mhさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

シャンタル・アケルマン監督「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地(1975)」を第一位に選出して話題になった「BFI選 史上最高の映画100 2022年版」で、第14>>続きを読む

ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

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突如始まったアニエス・ヴァルダ特集も三作目。
若者の恋愛を、港町の生活ドキュメンタリーに絡めた野心作。
アニエス・ヴァルダの長編デビュー作にして、ヌーベルバーグの先駆けになったすごい映画だけど、公開当
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幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

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「ダゲール街の人々」が面白かったので、立て続けに再生。
「幸せ」の明るい部分を描いていると思っていると、次第に雲行きが怪しくなっていき、ラストはサイコホラーじみた「幸せ」に着地するんだけど色彩はめちゃ
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

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監督アニエス・ヴァルダのご近所ドキュメンタリー。
メインストーリーはなくどうかというと群像劇スタイルの連作短編みたいなふうあい。それを、完璧な映像として残してる。
特に色彩設計が素晴らしすぎた。ジャッ
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アイ・ウェイウェイ:ユア・トゥルーリー(2019年製作の映画)

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アイ・ウェイウェイが2014年に行ったアメリカ・サンフランシスコ・アルカトラズ島で行った展示についてのドキュメンタリー。
すごい作家だけど、下半身がだらしないという暴露があった、「アイ・ウェイウェイは
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アウェイクニング(2011年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

オカルトバスターである女性主人公が活躍するサイコホラー。
WW1のあとの傷を追ったイギリス社会と、降霊会のトリック、ハリーポッターさながらの全寮制の学校など、ほとんどのプロットが面白い。
とっとと問題
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乱闘街(1947年製作の映画)

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少年探偵団とはだしのゲンのハイブリットみたいなヤングアダルトミステリー。
撮影当時1947年のイギリス・ロンドンが鮮烈。
瓦礫と廃墟が混在している中、若者たちは少年期を送っているんだけど、文化的には成
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悪魔の呼ぶ海へ(2000年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

百年以上前の殺人事件を追いかけていく女性カメラマンが、自分と犯人が二重写しになっていくのを、現代と過去のカットバックで描いてる。
性欲が押さえれない過去の男はモブで、性欲が押さえれない現在の男はヒロイ
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ヴェラ・ドレイク(2004年製作の映画)

5.0

1950年当時のイギリスにおける人工妊娠中絶まわりのシリアスドラマ。
・富裕層には逃げ道(精神疾患を騙って「生むくらいなら死ぬ」→母体保護で)があるけど貧困層には違法な中絶しか選択肢がない。
・無報酬
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諦めるな:新しいギャラクシー・クエスト・ドキュメンタリー(2019年製作の映画)

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みんな大好き「ギャラクシークエスト(1999)」の制作ドキュメンタリー。
みんな大好き「サボテンブラザーズ(1986)」のアイデアをSF映画に転用したのが、ギャラクエの本質だと思ってたので、「作り手と
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アメリカンレガシー(1992年製作の映画)

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独特の世界観が魅力の西部劇。
妻を失った男を、これが遺作となるリバーフェニックスが演じてる。
・小規模のサーカス。
・悲しみのあまり、妻が成仏できない。
・ついに動き出す遺体。
男の父親は、妻の妹を連
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ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録(1991年製作の映画)

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困難を極めた「地獄の黙示録(1979)」の制作過程のドキュメンタリー。
タイトルかっこよすぎ。
ゆうこと聞かないマーロン・ブランドを根気よく説得したのがすごいと思った。
人生を全ベットしたコッポラ監督
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Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~(2017年製作の映画)

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落ち目の小説家チャールズ・ディケンズが代表作「クリスマス・キャロル」をものにするまでが題材のファンタジー映画。
息が通ったキャラクターを生み出すと、その人物は可視化するというアイデアが素晴らしい。どう
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ローマで夜だった(1960年製作の映画)

5.0

ローマ解放(1944年6月5日)の前夜を背景としたイタリアのレジスタンスもの。
連合国とイタリア王国が休戦(1943年9月8日)すると、捕虜になっていた連合国軍の兵士は逃げ出したが、ドイツの占領支配は
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戦慄の七日間(1950年製作の映画)

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科学者が警鐘を鳴らすべくロンドンで核爆発を起こさんとするテロを未然に防ごうと奔走する関係各所のクライムサスペンス。
七日後の正午に向かってカウントアップしていく方式で、あきらかに「セブン(1995)」
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上海特急(1932年製作の映画)

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匪賊が外国の要人を人質に取った臨城事件(1923年5月5日)から膨らませたエンタメサスペンス。北京発上海行き豪華列車「ブルーエクスプレス」を舞台にしたロマンスがメインになってる。
臨城事件は、義和団の
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ロシアン・ソルジャー 戦場に消えた18歳の少女兵士/ゾーヤ 戦場に消えた18歳の少女兵士(2021年製作の映画)

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ソ連初の女性の英雄ゾーヤ・コスモデミャンスカヤの伝記映画。
まさかのスターリン登場で隔世の感に浸ったりしてたら中盤までは割と凡庸。ソ連とその周辺国ではかなり有名なひととのことで、その事前情報があれば興
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クランスマン(1974年製作の映画)

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KKKを扱って社会派を匂わせてるけど実際は公開当時に流行していたブラックスプロイテーションのひとつ。
・撮影時に泥酔してるリチャード・バートン(立てないので寝てる)とリー・マーヴィン。
・OJシンプソ
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それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

