富樫鉄火さんの映画レビュー・感想・評価

富樫鉄火

富樫鉄火

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みをつくし料理帖(2020年製作の映画)

3.0

いままで、角川春樹監督作品で、いいと思ったものはなかった。
よって今回も行くつもりはなかったのだが、(旧家KADOKAWA映画をも上回りそうな)いまどき珍しい大宣伝とパブ企画の連発に、「もしや……」と
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スパイの妻(2020年製作の映画)

3.5

オリジナルはNHKのTVドラマらしい。
そのため、画面も構成も、映画ならではのスケールは皆無。
そのかわり、音響や色彩など、映画以上の細かい表現が楽しめる。
だが、これを「映画館で観る映画」として楽し
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

5.0

度肝を抜かれる面白さだった!
年末近くなって、これほどの映画が、宣伝皆無で登場したことにも驚いた(ネトフリ映画につき、配信直前の、宣伝をかねた一部劇場公開だったみたい)。
しかも、あたしのような還暦過
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ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ(2019年製作の映画)

3.5

いままで観てきたどんな映画ともちがう、独特な味わいのある、不思議な作品。
「映画」というよりは、村上春樹かポール・オースターの小説を読んだような気分だった。
しかし、おそらく、この映画を、我々日本人が
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

3.5

ソフィア・コッポラ35㎜大会@新文芸坐。
これまた約20年ぶりの再鑑賞。
なんとも不思議な味わいの映画で、まだバブル景気の残滓が漂っていた時代の東京を、これほどうまく切り取った映画は、ほかにないのでは
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ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

3.0

ソフィア・コッポラ35㎜大会@新文芸坐。
20年前に観たときは、ずいぶん中途半端な映画に感じたのだが、いま観ると、原作を読んでいることを前提に、かなり精緻に構成されているような気がした。
原作は、日米
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UFO真相検証ファイル Part1 戦慄!宇宙人拉致事件(2018年製作の映画)

1.5

なんと、かなりの部分が、PCのWikipedia画面を映しながら、それを早口のナレーションで読み上げる構成のドキュメンタリ。
もっとじっくりアブダクト証言者のインタビューを見せてほしい。
いくつかの関
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フェアウェル(2019年製作の映画)

4.0

これは意外な掘り出し物といった感じだった。
中国本国や、華僑の家族たちの風習や考え方が面白く、しかも、わたしたち日本人に近い面も少しあるので、次の展開が気になり、決して派手なエンタメではないのに、意外
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太平洋戦争 謎の戦艦陸奥(1960年製作の映画)

2.0

ヴェーラの新東宝大会にて。
まったく期待しないで行ったら、たしかにそのとおりの映画だった。
強いていうと、天知茂と菅原文太の海軍将校姿が見られることくらいが慰めか。

秋日和(1960年製作の映画)

4.0

神保町シアター/原節子大会。
デジタル修復版を初鑑賞。
もともとアグファ・カラーで強い色調だったのが、さらにハッキリしていた。
これを「鮮明」と感じるか、「強烈」と感じるかはひと次第だが、わたしは、ど
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メイキング・オブ・モータウン(2019年製作の映画)

4.5

とてつもなく面白かった。
《マイ・ガール》誕生の瞬間は、鳥肌が立つような場面だった。
マナー指導担当者が、貧しい家に生まれた黒人たちに、大人のふるまいを指導した話など、特に感動した。
映像や音源なども
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セノーテ(2019年製作の映画)

3.0

3月の大島渚賞記念上映会で鑑賞。
これは「観る」「理解する」のではなく、「体感する」「感じる」、アート映像詩。
よって、展開とか物語みたいなものを期待したひとにとっては、何が何だかわからず、爆睡すると
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ブリング・ミー・ホーム 尋ね人(2018年製作の映画)

3.5

大ファンだったイ・ヨンエさん、ひさびさの映画出演で、さっそく行ってきた。
驚くべき演出力と編集、役者の見事な演技(ヨンエさん、そして警官役のオヤジ!)。一瞬たりと目が離せなかった。
だが、脚本は大雑把
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マイ・バッハ 不屈のピアニスト(2017年製作の映画)

4.0

思ったよりずっといい映画だった。もっと早く観に行けばよかった。
といっても、ハリウッド映画ではないので、「衝撃」場面の数々も地味に描かれ、正直、盛り上がりには欠ける。
では、知的静謐さにあふれているの
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宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年製作の映画)

3.5

20200913/シネリーブル池袋
桃井かおりが重要な役で出ているようなので、観てみた。
少女が家族や友人関係の悩みを乗り越えて、おとなへの第一歩を踏み出す、樋口一葉以来、小説や映画によくあるパターン
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チィファの手紙(2018年製作の映画)

4.0

20200912/gdcs
あまり「比べる」ことをしても意味ないのだが、わたしは『ラストレター』より、ずっとよかった。
なぜかというと、岩井作品は、どれも、中身は、ほぼ「ファンタジー」「おとぎ話」なの
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ミッドウェイ(2019年製作の映画)

2.5

20200911/gdcs
新資料を基に徹底取材したそうだが、そのせいか、戦況の正確な再現に終始してしまい、凡庸な戦争映画になってしまった。
ミッドウェイ海戦が情報戦だった点など、もっと映画ならではの
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

5.0

20200910/シネカリ
映画好きにはたまらない、至福の90分。
わたしも、若いころ、オーディオ・ドラマの制作に携わっていたので、効果音づくりの場面は、懐かしかった。
とにかく、『スター・ウォーズ』
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ある脅迫(1960年製作の映画)

