塚本さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

塚本

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恋しくて(1987年製作の映画)

3.8

エルヴィス・プレスリーのCan't Help Falling In LoveのカバーはUB40やコリー・ハートが有名ですが、1987年に制作された「恋しくて」のエンディングにかかる同曲のカバー曲が何と>>続きを読む

天国から来たチャンピオン(1978年製作の映画)

3.8

ジョー・ペンドルトン。

「天国から来たチャンピオン」でウォーレン・ビーティが演じた主人公です。


そもそもこの人ほど日本における表記が時代とともにコロコロと変わっていった例は無いだろう。
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アンチクライスト(2009年製作の映画)

4.0

エデンと名付けられた“森”にひと組の男女。

果たして彼らは原罪以前の無垢さを取り戻すのか。

…そんなものは最初からない。
大殺戮を繰り返してきたキリスト教を含め、文明化された人間、ヒューマニズムの
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ハンター(1980年製作の映画)

4.5

俺の(リアルタイム~新作での)マックイーン・映画館デビューは“遺作”である『ハンター』だった。(なんと!俺はジョン・ウェインの遺作『ラスト・シューティスト』にも間に合っている!)

『ブリット』や『
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スモーク(1995年製作の映画)

4.1

いろんな人がやって来て、いろんな人がたむろして、いろんな出来事が次々と起こり…映画的カタルシスに帰着することなく、また次の事が起きる。

俺の大好きな映画『Smoke』に於けるブルックリンの街角の小
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マトリックス(1999年製作の映画)

4.0

ガジェットの革新性はもちろん、それまで沈滞していたこの分野の潮流を変えてしまった点でこの作品はエポック足り得るのだが、イメージの源流は、俺たちの世代には懐かしいサイバーパンクそのものだった。

SF
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突撃(1957年製作の映画)

4.0

「1915年、パリに侵攻せんとするドイツ軍とフランス軍との間では激しい塹壕戦が繰り広げられ、膠着状態に陥っていた。」というナレーションで映画ははじまる。後のキューブリックからすればかなり違和感のあるオ>>続きを読む

ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972年製作の映画)

4.0

1985年の夏、ぴあフィルムフェスティバルでルイスブニュエル特集が組まれたことがあった。四方犬彦によると全32作品のうち29本が上映されたとあるが、俺の記憶では晩年のフランス時代の作品しか上映されてい>>続きを読む

追想(1975年製作の映画)

3.9

1944年5月。
ナチスは連合軍の上陸作戦を控えて、レジスタンスの掃討作戦を始める。
南仏の街モントーバンの病院にも、負傷したレジスタンスが担ぎこまれてくる。彼らを匿おうとする外科医ジュリアンは、
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秘密と嘘(1996年製作の映画)

3.8

1996年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞したヒューマンドラマの傑作です。

舞台はロンドン。
若い黒人女性ホーテンスは、養母の死をキッカケに産みの親を探す決意をする。

一方、シングルマザー
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リアリティのダンス(2013年製作の映画)

3.5

舞台は、1920年代、保守独裁政権が成立した、チリ。
アレハンドロ少年はウクライナから移民として彼の地にやって来て、下着専門店「ウクライナ商店」を営む共産党員である父親から厳格な躾をされ、また、学校
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家族の庭(2010年製作の映画)

3.5

勝ち組、負け組という言葉がある。
これらの言葉が内包する意味は、言葉を変えて戦後高度成長期からバブルを経て現在に至るまで、ある価値を測る基準として、表面的にも潜在的にも、当たり前に使われてきた言葉だ
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大災難P.T.A.(1987年製作の映画)

3.5

スティーブ・マーチンが盟友カール・ライナーと組んで作った「天国から落ちた男」「四つ数えろ」「2つの頭脳を持つ男」「オール・オブ・ミー」はいずれも低予算のナンセンス・ドタバタコメディだが、とにかくスティ>>続きを読む

ボディ・ダブル(1984年製作の映画)

3.6

第9世代に於いて最もヒッチコキアンたる資質を包み隠さず、作品を撮り続けたのはブライアン・デ・パルマであることは疑う余地のないところだと思いますが、もはやヒッチコックへのオマージュを超えた、近視眼的なフ>>続きを読む

L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年製作の映画)

2.0

ディテールも冴えているし、話の転がし方もエッジが効いている…なのにペラペラ感が拭えない。要するに(ウィレム・デフォーを含めて)皆んなが皆んなミスキャストということ。
“オトナ”の、狂気、エロティシズム
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サプライズ(2011年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

プレッパーな女子力で魅せる『ダイ・ハード』スラッシャー・ホラー版といったところか。敵がフツーに金目当て…ってとこがチョイと興醒め。

ピアニスト(2001年製作の映画)

