たわらさんさんの映画レビュー・感想・評価

たわらさん

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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.3

細目関西弁の綾野剛にニンマリとした「カラオケ行こ」と言わせただけで企画が成功していると思います。中学生男児の失言でヒヤヒヤさせるのも上手く、緊張と緩和が完璧なお手本のようなシチュエーションコメディ。小>>続きを読む

かがみの孤城(2022年製作の映画)

3.0

本屋大賞で話題になっていたな、という記憶でしたが、自分は対象の視聴者層ではなさそう。解決法も対症療法でしかないですし、事象に対する一面しか見れなかったのは残念。時間トリックとかもそうですが、そうなるか>>続きを読む

ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow(2019年製作の映画)

3.3

アニメシリーズで完結していた物語を無理やり引き伸ばすため、行き当たりばったりの構成で一貫性がない。無理に展開を作るためか、3年生がいないだけでへたるグループで今までの困難はなんだったのだろうか。Sai>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.6

幼少期・市子の道徳性に欠けている様子から、まともの大人が近くにいないことであったり彼女の環境が窺える。前年に話題になった『ある男』を彷彿とさせる名無しミステリーなのだが、彼女の解像度を上げていくと無戸>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.9

鬱々しくなく、コメディに振り切っており終始カラッとした人種差別もの。ゆえに潜在的に存在する差別意識を炙り出されるようで、意識をするのは大事である。ただ意識すること自体が分別の加害性を有しておるため、こ>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

4.0

明日に対しての期待がないからこそ、その人と今後関わりを持たないと断ち切る勢いで強い言葉で返してしまうし、破滅的行動を取ってしまう。誰も理解者がいない、同じ言語を話せる人がいないんじゃないか、という自分>>続きを読む

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

3.9

うる星やつらを知らなくても、ビューティフルドリーマーはうっすらと内容とテーマ性が一人歩きしている。アニメーションは被写体を中心に背景を構築するのが基本であるのだが、押井作品は被写体は二の次で画面全体を>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.4

有罪派も何も根拠がなく主張をしているのではなく、誤審をしてしまった時の恐れや、各々の生い立ちや考えに基づいて発言をしているため、とても血が通っている。ターン制による会話ではなく、この人物ならこういった>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.4

能力全開の救出劇→バリーの現状→生い立ち→決断→Wバリーのバディものと簡潔的にテンポよく展開する心地よさ。大衆映画らしく映像の楽しさとコミカルさもしっかり抑えており、近年の設定が複雑化したヒーロー映画>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

4.3

ある男として個をたらしめてるのは名前を筆頭に外付けの情報の集積によるものである。そこから他者は憶測を立てて、その人を理解した気でいよう無意識な加害性。我々もコミュニティや媒体によって個を使い分けており>>続きを読む

パレード(2024年製作の映画)

2.8

金曜ロードショーで流すとそれなりに評判良さそうな映画です。藤井監督って公式を使うのが上手い人だと思うんですよね。今回は災害×死後×感動×ニューシネ要素で作ろうとして、何も引っ掛かりのないつぎはぎの浅い>>続きを読む

still dark(2019年製作の映画)

4.4

我々には計り知れないほどの苦労を重ねていることでしょう。だからといって、料理長は特別視することなく一人のコックとして評価しようとする。何故ならお客が存在するし、ユウキが感銘を受けたナポリタンを作るため>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.9

周囲の反応は過剰なものに見えてしまうが、いざあみ子を対面すると導ける人になれるのであろうか。あみ子かつ本作自体に嫌悪感を抱いてしまう自分がいて、心の狭さを映し出せれているようだ。

黄龍の村(2021年製作の映画)

3.3

先代のホラー作品やタランティーノ作品を阪元監督なりに仕上げたのだが、後半部分はいつもの阪本作品なので前半部分の俗な人間描写をもっと観たかったかな。安っぽさが否めないですが、自主映画部門だったら首位は取>>続きを読む

攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain(2013年製作の映画)

2.9

9課結束までの前日譚というどう考えても美味しくなる食材に調味料をかけまくって生まれた変な料理。AKIRAや攻殻、ガンダムが好きなんだろうなぁ、と感じられるが、それはただのファンアートであり『ARISE>>続きを読む

そばかす(2022年製作の映画)

4.1

世界のズレを描きつつも、佳純自身の諸々の対応に配慮が欠けている(脚本の都合なのかは不明)様があり世界のちぐはぐさが垣間見えるのが良い。悲観的であった佳純が最後にトム走りをするラストは洒落ている。大きな>>続きを読む

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.5

物語とキャラが雑すぎるが、魂が宿ってない人の怖さといったら。冒頭と締めの語りかけもあざとくて好みではないかな。

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

3.8

一方が善、一方が悪としない作りに感心する。前半は掴みどころのない展開が続くが、チーフのアイデンティティを取り戻すため段階的に尊厳を解いていく。

劇場版 ポールプリンセス!!(2023年製作の映画)

