みやびさんの映画レビュー・感想・評価

みやび

みやび

とっととくたばれ(2018年製作の映画)

3.7

交錯する憎悪と殺意、あとマヌケ

シーンひとつひとつの見せ方がおもしろい。
アップやスローモーションなどが多用されていながらも、テンポの良いスタイリッシュな映像にまとめられていた。

ナイン・マンス(1976年製作の映画)

4.7

求め、すがり、繋がる。

私とあなたを繋ぎ止める、なにか。
人は自らが名付けた形の無いなにかに翻弄されながら生きている。
私たちはどうすれば実体のないものに深い信頼を置くことができるのだろうか、形の無
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dot the i ドット・ジ・アイ(2003年製作の映画)

4.3

キスから始まる刺激的で衝撃的な物語。

トリッキーながらも洗練された新感覚の映像で描かれる、二転三転とする圧巻のストーリー展開に目が離せない。

映るものがすべてだと信じた人物が映らないものに支配され
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ソラニン(2010年製作の映画)

2.9

行き場のない苦しさに閉じ込められる。
青春はあいつらが言ってるほど爽やかなもんじゃない、これは私が青春とやらを経験してきて思ったこと。
叫んでかき消してしまいたいほどの苦しみや悲しみと、いつかは向き合
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零落(2023年製作の映画)

3.7

尊大な羞恥心と臆病な自尊心によって0まで落ちていく。

すごい、ちゃんと零落だ。
原作の世界観がいい具合に再現されていたので実写映画としてそれなりに満足。
思うことはあるけれど。

ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

4.8

ある症例について 愛の不可能

密室に共存する人間の美醜。
巧緻な作劇、舞台のような照明と装飾的な衣装、絵画のような色彩設計、緻密に計算されたカメラワーク、これらによって作り出される煌びやかながらも退
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シン・タイタニック(2022年製作の映画)

2.3

やっつけ感満載のタイトルに惹かれた。

一生に一度の旅、ホントにそーなっちゃったに。
再生始めた途端にアサイラム映画って出てきて頭抱えた。
アサイラム製作の割にはセットとか小道具めちゃくちゃ凝ってるの
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

4.0

金と欲望に溺れる狼

セックスにドラッグと、快楽に支配されるがままのイカれ役ですらピッタリと似合ってしまう、ディカプリオの演技の振り幅に脱帽。
何より、かなりの長尺ながらも飽きさせないテンポが素晴らし
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

1.0

新海誠の映画は娯楽作品として面白い。
テンポの良さはエンタメとして素晴らしいが、相変わらずイタいセリフや余計な恋愛描写が目立つ。

過去作から引き続き背景はリアルよりも描き込まれていて綺麗だが、キャラ
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ラブ・アゲイン(2011年製作の映画)

3.4

ソウルメイト

ストーリーはベタながらも本作にしかない複雑な人物関係や魅力あふれるキャストが揃っていたこともあって良かった。
クセのあるゴズリングがクセのある役やると濃いな。

遊星からの物体X(1982年製作の映画)

4.0

超絶久しぶりに観た。
小学生の頃観た時は怖くてまともに画面見れなかったな。

やっぱビジュアルが良い、これに尽きる。
クリーチャーの気持ちの悪い造形や動きが本当に素晴らしい。
最新のCG、モーションキ
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ハイ・ライフ(2018年製作の映画)

4.3

究極の密室、目覚める欲望

近未来。太陽系外に広がる漆黒の宇宙を突き進む宇宙船7に乗るモンテと赤ん坊のウィロー。
本作が描くのは終わりなき旅と生まれてしまった「タブー」についての物語。

私が本作を観
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ザ・ギフト(2015年製作の映画)

3.5

キャラクターの設定が弱くオチも捻りのないものだったからスリラーにしては物足りなさが残る。
スリラーにしては。
メッセージ性はかなり面白かった。
過去が引き起こすこと、過ぎ去ったからといって無かったこと
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ブレインストーム(1983年製作の映画)

3.7

記憶の泡

人間の体験した記憶や感覚を、そのまま他人に追体験させることのできる装置"ブレイン・スキャン"を巡って巻き起る事件を描いたサイエンス・スリラー。

本作の見どころはやはり画面にある。

物語
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ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出(2023年製作の映画)

3.5

星に願いを

私は本当に小さい頃からたくさんの映画を観てきた。
その中にはディズニー作品も多くあったと思う。
特別思い入れがあるわけではないけれど、久しぶりにホッとした。
あの頃に近づいたというか。
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.4

肉を殺すという感覚。
人だろうと、牛、豚だろうとそんなの関係なしに「美味しいから殺す」という感覚。
人間の傲慢さが恐ろしい。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

慧眼と盲目

赤狩りの嵐が吹き荒れる戦後アメリカ。
反水爆や軍縮を訴えたことで、ソ連のスパイ疑惑をかけられたオッペンハイマーは聴聞会で追及を受けていた。

歴史の目撃者は何を語るのか。
万雷の拍手の中
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プロメテウス(2012年製作の映画)

