NUZOOさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

東京流れ者(1966年製作の映画)

3.5

色使いやセットのすごさなどはもちろん、大胆な演出がてんこもりでエキゾチックさすら感じるし、編集がかなり変で笑えた。
たまに映る風景や小道具から当時の風俗がうかがえたりといったところも今見る面白さがあっ
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ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.2

超微妙…!

身の入らない白々しいシーンが多くて最後まで盛り上がりきらなかった。ご都合主義的、形式的な脚本のせいかもしれない。

家族のリユニオンを描くために家族らしい軽妙な会話を入れるシーンなどはな
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転々(2007年製作の映画)

4.0

けっこう心地よくて面白かった。

細かいあるある(&ないない)をネタ的に積み重ねていくのは『亀は〜』と似てたけどこれは圧倒的に映画っぽい。

日常をきめ細かく観察しつつ、そこから新たに妄想・改造して日
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ヴィタリナ(2019年製作の映画)

4.1

オールナイトで観た3本のなかでは一番物語的で面白かった。映像も美しすぎる。

冒頭の墓への道のショットや、リスボンに降り立ったヴィタリナ(漏らしている)と空港のショットなど異様にかっこいい。
カット割
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ホース・マネー(2014年製作の映画)

3.7

『コロッサル・ユース』と比べると一気に画面がハイファイになっていることに驚く。
ライティングと構図がとにかく決まっていてポスターのようだった。

病院にいるヴェントゥーラが病院を抜け出して昔の職場を見
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コロッサル・ユース(2006年製作の映画)

3.9

どんな監督かも知らぬままペドロ・コスタオールナイトを観に行った際の1本目。
構図がぴっちりしててほとんど動きはないが話は複雑という、眠気を誘う要素に満ちた映画。鬼のように眠かった。
だからといって面白
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街の上で(2019年製作の映画)

4.1

今泉監督にはこういう作風もあるのか。
ほとんどワンシーンワンカットくらいカットを割らないしカメラも動かさない。その中で地味に繰り広げられるコントっぽい会話劇が楽しい。

このシンプルなつくりが役者の力
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.3

演奏の素晴らしさ、デヴィッド・バーンの歌の上手さ、コーラスの美しさなど演奏としてのパフォーマンスのクオリティが素晴らしい。
それに加えて曲間のデヴィッド・バーンの語りから立ち上がってくるコンセプトがパ
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亀は意外と速く泳ぐ(2005年製作の映画)

3.9

生活の細かなあるあるを考えたり日常の裏側を想像することが好きな監督なんだなとけっこう共感した。

映画というよりコント集のような作りと、映像の弱さが少し気になるけど、細かいところが色々面白かった。ふせ
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.7

話は面白いけど、演出がしっくりこない。でもいい。

『勝手にふるえてろ』でも少し感じたことだけど、大九監督のポップで目まぐるしい演出が全然好みではない。『勝手に〜』では手法がハマっていた分面白く見やす
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チャイルド・プレイ(1988年製作の映画)

3.6

焦げたチャッキーのビジュアルが最高。
前半は怖くなるまでの前フリがちょっと長く感じたけどそれは時代のせいかしら。

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

3.7

のほほんとした笑いと暴力がたけしの映画によく似てる。
ダンカンもたけしそっくり。

中盤はノリで撮ったような脱力するシーンの連続で、どこにいく話なのかわからなかったがかなり笑えた。大杉漣が良い。

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スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

3.8

終始映像がかっこいい。音楽もいい。
どこからともなく現れる仲間との連携が面白い。

説明的なカットを極力省いてるうえ眠かったからか話はそんなピンとこなかった。ヒロインの考えてることがわかるようなわから
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ブルー・ジーンズ(1958年製作の映画)

3.8

軽薄な若者の青春のほろ苦い面を切り取ってるのがたまらん。
音楽の使い方が非常に良かった。
時間経過をジャンプカットで表すところがかわいいし上手い。

エルム街の悪夢(1984年製作の映画)

3.7

フレディーは、睡眠時の夢という、場所を選ばない現象をチャンスとして現れるのが恐ろしい。そのアイデアが面白かった。寝てはいけないという制約が彼らを追い詰めていくのが新鮮な恐怖だ。
いつも夢に出てくる知ら
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親密さ(2012年製作の映画)

4.5

めっちゃ面白い。

今年始めに新文芸坐のオールナイトで観て、また観たくてポレポレでも観た。

インタビューを読むまで(劇中劇を含む)この映画がどんな方法で作られたのかもよくわからなかったが、とにかく厚
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隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

2.8

コンセプトから期待されるものを大きく下回る…。
ループものゆえに死が軽く扱われるように見えるというのはこの作品の根本的な問題では。彼の死をダイジェスト的に扱うことは、エンドロールにも見られるこの作品の
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日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

4.2

緊張感ある構図とカットの連続でダレずに見せ切るパワーが凄まじかった。

内容の重厚さはもちろん、堅実な演出で、今の日本映画にはほとんど見ることのない迫力や重さがあっていい。
俳優たちのリアルにいそうな
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ジャズ大名(1986年製作の映画)

