NUZOOさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

フランケンシュタインと地獄の怪物(モンスター)(1974年製作の映画)

3.5

毛むくじゃらでゴツい怪物の造形が非常にいい感じ。

フランケンシュタインに憧れた医師が逮捕された獄中で、死んだはずのフランケンシュタインを見つけるという設定も粋。
ピーター・カッシング演じるフランケン
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キャット・ピープルの呪い(1944年製作の映画)

3.3

ロバート・ワイズの初監督作。
続編なのを知らずに見たので一体何が「キャットピープル」なのかわからずじまい。

少女のイマジナリーフレンドが父親の死んだ前妻という不思議な話は、映像のかわいらしさも相まっ
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.4

かなり疲れるけど面白い。

近作になるにつれどんどん凝ったつくりになってきていて、すでに直近2作くらいはコントロールと情報量の塊みたいな状態だったけど、今回はとんでもないとこまでいっちゃっててどう観て
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春のソナタ(1989年製作の映画)

3.8

あ、そんなとこに着地するんだ、という終わり方がリアル。
あの親娘に関わったことでいろんな苦楽を味わってるな。

服の色のセンスが最高。

天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)

3.8

コンパクトで勘所を抑えた脚本がナイス。
すっごい昔に見たっきりだから「あ〜こうなるのか〜」と新鮮な気持ちで見れた。
部活ものに近いフォーマットの話なのとかも気づいていなかった。

マギー・スミスがマク
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ドラキュラ(1992年製作の映画)

3.3

原作のドラキュラのモデルとなった人物をドラキュラとしたり、原作にいる人物を多く入れたりとドラキュラにまつわる情報量の多い作品。
ただ、『魔人ドラキュラ』や『吸血鬼ドラキュラ』の80分より増やされた部分
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.9

録音と演奏にこだわったオーソドックスなジャンル音楽みたいな作品。
これを観た丸の内ピカデリーのドルビーシネマの設備が最高で、美しい映像とかなりいい音で観れたからこそ映画に浸れた。

基本的には『グラン
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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(2007年製作の映画)

3.8

アズカバン以降のハリポタのトーンをここで決定したような雰囲気。
シリアスな色味とシャープな画面、かっこつけたカメラワークなどなかなか決まってる。

今作はハリーたち3人が一緒に行動してくれるのが大変あ
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ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005年製作の映画)

3.5

学園ものっぽいくだりがこれまでより増されて、ダンスパーティーを中心として男女間のキモくて楽しげなやりとりが展開される。
一気に男女ムードが出てきたのは、ボーバトンとダームストラングがそれぞれ強調された
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ミイラ再生(1932年製作の映画)

3.3

そんなに面白くはないけど愛らしい映画ではあった。ボリス・カーロフの顔がいい。どアップになるのもうなずける。

古代の呪いが現代に襲いかかる!という話かと思いきや、古代エジプトで生き埋めにされた男が蘇る
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三度目の、正直(2021年製作の映画)

3.7

キャスティングやスタッフ、ロケーション、ストーリー、そして撮り方など『ハッピーアワー』や濱口作品と限りなく共通点が多いのに違った印象の映画になっている。

濱口作品と違って感情が画面上で発露されきらな
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スパイダーマン3(2007年製作の映画)

3.9

サム・ライミの映画は完璧じゃない人間たちのアンサンブルが楽しい。
ピーターもMJもなんやねん!という側面を見せながらも、結局はかわいく見えてくる。ハリーも勘違いを正せぬままと思いきや以前の笑顔を取り戻
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ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(2004年製作の映画)

4.2

格段に本格的な色を帯びた第3作。
前の2作が90年代っぽいのに対して今作から00年代感がある。画面の色味が一気に冷たくパキッとしたものになっている。

闇を照らす光が全編を通してテーマになっているよう
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ハリー・ポッターと秘密の部屋(2002年製作の映画)

3.6

ハリポタのなかではなぜか陰鬱で面白みに欠ける印象があったけど、久々に見返すとなかなかいい。やけに時間が長いけど。

空飛ぶ車のシーンはクリス・コロンバスがスピルバーグ人脈であることを強く思わせる。ジョ
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.5

取り急ぎ最高。

元の映画を補完するような描写が足されて、ノスタルジックでありながらしっかり現代的な映画にもなっている。リメイク元と今作の2作分の良さが一本の中に折り重なって見えてきて、生き生きとした
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吸血鬼サーカス団(1971年製作の映画)

3.0

ハマーフィルム晩年の作品らしい。

どこで誰がなにをしてるのかがなんとなくわかりづらい映画。
もっと面白くできそうな設定なのに散漫な感じ。

黒豹に変身する吸血鬼なんかいい感じだったけど、尖った歯にな
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奇跡(1954年製作の映画)

3.9

カットを極力割らない撮り方で、ほぼ全ての人間がスローに動いてるような感じから古風でねっとりした印象をもった。

信仰について実直に描かれている話なので、予想通りの終わり方だったけど迫力はある。

観て
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ザ・ビートルズ:Get Back(2021年製作の映画)

-

今知ってる曲の形が出来上がる瞬間の面白さたるや。
ビリー・プレストンが来てキーボードが入った時の「これだ!」という感じはメンバーならずとも笑顔になる。

長時間生々しく人間味のある会話ややりとりを見た
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ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

