憚りさんの映画レビュー・感想・評価

憚り

憚り

x<1.0 生涯忘れないだろう怒り
1.0≦x<2.0 さっさと忘れよう
2.0≦x<3.0 DVDながら見でよかった
3.0≦x<4.0 劇場で観る価値が十分にあった
x≧4.0 傑作

グッド・タイム(2017年製作の映画)

4.4

全然本数観ていませんが、2017年公開作としては私的ベスト。

極端な顔面アップとザラついた画質、OPNによる脅迫的なスコアが織りなすバッドトリップ。
タチの悪いブラックコメディになりそうでならない絶
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オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

3.6

鳥、爆撃、バルカン音楽、結婚式の祝砲、揺れるウエディングドレス、燃える亡骸、宙を舞う花嫁。無茶苦茶な祝祭感とドライな諦念。お馴染みのモティーフ、いつもの肌触り。
それなのに、いつにない哀愁を感じてしま
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希望のかなた(2017年製作の映画)

4.0

港湾のショットが完璧すぎて身震いした。

名前を捨て「中東から来た誰か」になることを拒んだミリアムに、カウリスマキのカテゴライズと分断への反抗を見た。

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

2.7

映画館から足が遠のいていたのでリハビリがてら。

"夜"の描写がほぼないのにびっくりした。
少年期の恐怖は昼間の出来事でしかなくて、大人になってからの恐怖はその先の夜にある。作中で提示される近親相姦、
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ダンケルク(2017年製作の映画)

3.4

ようやっと観た。
群像劇と戦争映画の融合、進行速度の異なる3つの視点のコントロール、直線て切り取られた構図と見所はいっぱいあるのだろうけど、着想と舞台が合ってない感が拭えない。
IMAX設計の音響は素
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動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

4.5

メタな始まりと終わり、奇天烈な音響設計はフィクションであることを強調する。ガリーヤは例えばナウシカであり、例えば綾波であり、男の夢想でしかない。現実には守護天使はおらず、逃げ場のない沈鬱があるだけだ。>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.0

主人公パターソンは聞く。妻が語る夢物語を、乗客の会話を、バーのいざこざを、街に眠る詩人の声を。強い自己主張はしない。すぐにガレージにしまわれるだろうギターにも、不揃いなインテリアにも、料理の味にも文句>>続きを読む

エル ELLE(2016年製作の映画)

3.1

おフランス謹製なんちゃって変態スリラー。主人公のバックグラウンドがどうしても不要に思えるのはご愛嬌。
コマーシャルが間違っている気がしてて、むしろ『プラダを着た悪魔』的な売り込みの方が正しいのでは。

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

3.9

ドライに徹しきれないことを隠さない潔さ。情感を抑えようとすればするほど際立つ、一瞬の叙情。二人乗りやロードワーク、漫才、酒とタバコといった繰り返し描かれる運動は、心情の機微や行先のない鬱屈を炙り出す。>>続きを読む

台北ストーリー(1985年製作の映画)

4.2

がらんどうの部屋に佇む二人、振り向かないでいられたらね。
しかし、感傷的でありながら押しつけがましさがないのは素晴らしいことだ。

マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

-

救われないことを求めた男が放つ、余りにも弱々しい吐露に、どれだけの人々が助けられたのだろう。

(追記)
映画は素晴らしかった。ただ、隣の客がひどすぎた。
女「マンチェスターってどこ?」
男「ドイツか
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皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015年製作の映画)

2.5

うーむ。
チネチッタ日曜初回はくたびれたオヤジばかりで、この観客層が全てを物語っている気がする。年老いた子供達へのサービス、それだけ。

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.6

RaceやGenderに関する映画は、ここ数年でかなり増えたように思う。
では、Classは?
今作品を古臭い・説教臭いと嫌うことは簡単だけど、ケン・ローチが今見据えるべきものを捉えているのは間違いな
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.9

世に出回るあらゆる類似品を退ける、圧倒的な気品。言葉が出ない。
あまりにも美しい暗闇。時代性と思春期特有の蒼さのヒリヒリするような摩擦。センチメンタリズムを排したカメラ。こんがらがった”Are You
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.4

不在という存在。

他人の家を覗き込むように、どこか現実味がない家族の軋轢(「覗く」カットはオープニングから終盤まで頻発する)。
12年ぶりに戻った実家にはしかし、彼の不在がこびりついていて、軋轢はそ
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ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

3.1

月、血、性欲、美への執着……女性の身体にまつわるモチーフを並べて、モードで悪趣味な映像で繋いだような。暇つぶし以外の何物でもない2時間の悪夢。
唐突な背景の変化(太陽→月、白→黒バック)は栄光のすぐそ
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聖杯たちの騎士(2015年製作の映画)

