Habby中野さんの映画レビュー・感想・評価

Habby中野

Habby中野

「高度成長期の大衆娯楽喜劇映画の持つ社会性とその表現力」について研究しています。

映画(544)
ドラマ(1)

徳川セックス禁止令 色情大名(1972年製作の映画)

3.8

「なぜワシがシモジモのむさぼるかいらくさえゆるされんのじゃ!」
性は生の源であり、何人も制するべきではない!
エロス&エロス、まじめにふざけた権力批判!のふりをしながら、見え隠れする、性の動物的醜さ。
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嵐を呼ぶ十八人(1963年製作の映画)

4.0

三人?七人?十人?いやいや。
人間若者十八人、だれが主役でもなく全員が主役でもない。その視点、驚異的な映画。
「おまえら人間やない、虫けらや!」
「……わいらよう知ってる 誰もわいらを人間扱いしてくれ
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社長道中記(1961年製作の映画)

3.4

森繁久彌になって社長になって、いい服着ていい酒飲んで、いい女と遊びたい。何があろうと夢である。

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

FOXのオープニングとタイトルクレジットは素晴らしい。
コラ、10から始まる物語なんてないでしょ!とママに怒られなかったのかと脚本家が心配。視点はいいけどどこを見ればいいか、なんか終始見切れてて少し乗
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

3.8

フランシスの言う恋、人生、愛における「ある瞬間」の大切さ。常識的には繋がらない編集、他者から見ると何の意味もない短いシーンカットは、彼女にとってのその瞬間の大切さゆえに全体として物語を創り上げている。>>続きを読む

閉店時間(1962年製作の映画)

4.2

文子様、嗚呼文子様、文子様。
「人生楽しまないと損ヨ!」
最新ファッションに反物、コロッケ、サラダに赤い恋、青い恋、黄色い恋!デパートにはあらゆる人の人生が(ちょこっとだけ)つまっている!今回、文子様
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search/サーチ(2018年製作の映画)

4.0

映像有史以来の「カメラ」の(擬似的な)消失。しかも特異なものでなく現代の状況に当然の形として現れた。
しかしパソコン或いはスマホの画面のみというテクノロジカルな映像は、最先端の極みという冷ややかさより
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男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975年製作の映画)

4.3

友ができ、友に出会い、笑い合い、ケンカし別れ、また出会う。旅は人生なのだろうか、それとも人生が旅なのか。酒を飲み歌い、雨に濡れたら傘を差す。宿賃なければ駅のベンチで寝ればいいさ。男はつらいよ、女もつら>>続きを読む

団地(2015年製作の映画)

3.4

「そんなことありえない、ということが起こるのが、団地でしょ!」
なんて嘯けるのが映画だね。しかし敬意と皮肉で逆手に取ったこれは、それが徹底しすぎていたゆえに失敗だったなと思う。想像を超える展開という映
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

観終わった瞬間爆速でトイレに入りスマホでこの文章を、というのは冗談だけど。
序盤で主人公が自宅でピアノを弾くシーン。たった20秒ほどで、彼女がピアノを長くやっていたこと、離れた母を思うこと、父と母の関
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僕らのミライへ逆回転(2008年製作の映画)

4.5

インターネット、スマートフォン、電子書籍、データ配信、SNS、自動運転、新築のビル。
文明は発達し、社会は常に「便利で、新しいもの」を求める。確かに、自分にフィットする、新しいものを手に入れる快楽は理
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ざ・鬼太鼓座(1981年製作の映画)

5.0

若者が、走る。太鼓が鳴り、人が舞い、三味線が響く。電子音が、カメラが、構成がそれを閉鎖的なものとなるのを力強く拒む。音と映像が美しく殴りかかってくる、それを快楽として受け入れてしまい、恐ろしく深いとこ>>続きを読む

止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

3.7

2018年 若松プロダクション作品

1960年代後半、若松孝二の映画に若者は熱狂した。
そんな字幕が冒頭に出され、当時の滾るような映画製作の物語が始まる。しかし、いくら経っても若松孝二が映画を作って
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イット・フォローズ(2014年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

呪い、運命、怨恨、伝統、遺伝、習慣、国籍、性別、記憶、容姿、生活、死。自分の背後をついてくる、振り切っても振り切れないものは数え切れないほどある。どんなに走っても、いつか追いついてくる。"そいつ"はそ>>続きを読む

ファー・イースト・ベイビーズ(1993年製作の映画)

3.7

意識飛ぶかと思ったサブリミナル、テクノクラートの機械音、バキバキ。論理性なし関係性だけの映像。音楽みたいな感覚だった。エンディング良かったね、遠くまで来たつもりが元の場所だった〜、みたいな曲。

ちょっとの雨ならがまん(1983年製作の映画)

3.7

夕景のインサートかと思ったら手前の陰にいたり、しゃべってる途中に超ドアップ、足下いったり、斜めに撮ったり。カメラがまさにその場にいてフンフンウーンと聞いてるような表情が見えるようなドキュメンタリーで、>>続きを読む

アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「◇◇(静かにしてろ)」=見ても解釈するな、は広告看板「今ははっきり見える」=見ようとすれば見える、に呼応する。
「無限の再解釈」、それがこの超主観的で、"幻想的"でオマージュと暗号に溢れた「探偵物語
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レザボア・ドッグス(1991年製作の映画)

3.5

なるほどタランティーノ、それでも人間を愛すのさね。

日本一の色男(1963年製作の映画)

3.7

いやぁ〜10日ぶりの風呂は実に爽快だったぁ
ずいぶん遅かったわね わたし寂しかったわ。
ねえあなた、ビール冷やして待ってたのよ。
おぉ、そうか…… っあぁ〜 こたえらんないねえ!
……できりゃこう願い
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菊とギロチン(2016年製作の映画)

3.4

菊とギロチンの登場人物は、革命家たちも、鶴竜そっくりの花菊も、十勝川も、何をも成し遂げない。少しの変化を見せはするが、精錬された映画として物語としては完全に成り立っていない。観客に寄り添う気持ちがない>>続きを読む

天国の日々(1978年製作の映画)

3.7

うだつの上がらない暮らし、広大な麦畑、労働。自然の中で生きることの厳しさ、を思う頃に顔を出す自然。映画そのものと一致した妹の語り。広大な地球上の影、夕時の靄、陽炎のような生活。寂しさ、無為、人生。消え>>続きを読む

チ・ン・ピ・ラ(1984年製作の映画)

4.6

またも勝手に爆音上映にて、ギンギンギラギラの東京渋谷、pinkの曲。ジョニーは粋でかわいいし、柴田恭平はカッコ良すぎてボウイに見える。あの笑顔。そして高樹沙耶、良いじゃんかよ……。最高最高最高最高!こ>>続きを読む

エヴォリューション(2015年製作の映画)

3.7

エヴォリューション、進化。論理でなく感情で見よう、論理はほとんど全て、カットされている。海の中から始まり、島に上がり、外部からむりやり注入され、変化を起こし、命を崩し、耐え、海を渡って大陸が見える。時>>続きを読む

千年女優(2001年製作の映画)

4.0

「運命」という絶望的なテーマに嫉妬という人為性を振りかけて一つの物語を複数の世界で描きそれを永遠のテーマとしている。みたいな。運命なんてある意味呪いのようなものなのに、なぜだか美しく生きることが肯定さ>>続きを読む

ムーラン・ルージュ(2001年製作の映画)

4.1

映像表現の氾濫、中盤の濃いたるみ、ラストの虚しき美しさまで、「まとめようとしたけどまとまらんかった」感に愛をおぼえる。時間的にも画面的にもカオスだけれど、これが現実の世界の再現でもあるし嫉妬を隠さない>>続きを読む

毎日が夏休み(1994年製作の映画)

4.2

人生は意外とやり直しがきくんだ
泣きたい時は思い切り泣けばいい
涙は心の汗だ

やけに明るく照らされた20年前の新興住宅、超かわいい佐伯日菜子(新人)。60年代コメディの設定を吸収し、2000年代の軽
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

1.5

気分が悪い。こんなに悪い意味で不快な映画は初めて観た。もはやまともに意見する気にもなれない。だから、この映画で何か感動する人がいることが気持ち悪い、そのレベルの低さが怖ろしいなどとは口にしない。不快の>>続きを読む

ダーティハリー(1971年製作の映画)

4.0

ウルトラカット続出。十字架での主観→俯瞰、会話のつなぎ方、ヘリでズームバック、長〜いディゾルブ、階段のシーン……その一つ一つを思い返してよだれがでる。全部ノートに書き出します。
冒頭で印象的なのは高さ
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ライフ・アクアティック(2005年製作の映画)

3.4

映画を撮ることの映画。世界は広い海で、人生は狭いドラマだけれど、潜水艦の丸い窓から外を覗くと憎しみだって魅力に変わる。でも浮き上がると人生が。
ちょっとうるさかったかな。命かけて、ケンカして、みんなで
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バトル・オブ・ザ・セクシーズ(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ツン、と上がった鼻に、主張は少ないがどうにも"メガネ然"としている丸メガネ。
ザックリとした黒髪、すっぴん、堂々とした歩き方。まずエマ・ストーンの演技に惚れる。ビリー・ジーンに惚れる。立ち居振る舞いに
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男はつらいよ 寅次郎子守唄(1974年製作の映画)

3.5

散漫、寅さん、雨降って痔固まる。どんなに曇ってても青空が一番似合う。忘れかけてたラスト・シーン。この微妙さにくすぐられる。

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール(2014年製作の映画)

3.5

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール 認めたくないし、好きではないが、こうであってほしい。

2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)

4.0

恐ろしい映画。オゾンはいつもぼくのトラウマのようなものを刺激する精神科医である。
腹痛、猫、精神科医、二重螺旋。捻くれた精神かと見紛う二重螺旋のディー・エヌ・エーの階段は昇降どちらともつかないめまいの
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秘花(1971年製作の映画)

3.4

海岸線、陸の端。波打ち際足を浸ける人間、その叫び。尖った廃船は難破船かそれとも未航か。生きる理由が無いから死ぬのか死ぬ理由が無く生きるのか。燃える廃船、貞操帯。

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