SORさんの映画レビュー・感想・評価

SOR

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ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)

3.8

様々な背景をもつ移民の少年たちに、いろいろあった女性シェフが料理のノウハウを教える。
そして彼らにフランスで生きる道を拓こうとしていくお話。
実在の女性シェフがモデルとして存在するらしい。

料理に誇
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ザ・プロム(2020年製作の映画)

3.9

落ち目の舞台俳優たちが話題作りのためにとあるレズビアンの少女に目をつけるも、次第に心から彼女を応援するようになり、一丸となってジェンダー差別に立ち向かっていくミュージカル。

社会派でメッセージ性の強
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卒業(1967年製作の映画)

3.5

サイモン&ガーファンクルの音楽が胸に沁みる。

将来有望と期待されていながらも希望を見出せなかった青年が、不倫ののち本当の恋に落ちていく話。
シンプルな恋愛ものにとどまらず、複雑な青年の心境が絡む本作
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.0

「頭の中で考えたことは誰にも奪えないからね。」

シベリアの収容所、ラーゲリで必死に生きた者たちを描いた実話ベースのドラマ。
いかなるときも希望を失おうとせず、他者を思いやる心に満ち溢れた山本に胸が苦
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最高の人生の見つけ方(2007年製作の映画)

3.8

余命宣告をされた2人の男が
共に"死ぬまでにやりたいことリスト"を実行していく。
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンというレジェンド級の名俳優の共演。

残された時間が短いと知って初めて気づく
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バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー(2021年製作の映画)

4.0

最高に楽しいフレンチコメディ😂

真面目な方向にいくのか?と思う展開があってもすぐにマヌケなカットが登場する。
最後までコメディに徹しており、何度もクスッと笑ってしまった。
とはいえアクションシーンの
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危険なプロット(2012年製作の映画)

3.7

クロードの作文の才に魅了されたジェルマンが堕ちていく。
そしてクロードも人の暮らしをのぞき見ることにどんどんハマっていき…。
周りの人間を翻弄していくものが作文というのはなかなかに斬新な設定だった。
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

伝説的なプロレスラーを父に持つ兄弟たちの物語。
実話をもとにしているが、この界隈にはあまりにも明るくないため無知な状態での鑑賞でした。

プロレスに取り憑かれた父。
自分が成し得なかったタイトル獲得の
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.8

職を求めアラスカへ向かうウェンディと愛犬ルーシー。
立て続けに災難に見舞われたうえ、ルーシーとはぐれてしまい…といった内容のお話。

決して甘くない現実のなかに、一筋の温かい光が差したり差さなかったり
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あまりに豪華な役者さんが揃っていて観る前から身構えてしまった。

ブラックジョークをふんだんに盛り込み、コメディに徹した本編。
決して明るい内容ではなく、救いようのないラストにも関わらずなぜか後味が悪
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最期の祈り(2016年製作の映画)

3.8

終末期医療の現場を生々しく映したドキュメンタリー。

元気なうちにいかに対話をしておくか。
それ次第で迷いと後悔の葛藤も軽減されるような気がします。

少しでも長く生きていてほしいこちら側と
早く楽に
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ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.7

じっくり時間をかけて撮られたことがよくわかる。風景が壮大。
厳しくもあり美しくもある自然の姿がとにかく印象的。
自然を前になす術がない人間たちがあまりに無力であり、醜くもあり。
逆に自然や動物とうまく
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007 ロシアより愛をこめて/007 危機一発(1963年製作の映画)

3.4

シリーズ第2弾。

1に比べるとやや地味でありつつ、デジャヴに感じる場面も多々あり。
しかし本作の方が裏切りなどの人間模様が描かれており、敵か味方か…といった王道のストーリー性には長けていた印象。
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イルカの日(1973年製作の映画)

3.5

主にイルカと人間の交流を描いた本作。
そこにとある陰謀による不穏な空気が漂う。

まず音楽が素敵。そしてめっちゃゆるい。
あくどい人間の企みが絡むとは思えないのどかさ。
前半は穏やかで落ち着いたパート
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007 ドクター・ノオ/007は殺しの番号(1962年製作の映画)

3.5

意を決して1作目から観ることにした。
記念すべき初代ジェームズ・ボンドはショーン・コネリー。

渋カッコいいボンドが任務をこなす姿は今見ても最高。
当然古さは感じるしツッコミどころもあるが、それもまた
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

4.0

アメリカの女性写真家ナン・ゴールディンの人生と、オピオイド蔓延の責任を追及する活動を追ったドキュメンタリー。

生い立ちから愛する姉の死。
激動の時代を自分らしく突き進んだ彼女が写真家として撮影した作
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

破壊。

原爆の父と呼ばれるオッペンハイマーの生涯を彼の目線で描いたもの。
想像以上にズシンと来るものがあった。
彼が物理学者としての野心と人としての道徳的呵責のはざまで葛藤し苦しむ姿に、こちらの心も
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パリタクシー(2022年製作の映画)

3.8

現代の美しいパリの街をタクシーで駆け抜ける。

高齢の女性を客に取ったシャルル。
最初は乗り気でない彼も、次第に女性の話に関心を持っていく。
女性の人生を回顧しながら展開するシーンがメインであった点は
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