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その年の賞レースを無双した、黒人監督によるアメリカの奴隷問題がテーマの映画。
南北戦争の二十年前が舞台。
北部ではすでに奴隷制度廃止運動が起こっているなか、黒人の主人公は罠にはめられアメリカ南部へと売
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レッド・スコルピオン(1988年製作の映画)

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若かりし日のドルフラングレンを愛でる映画。
敵はソ連とキューバ。ドルフ・ラングレンは最初、スペツナズの一員なんだけど、作戦行動中にアフリカの部族に対して化学兵器も平気で使用するソ連軍の悪行を目にして改
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ムーンライト(2016年製作の映画)

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スラムで育ったゲイの男性を、幼少期・青年期・おとなと連作短編で描く。
劣悪な環境というスラム街のリアルから、後半は繊細なゲイの恋愛へとシフトしていく。
恋人との会話がリリカルでいいね!
このご時世、繊
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地獄のヒーロー2(1985年製作の映画)

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チャック・ノリスが無双する「地獄のヒーロー(1984)」の前日譚。
普通チャック・ノリスは怪我ひとつしないので、これもチャック・ノリス・ファクトでハイワロとたかを括った観客を置いてけぼりにする内容。ネ
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ドラゴン・オブ・ナチス(2014年製作の映画)

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ストーリーは悪くないけどなにもかもがB級すぎてつまらなく感じたエンタメ戦争もの。
・WW2題材ではレアな北アフリカ戦線。
・ロンメル将軍を登場させる節操のなさが素晴らしい。
・砂漠に黒装束の魔女四人と
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

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一時期、話題になってた映画。
とにかく世界観がすばらしくって画面に釘付けになった。
ときおり顔をのぞかせる、監督が好きなものの断片が気持ちいいですね。ギレルモ・デル・トロとか、押井守とか、絶対に好きで
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私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

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ミニマリストを扱った世界初の映画であり、同性愛のセックス(監督が当時付き合っていた女優さんとラスト15分!)を撮影して(これも世界初クラスとのこと)いたりと、いろいろ攻めすぎだし、砂糖食うのかっこよす>>続きを読む

ノー・ホーム・ムーヴィー(2015年製作の映画)

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おかあさんドキュメンタリー。
ユダヤ系であること、親子関係が良好なこと、帰省のたびに撮影していたことなどが察せられる内容。
終盤でホロコーストサバイバーであることが明らかになるんだけど、それ以外は普通
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東から(1993年製作の映画)

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開始三十分で音を上げてググってから再生したらよくわかるようになって面白くなって安心する。
そーだよね。ベルギーの風景じゃないもんね。
ペレストロイカ、グラスノスチで崩壊していく東側陣営の混乱と日常をと
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

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オールタイム・ベストワンに突然躍り出たのも納得のカルト名作。
自分の知らない家人のルーティンワークという点でも興味深い。お風呂掃除とかめんどくさいことは最短手順を見つけてやってるもんね。そういうのを垣
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ラム・ダイアリー(2011年製作の映画)

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ゴンゾー・ジャーナリズムの第一人者ハンター・S・トンプソン自身が埋もれさせていた自伝の映画化。
・ハンター・S・トンプソンを知っている。
・=ゴンゾー・ジャーナリズムを把握している。
・テリー・ギリア
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新少林寺/SHAOLIN(2011年製作の映画)

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大ヒットカンフーアクション映画の公式リメイク作。
辛亥革命直後で敵は西洋列強諸国という設定が話とはあまり関係ないのが残念。
序盤はありえないほど悪い主人公が少林寺拳法を通じて改心して、ありえないほど悪
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マリー・アントワネット(2006年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ポップでキュートなマリー・アントワネット伝。
カンヌでブーイング(があったけど、それはわりと普通とのこと)されたことが誇張された結果、批評家からも厳しい意見が相次いだっぽいけど、なかなかどうして攻めて
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ある女の愛(1953年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

愛を取るのか、それとも自分の人生を取るのか。
当時としては先進的な二者択一を迫ってくる異色のフランス製恋愛もの。
中盤までは既視感ある恋愛ドラマ。
ミッドポイントからは、結婚したら家にこもるべきという
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JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】(2021年製作の映画)

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オリバー・ストーンの代表作「JFK」の続編的な位置づけのドキュメンタリー映画。
ケネディ大統領暗殺事件は、あまたある陰謀論のなかでいちばん大きなもの。ということはこの事件がアメリカという国を端的に物語
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ザ・コントラクター(2022年製作の映画)

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ジャック・リーチャーとかジェイソン・ボーンとかの主人公無双を楽しむ系のアクション映画。簡単にひと殺して何発か弾が当たっても平気な系ね。
ドーピング検査に引っかかって軍のエリート部隊をクビになった主人公
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ザ・クロッシング(2021年製作の映画)

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ポグロム(帝政ロシアで発生したユダヤ人虐殺)とホロコーストというヨーロッパにおけるユダヤ人の受難をモチーフにしたアーティスティックなアニメーション作品。
シオニズムとも密接に絡んでいるのでポグロムにつ
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悪党に粛清を(2014年製作の映画)

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復讐系の西部劇。
デンマークからの移民という設定で当時のアメリカをリアルに再現している。
マッツミケルセン演じる主人公(退役軍人!)のかっこよさとか、いっさいしゃべらないヒロインとか、ベタベタのエンタ
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