3.5

究極の環境映画。「共感」とか「ストーリー」とか「心に残る」とか、そんなのどうでも良いですよねぇ、同感ですぅ。
全編ハイライト映像、裏を返せば決定的なショットがない、でもそれが良い。お家でミュートにして
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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

3.8

価値観や育ってきた環境の違いで終わるラブストーリー。異性愛でも成立できるありきたりな物語を、レズビアン・カップルでやる必然性のなさこそが肝だと思う。異性愛である根拠が求められないように、同性愛である必>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

4.0

(1) 中学生の頃、父親が仕事から帰ってこない日があった。家に連絡もなく、携帯の電源も切っているようだった。父親の失踪は以前もあったことなので、多少心配しつつも床についたことを覚えている。
日付が変わ
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.8

大傑作。

約束された終わりに向かって、断片的なエピソードが紡がれていく。徐々に間隔を狭めながら。それは悲劇のヒロインのものでも、戦争の英雄のものでもなく、「犠牲者」として一括りにされる市井の物語だ。
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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

1.5

ただただ駄目。

「誰を守るための法律なのか?」という命題や搾取される子供達にフォーカスしたのは現代的だと思うのだけど……続編が予め決められている作品なら、1作目はバックグラウンドだけでも許されるのか
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エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に(2015年製作の映画)

3.8

苦難と克服がない(=説教臭さがない)青春映画なんて久しぶりに見た気がする。

当時ポリティカル・コレクトネスなんて言葉がどれだけ浸透していたか分からないけれど、少なくともマッチョな野球部員たちの眼中に
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マグノリア(1999年製作の映画)

4.2

愛があるのに、そのはけ口がないんだ。

取り返しのつかない過去がどの座標にあったかなんて、後になってからしか気づけない。天気予報はいつだって、誰にとっても平等に不完全だ。

一瞬の夢(1997年製作の映画)

3.7

立ち昇る紫煙のごとく、一瞬の夢も霧散して。

ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

4.0

永遠を欲し、永遠に蝕まれた男たち。彼らは被害者なのか、加害者なのか。

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

4.6

傑作。
『ミスティック・リバー』『グラン・トリノ』『アメリカン・スナイパー』、イーストウッドは冷静に実直に正義を追い求める。分断された世界を再び繋げようと。

君の名は。(2016年製作の映画)

1.9

清々しいまでのシチュエーション一発勝負。
見たいものだけ抜き取り、ディテールは無視。会話は一々気持ち悪く、効果のないカットを意味ありげに挿入する。おまけに悪趣味な楽曲が安い涙を搾り取るんだからさ。
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イレブン・ミニッツ(2015年製作の映画)

4.0

まったく嫌になってしまう。

空に浮かぶ黒点なんていう既視感バリバリのモチーフに、子供じみたSF的愉楽を期待しても無駄だ。
対岸の災禍はいつか僕らのもとにも降ってくるし、それもまた遠いどこかの黒点と見
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.9

真っ先に思い浮かんだのは、殊能将之の『生首に聞いてみろ』評だった。
「本格ミステリにとって必要なリアリティとは、現実に起こりうるかどうかではなく、現実と整合性が取れているかどうかだ」
この至言を「特撮
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ヤング・アダルト・ニューヨーク(2015年製作の映画)

3.9

皆が皆人並みに歳を重ねる中、いったいどのタイミングで若さを妬み、老いを恐れるようになるのか。”Loosing My Edge”からもう何年経ったのだろう。

”Golden Years”の諦めとJim
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トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)

3.9

ジュリエット・ビノシュの虚無的な「Non」とカラカラに乾いた「行くわ」。

FAKE(2016年製作の映画)

4.1

ワイドショー的興味で偽装した、スリリングな愛の記録。

裸足の季節(2015年製作の映画)

3.8

知恵も経験もなく(当然だ)、対立を強調させていくだけのある意味革新的な末娘を、終始ヒロイン然と描いていくのが釈然としなかったのだけど、ラスト部屋を訪ねるシーンで全て納得しました。
どこへ逃げてもアルカ
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ホース・マネー(2014年製作の映画)

2.9

繋がらない電話、動かないエレベーター、奪われた結婚指輪、禅問答。ヴェントゥーラは本来の機能を失ったものものの間を彷徨う。 宙吊りにされた煉獄の糸が切れるのを待つ。
とは言ったもののいかんせん退屈だ。

スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

3.7

2008年アカデミー作品賞を獲得した『ノー・カントリー』は、絶対悪を設けることでアメリカの正義に猜疑の目を向けた。
8年後、仮想敵を作らずに社会システムの欠陥を自己批判した本作がオスカーを受賞したのは
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