塚原直彦さんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

塚原直彦

塚原直彦

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ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

3.8

まずどんな作品か?と言われてここまで説明しずらい作品も中々なし。(実際劇中の謎はほとんど解明されぬまま)

人間がイメージする「概念」という「概念」を具現化したストーリー。
小説では読者に想像という手
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女と男の観覧車(2017年製作の映画)

3.8

今回はいつもよりコメディ要素少なめ?と思わせておいて、徐々に主人公達が追い詰められ滑稽に見えてしまう様は安定のアレン節。
ニヤニヤが止まりません。

物語がグッと加速して白熱する会話はまるで演劇を見て
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ザ・プレデター(2018年製作の映画)

3.7

これは懐かしの80年代スプラッターアクションブラックコメディだ。
人の命が余りにも安すぎる大味バトルを甦らせただけでもシェーン・ブラック監督、相変わらずイカしてます。

ただほとんどの展開が夜の為、何
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アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

4.0

過去4度リメイクされているだけあってストーリーは普遍的且つ王道。
だがガガ様のスターとしての圧倒的ポテンシャルとパワー、そしてクーパーの的確過ぎる演出にアップを多用したショットでがっつり骨太な一本に。
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未来のミライ(2018年製作の映画)

3.6

これは噂以上のかなりの問題作。
細田監督の癖が出まくったカルト的傑作と取るか、行き当たりばったりでプロット崩壊を起こしたと取るか。。

勿論この暴投とも取れる変化球は確信犯だろうが、4歳児のくんちゃん
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アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)

3.9

エンドゲームへ向けて改めて再鑑賞。
ここ最近シリアス続きだったマーベルの流れを、フワッとオブラートに包んだ番外編的な立ち位置+実はかなり重要な一本。

今回も練られた伸縮アクションと、マイケル・ペーニ
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空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)

3.8

実在した事件をうまく脚色して扱ってるだけに、じわじわと解決される様がとても興味深い。
次から次にバンバンと名優達がわずかな役柄で登場するのも見所。

長瀬さんもこれまでにない渋めなキャラクターで新境地
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コラテラル(2004年製作の映画)

3.8

タクシー内での二人の会話が好き過ぎてつい何度も見返してしまう一本。
全人類のかなり痛いところを突くセリフばかりでこちらもヒヤヒヤ。

トム・クルーズが珍しく悪役!というのが売りどころの映画だが、ご本人
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REVENGE リベンジ(2017年製作の映画)

3.5

要約すると、自業自得からの不死身なの?からのよく頑張りました。
つまりはこれは女性版ランボーだ!

内容はタイトル通りそのまんまのシンプルイズベスト。
細かいことは気にせず飽きずに最後まで彼女が駆け抜
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銀魂2 掟は破るためにこそある(2018年製作の映画)

3.8

相変わらず銀魂ノリと福田監督の相性は抜群。
深夜枠でいいんじゃない?なコメディパートだけじゃなく、きちんとアクションにも力を入れてるのが◎

ただやや見所詰め込み過ぎで冗長な点をファンサービスと取るか
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MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)

3.5

中国版ジョーズ、というぐらい近年の中でもあらゆる面で中国様々なお力を感じさせてくれるサメ映画。

人が死んでもすぐに忘れる前向きなチームや、不意に挟んでくるシュールなコメディシーンなど全体的に不思議な
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ルームロンダリング(2018年製作の映画)

3.6

設定やキャラクター自体が魅力的なのでいくらでも話が広がりそうなので映画よりもドラマ向き?と思ってたらすでにドラマ化してたというね。
その辺込みの企画と言うのは流石です。

ポップな漫画のような展開なだ
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ラブレス(2017年製作の映画)

4.1

タイトル通り、一切愛のない物語だが通して描かれるのは愛だけという皮肉なモノ。

重く寒々しい空と冷たい画面とリンクするような家庭環境。
そこで声を殺して泣く少年を傍観してる事しか出来ない我々観客こそが
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レディ・バード(2017年製作の映画)

4.0

いわゆる青春時代を切り取った日常系ムービーだが、こういう脚本が一番難しい。

学校での友人同士の会話、ふとした瞬間の笑いの取り方などとにかくセンスが抜群。
勿論シアーシャ・ローナンの安定感は最早化け物
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マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー(2018年製作の映画)

3.8

当たり前だが前回より場数を踏んでオーラ増し増しなアマンダ。
リリー・ジェイムズの美貌は勿論、驚きの歌唱力。
そして何歳なの?シェール様。
と、見所は多し。

だが難を言えば、やはり無理矢理に物語を産み
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インクレディブル・ファミリー(2018年製作の映画)

3.9

細かな表情、液体の質感など15年前でも凄まじかったクオリティは最早とんでもないことに。

現実とリンクした家庭内男女問題は勿論、劇中今回のヴィランが語るアンチヒーロー論があまりに鋭くドキリ。。

単な
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ラッキー(2017年製作の映画)

3.9

緩やかな日常の中に、死とは何かを見出だすハリー・ディーン・スタントンの金言だらけの遺作、そして傑作。
あのデヴィット・リンチが親友役で好演。

あと10年、いや30年後に改めて観直したい一本。

この
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バトル・オブ・ザ・セクシーズ(2017年製作の映画)

3.8

実話ベースなので試合結果は分かっているのに、グイグイと引き込まれる見事な演出力。
登場人物も多いが各々に感情移入出来てしまう脚本も流石。

カレルがそっくり&憎めないキャラクターを楽しげに好演。
エマ
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.3