4.0

20200909/新文芸坐サスペンス大会
初鑑賞。
原作が多岐川恭の「直木賞受賞作」とクレジットに出たが、多岐川の受賞作は『落ちる』だったはずと思い、調べたら、『落ちる』は短篇集で、そのなかの一編が『
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脅迫(おどし)(1966年製作の映画)

3.5

20200909/新文芸坐サスペンス大会
以前観たときに、気づかなかったこと。
【1】現金奪取の日が土曜日ということは、あの結婚披露宴は、平日・金曜日の真昼間に開催されたのか?
【2】結婚披露宴に家族
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大仏廻国(2019年製作の映画)

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20200907/池袋HUMAX
2020年版。
劇映画なのかドキュメンタリなのか、とにかく「大仏が歩く」特撮シーンが主眼で、構成や脚本は二の次の(としか思えない)映画(トークによると、製作を重ねてい
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黒の試走車(テストカー)(1962年製作の映画)

3.5

20200906新文芸坐サスペンス大会
もう何回目の観賞かわからんが、大映のこの種の映画で、船越英二がでてきたら、まず、こういう役だよなあと、見るたびに微笑ましく思う。

真夏の夜のジャズ 4K(1959年製作の映画)

4.0

20200906/角川C有楽町
音楽ドキュメントの傑作だと思う。
昔、古いフィルムで観たときは、夜の場面など、表情がよくわからなかったのだが、4Kで鮮明になった。
周辺の点描は、市川崑の『東京オリンピ
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英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2019/2020 ロイヤル・オペラ「フィデリオ」(2019年製作の映画)

3.5

20200903/TOHOシネマズ日本橋
3月13日、コロナで閉鎖される3日前の映像。そんな時期に、ロンドンで、こんな「密」な舞台をやっていたとは驚いた。カウフマンは休演。
「音楽は一流なのに、いまひ
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時をかける少女(2006年製作の映画)

3.5

20200901@gdcs
封切時に観て、よかった記憶があったので、ひさびさに再鑑賞した。
原作の20年後、和子の姪が主人公だが、おおよその設定は原作の再現ながら、さらに入り組んだ流れにしている。それ
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ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

5.0

20200825/gdcs。
大スクリーンで観たのは初めてだが、やはり歴史に残る「まんが映画」だと思う。
脚本、演出、声優、音楽、美術、すべてが一流で、その技術をふんだんに発揮してつくられたことが、よ
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さらば箱舟(1982年製作の映画)

4.0

20200822/神保町シアター「80年代特集」
ガルシア=マルケスを勝手に舞台化→映像化したことで騒ぎになったが、もともと寺山は、引用とオマージュと参照と盗用と書き換えが、すべて同次元のひとなので、
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海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版(1998年製作の映画)

4.5

20200821/角川C有楽町。
20数年ぶりの再鑑賞。これほど音楽がベッタリついていることを、半ば忘れていた。まるでオペラみたいだった。
近年は「実話に基づく」「実在の人物がモデル」の映画ばかりで、
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スパイ・ゾルゲ 真珠湾前夜(1961年製作の映画)

3.0

20200819/国立映画アーカイブ「松竹100年」
昭和36年に、松竹が、よく、こんな合作映画をつくったものと感心した。半ばドキュメンタリ風で、ゾルゲ組織の電波発信システムなど、なかなか面白かった。
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てんやわんや(1950年製作の映画)

3.0

20200818/国立映画アーカイブ「松竹100年」
以前にどこかで観たら、音声がほとんど聴き取れず、フィルセンなら大丈夫だろうと思って行ったのだが、結局、同じプリントだった。よって今回も、細部が、い
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赤い闇 スターリンの冷たい大地で(2019年製作の映画)

4.5

20200815/新宿武蔵野館。
 これはいい映画だった。脚本がうまい。ホロモドール(ウクライナ飢餓)の問題を、単純なスターリン批判ではなく、ジャーナリズムの問題として描くことで、時代を超えた問題に昇
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ジョーンの秘密(2018年製作の映画)

3.0

20200813/シャンテ。モデルの女性は、筋金入りの、ソ連の大物スパイだったことで大騒ぎとなった。そんな女性をあの「鬼」表情のジュディ・デンチが演じるとあって、これはピッタリだと思って行ったのだが、>>続きを読む

スローなブギにしてくれ(1981年製作の映画)

3.5

20200812/神保町シアター80年代特集。封切以来の再鑑賞だが、当時は、浅野温子のヌードと主題歌ばかりが注目されており、あたしも、それ以外、まったく覚えていなかった。それゆえ、パキさんの70年代モ>>続きを読む

中島みゆき 夜会VOL.20「リトル・トーキョー」劇場版(2019年製作の映画)

3.0

相変わらず、物語の内容や進行、伏線には、甘い点が多く、決して褒められないのだが、今回は大ベテラン、渡辺真知子を(姉役に)迎えたことで、しっかりしたデュエット&コーラス劇となった。しかも2人とも、ヤマハ>>続きを読む

ナショナル・シアター・ライヴ 2014「リア王」(2011年製作の映画)

4.0

NTLは、全部観ているわけではないのだが、いまのところ、この『リア王』が、あたしとしては、最高傑作。リア王を、レビー小型認知症との設定にし、その症状をサイモンが具体的に演じることで、後半の彼の奇行が、>>続きを読む

ナショナル・シアター・ライヴ 2019 マクベス(2018年製作の映画)

2.0

しばらく前の鑑賞なので、もしかしたら記憶違いも知れないが、たしか、冒頭の3魔女の有名な掛け合いがカットされ、いきなりダンカンやマクベスが出てきたのではなかったか。そのほか、いろんな部分が改変されており>>続きを読む

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