みずきちさんの映画レビュー・感想・評価

みずきち

みずきち

ザ・コンサルタント2(2025年製作の映画)

1.5

うーん?微妙すぎないか?
ストーリーがすべてにおいてよくわからないし、弟の無理矢理なコメディ要素も浮いている。ベンアフレックとジョンバーンサルのタッグでの銃撃戦を見れることくらいしか良いところしかない
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ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

3.0

天才会計士、凄腕スナイパー、体術もいけますそして高機能自閉症…属性盛りまくったベンアフレックのモシモジ演技がたくさん観られる映画。
主人公の繊細な精神世界を描くフレームワーク描写がどこも美しかった。特
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誰もがそれを知っている(2018年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

すごく面白くて怖い話だった。

婚姻などによって没落した地主一族に潜む、悪意のない構造的暴力。パコが使用人家系から懸命に発展させた土地とそのお金は、結局元の主の一族に返上するような形になってしまったの
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彼女が消えた浜辺(2009年製作の映画)

4.5

ファルハディ作は別離に続いて2作目だが、この人は唯一無二で天才なんだなと確信した。これもジャケット写真から感じる地味さの不安を見事に裏切ってめちゃめちゃ面白かった。
背景にある構造的男性優位は少しだけ
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シリアナ(2005年製作の映画)

2.0

アメリカの中心思想がクソっていう話。そのせいで、優秀な指導者からなんの罪もない低下層労働者まで簡単に犠牲になる。

4つの視点が動いているのと(しかもうちひとつ、パキスタン青年の話は他とは一見は絡まな
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ボーダーライン(2015年製作の映画)

4.5

正義感と正常な倫理観をもつエミリーブラントが受け取る混乱、恐怖を観客も同様に受け取り、そして置いていかれる。ベニチオ・デル・トロ、スイッチが入ってないときは様子のおかしいオジサン、スイッチ入ると凄みの>>続きを読む

ファンタスティック・フォー:銀河の危機(2007年製作の映画)

3.0

チームとしての結束、末っ子の成長、ヴィランの葛藤など、前作より面白かった。

ファンタスティック・フォー [超能力ユニット](2005年製作の映画)

2.5

MCU版のために視聴。あらゆることがライトに単純化されているので、さくさくっと気楽に観れてよかった。
最近の精神性を深掘る映画に見慣れていると、ビクター・ドゥームの浅はかな嫉妬心やベンに対して無情な妻
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サンダーボルツ*(2025年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

孤独や虚無、トラウマ、コンプレックスといった負の部分で繋がるヒーローたち。他の光り輝くMCUヒーローたちには到底出せない味で、現代人の大人にはグッと来るストーリー。ちょっと泣いてしまった。

正直サブ
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6日間(2017年製作の映画)

3.0

交渉役として圧倒的なプレッシャーのなかテロリストの感情の機微に触れた警察のマックスの話なのか、デビュー戦をやりきったSASのメンバーたちの話なのか、大義を果たせず散ったテロリストたちの話なのか、よくわ>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.0

ほぼ目力だけで覚悟を伝えるアニャの演技すばらしい。
ジャックとフュリオサの、お互いに導いて導かれる深い信頼関係・愛情、言葉なくとも共にお互いの全てである関係性すごく素敵だった。
フュリオサとディメンタ
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トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024年製作の映画)

5.0

RRRを観終わったときに匹敵する充足感。素晴らしいエンタメ映画で、口コミが繋がってここまで話題になっている理由がよくわかった。

◆消えゆく九龍城砦、ひとつの時代の終わり
九龍城砦が生きている…!スク
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ブーリン家の姉妹(2008年製作の映画)

3.0

今では考えられないほどキャストが豪華。
日本の平安時代や中国の後漢時代のように、一族の威信をかけて行われる婚姻政策と外戚政治。その異常な野心がなんとも怖い。 

史実通りで、新しい解釈や深みは無い。
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砂の城(2017年製作の映画)

4.0

関係ない外国が介入する愚かさが、現場の目線でよくわかる辛い映画。
登場人物はそれぞれの視野の中で精一杯努力しているのだが、なかでもハーパー軍曹がすばらしい。自身も不安や葛藤に耐えながら、上とは戦い、若
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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

-

孤立無援の住民たちを差し置いて市外脱出を図る際の葛藤に、ジャーナリストができることの価値の大きさを痛感した。

ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い(2015年製作の映画)

4.5

民衆側視点のみではあるが、非常に真剣で、リスペクトに溢れていて、すばらしいドキュメンタリー。
マイダン革命がここまで過酷なものだったとは全く知らなかった。

アルゴ(2012年製作の映画)

4.7

ヒヤヒヤ観入ってしまった2時間。映画として成立させるための盛り上げ脚色がよく緊迫感があった。トニー・メンデスと上司オドネルの覚悟を決めた対応が漢気あふれていてカッコよかった。
カナダ大使も素晴らしい。
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愛を耕すひと(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

原題、英題、邦題どれも良い。

コンプレックスにまみれた退役軍人の空虚な心が、家族の愛に満たされていき、本当に大切なものに気づく話。異民族の少女を遠ざけてしまったことで、本人も違和感を感じていたようだ
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ドマーニ! 愛のことづて/まだ明日がある(2023年製作の映画)