3.3

全編を通してハロルド・ライミスに捧げられた回顧感の強い映画。

大人がふざけたことをしてるというゴーストバスターズの良さをジュブナイルものにすることで減じているところも、それまでの話をどうでもよくさせ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

港町だったり男の子がキャスト一緒だったり『シングストリート』を思わせる要素がいくつかあって、ジョン・カーニーのフォロワー的な作品だと思っていたけど(実際それはあると思うけど)ちゃんと新しいこともしてい>>続きを読む

ロボコップ(1987年製作の映画)

4.1

『スターシップ・トゥルーパーズ』を先に見ちゃってたせいか思ったより皮肉めいた展開にならないのが意外だった。ストレートにいいロボコップが描かれててめっちゃ面白い。
グロすぎでは?というやりすぎ感とか映画
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太陽の帝国(1987年製作の映画)

3.7

映像は素晴らしいけど脚本が妙にちぐはぐに見える。
自伝的な作品が原作なので子供が感じたリアルがこれなんだともとれるけれど…。

壮大な美術とエキストラ使いは半端ない。
序盤の上海を逃げ惑う人々のシーン
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.9

旅の途中でたまたま立ち寄った町から出られなくなるというストーリーが悲し面白い。
閉塞感からどうにかして抜け出そうとするのがこの監督のテーマなのだろうと確信するような映画だった。

犬と女性の気持ちのい
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ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

4.3

撮影と編集と俳優の存在感によって途切れない緊張感がずっと持続して、まさかの終わり方にしびれた。

『リバー・オブ・グラス』とこの作品を観たあと『ウェンディ&ルーシー』も観たら、これら初期作に一貫するテ
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

-

半分くらいウトウトしてたけどいい映画だった…。編集がいい。

閉塞感のある日常からの一発逆転すらも許されないという閉塞感。
アメリカンニューシネマ的な物語をさらにこじんまりとさせたような映画。男性主人
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永遠に君を愛す(2009年製作の映画)

3.3

脚本が濱口竜介ではないというだけでこんなに凡作っぽくなるのか、と思った。

結婚式を控えたカップルの話は恋愛のゴタゴタをちゃんと面倒くさくやっていて良かったのに、美術予備校まわりの話は要らないのではと
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何食わぬ顔(2003年製作の映画)

3.7

まだ芸大院に入る前の東大時代の作品だけど、『親密さ』と同じ劇中劇の構成(後半全部を占める劇中劇のタイトルがそのまま全体のタイトルになっている)で、電車のシーンや気まずい会話などのモチーフも濱口節。
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不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

3.6

パイロット版だからしょうがないけどもっと見たかった。
濱口竜介がジャンルものっぽいの撮ったやつがちゃんと見てみたい。

青ざめた色調の映像がいい感じで、話はとらえどころがないけど、黒沢清っぽいコミュニ
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DAU. 退行(2020年製作の映画)

4.0

この映画を正当に評価できる知識を持ち合わせてなくて途中ずっと困惑してたけど、観終わってみれば面白かった。

60年代末からのモスクワの研究所で起こる堕落と粛正のせめぎ合いのドラマ。
ありえない規模で作
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1941(1979年製作の映画)

3.2

長すぎる。あと15分くらい短かったらもっとよかったのにな。

潤沢な資金で馬鹿な画を沢山つくるのはいいんだけどどのエピソードも興味がわかないのでわりかし退屈だった。なんなら日本軍のパートが(途中までな
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プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.3

当時映画館で観てたら相当盛り上がっただろうと思う。
近年観たいくつかの戦争映画にも大きな影響を与えてる作品だなと逆算的に感じる映画だった。

冒頭と終盤の戦闘シーンがすさまじい。
手持ちカメラで撮る戦
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スパイダーマン2(2004年製作の映画)

4.5

ワーオ傑作!
どこをとっても表現に迷いがなくて、この作品にふさわしいトーンと撮影を選びとっているような的確さだった。

アクションシーンが最高。スパイダーマンの飛行シーンは前作からすり減ることなく美し
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ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

3.7

前半のノワールで美しいトーンからめちゃくちゃな展開になる後半と美味しい部分の沢山ある映画だったけど、アクションがいまいち好みではなかったのがちょっと残念。
現代的で盛り上がるアクションではあるけど少し
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東京物語(1953年製作の映画)

4.5

観るのは2回目だけど映画館で観るとやっぱり面白い。
しかしまあ切なすぎて辛くなっちゃう。

一辺倒にも思える笠智衆の響かないリアクションの数々は、その変わらなさゆえに後半になるとどんどん沁みてくる。大
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晩春(1949年製作の映画)

4.1

現代的なモラルから考えると規範的すぎる話と単純に片付けてもしまえそうだけど、それではもったいないくらいの良さはある。
物語の下地になってる家父長制的な道徳観を、原節子の不穏な笑顔と怒り顔が静かにゆるが
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ラーヤと龍の王国(2020年製作の映画)

3.7

アニメーションの質感描写のレベルが高すぎてびっくりした。

映像を観ていても、半分同じ監督の『ブラインドスポッティング』との関連はさすがに感じとれなかったものの、人物の顔を切った構図の多さが不思議で気
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