honeyhollowさんの映画レビュー・感想・評価

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放蕩娘(1981年製作の映画)

4.0

バーキンの彷徨いまくる台詞&行動にピコリが「排除」という赤裸々な、まさしくドワイヨン的な極地の関係性の狙いを言語化する、そのあからさまさに頭クラクラが止まらない。そうだよね、そうだよね、バトリたいのよ>>続きを読む

あばずれ女(1979年製作の映画)

4.5

共犯やらなんやら名前をつけたらすべてが霧散してしまいそうな危うい関係性を部屋と外とで絶妙に展開させる変態力。隔絶性と幼稚さと貧困と、それが安易さではない一種の自然なベクトルに納得させられる不思議。ずっ>>続きを読む

デヴィッド・アークエットは殺せない!(2020年製作の映画)

2.5

プロレスの盛衰との絡みがどんなもんかは全然知らないのだけど、デヴィッドのキャラだけで持っていける贖罪の旅。ルチャリブレのシーケンスの楽しさがたまらん。ロザンナ&パトリシアもちょい出演。母親が毒親だった>>続きを読む

金曜日の別荘で(1991年製作の映画)

3.0

うわーん。ジュリアンの無事を祈って😣、心してみました。漫然とした三角関係を美しい色彩設計とゴージャスな衣装と美術が助けて94分。眺めのよい部屋で、頭の後ろで手を組みながらジョアンナパクラの騎乗位を冷静>>続きを読む

パリ、夜の医者(2020年製作の映画)

2.5

家庭でもヤバめの仕事でも愛人との関係でも全部詰みつつ、パリの夜の海に流されてるヴァンサン。舞台も状況も荒み具合が混沌としているけど、回ってくる代償だけは鮮烈さを残す。ラブコメでの見飽きたヘタレ男より、>>続きを読む

娼婦ケティ(1976年製作の映画)

4.0

いびりられながらの洗濯場の合唱や修道院の病室でのダンス&手拍子、キャバレーの小唄、完徹明けの眩すぎる横並びステップ。どんなに辱められても、得られる物は尊厳を持って得、無知にも卑下せず太陽のような生命力>>続きを読む

スランバー・パーティー大虐殺(1982年製作の映画)

4.0

虐殺が始まる淀みなさとティーンネイジャーのディテールのキラキラ&欲望。美人転校生が「彼女はいつも取り巻きがいるもの」と入り込めなさを感じるその取り巻き男子の、体育を3回落としてるボンクラ加減もなんだか>>続きを読む

美しき小さな浜辺(1948年製作の映画)

3.0

こんなに陰鬱でわびしい憧れないフランスの浜辺に、つまらない搾取をするプチブルを置いて引きまくるアンリアルカンのカメラがドラマティック。ジェラールフィリップを慰めながらも自動車整備場の二階から洋服を直し>>続きを読む

偽れる装い(1945年製作の映画)

4.0

「最初の男は忘れられないだろう?(=オレは二番目だから後腐れないだろう?)」「愛してるというのは君が初めてだ」要所々々に比較(順番)でしか語ることができない自己愛男の顛末ながら、躁状態でクチュールの手>>続きを読む

ラヴ・アフェアズ(2020年製作の映画)

3.5

エピソード語りによって、ジラールの模倣的欲望を軸としたフランス的宿痾の恋愛模様が繰り広げられていくさまはなるほどと思い、その三角形から抜け出した人物の決断が重しとなる展開はまったく悪くないのだけど、好>>続きを読む

ラザレスク氏の最期(2005年製作の映画)

3.5

ラザレスク氏の肉体的痛みは痛みとして、運び込まれる度に空間に疲弊・悪臭・格差・説教・倦怠etcが積み重なっていき、辛さとか哀切より超現実としてあるがままを淡々と見せつけられる感じ。看護師の名前が娘や義>>続きを読む

非常宣言(2020年製作の映画)

3.5

見終わった後のトイレで、10代とおぼしき女の子たちが日本の対応はあれでよかったのか、と真剣に話しててなんかよかった

遠い声、静かな暮し(1988年製作の映画)

4.0

威張り散らかす男らからの抑圧と古い家具やノブに潜むような諦観が染み付いた女たち。無力な子どもでいても地獄、結婚して家を出てもまた然り。そんな陰鬱な生活の中で、めかしこんでお酒を片手にするハレの日の点と>>続きを読む

パシフィクション(2022年製作の映画)

4.0

真摯で素晴らしくて貧乏くさい映画祭のつれづれ観てると、こんなんこそ映画みてる喜びだと思わされる。ゴージャスなのに空疎で、空疎が魅せるシークエンスの羅列に成ってること。どうしようもないデカダンスにいきな>>続きを読む

ノベンバー(2017年製作の映画)

4.0

アバンのかましからまったく飽きない。the世界観の透徹加減。さいこう。

ホテル(2022年製作の映画)

2.0

やたらこった構成を示唆しながら、ええっとこんなつまらん昼メロなのか、あるいは閉鎖的な微睡みの通俗的な希望なのか、故意的に想像力を蔑む作りなのか。モノクロの緊張感に撫でられる気はするけれども、臨場的には>>続きを読む

パリ13区(2021年製作の映画)

3.5

シアマのパートがなければ普通につまらないオーディアールだった

ノロワ(1976年製作の映画)

