moさんの映画レビュー・感想・評価 - 27ページ目

ミルコのひかり(2005年製作の映画)

4.9


イタリア映画界の盲目のサウンドデザイナー、ミルコ・メンカッチの少年時代を描いた作品。
銃の暴発により視力を失くしてしまったミルコが、音と想像力で光を見出していく。


『青色は、"顔に感じる風の色"
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愚行録(2017年製作の映画)

3.7


『他人を語ることは、自分を語るということ』


ある住宅街で起こった一家惨殺事件。
絵に描いたような、「理想の家族」と言われていた彼等が何故殺されてしまったのか。
週刊誌記者の田中は真相に迫るべく、
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サーミの血(2016年製作の映画)

4.1


1930年代、差別的な扱いを受けていた先住民族「サーミ人」の少女エレは、ある少年との出会いから血を偽って生きる決意をする。


もし自分が生まれた時から二級市民として生きることを決められていたら…
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あさがくるまえに(2016年製作の映画)

4.8


子供の脳死を告げられた夫婦、心臓病の音楽家、寄り添うコーディネーター…
それぞれの視点から描かれる臓器移植の一夜。


重い題材ながら悲しむ遺族の写し方は酷く淡々としていて生々しい。
台詞は少なくわ
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少女ファニーと運命の旅(2016年製作の映画)

4.8


1943年、ナチスドイツ占領下のフランスでスイス国境を目指すユダヤ人の子供達を描いた実話。

たとえ血が流れるシーンが映らなくても、"収容所"という言葉から私達は嫌でも結末がわかってしまう。


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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

3.8


『人をいたわれ。みんな闘ってる。』


生まれてから顔に27回もの手術を施した10歳の少年・オギーは人目を気にして自宅学習をしていたが、母親の提案で学校に通い始める。
オギーと、オギーを取り巻く人々
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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年製作の映画)

4.0


9.11で父親を亡くしたアスペルガー症候群のオスカーが、父の遺した最後の謎解きに挑む旅に出る。

『何も結果が出ないよりは、がっかりする方がずっといい』

やらない理由を挙げるのは簡単だけど、やる意
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ある戦慄(1967年製作の映画)

4.1


深夜のニューヨーク。
地下鉄のある車両で2人のキチガイ男によって繰り広げられる胸糞ワンシチュエーションスリラー。

キチガイ男も勿論胸糞だが、我関せずを貫き通す乗客にラストのオチまで、とにかく全てが
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みかんの丘(2013年製作の映画)

4.8


アブハジア紛争が激化する中、みかんの丘で敵同士である二人の負傷兵を匿い看病することになったイヴォとマルガス。
二人と、二人の下で次第に打ち解けてゆく負傷兵のアハメドとニカを通して「戦争とは」を問う作
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バーニング・オーシャン(2016年製作の映画)

3.8


2010年に起きたアメリカ史上最悪の石油災害と言われるメキシコ湾原油流出事故を描く。


少し前まで訴訟で揉めていた「世界最大級の人災」としても有名な事故。
それだけに、ディザスターと言えど導入部分
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ウィッチ(2015年製作の映画)

3.8


森近くの荒地へ移住してきたキリスト教徒の家族を襲った悲劇。
長女のトマシンが生後間もない弟を世話している最中、弟が行方不明になってしまう。
弟を攫ったのは狼か?それとも…


これはかなり好きな雰囲
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.5


愛犬を殺された元最強の殺し屋が復讐する話とか絶対観ない!観ない!ってレンタル開始当時は頑なに拒否していたけど少し前にアクションブームが到来したのとちょうど2が新作で出ていたので鑑賞。


『あるとき
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遊星からの物体X(1982年製作の映画)

4.0


カルト的な人気を誇るSFホラー。

自在に姿を変えられる謎の生き物によって繰り広げられるどれが本物?どれが偽物?ゲーム。


クリーチャーが82年製とは思えないほどキモ怖いだけでなく、南極基地という
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アズミ・ハルコは行方不明(2016年製作の映画)

3.2


『優雅な生活が最高の復讐である』


複雑な時間軸に登場人物達の関連性、独特な世界観…
万人受けしなさそうなこの作品、わたしは割と好きでしたよ。

この歳になるとなんか色々他人事ではないし失踪したく
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ヘドローバ(2017年製作の映画)

1.5


評価高いから映画館にも行きたいなと思ってだけど上映館少なすぎて行けなくてDVD出た瞬間即レンタル。
結果、ちょっと私には理解不能な世界観だった…ていうか汚ねえ…なんか色々汚ねえ…

人間の汚い部分を
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海と毒薬(1986年製作の映画)

3.7


『何をしたって同じことやからなあ。みんな死んでいく時代なんや。』


原作者・遠藤周作は「沈黙」で有名ですが原作だけで言ったら私はこちらの方が好きです。
(映画では惜しくも「沈黙」に軍配が上がります
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遺体 明日への十日間(2012年製作の映画)

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『この方々は死体ではありません。ご遺体なんです。』


東日本大震災発生直後の岩手県釜石市を舞台に、遺体安置所となった中学校の体育館でボランティア活動をした人々と遺族たちの10日間を描く。


この
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きっと、いい日が待っている(2016年製作の映画)

