憚りさんの映画レビュー・感想・評価

憚り

憚り

映画館でしか観たくない気持ちはある、気持ちは。

x<1.0 後生忘れない怒り
1.0≦x<2.0 暇つぶし未満
2.0≦x<3.0 お家のモニターで観よう、家事もしよう
3.0≦x<4.0 劇場で観て(観れば)よかったねぇ
x=4.0 傑作
x=4.5 大傑作
x=5.0 ATB

映画(133)
ドラマ(0)

フルスタリョフ、車を!(1998年製作の映画)

5.0

オールタイムベストを観返そう第一弾。
どうやって撮ったのか、なぜこんなものを撮ろうとしたのか、そもそもこれは何なのか皆目分からない。オノマトペとポリフォニックな哄笑。完璧に計算されたカオスの再現。解釈
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ガルシアの首(1974年製作の映画)

4.0

荒唐無稽な脚本、チープで怠い愁嘆場、容赦のない暴力、乱れ飛ぶ銃弾、忙しないカッティング、明け透けなスローモーション。画面にこびりつくような汚れ・臭いは欠点すらも正当化する。
『ジョーカー』に足りないの
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ジョーカー(2019年製作の映画)

1.0

アップショットとカメラを動かすことしか能のない俗物の映画を、どう褒めれば良いと言うのか(時折挿入される遠景も言い訳がましいばかり)。残念だが、緊張感を生むために劇伴の音量を上げることしか策がないようで>>続きを読む

ピザボーイ 史上最凶のご注文(2011年製作の映画)

2.5

『ヴェノム』の性急さ、ドラマの省略は監督の持ち味なんですね。カーチェイスの手さばきはこの頃から明快だし、嫌いにはなれない。しかしこれを持ち上げるのは無理です。

ダーティハリー(1971年製作の映画)

3.0

初見。劇場の暗闇でこそ映える映画ですね。夜のシーンの青みがかった闇がとてもクール。プロットは擦られすぎてしまったためか、かったるくて野暮ったい。スコーピオはそこまで魅力的な悪役とは思えないのだが…

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.0

タランティーノ映画で最も好きなシーンは何かと問われれば、『パルプ・フィクション』のオープニングを挙げる。ティム・ロスとアマンダ・プラマーのキス→咆哮→”ミザルー”の流れではない。その前だ。強盗の計画を>>続きを読む

帰れない二人(2018年製作の映画)

3.5

思えばジャンクーのフィルモグラフィそのものが中国21世紀史の映し鏡であった訳で、明確な自己模倣の連続によって当時の空気感を再現したのはなんとも感慨深い(例えば前髪を揃えたチャオ・タオによる『パルプ・フ>>続きを読む

荒野の誓い(2017年製作の映画)

3.0

冒頭の引用にテンションが上がるものの、血と暴力の西部劇を期待すると裏切られる。生硬すぎる映像のテクスチャーと感傷的な演出、定型的なPCへの目配せ(あの3人を残すのは個人的にはナシだ)の食い合わせが致命>>続きを読む

仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)

3.5

第一作が綱渡り的な群像劇であったのに対し、シリーズ最高傑作との呼び声も高い本作は一人の男を軸にしたストロングスタイルの青春譚といったところか。千葉真一のキャラ造形しかり明確な笑いどころも多いが、テンシ>>続きを読む

仁義なき戦い(1973年製作の映画)

4.5

ちょっと間違えれば焦点の定まらない群像劇に陥りそうなんだけど、脚本の妙とコンパクトな情報処理が弛緩を許さない。

宇宙戦争(2005年製作の映画)

4.0

暴力描写の天才スピルバーグの手腕を思う存分楽しめた。砂煙とか、鏡面の水滴とか、風に舞うシーツとか、銃口の揺れとか、状況説明と映画的愉楽を両立させる技術が天下一品なので、そんじょそこらの大作では足元にも>>続きを読む

ゾディアック(2006年製作の映画)

3.0

ショッキングな絵面と明快なアクションを排した「本格派」志向のスリラーという点で、フィンチャーにとっては意欲作なのだろう。上手くいっているかは別として。母娘の誘拐未遂や地下室での容疑者との対峙など気合の>>続きを読む

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

4.0

夏の定番。
緊張と緩和というクリシェがアホらしくなる弛緩しきった鬼ごっこに笑う。というか全編泡の抜けたサイダーみたいな展開だ。小道具にフェティッシュを感じる一方、残虐描写を抑えた撮影自体はコンサバで手
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セブン(1995年製作の映画)

3.0

フィンチャーの美点はハッタリの効いた編集にあると思うので、その点で中途半端な初期作はあまり好きになれない。フェティッシュな画作りももう一歩というところ。映像のおどろおどろしさよりも、台詞で説明される犯>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

2.0

今観るとただただ酷い。90年代の空気感を封じ込めたモニュメント以外の価値はない愚作。もはや伏線やらどんでん返しやらでキャッキャできるほど呑気な時代でもない。『ユージュアル・サスペクツ』も『メメント』も>>続きを読む

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

3.5

俳優引退作との触れ込みだが、とにかく軽妙な、現代では珍しくなってしまった「普通」のアメリカ映画。豊かなディテール(ベル・メモ・ブレスレットといった小道具の意味付け、動線とカメラワーク、編集による省略)>>続きを読む

カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)