劇中の台詞にもあるが、まさにそこは「この世の地獄」。
そんな法の及ばない土地で一体何が起きているのか。。
現代社会から隔離された、しかし現実に存在し今も尚起きている事件にわずかでも苦しみ共感できる傑作
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

3.9

21世紀版「タクシー・ドライバー」と言われて観たが、なるほど。

ほぼ説明されずに進むストーリーや、独特なカット割と編集に慣れてくる頃にはエンドロールが流れている程の没入感。
冷たい現実を吹き飛ばすラ
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アイスと雨音(2017年製作の映画)

4.3

74分ワンショットという技巧的な部分も見どころだが、とにかく松居監督の演劇愛が溢れに溢れまくった魂の一作。

中身は真っ向勝負でズドンと心抉られます。
考えるな、感じろ、と。

演劇と映画の狭間に生ま
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モリのいる場所(2018年製作の映画)

3.8

力むことを一切しない山崎&樹木コンビのお芝居の神様達が対峙する演技合戦(最早戦いでもないが)は勿論、それを取り囲む役者陣の緩やかさが心地よい。

お堅くなりすぎず、ドリフシーンやラストの超常現象などお
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嘘八百(2017年製作の映画)

4.0

観客を欺き続けるストーリー、かゆいところにまで手が届く台詞回し、分かりやすくも魅力的なキャラクター達、とにかく全てに気が利いていて面白い。

主役二人のコンビネーションも意外なほどにピッタリでまさに阿
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いぬやしき(2018年製作の映画)

3.7

原作の要所を綺麗にまとめ(ただヤクザを蹴散らすシーンは観たかった)、新宿の名所を飛び回るVFX満載のアクションに大満足。

最初はあれ?と思ったキャスティングも実際はあまり違和感なく、特に木梨さんの声
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焼肉ドラゴン(2018年製作の映画)

3.6

さすが有名戯曲と言わんばかりの内容に、実力あるキャスト揃い。
その中でも地に足の付いたキム・サンホ夫婦二人の存在感が素晴らしい。(勿論言語的な事もあるが)

しかし画的にはほぼ終始変わらない展開に、や
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ジュピターズ・ムーン(2017年製作の映画)

4.1

予期せぬ傑作。

空中浮遊できる主人公という設定は何度となくあったが、そこにヨーロッパの政治情勢を絡ませたのが見事。
しかもCGではなくカメラワークやワイヤーでの撮影により、手に汗を握る緊迫感が伝わる
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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

4.2

登場するキャラクター達が全員なんとも魅力的過ぎ。
愛せるか愛せないかは別としてそれだけで飽きる暇ゼロ。

いきなりカメラ越しに問い掛けたり、キャラクターの視点が二転三転と変わったり、スケートを追うカメ
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オーシャンズ8(2017年製作の映画)

3.7

取って付けたような後付け設定だが、そこはさすが上手いことのらりくらりと観れちゃいます。

物語の構造上かなりカタルシスは低めだが、ケイト・ブランシェットのスカジャン姿だけで1000円分の価値はアリ!
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来る(2018年製作の映画)

4.1

その場に不釣り合いな音楽やポップな編集、突然差し込まれるカラフルなカットなど今回も中島哲也ワールド全開のザッツ・ホラーエンターテイメント大作。

誰が主役なのか分からない怒濤の展開など、一瞬たりとも落
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50回目のファーストキス(2018年製作の映画)

3.8

元の映画をほぼそっくりリメイクしつつも、笑いの取り方を福田監督センスに仕上げた一本。

これが思った以上に見事ハマっていて、この座組でリメイクしようとしたのがまず見事。

ただの若手イケメンくんが演じ
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ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

4.1

もう下の句で完璧だったから続きなんてやめてくれ!と思ってた自分を責めたいぐらい、まさにこれぞ有終の美でした。

キャラクターが増えた分やや尺は伸びたものの、各々を無駄なく処理していく脚本の出来にはぐう
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.0

あら…こんな展開なの??と期待してた流れとは少し違ったが、最後まで一切飽きさせない求心力は流石の一言。

何から何まで昭和風の中に、一人だけ平成感たっぷりの松坂くんがラストにはすっかり馴染んでるのには
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ALONE アローン(2016年製作の映画)

3.4

よくまぁワンアイディアだけで…という個人的には大好きです、なワンシュチュエーションもの。

最初の作戦の緩さには驚くが、序盤から超説男前アーミー・ハマーの地に足の着いた(上手い)一人芝居をたっぷりと堪
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.0

現実はどうしようもなく不平等で残酷だが、子供達から見れば空はどこまでも広く世界は鮮やか。
それをカメラワークだけで演出してみせるのには圧巻。

ウィレム・デフォーの終始圧倒的に優しい眼差しに涙。
この
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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.1

ソン・ガンホが今回も極上の庶民派親父芝居の最高峰を披露。
相変わらずふとした表情が絶妙でビシバシ心打たれます。

実話の中にも脚色部分を明快に散りばめ(特に後半)ここまでやってくれれば観てる側も割り切
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ミスミソウ(2017年製作の映画)

3.8

警察があまりに無能過ぎ!や、偶然そこにそれが?的なご都合主義の嵐だが、エンターテイメントとしては面白いのでこれはこれで◎
肝心のゴア描写もステキです。

何だかんだ言って結局復讐というのは、この世界が
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