4.3

アニメーションだからこそ可能にした世界レベルのポールダンスCGと歌唱のミックスに麗々しい演出でただただ圧倒される後半。ポールダンスは従来のダンスに加えて上下の移動があるため、アングルの幅や躍動感の緩急>>続きを読む

ヨーヨー(1965年製作の映画)

3.8

音が無いからこそ画で見せないといけない。映画作りの変遷と時代の切り取りを連動させて、何処となく前半の方が惹かれていました。ここ数年でもテレビのラジオ化、精密なAI画像、心理描写を台詞に落とし込ませた作>>続きを読む

映画 けいおん!(2011年製作の映画)

3.8

アニメシリーズの延長線上、特段映画にするほどでもないがファンムービーとして喜ばれるのだろう。ユーフォの北宇治カルテットとか高校卒業後に連絡を取り合わなそうですが、HTTからはグルーヴ感が伝わりますし、>>続きを読む

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.0

こんな悲劇、笑うしかない。旧ユーゴスラビアの激動の50年を圧倒的な画力かつ喜劇風刺で描く。チャップリンテイストを感じさせて、賑やかなのにどこか哀愁が漂い、幻想的な作品でもあります。

グリーンバレット(2022年製作の映画)

4.2

国岡の未熟な指導者っぷりや、嫌なやつの解像度が異様に高い。生徒たちの演技は拙いですが、全体を通してその粗とツッコミが噛み合っていたと思います。話が通じてなかったり、啓発本を抱えている板尾さんの使い方と>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

3.9

モキュメンタリーって脚本が透けてみえちゃうと一気に嘘っぽく見えちゃうんですよね。割と事件が派手で、登場人物のオーバーな行動やカメラマンの整合性とかが気になっちゃうんで普通の物語として作って良かったよう>>続きを読む

ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

3.0

人生というのは凹凸ありつつもその連続性の全てに価値があるものと考えている為、本作の人生の中の1地点を重要視する死生観とは相容れない。俳優ではない一般の方をたくさん呼んだインタビュー形式も是枝作品の生っ>>続きを読む

マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.5

国籍というものは大きな共同体として存在しているのは想像よりも拠り所になっているのかもしれません。クルド人同士でしきたりや儀式といった連帯感があるが、そこで留まりたいわけでもない。毎回ハーフ顔だからとい>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.6

前作のファンムービーの1面が相当強く、ちさととまひろの緩い会話が大半を占めており、以前より物語と会話の連続性には欠ける。新キャラも没個性的で、非日常としての殺し屋の可笑しさ、社会と自己存在感のテーマ性>>続きを読む

ピクセル(2015年製作の映画)

3.0

ゆるい雰囲気で良いですが、襲来する敵のルールが整備されておらず製作者の匙加減のため緊迫感がない。ゲームキャラも"出した"だけにすぎず、『LEGOムービー』や『シュガーラッシュ』のようなゲームの奥行きが>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.5

理論・うんちく・哲学をたらたら垂れ流すフリがあるため、ヘマをするのに振り幅が効いている。撤収や処分の手際の良さにその道のプロフェッショナルさを感じられ、余計にダサい。ダサダサポンコツ殺し屋を好意的にみ>>続きを読む

ビリーバーズ(2022年製作の映画)

4.3

現実を夢で、煩悩を信仰で上書きしようとする教団員の物語。夢とは無意識な潜在意識を映し出すものといわれていますが、その夢を都合よく歪曲するエゴに人の邪悪さが表れている。言語・思考のアップデートはまさしく>>続きを読む

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

3.6

どんなに過酷な環境でも奪われることがないのが思想の自由である。収容所内で疲弊していく最中で仲間たちに生きる勇気を与える…ことはあまり伝わらなかった…。悪い意味で綺麗な作品でしたね。

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.5

外画版福田雄一作品のような緩さを持つファンタジー作品。冒頭でギャグに振り過ぎているせいで、その後が全て茶番にみえる。全体を通して若年層向けの分かりやす過ぎる展開とボケで自分にはハマらず。キャラクターと>>続きを読む

THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!(2014年製作の映画)

3.4

突如現れた知らないキャラの知らない葛藤に天海春香リーダーによる根性論による解決。アイドルマスターの良さって職業アイドルのプロによる群像劇が魅力だったんじゃないの…。大団円にいくにはテレビシリーズよりス>>続きを読む

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

4.4

菜食主義者というよりは菜食・肉食関係なしに差別主義者による誹謗・皮肉が応酬するブラックコメディ。奥さんが狡猾というか犯罪や心理サスペンスとか好きそうですよね。正しい倫理観より爽快感が優ってしまうのであ>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.7

宗教抗争を間近で浴びたケネスブラナーの自伝。詳細は理解してなくても、子供ながらに体験した悲しみの感情や、親族との笑い話は強く鮮明に覚えてるものだ。

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