5.0

とにかく面白い映画を挙げろと問われれば、何はともあれ本作を推す。圧倒的なカタルシスは何度観ても色褪せない。
恐ろしいほどベタな脚本を、ひりつくような暴力性と容赦のなさに満ちたテクスチャーをもって、文字
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赤線地帯(1956年製作の映画)

3.5

ドリーとカット割りを活用した室内の描写がべらぼうに小気味良い。さらにはロケーションも完璧なんだから嫌になる。ゆめ子が息子に会いに行く場面での2回のロングショットなんて鳥肌ものの完成度だ。
社会風刺にも
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遊星からの物体X(1982年製作の映画)

4.5

クリーチャーの登場を引っ張らない、残酷描写に陶酔しない、この淡白さがなによりも素晴らしい。私がアメリカ映画に求めるのはこれ以上でもこれ以下でもないのですが(黒沢清ではないが)、このちょうど良さがなかな>>続きを読む

抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

5.0

ミニマルな動作の連続・反復に宿る厳格さと、フレーミング・音・目線による余白の強調が産む通俗的なサスペンス性を併せ持つ凡そ完璧な映画。100分弱というランニングタイムも含めて非の付けどころがない。しかし>>続きを読む

ワイルド・アパッチ(1972年製作の映画)

3.0

顔中の汗と衣装を覆う埃。質感からして男臭いけど、圧倒的に正しい。ただ、やはり私には西部劇の素養がないようだ…

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

4.5

オープニングの追いかけっこだけで伝わる才気、水中銃を持った男と交錯しそうになったり、船縁で足を滑らせそうになったり、ディテールが一々素晴らしい。海霧や黒煙、白煙の質感は凡百の映画とはモノが違う。

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.0

あまり使いたくない言葉だけど、この人はやはり天才ですね。
多用される歩行シーンが一々キマっている。特に湾岸を臨むクレーンショット(遠藤憲一の小物感よ)なんてもう最高。あと追う/追われるの関係を拳銃/ナ
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クローズ・アップ(1990年製作の映画)

3.0

撮影が嘘臭くなればなるほど真実味が増すんだから訳がわからない。

絞殺魔(1968年製作の映画)

3.0

『絞殺魔』と言えばスプリットスクリーンだが、デパルマみたいなフェティッシュではなく、情報圧縮の手段として割り切って使っているのが好ましい(故にスタイリッシュとはあまり感じないです)。正直ラストに至る本>>続きを読む

デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

3.5

タランティーノのフェティッシュが凝縮された一品。筋書きが恐ろしく簡素な分『キル・ビル』と並んで耐久性がありそうな気もする(初期作の構成は四半世紀の時の流れには逆らえかった)。『イングロリアス・バスター>>続きを読む

3-4x10月(1990年製作の映画)

3.0

4コマ漫画集の感触に似ている。北野特有のセンチメンタリズムが極力排されているのに加え、画作りがひたすらタイトな分、少し硬質すぎるきらいもある。あとラスト東京に戻ってきてからのシーンは8割方蛇足。

ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

2.5

『セカンド・カミング』と『ダイアモンド・ライフ』を秤にかけて後者を放り捨てる映画。嫌いにはなれないよ。でもキツイものがあるのもまた否めない。

ソナチネ(1993年製作の映画)

4.5

抜群の空間把握センスを見せるカメラワーク、文字通り視界を拓かせるロングショット、シャツや煙、フリスピー越しの風の触感、彼此を分かつ青と赤。あまりにも出来すぎた90分。
あとは僅かに浮かぶセンチメンタリ
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桜桃の味(1997年製作の映画)

5.0

いやぁ、本当に分からない。これは映画なんだろうか?

死を求めてテヘラン郊外を右往左往する男の様は、無味乾燥な岩山の風景のロングショットも相まって些か退屈だ。途方に暮れながらジグザグ道を行く車にもあく
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.0

昼と夜で面相を変える街並みの描写が見事。
飾り窓から洩れる灯りは街に幻想を振り撒き、暗闇は歩を緩めた少年の五感を敏感にする(犬の鳴き声と風!)。昼の大人たちは邪魔ばかりするが、夜には頼りない理解者が横
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.5

単調なストーリーテリングを気にさせなかったのは、見事な撮影・照明・ロケーションの賜物。印象的な広角のローアングルショットは、まるで城が主役でもあるかのようにその内装を魅力的に映す。忍び足で女王の部屋を>>続きを読む

サスペリア(1977年製作の映画)

3.0

あまりにもざっくりした筋書き。並の人間は学園の秘密を探るサスペンスに重きを置くのだろうが(なんとなくグァタニーノはそうしそう)、アルジェントはそんなものに興味はないのでしょう。精神科医との会話なんて取>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

1.0

ごめんなさい、大っ嫌いです、1点未満です。
時代考証や物語のサスペンス性、何よりも女性の扱い方を見れば、オリジナルとほ別の見方を要求していることは明白だ。77年ベルリンという時代設定を活かしてフェミニ
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皆殺しの天使(1962年製作の映画)

3.5

悪意しか感じられない設定。気取った金持ちたちは本来唾棄すべき暴力と粗野に染まっていき、動物的欲求だけが屋敷に残る。しかしブルジョワジーの堕落とともに、カメラワークの悦びが失われていった気が。

ビリディアナ(1960年製作の映画)

4.5

使用人の娘のために作った縄跳びに殺められたり、馬車に綱で留められた犬を解放した男が縄で縛られたり、小道具の扱いが面白い(縄跳びの持ち手と牛の乳首と男根の相似も)。しかしビリディアナの顛末をはじめ、博愛>>続きを読む

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