3.5

奴隷解放後も救われぬ身の黒人や、立場の弱い大名、身分制、江戸と京都に挟まれた土地など、不自由な制約のなかにあって、とにかく自由な表現や演出が馬鹿馬鹿しくて風通しがいい。

特に冒頭のアメリカパートの英
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マンディンゴ デジタルリマスター版(1975年製作の映画)

4.2

映像が美しくて、話は気持ち悪い。
腐敗した人間の様を美しい光やかっこいい構図で撮る不思議さ、意地悪さに少し混乱させられた。なにより映画としてすごく面白いのも恐ろしい。

奴隷制という、人間が作り得る最
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.4

恥ずかしさに身悶えしつつ、観てから数日後にまた観に行って、その後の数ヶ月さんざん人と話したりした映画で、その体験だけでも面白かった。

色々な点でドラマのような映画で、映画よりもテレビドラマ的な観点で
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新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

3.5

撮影のクオリティは高いけど、1作目の設定のような特筆すべき点がないのが残念。

魔女がいっぱい(2020年製作の映画)

3.3

ロバート・ゼメキス監督なのにCMとかでは全く触れられてなかったね。撮影監督とか音楽とか往年のメンバーでやってるし、脚本にデルトロも入ってたり豪華なんだけど。

お金かかってるっぽいビジュアルが楽しいし
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.5

監督のキャリアからするとこれまでで一番チャラそうな映画。作家性をおさえて職業的な仕事に徹していて、しかも上手い。

沢山いるキャラクターたちがペラくならずに立体的な存在感を発してたり、複雑なエピソード
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21ブリッジ(2019年製作の映画)

3.8

チャドウィック・ボーズマンのかっこいいこと。

作品の特色は、刑事と犯人の双方の視点を見せて、どちらもにシンパシーを持たせるような作りになっていることで、後半は双方が物理的にも心理的にも近づいていく過
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ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

4.0

湿気の多い台湾とか物寂しい東京や熱海の質感が画面からモアーっと出ててよかった。
キャラクターとカメラの距離感がつかず離れずで、中に入り込みすぎない感じがいい。
風景と人が同じくらいの比率で映っているよ
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アウトポスト(2020年製作の映画)

4.3

でかい画面とでかい音で観るのにふさわしい映画。

山に囲まれたすりばちのような前哨基地(アウトポスト)での戦闘を描いた実録もの。
ミニマルな舞台ながら、場面に合わせて色々な撮り方を当てはめていくスタイ
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モンスターハンター(2019年製作の映画)

3.7

普通にそこそこ面白い。

とにかくシンプルで見やすい。
間延びしすぎないようにテンポ早めようとしてるのが伝わるし、描く人物をほぼ二人に絞って話を構成しているのも潔い。

モンスターの造形がしっかりして
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.8

勝手に想像してた話とはちょっと違ったけどよくできてて見やすい。
メッセージが明確に言葉にされちゃってる部分がすこし気になったりはしたものの、階級の話をこういう風に落ち着ける展開が面白かった。

前半が
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ザ・ファブル(2019年製作の映画)

3.3

見どころはあるけどさして面白くはない。岡田くんが壁登るところみたいな度肝抜かれるアクションがもっと見たかったな。
そもそも原作漫画が好きだからけっこう楽しく見れちゃったというのもある。

すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.8

役所広司ほど日本映画に貢献してる俳優もなかなかいないと思うし、今作も役所広司の力は健在だった。

元受刑者の社会復帰という題材選びがとにかくよかった。そのリアルな問題や感情の動きを押さえてるであろう脚
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PASSION(2008年製作の映画)

4.8

人によっては興味が持てなくてもおかしくない題材だけど、入り込んだら超面白かった。

複雑なキャラクターの描き分けと、その会話の込み入り方のリアルさに圧倒される。どのキャラクターの言うことにも真剣さや人
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市民ケーン(1941年製作の映画)

3.8

思ったより込み入った構成の映画だった。

面白い構図や面白いカメラの動き、見応えあるワンカット内での動きなど、映像的な面白みが随所にあった。この映画で普及したというパンフォーカスも確かに少し目を引く。
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エルフ 〜サンタの国からやってきた〜(2003年製作の映画)

4.0

めちゃ面白い。
エルフとして育った男がニューヨークで人間社会に戸惑う、というカルチャーギャップの話かと思いきや、むしろその肝は幼児のまま育った大人という部分だった。長身で明らかに老け顔のウィル・フェレ
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バットマン リターンズ(1992年製作の映画)

5.0

私のベストクリスマス映画はこれじゃい!

5年ぶりくらいに見て改めてティム・バートンの最高傑作はこれだなと納得。ああいう歪な才能に資本とチャンスが与えられた不思議な時代だったんだなと感じる。00年代以
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.5

二度目だけど改めてよくできた映画だなと感心した。
初めから終わりまで飽きずに見られるのは、構成のうまさもだけど、細かい演出やセリフがとにかくいいからだと気づけた。

クリスマスを孤独で苛立つものと幸せ
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