憚りさんの映画レビュー・感想・評価

憚り

憚り

x<1.0 後世まで残る怒り
1.0≦x<2.0 酒飲んでさっさと忘れよう
2.0≦x<3.0 DVDながら見で十分
3.0≦x<4.0 劇場で観て正解
x≧4.0 傑作

映画(70)
ドラマ(0)

犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.4

日本文化リスペクト云々というより、W.アンダーソンのサブカル的キッチュ趣味全開という感じで、大変潔い。集団ヒステリーに陥る日本人とか、ヒロイズムに冒された留学生少女とか、オノ・ヨーコとかきな臭くなりそ>>続きを読む

用心棒(1961年製作の映画)

4.0

圧がすごい。見張り殺しシーンの鮮やかさには目を瞠った。

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.4

サスペンスにもラブストーリーにも張り切らない中途半端さ。フィルム撮影にこだわる一方で、音響は雑(ジョニー・グリーンウッドのノイズいる?)。ハッタリの効いた映像も含めて偽物感がハンパないのだけど、作りの>>続きを読む

それから(2017年製作の映画)

3.6

退屈な生活と曖昧な人生。構図のリフレインと混濁した語り。

しつこいほどに繰り返されるテーブル越しの1対1ないしは1対2の構図、手持ちカメラのズーム・イン、涙に被さる大仰な劇伴。1人の男と3人の女を巡
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ラッカは静かに虐殺されている(2017年製作の映画)

3.8

彼らの戦いとあの人のセルフィーが、同じように流れてくる。海の向こうの惨劇が身近なものになったのかよく分からない。シリアの虐殺も友達の幸せも私の日常も等しく他人事にしか見えなくなっている気もして、ならば>>続きを読む

モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)

2.2

残念ながら監督アーロン・ソーキンの腕に光るものはなく。ポーカーシーンは野暮ったく、取ってつけたようなモチーフの相似も退屈。

ラブレス(2017年製作の映画)

3.0

僕らは幸せじゃなきゃならない。
SNSにより規格化された幸せの大波に飲まれ、些末な欠陥は拡がりつづける。高層ビルに囲まれた森や廃墟は、得体の知れない不安と強迫観念に満ちた蟻地獄だ。
あなたの正義が私を
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.2

あまりにもあざとい。台詞も音楽もあまりに饒舌で、何なら下品。別れまでは所々目を惹く描写があっただけに残念。

ハッピーエンド(2017年製作の映画)

3.0

安易なカタストロフに陥らない底意地の悪さ。徹底的した無理解・無関心。一方的な共感。死に切れない老人と、それを晒す孫娘。道化であるフランツ・ロゴウスキはしかし、偽悪的な人種差別により小金持ちの傲慢さを炙>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.9

ちょっと前まで異端であったデル・トロが王道ド真ん中にしか見えないんだから不思議だ。相変わらずの怪物愛とはぐれ者たちへのシンパシー、フェティッシュな質感をハリウッド黄金期への憧憬で包み込んだ大正義メロド>>続きを読む

デトロイト(2017年製作の映画)

3.4

タイトルとは裏腹に舞台の記名性が薄い。もちろんキャデラックやモータウンといったワードは出て来るけど、錆びついた大国のメタファーでしかない気がして。多分ここはデトロイトでもあり、アレッポでもあり、東京で>>続きを読む

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

4.0

上空を遮る枝葉、ハミング、籠を持つ少女。完璧なファーストカット。女学校の日常をネチネチ描写することなく、とっとと軍人を舞台に投げ入れるのもいい。繰り返される構図も退屈ではなく、カット一つ一つが完成され>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

3.8

2018年のド真ん中を抉るアメリカ映画。

僕らはそれぞれ絶対的な正義で、異端者は全て焼かれなければならない。右手に握る端末は過激なビルボードで、火炎瓶だ。今日もお気に入りのスリッパに抑圧された本心を
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グッド・タイム(2017年製作の映画)

4.4

全然本数観ていませんが、2017年公開作としては私的ベスト。

極端な顔面アップとザラついた画質、OPNによる脅迫的なスコアが織りなすバッドトリップ。
タチの悪いブラックコメディになりそうでならない絶
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オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

3.6

鳥、爆撃、バルカン音楽、結婚式の祝砲、揺れるウエディングドレス、燃える亡骸、宙を舞う花嫁。無茶苦茶な祝祭感とドライな諦念。お馴染みのモティーフ、いつもの肌触り。
それなのに、いつになく哀愁を感じてしま
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希望のかなた(2017年製作の映画)

3.9

港湾のショットが完璧すぎて身震いした。

名前を捨て「中東から来た誰か」になることを拒んだミリアムに、カウリスマキのカテゴライズと分断への反抗を見た。

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

2.7

映画館から足が遠のいていたのでリハビリがてら。

"夜"の描写がほぼないのにびっくりした。
少年期の恐怖は昼間の出来事でしかなくて、大人になってからの恐怖はその先の夜にある。作中で提示される近親相姦、
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ダンケルク(2017年製作の映画)