4.5

松本人志の『ビジュアルバム』みたいな感じ。明らかにコメディですよね。

怒りの日(1943年製作の映画)

5.0

オールタイム・ベストの一本。
白と黒が織りなす重量級のオーケストレイション。
ただただ息を飲み込み、唖然とするばかり。

眼下の敵(1957年製作の映画)

4.0

戦争。

捉えようとしても正体のよくわからん、まるで鵺のような言葉。

あらゆるメディアによる表現によって相対可能な万能のコンテンツ。

…戦争を(又はその外延)を扱った、映画ともなると、それこ
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ファンダンゴ(1985年製作の映画)

4.0

大学四年生。

冬の終わり。

伸びきって広がったセーターの袖口を丸ごと手に包んで、ジーンズのポケットに突っ込み、凍えた梅田の街を歩いてた。

いつも俺の左に居て同じ景色を見ながら歩いていた友人
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ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

4.7

バウンティハンター(賞金稼ぎ)の話なんですが、ジャンルとしてはバディ・ロードものでして、この類の作品では俺の中では不動の殿堂入りに位置する、最強の作品なんです。
ちなみに主演のデ・ニーロ自身、長いキ
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スローターハウス5(1972年製作の映画)

4.0

ベルイマンはベトナム戦争に抗議すべく焼身自殺したチベット僧の映像を観て一時期、映画が撮れなくなりました。

タルコフスキーは平和への祈りを自らの心血をフィルムに彫り込むような執念で映画を作り続けまし
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

3.8

ダンナが雪崩を見て、”スマホだけ大事そうに持って”家族を置き去りに逃げるシーン…
それが、youtube風のロングショット、ロングテイク・フィクスで写されていて、これ以上ない程のトホホ感を醸し出して
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

3.8

今作はエピソード4が抱える瑕疵(何故、最新技術を駆使した、デススターにあんな建築ミスが見過ごされていたのか…など)を帳消しにするばかりか、それを逆手に、優れた変奏曲としてエピ4にアンチエイジングを施し>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

2.0

先日、仕事から帰るや否や(as soon as)、「なぁ~、ちょっとこれ観てー」と何やらスタンばってた様子のヨメと長男とムスメ…

おもむろに、テレビをHDDモードに切り替えると、それは「スカッとジャ
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トッツィー(1982年製作の映画)

3.0

先日、ハリウッドの大物プロデューサーがセクハラで除名処分を受けておりましたが。。。

米Time Out誌の、俳優が選ぶベスト映画、一位が「トッツィー」だった。何故?と思ってたが、女優さんにとってはま
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リング(1998年製作の映画)

1.0

原作の、ツイストの効いたプロット、プリミティブな恐怖、貞子さんの背負っていた悲しみ。。。この映画にはそれら全てがすっぽり抜け落ちています。
これがJホラーの代名詞だということならば、俺はJホラーなるも
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

2.8

ケイシー・アフレックのダウナーな倦怠演技は、功を奏していると思うが、彼のポテンシャルを十二分に引き出した点においては、「キラーインサイドミー」に軍配が上がると思う。

ヒルズ・ハブ・アイズ(2006年製作の映画)

3.0

「サランドラ」のリメイク。今回も“ジョギリ・ショック”は無かったですが、好感の持てる丁寧な作り。

江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(1969年製作の映画)

3.8

石井輝男→奇形人間→カルトの傑作…という図式が出来上がっていますが、他にもっとブッとんだヤツありますよね?これは、わりかし理詰めでまとめた、おとなし目の感じ。

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

3.8

ベネディクト・カンバーバッチって…どこがどうっていい難いんですが…なんか”変”だと思いません?
1万年後くらいの、進化した人間って感じ?

天才の役ばっかりやし…

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

3.4

贅沢の粋を凝らした、一級のエンタテイメント。
これも映画館で観てこその作品ですね。

今回、ディカプリオに贈られたオスカーは、演技に対してじゃなく、過酷な”労働”への対価やったんですな。
ただ、
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ニューヨーク・ストーリー(1989年製作の映画)

3.8


「ニューヨーク・ストーリー」というオムニバス3部作の第一話…マーチン・スコセッシが撮った(撮影はあのネストール・アルメンドロス)、『Life Lessons』がいちばん好きです。

ニック・ノルティ
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ヤコペッティの 残酷大陸(1971年製作の映画)

5.0

これを観ると人間はいつも過渡期に置かれている、根無し草のような存在なんだな、と思う。側室制度だって、今のPCから見たら、けしからん!ゲス不倫!ってなるし、ほんの30年前までは地下鉄の駅なんか、タバコの>>続きを読む

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

3.5

面白いけど…「キュア」のネタバレって感じ。見せない前半の方が怖かった。ブレッソン風味の黒沢清を期待すると当てが外れる。