薄切りジャクソンさんの映画レビュー・感想・評価

薄切りジャクソン

薄切りジャクソン

怒り(2016年製作の映画)

3.7

八王子で起きた未解決殺人事件を軸に、犯人と似た顔を持つ3人の男たちと、彼らを信じようとする人々を描いた群像劇。

李相日監督らしく、目を背けたくなるような痛烈で重いシーンを逃げずに描き切ることで、単な
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眠れる森の美女(1959年製作の映画)

3.5

王道のプリンセスストーリーにおいて、現代のヒロインたちと比べるとオーロラ姫の人間的な魅力には少し疑問符がつく。

現代の自立したプリンセス像と違って、時代に求められる女性像が反映されているのがディズニ
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告白(2010年製作の映画)

3.8

松たか子演じる中学教師・森口悠子が、愛娘を殺害した2人の生徒に「命の重さ」を身をもって叩き込み、壮絶な復讐を果たす物語。冒頭、静まり返る教室で展開される森口の「最後の授業」は、ほぼ彼女の一人語りであり>>続きを読む

サンライズ(1927年製作の映画)

3.6

今から約100年前のサイレント映画。サイレント期でありながら最初期のサウンドカメラで撮影されており、同期された劇伴音楽や効果音が映像を豊かに彩っている。

テーマは普遍的な男女の愛憎劇。冒頭のテロップ
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.8

『すばらしき世界』や『孤狼の血』と並び、現代における「ヤクザ」のリアルな実態に切り込んだ一作。主人公の山本(綾野剛)は暴力団の構成員となり、殺人事件による14年もの服役を経て社会へ復帰する。

これま
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.8

前作『孤狼の血』の続編。広島の架空都市・呉原を舞台に、マル暴の日岡が大上の跡を継ぎ、邪道とも言える手法で街の治安を維持していく。

一匹狼だった大上の遺志を継ぐ日岡だが、鈴木亮平演じる狂気のヤクザ・上
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ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(2002年製作の映画)

3.6

『ロード・オブ・ザ・リング』トリロジーの第2作。物語は前作の直後から幕を開ける。

本作でもフロドだけでなく、アラゴルンに大きな焦点が当てられ、人間として生きる彼の葛藤が深く描かれている。特に印象的な
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シェーン(1953年製作の映画)

3.8

南北戦争後のワイオミングで起きた「ジョンソン郡戦争」に象徴される、開拓農民と大牧場主の対立を背景に描いた西部劇の傑作だ。

農民スターレット一家のもとに流れ者のシェーンが訪れ、家族のように交流を深めて
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レイジング・ブル(1980年製作の映画)

3.9

今も色褪せない不朽の名作である。「デ・ニーロ・アプローチ」という言葉の代名詞となった通り、主演のロバート・デ・ニーロはジェイク・ラモッタの役作りのために27kgもの過酷な増量とトレーニングを敢行した。>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

元ヤクザで13年の刑期を満了した男・三上の出所後から、現代社会の生活に適応するまでを描いた西川美和監督の傑作『すばらしき世界』。ヤクザ顔負けの凄みを垣間見せる役所広司の演技力がとにかく光っている。博多>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.7

1970年代のロサンゼルス・サンフェルナンド・バレーを舞台に、15歳の少年ゲイリーと25歳の女性アラナの少し変わった関係を描いた映画『リコリス・ピザ』。主演は、新人のアラナ・ハイムとクーパー・ホフマン>>続きを読む

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.6

PTAが描く恋愛映画って一体どんなものだろうか?と身構えながら見たが、やはり普通の恋愛映画ではない。

映画は、主人公バリー・イーガンの会社の目の前に、突如としてハーモニウム(足踏みオルガン)が投下さ
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オデュッセイア(2026年製作の映画)

4.0

まず率直な感想として、現代の最新映像技術を結集すれば、3000年前の古典文学がここまでの極上エンターテインメントに昇華されるのかと息をのんだ。

『オデュッセイア』を下敷きにした映画は数多く存在するが
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我輩はカモである(1933年製作の映画)

3.4

本作『我輩はカモである』は、1933年に公開されたマルクス兄弟主演によるスラップスティック・コメディの名作だ。当時は時代を先取りしすぎたアナーキーなナンセンスギャグが理解されず、興行的に大失敗に終わっ>>続きを読む

ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

3.9

かつて、アカデミー賞を制する作品の冒頭に、これほど狂騒的で躍動する「お尻」の群れが登場したことがあっただろうか。

ショーン・ベイカー監督の『アノーラ』は、冒頭から酒とドラッグ、そしてストリップクラブ
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処女の泉(1960年製作の映画)

3.6

イングマール・ベルイマン監督の古典的名作『処女の泉』は、彼が生涯を通して繰り返し問い続けたテーマ「神の沈黙」を鮮烈に描き出した傑作だ。

世間の毒や悪意を何ひとつ知らない純粋無垢な少女カリンが、召使の
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母なる証明(2009年製作の映画)