4Kリマスター版を劇場にて鑑賞。

映像の色合い、19世紀なだけあってレトロなコスチューム、海と森と雨の撮り方はとても好み。
ピアノの演奏がたびたび心を癒してくれる点もとてもよかった。

しかしどうし
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処刑人II(2009年製作の映画)

3.5

時が経っても褪せない2人の息のあった銃さばき。
マクマナス兄弟、老けたという声もあったけどちゃんとカッコよかったよ。
相変わらずツッコミどころ満載ながらカッコよさにもってかれてしまった。
ただ、実際の
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ひまわり(1970年製作の映画)

3.8

戦争によって哀しい運命を辿ることになった男女の物語。

ヘンリー・マンシーニの音楽があまりにも美しく、あまりにも感傷的。
この音楽なくしてこの作品は成り立たないと言っても過言ではないと思う。

感情に
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処刑人(1999年製作の映画)

3.5

ぶっちゃけ話が特別面白かったかというとそうでもないのだが、とにかく2人がめちゃくちゃカッコいい。
タランティーノとリュック・ベッソンを足して2で割ったという感想を拝見したが、まさにそれ。
個人的にエン
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ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

3.6

彼女たちの心の中は誰にもわからず、あくまで第三者の目線で話が淡々と進む。
決して"彼女たちの目線"で語られないところが憎い。
彼女たちの目にはどんな世界が見えていたんだろう。

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

4.0

思っていたより何倍も面白かったし1人でクスクス笑いながら観た😂
ゆるくてとぼけてて素直なレニングラード・カウボーイズがたまらなく愛らしい。
音楽めっちゃカッコいいし、全然退屈しないコメディなロードムー
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殺しのドレス(1980年製作の映画)

3.7

ヒッチコックの『サイコ』に影響を受けて作られたという本作。
冒頭は不可解でありつつも同監督作『キャリー』のような始まり。あと終わりも。
ストーリー自体はとりわけ目新しいものでもなかったが、恐怖を煽る演
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.5

白昼の悪夢。

物語が動くまでやや長く感じてしまったが、気持ち悪さをジワジワ丁寧に描くには十分な尺が必要だったみたい。
アメリカから訪れた若者たち=部外者が、楽園のような白夜の村であらゆる"当たり前"
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.8

キングスマンはじまりの物語。

第一次世界大戦の史実も絡めながら展開するストーリーから目が離せない。
本作もアクションシーンの撮り方が唯一無二であり超スタイリッシュ。
キングスマンは英国紳士なスタイル
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暗殺の森(1970年製作の映画)

3.7

ベルナルド・ベルトルッチ監督作初鑑賞は、初期の代表作と名高いこちらで。

政治×性×スパイという独特な切り口をもつ作品といった印象を受けた。
派手な展開はなく比較的静かであり、ややわかりにくい構成にな
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カラマリ・ユニオン(1985年製作の映画)

3.6

理想郷を目指す男たちのシュールな旅を描く。
名前が皆フランクだから登場人物を整理するのが大変だった。
アキ・カウリスマキ監督らしく毒づいたコメディであり、どこか憎めない"フランクたち"にクスッとしてし
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キル・ビル Vol.2(2004年製作の映画)

3.7

昨日に引き続きvol.2鑑賞。
今回も楽しかった〜!

前半は少し退屈なかんじも否めなかったけれど、やはり中盤からまた面白くなって目が離せなかった。
カンフーのくだりも本当、しっかりギャグ😂
タランテ
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キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

4.0

やっと観たキルビル!とりあえずvol.1。

血の量も出方も効果音の付け方もB級感すごくて思わず笑っちゃう。はちゃめちゃにバイオレンスだけどそこがタランティーノ😂
ツッコむのはもはやナンセンス。
がっ
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.9

鬼才アリ・アスター監督による長編デビュー作。

終始暗くおぞましい演出が続くため不安と恐怖が煽られ、ずっとそわそわしてしまう。
そして唐突に差し込まれるショッキングなシーンたちはトラウマもの。
ただ不
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トムボーイ(2011年製作の映画)

4.0

ロール(ミカエル)の自身に対する違和感や葛藤が青く切なく描かれる。
主演のゾエ・エランはそんなキャラクターを絶妙に演じていると思った。
妹ジャンヌとの関係性もとてもよい。
子ども時代ならではの遊びやか
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

IMAXで圧倒され続けた166分間。
時間があっという間でもっと観ていたかった。
砂の一粒一粒の細かな描写から大きな砂嵐までスクリーンで余すことなく表現されていた。
爆破シーンや戦闘シーンの迫力に包ま
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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.7

不器用な男女4人の静かなロードムービー。
タバコ、コーヒー、ウォッカがモノクロに映える。
起伏はあまりなく淡々と展開するものの、ちょっとした視線の使い方や所作を観ていると細かな工夫に気づき楽しい。
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

3時間のカオス体験、悪夢体験。
何を見せられているんだろうと我にかえる自分と、いつどんな風に話が転がるのか楽しんでいる自分がいた。

冒頭から心臓掴まれてハラハラしたし、見終わったいまも結局何だったの
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