3.4

ようやっと観た。
群像劇と戦争映画の融合、進行速度の異なる3つの視点のコントロール、直線て切り取られた構図と見所はいっぱいあるのだろうけど、着想と舞台が合ってない感が拭えない。
IMAX設計の音響は素
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動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

4.5

メタな始まりと終わり、奇天烈な音響設計はフィクションであることを強調する。ガリーヤは例えばナウシカであり、例えば綾波であり、男の夢想でしかない。現実には守護天使はおらず、逃げ場のない沈鬱があるだけだ。>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

3.9

主人公パターソンは聞く。妻が語る夢物語を、乗客の会話を、バーのいざこざを、街に眠る詩人の声を。強い自己主張はしない。すぐにガレージにしまわれるだろうギターにも、不揃いなインテリアにも、料理の味にも文句>>続きを読む

エル ELLE(2016年製作の映画)

3.1

おフランス謹製なんちゃって変態スリラー。主人公のバックグラウンドがどうしても不要に思えるのはご愛嬌。
コマーシャルが間違っている気がしてて、むしろ『プラダを着た悪魔』的な売り込みの方が正しいのでは。

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

3.9

ドライに徹しきれないことを隠さない潔さ。情感を抑えようとすればするほど際立つ、一瞬の叙情。二人乗りやロードワーク、漫才、酒とタバコといった繰り返し描かれる運動は、心情の機微や行先のない鬱屈を炙り出す。>>続きを読む

台北ストーリー(1985年製作の映画)

4.2

がらんどうの部屋に佇む二人、振り向かないでいられたらね。
しかし、感傷的でありながら押しつけがましさがないのは素晴らしいことだ。

マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

-

救われないことを求めた男が放つ、余りにも弱々しい吐露に、どれだけの人々が助けられたのだろう。

(追記)
映画は素晴らしかった。ただ、隣の客がひどすぎた。
女「マンチェスターってどこ?」
男「ドイツか
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皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015年製作の映画)

2.5

うーむ。
チネチッタ日曜初回はくたびれたオヤジばかりで、この観客層が全てを物語っている気がする。年老いた子供達へのサービス、それだけ。

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.6

RaceやGenderに関する映画は、ここ数年でかなり増えたように思う。
では、Classは?
今作品を古臭い・説教臭いと嫌うことは簡単だけど、ケン・ローチが今見据えるべきものを捉えているのは間違いな
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.9

世に出回るあらゆる類似品を退ける、圧倒的な気品。言葉が出ない。
あまりにも美しい暗闇。時代性と思春期特有の蒼さのヒリヒリするような摩擦。センチメンタリズムを排したカメラ。こんがらがった”Are You
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.4

不在という存在。

他人の家を覗き込むように、どこか現実味がない家族の軋轢(「覗く」カットはオープニングから終盤まで頻発する)。
12年ぶりに戻った実家にはしかし、彼の不在がこびりついていて、軋轢はそ
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ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

3.1

月、血、性欲、美への執着……女性の身体にまつわるモチーフを並べて、モードで悪趣味な映像で繋いだような。暇つぶし以外の何物でもない2時間の悪夢。
唐突な背景の変化(太陽→月、白→黒バック)は栄光のすぐそ
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聖杯たちの騎士(2015年製作の映画)

3.5

究極の環境映画。「共感」とか「ストーリー」とか「心に残る」とか、そんなのどうでも良いですよねぇ、同感ですぅ。
全編ハイライト映像、裏を返せば決定的なショットがない、でもそれが良い。お家でミュートにして
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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

3.8

価値観や育ってきた環境の違いで終わるラブストーリー。異性愛でも成立できるありきたりな物語を、レズビアン・カップルでやる必然性のなさこそが肝だと思う。異性愛である根拠が求められないように、同性愛である必>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

4.0

(1) 中学生の頃、父親が仕事から帰ってこない日があった。家に連絡もなく、携帯の電源も切っているようだった。父親の失踪は以前もあったことなので、多少心配しつつも床についたことを覚えている。
日付が変わ
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.8

大傑作。

約束された終わりに向かって、断片的なエピソードが紡がれていく。徐々に間隔を狭めながら。それは悲劇のヒロインのものでも、戦争の英雄のものでもなく、「犠牲者」として一括りにされる市井の物語だ。
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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

1.5

ただただ駄目。

「誰を守るための法律なのか?」という命題や搾取される子供達にフォーカスしたのは現代的だと思うのだけど……続編が予め決められている作品なら、1作目はバックグラウンドだけでも許されるのか
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エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に(2015年製作の映画)

3.8

苦難と克服がない(=説教臭さがない)青春映画なんて久しぶりに見た気がする。

当時ポリティカル・コレクトネスなんて言葉がどれだけ浸透していたか分からないけれど、少なくともマッチョな野球部員たちの眼中に
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マグノリア(1999年製作の映画)

4.2

愛があるのに、そのはけ口がないんだ。

取り返しのつかない過去がどの座標にあったかなんて、後になってからしか気づけない。天気予報はいつだって、誰にとっても平等に不完全だ。

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