2.7

探究心の行き着くところ

エイリアンの前日譚に位置する本作はエイリアンの誕生が描かれるのだが、誕生を描くことがメインとなってしまっているため、内容はかなり説明的で面白味に欠ける。

創造主と被造物、生
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アッセンブル:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3の裏側(2023年製作の映画)

3.5

シリーズに対する想いがひとつひとつのシーンに刻み込まれる。  

マジ愛だった。

こんな簡単にメイキング映像が観れるなんてサブスク素晴らしいな、ってちょっと思った。

食人族4Kリマスター無修正完全版(1980年製作の映画)

-

グロテスク、ショッキング
そんな言葉だけを並べて本作を語りたくない。

人間は、欲のためなら動物を殺すし人を痛めつけるし命を軽率に扱う。
本作の撮影に際して、確かに動物は殺された。
それは否定されるべ
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ジャンク/死と惨劇(1979年製作の映画)

4.2

死へのプロセス

タイトルから分かる通り、本作は死に纏わる映画だ。
外科手術、メキシコ墓ミイラ、ジャングルの弱肉強食、食人、屠殺場、戦争、病などといった様々な形の死に纏わる映像がナレーションと共に紹介
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.6

無言の眼差しが見つめる先にあるもの。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による、フランク・ハーバートの小説に基づくSF叙事詩の続編。
圧倒的映像美と徹底された世界観が唯一無二の映像体験を提供してくれる。
SF
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劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

3.5

たった一度きり、もう一回がない試合。
この一瞬に、命をかけるかのように楽しむ挑戦者たち。

迫力のあるアニメーションだった。
終盤の一人称視点の擬似体験型アニメーションの臨場感はスポーツアニメとの相性
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タイタニック号:最後の謎に迫る(2017年製作の映画)

4.0

これこそがタイタニックなんじゃないか。
多くの人はあの映画を観る時、感動作として受け取ってしまい事故の悲劇性を忘れてしまっている。
映画のドラマで描かれていないところを事実で補完する。
良かった。

ミッシング ID(2011年製作の映画)

1.0

おもしろくなかった。
サスペンスよりかはアクションがメイン。
導入部が無駄すぎる。
あからさまな演出と人物描写が最後まで足を引っ張っている。
変なところに時間かけられているせいか、無理矢理な展開が目立
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トゥームストーン(1993年製作の映画)

2.6

西部史上最も名の知れた保安官ワイアット・アープの半生と有名なOK牧場の決闘を描く西部劇。

画に動きがなくちょっと寂しい。
ストーリーも冗長で退屈。
ハマらなかった。
ヴァル・キルマーがめちゃくちゃか
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アメリカン・パイ3:ウェディング大作戦(2003年製作の映画)

2.4

うんチョコ

結婚がひとつのテーマになっているということもあり、下ネタの連発は相変わらずだが、シリアスな雰囲気のシーンもあって意外だった。
とにかくキャラが良い。こいつらのこと好きになっちゃったよ。

メイド・イン・ブリテン(原題)(1982年製作の映画)

4.1

本作は80年代のイギリスが舞台。
サッチャー政権が作り上げた英国の暗黒期。
失業や貧困などに陥った若者たちの抱える社会に対する行き場のない怒りが暴力となって現れる。

溜まりに溜まった怒り、そこから生
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映画 怪物くん(2011年製作の映画)

1.1

公開時、親と観に行った
それなりに楽しんだ気がする

ビヨンド 4K レストア版(1981年製作の映画)

4.2

ルチオ・フルチによる顔面破壊映画。

冥界と現世を繋ぐ「地獄の門」の上に建てられたホテルを舞台としたスプラッターホラー作品。

不可解なストーリーと容赦のない殺戮シーンの掛け合いが、作品全体の不穏さを
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

3.3

恐らく本作は『IT』シリーズと同じジョン・ウェイン・ゲイシーがモデルとなっている。

思ったのは、ホラーよりかはファンタジー要素が強いなーと。
とにかく秘密が最後まで解き明かされないモヤモヤ感が気にな
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(1966年製作の映画)

4.3

芸術に取り憑かれてしまうことの苦悩。
創作活動とは自分を表現すること、つまり自分と向き合うでもある。
自分が美しくないから、創作物も美しくならないのかという葛藤と爆発。

カット割が素晴らしい、いくら
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路面電車(1966年製作の映画)

4.8

キェシロフスキのボーイ・ミーツ・ガール

人が一瞬一瞬、その時々に選択する行動から偶然的に生まれる運命の結末。
これは「運命」と「偶然」が織りなす「愛」についての物語。

ひとつひとつのカットが本当に
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チルドレン・オブ・ザ・コーン(1984年製作の映画)

2.8

ホラーとしてもサスペンスとしても、ツッコミどころが多すぎて微妙だった。
前半は緊張感ある演出で魅了されたが、中盤からかなり駆け足のペースで物語が進み、チープな映像が目立つ。
でもそんなにつまらないわけ
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