sacoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.0

ソン・ガンホをはじめ、韓国で主役を張れる顔馴染みばかりのキャスティングで嬉しかったです。
作品内容は、タイトルから想像していたような人身売買をえぐるような重たいものではなく、比較的ライトに見られた。
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.0

暗澹たる気持ちになった。
上映終了後、斜め前の初老の男性が「最悪じゃ!」と吐き捨てるように言っていたのと、白髪高齢のご夫婦が言葉もなく立ち上がり、ご主人が奥さんに「大丈夫か」と労りの言葉をかけているの
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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.0

モガディシュ

実話の重みとリュ・スンワン監督の手腕が冴えるアクションは手に汗握って見入ってしまった。
エンタメとしても充分な見応えです。
本来敵対する韓国と北朝鮮が、ソマリアからの脱出という同じ目的
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恋は光(2022年製作の映画)

3.7

ユーモアのある哲学的な世界観がとても好き。
現実離れしたファンタジーと恋に対する心理分析と、ユニークな登場人物の魅力が楽しめました。
それぞれの恋の行方は、予想通りですが、こういう会話劇っぽい小品がす
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.0

北アイルランドの紛争を子供の視点で描いていて、深刻になりすぎず優しい気持ちで寄り添って鑑賞できました。
モノクロの映像が、当時の街や人々への郷愁を醸していたと思います。
紛争で混沌とした時代にも、子供
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.5

アニメーション制作のあらゆる面を見られて興味深かった。
作家だけでは、成り立たない細かい作業や、専門分野で関わる人たち、裏方の事とかよく分かった。
新人監督を体験する吉岡里帆が、初め、たどたどしくまご
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.3

36年前に興奮しながら見た感動をそのまま更新出来る楽しさでした。
冒頭の轟音と疾風と共に戦闘機が頭上を飛び立っていくシーンで、掴みは充分。
最後まで、高揚感と郷愁で見る事が出来た。
トム・クルーズの格
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さがす(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞後、とてもブルーな気持ちになりました。

佐藤二朗は鬱陶しくて苦手な役者さんだと思っていましたが、今回は今までに見たことのない演技で見応えがありました。抜き差しならない泥沼にはまって、慌ただしく変
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

地球滅亡の危機が迫っても、私利私欲に右往左往する群衆が滑稽で恐ろしくて悲しいと感じる。
デカプリオの眉間のシワとメリル•ストリープの怪演が見ものです。

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.5

もうね、御大には感謝しかありません。

もっと見たいと、見せて欲しいと願ったのは私自身ですもの。
集大成で最高傑作と思った『グラン・トリノ』、この時“もう映画には出ない”と言ったイーストウッド。私も寂
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

期待以上に良かったです。

愛する家族の絆と、自分の夢との狭間で葛藤するルビー(エミリア・ジョーンズ)の姿に感情を持っていかれました。

観始めてしばらくしたところで、過去に観た2作品の記憶が浮かびま
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.8

極上のミステリだと思います。
青年のナレーションから始まる物語は、微妙なうねりを持ちながら最後まで緊張感が続きます。
繊細な青年の心底にある確固たるものが、ラストの一瞬に浮かび上がるところが凄いなぁと
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.5

苦手な時代設定なので、サークルの課題作にならなければ見なかったかもしれない。

みる前に、強姦が本当になされたか、なかったのかの真相を裁判で明らかにしていくストーリーと思っていたので、それぞれの視点か
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浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

3.0

映画館を救うためのクラウドファンディング、宮崎キネマ館での上映は感慨深いものがありました。

高畑充希、大久保佳代子、柳家喬太郎、皆の映画愛はそこかしこにひしひしと感じさせる流れになっていましたが、映
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別離(2011年製作の映画)

4.0

中東の映画を見ても信仰や戒律それに伴う社会情勢などが実際にピンとこなくて、漠然とした理解しかできず一歩引いたところでの感想しか沸いてこなかった。
ところが、この【別離】はドスンッとストレートに胸に落ち
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.0

伊澤彩織のゆる〜い感じとキレのあるアクションとのギャップに興奮した。
髙石あかり(宮崎県出身)とのコンビも微笑ましかった。
殺し屋の話だけど、コミック雑誌をずっと読んでいる感じで、面白かったです。

空白(2021年製作の映画)

4.2

人は大切な何かを失った時に生まれる様々な負の感情に”どう折り合いをつけて”乗り越えて再生していくのか、そういう事を丁寧に描いている作品だと思う。

あるひとつの切っ掛けから、事は波紋のように広がり、
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.5

