ホリエッティさんの映画レビュー・感想・評価

ホリエッティ

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RRR(2022年製作の映画)

4.0

 まずは、ただテンションの高い、いやいやそうはならんやろとツッコミたくなる映像が流れるものと思っていたことをお詫びしたい。(いや実際テンションは確かにバカ高いし、そうはならんやろと何度ツッコんだかわか>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.0

性暴力にどう抵抗するか、それにどう加勢、連帯することができるかということにおおいに示唆的な映画だった。
「私たち」の物語から「あなたたち」の物語へ。

この映画に登場する人物が全員白人であることには留
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.8

邦題をつけるとしたら『一般主婦がマルチバースに巻き込まれて、いつの間にか世界を救うことになったんだが!?』となるだろうか。

それは冗談として。
しかしマルチバースという概念が生まれる以前よりすでにそ
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.0

多くの選手は、対戦相手の映像を見る。相手の動きかたを蟻が這うように見る。宮城たちもそうだし、いうまでもなく、この絵を描いているアニメーター、モーションアクターもそうであり、つまりスタッフ陣も選手である>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

『ドライブ・マイ・カー』ではラストの手話が印象的で、これによって物語から映画そのものにおける可能性にまで開いたとするなら、『ケイコ』はそこから映画が始まる。

そしてそれがロード10キロを走り込むよう
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フルーツバスケット -prelude-(2022年製作の映画)

-

フルーツバスケットを「喪失の物語」とするなら、フルーツバスケット自身も喪失を抱えている。あの名曲「For フルーツバスケット」が本人の声からもう聞くことができないように。

未アニメ化エピソードである
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犬王(2021年製作の映画)

3.9

とんでもない激アツロックミュージカル映画だった。

何を言っているか分からないであろう。それはそうだ。琵琶を弾いているのに流れる音にはギターの音もドラムの音も響いているし、唄い手はストリートで半裸にな
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.0

シン・ゴジラが『日本沈没』であるならシン・ウルトラマンは『美しい星』だ。

禍威獣(打ちづらい…)よりも星人との邂逅に重ききが置かれていた(作中、外星人と呼ばれていた、のちのち外星人と呼ぶのもナンセン
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

3.7

ワンカット、ワンカットの尋常でない長回しに、これが眠らせ映画たる由縁か…と思い少し眠った。が、ちょこちょこ鳴り響くあの轟音に目を覚ます。

重くてデカそうな球みたいなのかぶつかった…みたいな轟音。それ
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二重のまち/交代地のうたを編む(2019年製作の映画)

4.0

新しい形のドキュメンタリー。語る→聴く→語り直すの丁寧なサイクル。そのときに読み上げられるテキストはアーティストの瀬尾夏美によるもの。そのテキストも現地の人から語られたものを聴いてつくられたものと思わ>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.7

演劇論だったのかもしれない。



様々な書き手がいろいろ書いているから、わざわざ自分が書けることはあるのだろうか。それだけあれこれ語れる作品であることは間違いない。
観たときは演劇の話をしてると思っ
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.3

本当に終わった。
それは全てのものは「模型」だと言い切ったからだと思う。この世界はすべてつくりものである。パリの街からそれは打ち出されていて、エヴァのCGモデリングや絵コンテに描かれたゲンドウ、宇部の
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.9

世界は基本クソオブクソなのだが、自分が思っているほど、少しだけ、やさしい。うまく立ち回れず、いびつであっていい、というのは前作の「永い言い訳」から続いている。今作はとくに起こった悲劇にことさら触れなく>>続きを読む

ARIA The CREPUSCOLO(2021年製作の映画)

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映画をみたというより音楽を聴きに行ったというのが正確かもしれない。すばらしい歌声。

永い言い訳(2016年製作の映画)

3.6

事故や悲劇を集合的に抱えることのできる共同体の可能性をみた。しかし主人公もこの映画自体もその可能性に困惑し、考えあぐねているようにも思えた。

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

ミイラ取りがミイラになる……では終わらない/終わらせない人間存在。タイトルのとおり、寄生して生きるしかない。つまるところ、経済格差の話だ。経済格差によって歪みが起こり、それを最初に被るのは家族という共>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

働き方の構造によって壊れていく家族の様を描いている。「家族を想うとき」という邦題より原題の「Sorry We Missed You」のほうが秀逸。実際忙しすぎて家に居ないから不在届けが多くなってるわけ>>続きを読む

真実(2019年製作の映画)

3.9

何が真実なのか。このストーリーにあわせれば何が演技なのか。それに尽きる。

大女優の母親の放漫な行動に辟易しながらも離れずにいる脚本家の娘。ともに「嘘」を生業としている。その私生活も演技で「嘘」をつい
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未来のミライ(2018年製作の映画)

3.7

確かに変な映画だ。息子であるくんちゃんが昔のお母さんやひいじいちゃん、未来のミライちゃんに会うのだから。
だが私たちは昔の家族写真を見る。そのときも同じ変な感覚を覚える。この映画はまさにそれを子ども目
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海獣の子供(2018年製作の映画)

4.2

生命、自然、人、畏怖、宇宙……

はっきりとした分かりやすいストーリーがあるわけではない。あるとすれば生きることで紡がれる生命というストーリー。
『海獣の子供』という映像、音楽、空間、生命のありさまを
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今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)

4.0

ベタである。こういう話は手あかがつきまくっている。王女の姿をした綾瀬はるかをみれば背景にオードリーヘップバーンがみえてくる。(そもそも話の構造自体ニューシネマパラダイスだし)
この映画の肝は終盤だ。年
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プロメア(2019年製作の映画)

3.5

久しぶりの理屈ではない熱血系SFアニメ。主人公がどう見てもカミナなのだが、カミナが別の世界線で転生したのだと妄想して見ると胸アツが増すかもしれない。心の炎を燃やしながら観た。

あと澤野サウンドがこれ
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かぐや姫の物語(2013年製作の映画)

5.0

喜びも悲しみもある、にせもので溢れた地球、喜ぶことも悲しむことも心ざわつく必要のない月。

月のほうが楽だし、そういう意味でかぐや姫になりたいかもしれない。しかし地球で生まれた以上、私たちは地球人でし
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ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

3.0

世間が評価するほどピンと来なかったな…。確かに柳楽や菅田ら俳優陣はすごかったとは思う。しかし、なぜ松山という地方都市で、あそこまでのバイオレンス性でなければならなかったのだろうか。この俳優陣だから成り>>続きを読む

四月の永い夢(2017年製作の映画)

3.5

何かが大きく変化するわけではない、どことなく懐かしい(劇中でヒロインが『カサブランカ』を観るシーンがあるのだが、まさにそのあたりの正統なロマンス映画を彷彿とさせる)映画。
冒頭の桜のシーンから朝倉あき
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トータル・リコール(1990年製作の映画)

3.3

SFだけど斤持っちゃてるところが、理論的というより脳筋的な側面が強い。

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