検事局を題材にしたポリティカルサスペンス。
若き検事のサクセスストーリーをうまく絡めてあって、手軽にそして効果的にシドニールメットを楽しめる。
例えば健さんのように映画俳優のなかには、存在感あっても演>>続きを読む
樋口一葉の短編小説からみっつの話をオムニバスで。
20分、40分、60分くらいの配分。台詞がよく、撮影もきれいで、それぞれ魅力にあふれているんだけど、個人的にニ話目の放蕩息子が最高だった。
「さくざに>>続きを読む
出産を控え産婦人科に入院した妊婦さんたちの群像劇。
1947年のローマが舞台とのことで、アルデアティーネの虐殺(アルデアティーネの洞窟はローマにある)だったり、解放軍の軍人との間にできた子どものプロッ>>続きを読む
アフガニスタンの児童婚問題についてのドキュメンタリーかつ、才能あふれる少女ラッパーのサクセスストーリー。
あなたの人生に介入することはできないといいながら手を差し伸べる。
長く取材をしているうちに深く>>続きを読む
戦後のイギリス・ガーンジ島を舞台にしたロマンチックコメディ。
売出中の女性作家がその島にある奇妙な名前の読書会の秘密を解き明かしていく。勇気ある女性の行動に感化され、自分の人生/恋愛も顧みることになる>>続きを読む
アメリカの田舎町が舞台のシニカルコメディ。
方向的にはツイン・ピークスだけど、あれは徹底してデビッド・リンチの好きなものばかりにしてあってそれが奏功している。
こっちは監督はセンスが良くって、画面はフ>>続きを読む
人種差別問題が題材のソーシャルサスペンス。
・よそ者を拒絶する田舎町。
・なんのためにやってきたのかわからないよそ者。
という、ふたつのフックで物語を牽引していく。
脱ヘイズ・コードの西部劇と、ホード>>続きを読む
ハリウッド最大の汚点「國民の創生」から100年が経って作られたアンサームービー。
反乱の指導者ナット・ターナーの半生記でありながら「國民の創生」を黒人サイドからなぞり直している。
18世紀前半のアメリ>>続きを読む
囚人虐待についての法廷もの。
アルカトラズ刑務所が閉鎖になるきっかけとなった出来事で、話自体が抜群に面白い。
クリスチャン・スレーター主演に時代を感じる。「トゥルーロマンス」の印象がいまだに強烈。
ケ>>続きを読む
つまらなすぎてなにも頭に入ってこない国連PKOに参加する人民解放軍の話。
狙撃兵、格闘家などキャラクターそろえてるのに、大した活躍もないまま終わる。
欧米からの権威付けが大好物なのは日本人も同じなので>>続きを読む
シドニールメットの遺作はミニマムなノワールフィルム。
人生の一発逆転するはずの強盗で失敗する家族とその前後のお話。
時系列と視点人物がシャッフルされてて、ちょうどいい難解さになっててここちいい。
視点>>続きを読む
公権力が行っている盗聴が題材のポリティカルサスペンス。
クソ邦題のせいでつかみにくくなっているけど大まかなストーリーは、「FBIは別のことで盗聴していたのに、釈放されたショーン・コネリーが強盗団を組織>>続きを読む
犯人たち視点で「突入せよ! あさま山荘事件」の逆バージョン。
中盤の山場である「山岳ベース事件」までの前日譚はナレーションベースでぶっ飛ばしていくんだけど原田芳雄の声が本当に心地良い。テロップ多用でエ>>続きを読む
日中戦争の途中経過報告の意味合いを兼ねたニュース映画。
「聖戦3年」のほうは武漢作戦の完了まで。
太平洋戦争にはいると廃れていく千人針や国防婦人会の催物の様子など珍しいシーンも含まれる。
白い割烹着>>続きを読む
昭和を代表する事件のセミドキュメンタリー。
原田眞人のフランクで情報量の多いセリフが好きか嫌いかで印象変わりそうなんだけど、おれは大好きなのでかなり楽しめた。
犯人視点、報道視点、国民視点が一切ないの>>続きを読む
戦中に作った国策映画(の皮をかぶった反戦映画)「戦ふ兵隊」が上映できなかった亀井文夫が終戦直後に手掛けた、戦中のファシズムを批判した反戦映画。封切り一週間で公開停止になったとのことなんだけど、文化庁の>>続きを読む
ハリウッドに吹き荒れた赤狩りについての社会派コメディ。
ブラックリストに名前が載った映画人たちの苦悩を早い段階で映画化している。赤狩りの総本山、下院非米活動委員会の廃止が1975年なので1976年はと>>続きを読む
フランス革命で貴族となる洗濯屋のおかみさんが題材のコメディ・ドラマ。演劇として有名なタイトルで、サイレント映画で三回、トーキーで三回映画化されている。これはそのうちでいちばん最近作られたやつ。
豪快な>>続きを読む
シドニー・ルメットなので見た。
