何年も前に原作の小説を読んだ時、後半のはちゃめちゃな情景を思い描いてわたしはある夜夢に見た。
その光景を何度も脳内で焼き直しては記憶に残していたのだけれど、映画館のスクリーンにはわたしの想像とはちがう>>続きを読む
こういう雰囲気はすきだ
(決して多くない情報から個々の物語が立ち昇るところ、映像の切り取りが小気味好いところ、最後空気が澄んでいると感じられたところ)
私も炎に包まれた肉を振り回しながら氷原を駆けたい
雰囲気が平和に淡々としていてよかった。
このレビューはネタバレを含みます
少女時代にラップ人という蔑称される環境に耐えられなくなり血を捨ててスウェーデンでひとりきりで生きていった主人公の今までの人生の時間のおもみと、誰もいない時間になってやっと棺におもむいて、もう眼を覚ま>>続きを読む
画面作りと世界構成がとにかくうつくしく、こだわり深いフェチズムによって徹底的に編み込まれ、かわいそうなひとたちのある出来事を奇妙にすくいあげていた。
一連の物語としてはノンフィクションであるから先の想像が付くし、むしろこの作品内では軽めのエピソードに置換されていたように思うけれど(バーナムのイカれようや、黒人女性のエピソードは実際の方がえげつないと>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
イライザの赤ん坊の頃からある、声が出ないがゆえに周りとの断絶を起こしている"孤独たらしめていた傷跡"が、さいご彼の手によって"愛する存在と共に生きていくための手段"に変わる、という構図が黄金律すぎてい>>続きを読む