鑑賞記録。
ロバート・エガース。
私が「鑑賞記録」とだけ記載する作品は、好みに合わなかったか、語るべき点が見当たらなかった作品である。
“どんな作品にも、其れが好みの方は居るものだ”、と考えている為>>続きを読む
ミッション・インポッシブル─。
誰しも其のタイトルを聞くだけで、あのテーマソングが脳内に鳴り響き、周囲を伺う目付きが怪しくなる作品である。
当時純真無垢であった学生時代の私を、映画鑑賞の沼へと誘い、今>>続きを読む
鑑賞記録。
コーエン兄弟。
テーマは、「余白」と「虚無」か。
ストーリーラインでは無く、その周辺に広がる茫漠として熱をも喪った雪原(余白)を感じ取る作品であろう。
「可以爲堯禹、可以爲桀跖、可以爲工匠、可以爲農賈、在執注錯習俗之所積耳─」。
少年の目を通し、世の騒擾乱理、人の貪婪淫猥、懶惰で狭隘な本性をまざまざと見せ付けられる作品である。
ヴァーツラフ・マルホウ>>続きを読む
随分メタファーに富んだ作品だなぁ、と云うのが第一印象である。
台北─、都会に住まう人々が、其々孤独を抱え、傷付きつつも、猶人と交わる事で希望を見出して行く姿を表した物語。
押し付けがまじい雄弁さは無く>>続きを読む
現在は彼の三峡ダムの湖底に沈む、とある村、とある山査子の木にまつわる悲恋の物語である。
チャン・イーモウ。
ストーリーラインに就いては、所謂一本物である為、言及を割愛する。
イーモウのフィルモグラ>>続きを読む
70年代のローマ貧民街、大家族の猥雑な生活を表したドラマ作品である。
エットーレ・スコラ。
ニーノ・マンフレディに依る極悪オヤジの演技には、失笑させて貰った。
フェンスの向う側のブロックを、何とか手>>続きを読む
ヴィム・ヴェンダース。
矢張りこの人は、ロードムービーが上手い。
原題『Don't Come Knocking(放っておいてくれ)』。
数多在る自堕落な男の更生劇かと思いきや、父親を知らない子供達の想>>続きを読む
鑑賞記録。
フランス、パリ。
モンパルナスの一角、ダゲール街。
この街に住まい、また生計を立てる人々の顔を通し、街そのもののポートレートを表そうとしたドキュメンタリー作品である。
アニエス・ヴァルダ>>続きを読む
何と言う郷愁、哀切。
ナディーン・ラバキー。
監督・脚本・主演を務めたラバキーの、復帰作。
一見、ベイルートに住まう女性美容師等の日常を切り取った群像劇かと思わせられるが、各自が抱える問題から、レバノ>>続きを読む
鑑賞記録。
怪奇幻想文学の愛好家にはよく知られた、ヘンリー・ジェイムスの著作『ねじの回転』が原作となる。
基本的なプロットや雰囲気は、原作を善く表す。
ただ、原作や同作家に由る『ねじれ首のジャケッ>>続きを読む
鑑賞記録。
白状するが、私はバレエに就いて、ずぶの素人である。
故に本作に就いても、語る術も無い。
受け売りの知識を披瀝するのも、失礼であろう故、舞台から受けた感想をスコアとして点けるのみとする。
ホラー作品は、考察よりも感想寄りのレビューとなる事をお赦し頂きたい。
ウィリアム・フリードキン。
ホラーのみに留まらず、その構図の美しさをも堪能した作品である。
特にメリン神父到着時の霧に覆われた>>続きを読む
鑑賞記録。
監督はスイスの名匠にして、ファスビンダーの盟友、ダニエル・シュミット。
イタリア、ミラノにオペラ王・ヴェルディが建てた、音楽家の為の高齢者施設「カーザ・ヴェルディ」。
本作は其処に住まう>>続きを読む
鑑賞記録。
クロード・シャブロル。
うーん、難しい。
主題は「愛憎の狭間」、と云った処であろうが、随分杜撰で不確かな犯行であるな、と云った印象である。
劇故の単純化なのかも知れぬが、これは少々いた>>続きを読む
人間と云うものの暗部を時事的・哲学的に画いた作品である。
ヴィム・ヴェンダース。
本作は『ベルリン、天使の詩』の続編として製作された。
既に数多の先達により、物語の叙情性や傾向、其の時事性に就いては>>続きを読む