知らなかったらこれはリメイク作なんだね。リメイクもとは高得点で、こちらは低評価。うーん。シドニー・ルメットもほかの巨匠とおなじく、キャリア後期は思うようにことが運ばなく>>続きを読む
AK-47誕生秘話。
挫折、恋愛、競争、成功と全部網羅している。シンプルで面白いけど、破綻がないのがマイナスポイントか。ただまあ、実話ベースだったら仕方ない。
奥さんとのくだりは映画用に拵えたプロット>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
最終回である第三夜のテーマは「学級崩壊」あと「教育格差」
冒頭の裁判がフックになってる。メンタルをやられてる状態からスタートして、華麗に復活する。(のちにわかるけど崖の儀式が生まれ変わりの伏線)あとは>>続きを読む
障害者アートもしくはアウトサイダーアウトについてのドキュメンタリー。
具体的には何人かの知的障害者を取り上げて、それぞれの制作過程と作品を紹介している。
なかでもメインは茂ちゃんと呼ばれる自閉症のひと>>続きを読む
第二回は校内暴力編。
不良生徒全体を救わなきゃいけないだろうところを、少女ひとりと息子の更生に置き換えたシナリオライターの手腕がすごい。
実際、不良仲間とか、ヤクザと繋がってる先輩とか、全部スルーにな>>続きを読む
戦後しばらく経った広島を舞台にしたふたりの母の物語。
原爆の話題なし。
リアルな難病ものでもあった。
小粒であることは否めないけど、しっかり面白い。
このころの新藤兼人ほんとすごいね。
面白かった。
このレビューはネタバレを含みます
19世紀末のフランスの炭坑が舞台の文芸大作。描かれるのは支配者階級と労働者階級の相克と労使闘争。
原作はエミールゾラの代表作。
大金をかけて映画化したとのことで、炭坑の再現が素晴らしい。
坑道に馬を下>>続きを読む
学校の先生くくりのテレビドラマシリーズ。
第一話は、かつて生徒たちを戦地に送り出していた先生が復員してきて、時代の変化に翻弄される話。
丁寧に詰められ、ちゃんと追い込まれていくプロセスが見事。導き出し>>続きを読む
見てる。
日本で暮らしているミャンマーの活動家ドキュメンタリー。
政治的な理由だったら難民申請が通りやすい/そうじゃなかったら通りにくいの知らなかった。
海外からきてるひとのさまざまな背景を知ることが>>続きを読む
ANC(アフリカ民族会議)のいち活動家の半生記。
反アパルトヘイトという神聖なテーマの影に、不倫の修羅場という俗っぽいテーマも配置してあってバランス悪い。主人公を素直に応援できないこともあるし、奥さん>>続きを読む
飛行機が砂漠に不時着。限られた水と食料で無事に戻れるのかという話。
長距離を歩きぬく話かと思いきや「オデッセイ(2015)」タイプの話。
たぶんシナリオが悪いんだけど、いらぬ対立を煽ってくる構成になっ>>続きを読む
青年編。
徴兵や米騒動。はかのいかない恋愛を通して被差別部落問題を描く。
第一部にはなかった皮革製品の工場も登場した。肺結核のくだりで「三期」といってた。そういう分類があったかとググったけど出てこなか>>続きを読む
部落問題を扱ったベストセラーの映画化。
いわれなき負の差別を表現するのに天皇を持ち出した勇気がすごい。正の差別も描いたことで、この問題の根深さに気がつくことができる。
このあたりは共産党員だった今井正>>続きを読む
イギリスに住むパキスタン人青年の青春をブルース・スプリングスティーンのナンバーに乗せたミュージカルタッチのヒューマンドラマ。
失業者にあふれている当時のイギリスで、パキスタンからの移民がどのような状況>>続きを読む
日中戦争・武漢作戦が題材の国策映画のはずが、検閲の結果、公開禁止となって上映されることのなかった幻の作品とされていたのが、昭和五十年になって一本だけ発見されたという奇跡の反戦映画。
亀井文夫本人が従軍>>続きを読む
アメリカ史上最長のマフィア裁判が題材のシニカルコメディ。
シドニー・ルメットで法廷といやあなんといっても「評決」なんでしょうけど、そのトレースにはならないようコメディ路線にしたことが奏功している。
か>>続きを読む
太平洋戦争開始から半年の時点の、帝国海軍勝利ダイジェスト。
映画ニュースを編集したものとのこと。
文化庁のデータベースだと1942年10月15日公開となっている。んだけどその日付はおそらく間違ってる。>>続きを読む
ビジネスで訪れた中国で殺人事件の犯人にされそうになるポリティカルサスペンス。
ただし、
・あからさまなハニトラに引っかかるやり手ビジネスマン。
・どこでもいけちゃう自由すぎる捜査。
・めちゃくちゃな裁>>続きを読む