3.6

最愛の一人息子ドジュン(ウォンビン)を育てる無名の母親が、女子高生アジョン殺害事件の容疑者として息子が無実の罪で逮捕されたことをきっかけに、真犯人を突き止めるべく孤軍奮闘するサスペンスドラマだ。

物
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ハードエイト(1996年製作の映画)

3.8

ポール・トーマス・アンダーソン(PTA)の長編監督デビュー作『ハードエイト』は、主要な登場人物がわずか4人というこじんまりとした密室劇的な世界観でありながら、最後まで何が起きるか分からない緊迫感と静か>>続きを読む

トロイ(2004年製作の映画)

3.6

『オデュッセイア』の予習として、その前日譚にあたる2004年公開の映画『トロイ』を鑑賞した。本作は製作費200億円以上が投じられた破格の超大作であり、再現された難攻不落の巨大都市トロイアと、画面を埋め>>続きを読む

ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)

3.6

J.R.R.トールキンの名作『指輪物語』を実写化した映画シリーズ第一作『ロード・オブ・ザ・リング』は、原作が持つ重厚な世界観と人間ドラマを当時の映像技術で忠実に再現した、ファンタジー映画の最高峰である>>続きを読む

マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

3.8

フィリップ・K・ディックの短編小説を基に、巨匠スティーブン・スピルバーグが映画化したSFミステリーの傑作である。映画全体を覆う、どこか色彩が脱色されたような銀灰色の映像体験は、完璧なシステムの陰に潜む>>続きを読む

JSA(2000年製作の映画)

3.6

パク・チャヌク監督の初期の傑作であり、若き日のソン・ガンホとイ・ビョンホンという二大スターの共演を拝める名作『JSA』。南北の軍事境界線・共同警備区域で起きた射殺事件を巡り、中立国監視委員会による取調>>続きを読む

新しき世界(2013年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

『イカゲーム』のイ・ジョンジェが主演を務めた韓国ノワールの傑作『新しき世界』。暴力団組織に潜入した警察官イ・ジャソンが、警察とヤクザ双方の思惑に翻弄されながら、自らの運命を選択していく凄惨なドラマであ>>続きを読む

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

パク・チャヌク監督による「復讐三部作」の第二作目。日本の同名漫画を原作としながらも、映画史に残る圧倒的な悲劇へと昇華された傑作である。

物語は、主人公オ・デスが理由も分からぬまま15年間も監禁される
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.0

主人公のレイノルズは、一ミリの妥協も許さない完璧主義者であり、自分のペースを乱されると露骨に不機嫌になる男だ。

だが、その厳格な仮面の裏には、繊細でわがままな「赤ん坊」のような幼さが隠されている。特
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イレイザーヘッド(1977年製作の映画)

3.4

デヴィッド・リンチの初期作であり、インディペンデント映画ということもあってリンチが徹底的にやりたい放題をやっている。

ストーリーに明確な論理はなく、一度観ただけで完璧に解釈することは容易ではない。し
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

PART1に比べて冗長さがなく、展開がスピーディーで一気に引き込まれた。戦闘シーンの迫力はもちろん、砂漠を舞台にしたスペクタクルな映像美は見応えが素晴らしい。

ヴィルヌーヴ監督作といえば「支配」が大
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デビッド・クローネンバーグのシーバース(1975年製作の映画)

3.3

人間に寄生して理性を破壊し、暴力的・熱狂的な性欲を呼び起こす寄生虫を描いた、恐ろしく悪趣味で変態的な一作だ。

中年男性と少女の吻合シーンをはじめ、現代のコンプライアンスや倫理観では到底考えられない衝
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

3.5

多くの人が知っているであろう名作を、今更ながら鑑賞した。

老人の姿で生まれ、歳を重ねるごとに若返っていく男の人生を描いた物語だ。一見すると聖人君子のようなベンジャミンだが、不倫をしたり、自分が幼い子
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デッドゾーン(1983年製作の映画)

3.7

デヴィッド・クローネンバーグ監督作といえばグロテスクで暴力的なイメージが強いが、本作は驚くほど切なく、心に沁みる傑作だった。

主人公のジョニーは交通事故から5年ぶりに目覚めた際、触れた相手の過去や未
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(2013年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

TVアニメシリーズは『ロキ シーズン2』、そして劇場版の本作は『ワンダヴィジョン』と、MCUの傑作群を彷彿とさせる展開に圧倒された。

まどかが、魔法少女の運命そのものを背負い、孤独な選択をしたアニメ
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ハート・ロッカー(2008年製作の映画)

3.4

現代の戦争をドキュメンタリータッチで描いた一作。

ドラマチックなストーリーで魅せるのではなく、爆弾処理班の日常を淡々と切り取っていく。一見すると地味で退屈に思えるが、それこそが「戦争というもののリア
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