4.5


『兄は今日を生きた。弟は未来を夢見た。』


舞台は1967年のコペンハーゲン、母親の病気により施設に預けられた兄弟の苦難を描いた作品。

見ててこんなに辛くなる映画は久しぶりでした。
躾と称した体
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銀河鉄道の夜(1985年製作の映画)

5.0


『何がしあわせかわからないです。
本当にどんなに辛いことでも、それが正しい道を進む中の出来事なら峠の上りも下りもみんな本当の幸せに近づく一足ずつですから』


原作を読んでから鑑賞。
あの抽象的な言
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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.8


『もし、今のわたしが"最高"だったら?』


片田舎で退屈な日々を過ごすクリスティン(自称:レディ・バード)。
進学先はどうしても都会の大学に行きたいと親に訴えるも、心配性な母親は猛反対。
それに
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.2


「家族のあるべき姿とは?」
『答えはないんじゃないですか。わかっていたら撮らないと思います』


第71回カンヌ国際映画祭で見事パルムドールに輝いた是枝監督渾身の一作。

年金暮らしの老人のもとで共
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.8


『もうすぐ泣き出すよ。
大人が泣くとき、わかるんだ。』


マジカルエンドなんて言われているこの作品、蓋を開けてみれば悲しい社会問題の犠牲になった親子のお話。


定職に就かず、すぐに怒り、そのうち
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ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2017年製作の映画)

3.6


幼い頃大好きで何回も観たジュマンジ…
ついにあの"ゲーム"が帰ってきた!
しかもめちゃくちゃ今風に形を変えて!笑

舞台は前作から20年後、学校で居残りを命じられた4人の男女が見つけたのは怪しげなビ
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僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)

4.5


愛犬が2年前に旅立ってから、新しい子を飼いたい気持ちはあれど、どこかあの子のことを思って気が引ける自分がいました。
あの子が天国でヤキモチ妬くかな〜とか、寂しがるかなぁとか色々考えてしまって。笑
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スキン・コレクター(2017年製作の映画)

3.0


ジャケ写からB級、いやC級臭溢れるこの作品をホラー好きとしては観ねばなるまい…と半ば義務感で手を伸ばしましたが意外に面白かったです。

というよりかなり想像していたものと違いました。
ヤバイ女が襲っ
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ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

4.5


『ある日、気が付いたんです。
「青春」という文字の中に「月日」があったこと。
とたんに青春が惜しくなりました。
自分の中に青春を探し始めました。』


ついに完結してしまいました。
上の句、下の句、
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空海 ーKU-KAIー 美しき王妃の謎(2017年製作の映画)

3.3


まさかこんなブッとんだファンタジー映画だったとは…
いや、これはこれでまぁ、ハリー・ポッター中国版とか思えばいけなくもないですが…笑


ただ、やはり「空海」を期待していた方のためにも空海の活躍とか
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映画ドラえもん のび太の宝島(2018年製作の映画)

4.0


『大人は絶対間違えないの?』


休日の家族連れ溢れる映画館で一人ドラ泣き果たしました…!
展開に多少無理はありますが、やっぱり私は父と子に弱い…泣けた〜〜!!!

ストーリーはやや大人向けで、「宝
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.9


『彼を助けないんだったら、私達だって——。』


舞台は冷戦下のアメリカ。
幼い頃に声を失ったイライザは、ゲイのジャイルズと暮らしながら研究所の掃除婦をしていた。
そんなある日、研究所にアマゾンの
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人狼ゲーム ビーストサイド(2014年製作の映画)

3.5


はい。引き続き人狼ゲームです。

例に漏れず見知らぬ建物に拉致された高校生達が今作も命懸けの人狼ゲームを強いられます。

前作と違うのは主人公(樺山由佳:土屋太鳳)の役職が”人狼”であること。
土屋
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人狼ゲーム(2013年製作の映画)

2.8


つい最近飲み会の席で人狼ゲームデビューしまして、ドハマリした結果こちらの作品に辿り着きました。
かの有名な「人狼ゲーム」をモチーフにしたサバイバルサスペンスシリーズ第1作。


高校生達が見知らぬ建
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.8


『人類の祝祭』


歌って、踊って、泣ける極上ミュージカル!!

驚くくらい展開が早くて見てて飽きません。
むしろ展開早すぎて一瞬続編を見てる錯覚を起こしました。笑
(勝手に成り上がるまでのストーリ
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フォロイング(2017年製作の映画)

3.0


なんか評価低めなんだけど普通に楽しめちゃったんだよなぁ、、、

旅行でタイにやってきたブロンドカップルがババアの幽霊に取り憑かれてしまう。
しかもババアは日本人、名前は「ワタベ(渡部?)」。


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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.2


『怒りは怒りを来たす』


未解決レイプ殺人事件の被害者の母・ミルドレッドが町外れに立てた三枚の広告板を巡って起きる復讐劇。


復讐劇と書きましたが、この作品で怒りとともに描かれているのが”許し”
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つみきのいえ(2008年製作の映画)

5.0


人は死んでも尚誰かの思い出の中で生き続ける。

たった12分、おじいちゃんとつみきのいえ、それだけで人生がちょっと愛おしくなって、泣けた。