mknさんの映画レビュー・感想・評価

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髪結いの亭主(1990年製作の映画)

3.9

全体的に精神分析的な構造の仕立てになっている。エロスとタナトスを体現したヒロインと、それを軸に根源的な欲求を充足しようとしていく男性(ただしその欲求は非常にフェティッシュかつナイーブで未熟なものである>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.7

●1回目(9/20 @大阪ステーションシティシネマ)

難解過ぎる。これは流石に一度観ただけでは全容を把握できないのでは。劇中での登場人物による科学的な解説や、人物の相関関係の説明もかなり淡白である。
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ラスト・ワルツ(1978年製作の映画)

4.6

こんなにも音楽への愛が感じられる映像作品があるだろうか。思わず涙腺が緩んだ。
この映画に言葉による説明は不要。
The Bandに思い入れが無かったとしても、音楽が好きな人ならばぜひとも観てほしい。
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

凄まじい映画だった。
少なくとも今年観た、あるいは観ることになる映画でこれを超えてくる作品は無い気がする。ストーリー、音楽、映像、絵、キャストの演技、どれを取っても一級品である。

この物語において描
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台北ストーリー(1985年製作の映画)

4.2

良くない予感が冒頭から描かれている。
たいていの場合、私にとってはそれは皮肉にも良い予感として受け止められるのだが。

案の定、この映画には険しいリアリズムが描写されていた。
そのリアリズムは、外資系
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ホドロフスキーのサイコマジック(2019年製作の映画)

3.0

最近のモードで観るべきじゃなかった。
あるいは、本腰入れてホドロフスキーの事を理解した上で観るべきだった。
芸術の名を借りたご都合主義に辟易してしまった。
何というか、総じてとてもナイーブな映画。
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ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)

4.0

エル・トポに引き続き鑑賞。
相変わらずのエログロナンセンスなシーンがてんこ盛りであるが、エル・トポよりも視覚的な芸術性が高められているように思われた。ジョン・レノンとオノ・ヨーコの経済的支援があった事
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エル・トポ(1970年製作の映画)

4.2

この映画に関しては、シリアスに鑑賞する人よりもゲラゲラ笑いながら鑑賞する人と仲良くなりたいと思った。

冗談はさておき、私は基本的に初見の作品については予備知識無しで鑑賞するようにしているのだが、エル
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コロンバス(2017年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

モダニズム建築、およびそれらを代表する街をテーマに、ある男女のそれぞれの人生の葛藤や心の成長が描かれた作品だったが、自分事に落とし込んで共感できる描写もあり、有意義な映画体験となった。

印象に残った
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ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ジム・ジャームッシュ作品からアキ・カウリスマキの影響を感じたこと、また、たまに訪れるバーのマスターが大ファンだと紹介していた事も思い出し、一番「マトモ」そうな作品として『ル・アーヴルの靴磨き』をピック>>続きを読む

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

4.1

パターソン、ナイト・オン・ザ・プラネットと観て、ジャームッシュの作品を観るのはこれが3つ目である。
それら作品群から見えてきたのは、ジャームッシュの作品には必ず、皮相的な実存主義と、そのアンチテーゼと
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.6

エピソードごとに、各タクシードライバーと乗客の交流が描かれるオムニバス形式の作品。

まず一貫して挙げられる特徴としては、各エピソードの幕開けでは、必ず舞台となる土地の風景が散りばめられて写される。
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宮本武蔵(1961年製作の映画)

3.3

同世代(1993年〜1994年生まれ)には珍しく時代劇が好きという方と知り合い、その方に影響を受けて時代劇を観賞してみることに。
自分は学生時代、吉川英治の原作を読んだ事があるという馴染みから、初の時
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

観てる途中、滅茶苦茶に知的好奇心を刺激されて本当にワクワクして、観客がほとんど居ないのを良いことに思わず前のめりで観てしまった。
観終わった後も、より肉薄するため、youtubeで別のドキュメンタリー
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地獄の黙示録 ファイナル・カット(2019年製作の映画)

4.0

アメリカの歴史に泥を塗ったと言っても過言ではない、あまりにも不当なベトナム戦争をテーマに、それを批判・風刺しようとする監督の意図が随所に見えた。

前半の観どころとしては、ワーグナーの「ワルキューレの
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.5

一年ぶりにFilmarksでのレビュー再開。
アリ・アスター監督の前作、『ヘレディタリー』は全編に渡ってどんよりとした、閉塞感のある舞台で家族の惨劇が繰り広げられたのに反し、こちらは爽快感のある、開放
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ベンが序盤で、「燃やされる」ものには「燃やされる」べきタイミングなど無く、ただそうなることを受け容れるのみ、という発言をしていた。ベンの最期には、そのセリフを想起させるものがあった。

マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!(2017年製作の映画)

2.7

昔のイギリス最高〜!俺らがこの時代築いたで〜!と年寄りが過去を賛美する映画。絶妙にダサかった。

ウインド・リバー(2017年製作の映画)

3.8

大切なものを失った時の悲しみは、乗り越えようとする事だけが解決策ではない。
その事実に徹底して悲しむことで、失ったものを自分の中に生き永らえさせ、今後の人生を送り続けることもできる。
と、教訓に浸って
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ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス(2018年製作の映画)

3.2

2019年1本目。ファッションデザイナーのドキュメンタリーを観るのは、ドリスヴァンノッテンのものに続いて2作目なので、どうしてもそれと比較してしまう。
こちらはデザイナー本人へのインタビューに基づいて
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ボヘミアン・ラプソディの爆音上映会、うるさくて最高でした。バスとベースで胸骨どつかれてるみたいだった。

途中で気づいたけど、セリフにちょいちょいクイーンの曲の歌詞使われてるんかな。フレディがライブエ
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

4.3

こんなにワクワクするドキュメンタリーは初めて観た。DUNEの公開が実現していたとしたら、文字通り世界が変わっていただろうと思わしめる、そんなドキュメンタリー。
メビウス、ダリ、ピンクフロイド、マグマ、
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ゆれる人魚(2015年製作の映画)

3.4

ノリはネオンデーモンみたいな感じ。話の筋は「ふーん、あ、そう…。」女性ウケはしそうな内容。音楽はけっこう良かった。僕はゴールデン派です。

ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

3.9

ウェス最新作で同じくストップモーションアニメの犬ヶ島を先に観てからの鑑賞。犬ヶ島よりもアクロバティックなシーンが多く、また、出来合いの車で空を滑空するシーン等から、むしろグランドブダペストホテルの方を>>続きを読む

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