原作は未読です。
映画は、オープニングから独特の世界感だなと思いました。
ちょっと普通の感情では受け入れ難い夫婦の在り方、村上春樹らしいなと思う。
心中穏やかではないところを、さらりと流して見せるあた
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少年の君(2019年製作の映画)

4.9

観賞後はとても感銘して、すぐに席を立てないくらい良かったです。
不遇な環境に生まれたチェン・ニェン(チョウ・ドンユイ)。
泥沼の様な生活から抜け出す為に、少女は黙々と孤独な闘いを続ける。
熾烈な受験
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

有望な将来を約束されていた女性が、ある事件によってその人生のレールから外れてしまう。
そこから始まる復讐劇。

ポップな音楽にのって始まるオープニングが、これから始まる不穏な顛末を予感させてハラハラ
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夏への扉 ―キミのいる未来へ―(2021年製作の映画)

3.2

原作には登場しないAIの存在が効いていて、映画の方が面白かった。
猫が可愛い💕

1秒先の彼女(2020年製作の映画)

3.0

いつもワンテンポ早いせっかちな女性と、逆に出遅れの人生を送ってきた男性。
男の一途な思いと、その時間の差が奇跡を起こしてファンタジーが生まれると言う発想は面白いなぁと思った。

彼女が失った1日の中で
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.0

期待して観たが、あまり胸に響くものを感じられず、残念だった。

どうしても『サマーウォーズ』と比べてしまう。
仮想空間でアバターが力を合わせて、現実世界の村を救う、タイムリミットが緊張感を煽って高揚
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SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)

4.0

迫力のあるSFエンタメとしても面白かったが、「永遠の命」を持ったクローン(ソボク パク・ボゴム)と「限りある命」死の恐怖に怯える元情報局エージェント(ギホン コン・ユ)が互いの立場から問う“命”の在り>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

3.5

認知症になったアンソニー目線で物語が進むという情報を事前に入れていたので、冒頭からそれを意識しながら見てしまった。
何にも知らずに見るのと、この大事なポイントを知ってみるのとでは、感じ方に大きな違
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キャラクター(2021年製作の映画)

4.0

鋭利な刃物はそこにあるだけで脅威!!
ミステリとホラーの要素が絶妙に混ざっていて、終始、緊張感が途切れない。

前半に具体的な殺戮シーンを挟まない事で後半の容赦なしの殺人が、より強調されて戦慄が走る。
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聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

3.5

興味深く観た。

人間の内には、“善”と“悪”が当然の事ながら混在しているって事を改めて考えさせる作品。

偽りの聖衣をまとったダニエルが、神学や聖書からではなく、自身の中から発する言葉で、本物の司
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天使の分け前(2012年製作の映画)

4.0

逃げ場のない底辺で苦悩する若者たちが、手にしたウィスキー“天使のわけ前”。
その芳醇な液体がもたらすチャンスは幸せに満ちている。

常に社会の弱者に寄り添う映画を撮るケン・ローチ監督。そんな社会派作
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ゆれる(2006年製作の映画)

4.3

オープニングからラストのエンドロールが流れるまで良く出来た純文学小説を読んでいるようだった。

東京で写真家として成功している弟猛(オダギリジョー)と、地方の実家で父を支えながら地道にガソリンスタン
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街の上で(2019年製作の映画)

3.0

下北沢という味わいのある下町で、普通の人たちが普通の恋愛をして、大きな事件が起こるわけでもなく、ほんわかと過ごしている感じは良かった。

前半、古着屋さんの店内での若いカップルのやりとりとかは、ちょ
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るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

2.8

ドラマは薄っぺらだけど、アクションは見応えがあった。
佐藤健、レベルアップです。

たたらを踏んで戦う神木隆之介が好きで再見出来て嬉しかったかな。

京都大火編が面白かった分、ちょっとがっかりだった。

ノマドランド(2020年製作の映画)

3.4

キャンピングカーでの車上生活って聞くとなんか優雅なイメージが浮かぶが、この作品に出てくる年配のノマド達は、そんな甘いものではない。
人生の晩年に、それまで大切にしてきたものを失い、描いていた老後が打
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BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

4.5

松山ケンイチ、東出昌大、柄本時生、木村文乃、4人の自然な演技が素晴らしい。

自分が心底好きな事に溺れる程のめり込む幸せが作品全体に滲み出ている。同じ勝てないボクサーを描いた『アンダードッグ』(前後
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

3.5

流されながらの恋愛に身を置いていた男が、大学時代に自分を好いていた後輩の男と7年ぶりに偶然会う。

かなりリアルなセックスシーンに、初めは気持ちが引きそうになったが、もの語りが進むにつれて、ふたりの恋
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