324さんの映画レビュー・感想・評価

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沓掛時次郎 遊侠一匹(1966年製作の映画)

4.8

完璧。全カット良い。構図、色艶、ライティング、音響、台詞、脚本、演技、すべてが最高。劇画的鮮血、一宿一飯の義、暗転雪からのフェードイン・旅籠の中で独白の1ショットが格好良すぎる。中村錦之助の安定感、渥>>続きを読む

ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

3.7

飛翔する巨視的観測。恣意的な抽出。久しぶりに会った同級生が自分より立派になってたことをグダグダ話すおじさんの退廃どんづまり感たるや。しかし、地に足を据えた前作までとは少し異なる印象。不信・不和・戦禍・>>続きを読む

ミューズ・アカデミー(2015年製作の映画)

3.8

他者に「生き方を決めろ」と言うような不倫教授はアポロンではないと思うが、教授の周りに配置されたミューズたち。恋愛詩や悲劇より、どちらかというと喜劇の方のミューズ。どうでもいい教授の痴話喧嘩にハイコンテ>>続きを読む

シェラ・デ・コブレの幽霊(1964年製作の映画)

4.0

まあそんな感じだろうという脚本はさて置いて、テクニカルな面が抜群に良い。サウンドも幽霊ビジュアルも最高。ノイジーなミックス、ミュート、風、電話と、音響が主役。緊張感の作り方が冴えている。脚本の残念さを>>続きを読む

霊魂の不滅(1920年製作の映画)

4.0

霊魂の不滅性が、タイトルが映画芸術そのものを指しているようで格好良すぎる。レターボックスつけたみたいなシネスコ的アスペクト比の部屋マスターショットの空間拡張性や、原初的トリックショットとして完璧なオー>>続きを読む

Tommy/トミー(1975年製作の映画)

4.5

限りなく天才に近いバカ(賞賛)。映画を観てこの10年でいちばん笑った。The Whoとコロコロコミックと神の子の邂逅。
マリリン・モンローを崇拝する宗教家のエリック・クラプトン、麻薬注射のアイアンメイ
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散歩する惑星(2000年製作の映画)

3.8

彩度抑えめで良い。なるほどCMディレクターな覇気のないUQモバイルみたいな画。唯一動く駅のホームのドリーバックでのショット、動くからといって特別性は無い。キリスト像破棄のラストショットと空港のカウンタ>>続きを読む

(1939年製作の映画)

4.2

枯れ木、水、火炎、雪、土。ザ・小作人と階級。『ミナリ』の原型か。硬質な構図好き。フィルムのノイズが心地良い。戦前の邦画の、生の日本っぽさ好き。

狂った一頁(1926年製作の映画)

3.7

見る男・見られる女でほぼ基本は構成されているの凄い。やたら丁寧な幻視の描写は、今作を超えるものは無い気がする。手触りが感じられるハンドメイドな稲妻、窓外の雨風、バチバチなコントラストや構図がたまらない>>続きを読む

鏡の中の女(1975年製作の映画)

4.0

映画というより症例報告を読んでいる気分。
室内の閉塞感と抑制された葛藤にジリジリ詰められ、たまに差し込む陽光にハッとする。誰しもが持つなんの変哲もない地獄と罪と福音。自分とのフェイス・トゥー・フェイス
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ある女優の不在(2018年製作の映画)

4.2

キアロスタミへのオマージュの連打(としか思えない)。ドアウィンドウ越し車内からの人のバストショット、墓に眠る人、植木鉢のある軒先向こう正面マスターショット、割れた(フロント)ガラス、ジグザグ道。そもそ>>続きを読む

拾った女(1953年製作の映画)

4.3

繊細と大味が混在。サミュエル・フラーは演出は上手いが、脚本がナチュラルかつ根本的に狂っている。電車内のスリのショットと編集は抜群に良い。手動小型エレベーターのクラシカルなディテールと、スリの隠れ家でビ>>続きを読む

クリーン、シェーブン(1993年製作の映画)

3.6

簡素。これはこれで悪くはないけど、一発芸的な範疇は出ていない。表層を掠めているだけという印象。もっとノイジーであっていい。いちばん良いのは製作会社の名前。

フェリーニの道化師(1970年製作の映画)

3.7

郷愁、憧憬、恐怖、哀愁、愉悦。紙テープの中に舞うピエロの多幸感よ。サーカス団長フェリーニによるセルフ夢叶えたろか。ままあるパワーを手に入れた監督による奔放な乱筆。ドキュメンタリー要素がありつつも、ちゃ>>続きを読む

ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.8

フォトジェニック狙い過ぎてバキバキな画好き。ボリューム完璧な環境音とダイアローグのシネソニック好き。汚れた水と人。イノセントな動植物と赤子。寄せて返す波のような振幅の生活と会話。エッジ立ち過ぎで好き。

祇園の姉妹(1936年製作の映画)

4.6

痛哭、悲憤。今更言うまでもなく撮影が良すぎる。バチバチに硬質な画。ロケセットなのか置屋が最高。木綿問屋のおやじがエモい。
身勝手かつ愚かな男に対して、姉は寛容さを、妹は強かさを持っている。しかし、妹は
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裸のキッス(1964年製作の映画)

4.0

全体を覆う珍妙な雰囲気と違和感。謎のストーリーテーリング。リトルタウンの異邦人。突然の暴力。キッスの味という根拠のない信頼性の高さ。確実に珍作。

妻よ薔薇のやうに(1935年製作の映画)

4.0

THE妾。往復の映画は面白い法則。当事者として満点に近いジャッジを出す娘よ。バチバチに前頭前野と辺縁系が賦活している。この時代のアメリカ映画みたいにすげえ顔白い。吸血鬼か。

淑女は何を忘れたか(1937年製作の映画)

4.0

何を思い出したか。作品自体はポップだが倫理観に限界がある。モダン過ぎて殺し屋か死神みたいな風体好き。車のフェンダーアップに背景だけ流れて行く前方移動のファーストショット、静と動が合わさっていて相当良い>>続きを読む

サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス(1974年製作の映画)

4.7

最高。完璧。異常に香ばしい。ブラックムービー、音楽映画、SF、すべてのジャンルにおいて大正解。

トゥルーノース(2020年製作の映画)

3.7

良作。媒体としての映画、アニメの力を感じる。不条理。罪のない罰。施設として本気で生産性を上げる気が無いのが最高に不条理。

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.5

珍作。どうしたロメロ。わざわざこの表現を選択するところに加虐性を感じる。なんか小学校の道徳の授業で観たことある気がするのは記憶の捏造かな。

モデル連続殺人!(1963年製作の映画)

3.7

贅沢。画ありきの物語。様式そのものが実質。カラー、濃度、コントラスト、画角、全部良い。

ショック集団(1963年製作の映画)

4.0

サイコファンタジーミステリー。時代を差し引いてもメチャクチャすぎるだろ。ちゃんと考証してるのか? 破綻していることを含めてドライブと破壊力は抜群。

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.4

圧倒的。この映画を撮れるウェス・アンダーソンは芸術性から社会性までのあらゆる意味で最強すぎる。全能の編集長。ジャック・タチみたいな無双感。

ライトハウス(2019年製作の映画)

4.5

完璧。逆になぜ今まで存在しなかった。
光、音、風、波の振幅とその漸増。灯台がとても良い。神話的だったり、あらゆる隠喩を含むがあざとくなくて、物語に入れる。暗い小窓のアスペクト比も大正解。

逃げた女(2019年製作の映画)

4.3

ホン・サンスの中では相当テンポ良い方で、主題も明確。好いた・好かれたより先の話。これはこれで良い。確認・疑問・依存。扉を開ける男たち。自分の人生に踵を返すのか、返さないのか。

KUSO(2017年製作の映画)

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想像よりは汚くない。『死霊の盆踊り』より何もない。怒りさえも生じない。

ジャッリカットゥ 牛の怒り(2019年製作の映画)

3.7

黙示録というか世も末というか、むしろプリミティブ。人間が敵役のパニックムービー。血、泥、汗。真面目でテクニカルな混沌。

サファリ(2016年製作の映画)

3.8

しっかりウルリヒ・ザイドルらしいショットがあるの好き。合理と非合理。毛の生えた面の皮。生き物って簡単に死ねる。狩猟というより人間そのものの業。

奇跡の丘(1964年製作の映画)

4.4

謎のリアリティと説得力。信仰心や慈愛というより、ドライな眼差しで構成される御言葉と奇跡。ロケーションが完璧すぎる。映画による映画のための福音足り得る。

アポロンの地獄(1967年製作の映画)

4.3

エモいなオイディプス。最高の逆光とロケーション。本編みたいなプロ・エピローグ。

神々の深き欲望(1968年製作の映画)

3.8

あまりにも今村昌平で笑う。完璧な閉鎖的・神話的・退廃的共同体。これ系は今作と『楢山節考』がぶっちぎり。

Summer of 85(2020年製作の映画)

4.0

撮影が好き。色がとても良い。アルメンドロスを思い出す。シンプルな構成でエモい。後からジワジワしみじみと来るものがある。

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.3

納得しかない終幕。異様に面白い。手がちぎれるまで拍手したい。

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