1.5

イデオロギー抜きで、純粋に映画の感想だけに努めるが、あまり好きな作品ではない。
クライマックスが明かされてから「え?じゃああのシーンはなんだったの?」と細かいところが気になりすぎるのと、コメディの度合
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ノー・アザー・ランド 故郷は他にない(2024年製作の映画)

4.5

この映画の価値は計り知れない。ひとりのパレスチナ人青年が立ち上がり、行動し、イスラエル人ジャーナリストと固い絆のもと制作・発表し、オスカーのドキュメンタリー賞を獲得し、堂々と力強いスピーチを披露した本>>続きを読む

カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

商業的アクションとしては観客を集中させ続ける工夫が足りないし、中東カオスとアメリカ批判を真っ向からする映画というには物足りない、なんとも中途半端な映画だった。
カンダハル出身の知人のことを思い出して惹
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ラナー、占領下の花嫁/エルサレムの花嫁(2002年製作の映画)

3.0

1990年前後のエルサレムで撮影されているそう。イスラエルの入植が進んでおらず、まだアラビア語にあふれ、砂っぽく原始的な雰囲気の旧市街。今はもう見ることができない。目に飛び込んでくる街のようすそれだけ>>続きを読む

キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(2025年製作の映画)

4.0

カウンセラーでもあり、人の良心を信じているサムだからこそのストーリーだった。
私は元々キャプテン陣営が好きでドラマのファルコン&WSも見て、サムの葛藤も見守ったからこそ、今回の映画のサムの力強さにジー
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.0

思ってた以上に憂鬱な内容で、非常につらい気持ちになって終わった。
バルトロメアは悪魔や蛇だったのか、ただ頭のゆるい無垢な子だったのか。
信仰と人間の弱さは表裏一体・相互補完である。そしてベネデッタの目
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.0

質問せず、ただ撮る。
登場人物のそのポリシーに則って、観る側も特に説明もなく戦場に放り込まれて、目の前で起こることに圧倒されるわけだが。

なにかのきっかけがあって、ベテランは取材対象に呑み込まれ、(
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モスル~ある SWAT 部隊の戦い~(2019年製作の映画)

4.5

ジャケットと謳い文句がB級映画のそれなのでやや心配だったのだが、イラク戦争が残した禍根についてよくわかる、良質な映画だった。

外国の力によってではなく、きちんと自分たちの力で自分たちを再建させる未来
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女王トミュリス 史上最強の戦士(2019年製作の映画)

1.0

ハッサン・マスードが大王として出演しているが、めちゃめちゃしょうもなく描かれていて残念。正直すべてが非常に厳しい。

ワールド・オブ・ライズ(2008年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

◆騙し、騙されて助け合う世界での「信頼」とは?
難しいテーマを答えなく描いている。ラッセルクロウ演じるホフマンは傲慢で計算高くそして平気で嘘をつく。そんな上司にディカプリオ演じるフェリスの心は確実に離
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

もちろんIMAXで鑑賞。
作品のストーリーおよび登場人物たちは前作から受け継いだ宿命を全うしており、リドリースコット御大のグラディエーターへの思いを昇華するという気概とリンクするものとなっていた。脚本
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チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

青いドレスとチューリップのみ色鮮やかな世界、美しい起承転結、バッドエンドに見せかけてハッピーエンド。ひとつのお話としてまとまりすぎていて、まるでひとつ舞台でも観終わったかのような気分になる。あのままみ>>続きを読む

エマニュエル(2024年製作の映画)

3.0

東京国際映画祭にて視聴。いい感じに令和版のエマニュエルになっていて、古典リバイバルの成功例だと感じた。主人公のエマニュエルはバリキャリで素直になれず自分の性を解放できない、魅力的な男性ケイは自信に満ち>>続きを読む

エマニエル夫人(1974年製作の映画)

2.0

東京国際映画祭のために予習で視聴。「この時代の"性の解放"やら"女体への憧れ"ってこんな感じだったんだー」と、この映画が爆裂ヒットした背景についてもはや民俗学しているような気分になる。それくらい、色々>>続きを読む

ジョイランド わたしの願い(2022年製作の映画)

5.0

十分に大人なのに、自分がまだ自分になっていないと感じるあのどうしようもない不安、よくわかる。
監督も33歳ということで、日本にいようとパキスタンにいようと、この世代が世界から受けとる圧力や不安というの
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キングダム 大将軍の帰還(2024年製作の映画)

4.0

なんとかギリギリ上映しているうちに映画館で観ることができた。本編の盛り上がり・登場人物たちの決起具合と呼応するように、日本のトップ俳優陣の総力戦というか底力を観たなという気にさせられるくらいアツい商業>>続きを読む

セブン・イヤーズ・イン・チベット(1997年製作の映画)

3.0

ものすごく恣意性を感じる映画。
ブラピ演じるハラーが、息子に対する贖罪を聖地ラサと少年ダライ・ラマ14世に求め、やがて導かれて救済を得る。映画化するにあたりそういうベタな脚色を加えたのは良かったと思う
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ジャーヘッド(2005年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

「なにもしなかった」ことによるPTSDもあるのか…とやるせない気持ちになった映画だった。
なにもしてないことはないし、なにもしてない方が良いに越したことはないのだが、戦争は正常な思考を曲げてしまう恐ろ
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