この映画に全てがつまってるんじゃないかってくらい、チャップリンの素晴らしさに震え慄いた。
チャップリンを知らなかった。なんという斬新な演技、スタイルだろ
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

4.3

なんという佇まい、美しさ、上品さ。すべては紅い部屋の中で行われ、カメラは外に出ることが一歩もない。
血(血糊)が透明な水に思えるくらい舞台が紅で染まっており、潔白な白とどこか重たげな黒、この3つの色彩
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台風クラブ(1985年製作の映画)

3.9

自分自身が暴風雨がやってきて学校に半ば閉じこもるような体験をしたことがある(こんな乱痴気騒ぎでは全くないが)。閉じ込められることによって、窓の外の暴風と思春期の暴走がシンクロする。

かなり問題のシー
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バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989年製作の映画)

3.8

話がごちゃごちゃしてきて笑、でもスピーディ快活に話は進んでいくので最後まで一気に見てしまう。Ⅰで過去、じゃあⅡは未来ですねって思ったらそんなに単純じゃなかった。
総合的にはⅠの方が好きです🐷

バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

4.0

これほどの名作をこの歳になって初めて鑑賞した笑 極めて分かりやすく、『フルハウス』っぽく明るくて昔のアメリカ!って感じ。現代の、様々な問題を抱えたくらーいアメリカ社会(と、アメリカ資本主義が覇権を形>>続きを読む

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.2

波打ち際に打ち捨てられたかのようなピアノ台の光景が幻想的。
お話としては情欲が登場人物たちを衝動的に突き動かす…といった感じ。ジャングルとピアノ、原住民と近代的宗教制度、といった両極にあるような概念が
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硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)

4.4

『父親たちの星条旗』と姉妹作で、監督はクリント・イーストウッド。日本人としてはあまりに観ていて痛切でもある。

『父親たちの星条旗』は追憶を通じて過去と現在(硫黄島の戦いを生きた兵を父親とする子らの世
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父親たちの星条旗(2006年製作の映画)

4.2

激しい戦闘から生き残った勇敢な兵士として一方的に英雄視される、そんな者たちの複雑な「その後」を描いた傑作。戦闘体験は悪夢のような回想として現れる。

「資金が尽きたために国債を国民に買わせなければなら
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高地戦(2011年製作の映画)

4.0

WWⅡ後に勃発した朝鮮戦争の終末を描いた大作。『JSA』と類似していて、韓国軍と人民軍の奇妙な友情を描くのが大変うまい。
魅力的なキャラクターを描き分けるのがほんとにすごくて、「何十万ものソンシクが死
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シン・レッド・ライン(1998年製作の映画)

3.8

1942年頃のガダルカナル島の戦いを美しい映像を挟みながら描く大作。ドキュメンタリーのようでもあり、170分のどこをとってももの哀しいトーンだ。ガダルカナル島の美しい自然と住民は非現実的な雰囲気を放ち>>続きを読む

キャロル(2015年製作の映画)

4.3

つらくて、美しい話だった。
原作のパトリシア・ハイスミスの小説が相当よくできているんだろうなと思った。映画としてもよくできてるんだと思う。冒頭とラストの同じシーンが全く意味と表情を異なって見えるのがほ
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千羽づる(1989年製作の映画)

4.2

病魔に犯される前の禎子のクラスメートと快活な先生、この溌剌とした情景が初めの20分くらいのシーンなのだが、素直に良い。たとえそこから佐々木禎子さんが苦しい闘病生活に入るとしても、人生に対して真っ直ぐで>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

4.5

95-96年にかけて放映されたあの物語がもう一度綺麗な映像になって追体験できるだけでも嬉しい。
『序』は、シンジの成長および綾波レイとの関係にスポットがあてられている。SF的前提、非常事態宣言などのリ
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うつせみ(2004年製作の映画)

3.1

開始5分、主人公がいったい何をしているのか分からない笑 説明を極力省いた、しかし謎の落ち着きのある作品で、まさに空蝉のような後味。
個人的にはDV旦那が好き(おい)
あと女優が指原莉乃に似てるなーと
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死霊館(2013年製作の映画)

3.8

途中から笑っていられなくなるくらい終盤の畳み掛けがすごい。徹底した悪魔祓いを描く1973年の『エクソシスト』と並ぶようなオカルト・ホラーだ。

鏡の手法、振り向きざまキャー!!のようなホラー映画お約束
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武蔵野夫人(1951年製作の映画)

4.0

初めての溝口をこれにしてしまったのは、原作者があの大岡昇平だから。これみたあとでもやっぱり大岡の原作は読んどきたいとなったので良かった。

溝口がリアリズム的な考えを持ってカメラワークや役者さんへの指
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華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)

4.0

計らずも、原作でよく分からなかった事が全部丁寧に描かれていてやっとこの作品が分かった←笑 原作そのままではないところがかえって原作に忠誠を誓うかのような、とにかくフィッツジェラルドのこの小説に対する>>続きを読む

クラッシュ 4K無修正版(1996年製作の映画)

3.9

相当妖しく危険な映画。車、官能、そして死。素晴らしい取り合わせ(形象)。役者がみんな凄すぎる。みんなエロいし完全にイッてるのが美しい。

原作のバラードの小説とはだいぶテイストが違うのではないか。音楽
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メイド・イン・USA(1967年製作の映画)

2.4

自分の教養不足ということを思い知らされてしんどい鑑賞になってしまった笑 カリーナ目当てだったのだが…

1968年というフランスにとって大事件、いわば記号にもなっている当時の世界情勢をちゃんと頭の片隅
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桜桃の味(1997年製作の映画)

3.0

まさに桜桃の味、ほの苦くどこか甘い香りの漂う作品。
ある事情を抱えた男性が主人公。
どうしても主人公の言うことに付き合いたくなくてスタコラ逃げてしまう若い男性兵士が良かった笑
クルド人、アフガン、トル
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