4.5

大まかな設定に緻密すぎるインテリアやファッションや人間の配置が完璧すぎて、まったく見逃させなくて困る。困るので面白い。人為性を排しながら見逃せない端っこからまたアクトがはじまるのでリヴェットの宇宙を感>>続きを読む

優しき殺人者(1952年製作の映画)

4.0

コートかける場所の気持ち悪さとか軍服コンプレックスとか、犬に頼らないのとこ最高

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

3.0

聖人トムハンクスを見つけたNY地下鉄の乗客たちが隣人になりましょソングを合唱する心洗われるシーンの直後にハリボテのありし日のツインタワーを配するグロテスクさ。これだけでもベクトルが滲みるのに、ピッツバ>>続きを読む

シチリアーノ 裏切りの美学(2019年製作の映画)

4.0

序盤に並ぶ繚乱たる名前が単なる数字になるように、死者や過去、見世物とそれ以外が透徹される視点にビリビリする。とてつもなく簡潔で贅沢な海上の拷問や判事のあれこれ。もう着地なんかどうでもいいと思った矢先の>>続きを読む

恋に踊る(1940年製作の映画)

3.5

「品とは無縁の女よ」と言いながらフラのスカートを腰ばきに下ろして色気を振りまいたり、道化を頼みながら道化になれるルシル・ポールが魅力的で素敵なだけに、時代といえども線引きする視点に鼻白んだり。ロマコメ>>続きを読む

Dillinger è morto(原題)(1969年製作の映画)

4.0

こんなオレンジの腰巻きタオル一枚でうろうろして大丈夫かしらんと思えば思うほど危うい前衛に流れるピコリん。ごちゃ混ぜ引き出しはカオスの種、欲望の泉。ごく自然に発砲やってのけた陽光の海に飛び込むパンツはオ>>続きを読む

レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.0

いちいち設定が定石なのが面倒くさくていちいち手の平範囲で、「私が何者か知りたいのね」「私が彼氏がいるか知りたいのね」いちいち面倒くささを増幅させるの、やっぱり面白いなあ、と思う

アングスト/不安(1983年製作の映画)

4.5

満員御礼の「アングスト」。こっそりマスク外して口の渇きもスパイスにしたい好みだらけの87分。実話だろうがシリアルキラーの仕組みだとか、そんなこたどっちらけの臨場感明けの忘執の衝撃に、ああ観られてよかっ>>続きを読む

凱里ブルース(2015年製作の映画)

3.5

ロングデイズジャーニーよりあからさまに荒削りなやり方に極度の危うさを感じつつ、高低差などのショートカットにやたら色気を感じてしまう。河岸のあちらとこちらの明瞭さを示しつつ物語を一周させて物哀しさを感じ>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.0

ちょっぴり苦手ガーウィグだけど、時間軸を動かして「知ってるこちら」に訴えかける熱量をあげると同時に『若草物語』を読んでいた自分のメランコリーだかノスタルジーだかにも侵食してくるオンナ殺し。 あーくすぐ>>続きを読む

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.0

笑いか苦笑か迷う場面はあるけど、ヒップなセレーナ・ゴメスが3ドル崩して~♡というとこ、男どもがカチャカチャやってるとこでビル・マーレイが一応ポケットに手を入れながらやる気ないのが最高。町の横流しの不穏>>続きを読む

タシケントはパンの町(1968年製作の映画)

3.0

結構途中でコスい主人公(自分はいい人間アピール)に飽きがくるのだけど、黒煙のなかのやり取りがやたら見せる。画ヅラもやたらよい

戦火を越えて(1965年製作の映画)

3.5

あー三階建てで思い出す再見だったけど、省略具合がとにかくよい。オーディトリウムではソ連扱いだった時代(だった気がする)。

君は愛にふさわしい(2019年製作の映画)

2.5

さまよえるアフシア・エルジの断らなさぶり。浮遊する彼女に寄り添いながらクラシックなスパで出会った中年絶倫露出カップルに至ってはNon!と言いつつ微笑ましくもあったりして。大好きパリジェンヌうろうろもの>>続きを読む

シノニムズ(2019年製作の映画)

3.5

アイデンティティの相克とかいろいろあるんだろうけど、つべこべ騒がず好きか嫌いなところ無修正なのでだいたいOK。動いて騒いで晒されてまったく正統的なペニス。

アリスと市長(2019年製作の映画)

3.5

ロメロメし過ぎていたらどうしようと思ったけど、市庁舎舞台の政治ネタの面倒くささや対立構図を誠実にシンプルさに帰結させる軽やかさは別物。アナイス・ドゥムースティエの笑みの使い分け、よいなあ。通勤電車の背>>続きを読む

Liberté(原題)(2019年製作の映画)

1.5

照明があって位置関係が限定で明瞭な分、演劇のほうがおもしろそう。死への欲望とインポテンツの同等。夜が明けてよかった(セラの術中)。

初恋(1974年製作の映画)

4.0

初夏の陽光あふれる公園や出産直後の高低差ありながらの親密なコンタクトの、流動的で瑞々しいシーン。対してヒッチハイクしようとするロングショットの後ろ姿のか細さ脆さ。キラキラしいオーボエ(?)から赤子の泣>>続きを読む

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