魔球ですさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

学校の怪談(1995年製作の映画)

4.0

思い出ではなくエモい出。

小学生の頃に観て以来、疎遠となっていた学校の怪談を大人になって観ると、当時では気にならなかった、人物描写の丁寧さに驚いた。完成度が高い。

それにしても、クマヒゲおじさんは
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預言者(2009年製作の映画)

3.3

多言語という武器。

陰キャで無学な青年が、アウトローな輩が収容された無秩序な刑務所で成り上がっていくネバギバ精神を淡々と進行させる展開は丁寧でリアル。がしかし冗長。

暴力で解決よりも、インテリジェ
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X エックス(2022年製作の映画)

3.6

この既視感。ななまがりのコントおばあちゃん。A24らしい洒落っ気とグラインドハウスっぽい趣味の悪い演出が意外とキマッている。最高ではなくて最CORE。

カオスな展開が目立つ中で反戦を意識させるミスマ
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.5

ググってググってググり倒す!

前作のオヤジ主人公と違って、今作の主人公はゴリゴリのZ世代。それ故にハイテクツールを自由自在に操るスキルが圧倒的でイル。

この手のテクノロジーに強い人から見れば劇中で
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神々の山嶺(2021年製作の映画)

4.0

山哲学。

完登しても次の目標に向けて命が注ぎ足されるし、断念すれば死に直結する事もあるという。クレイジー。

真相を知る事よりも過程が重要。解らないが答えならそれが答えでも良い。実写に匹敵するストイ
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.5

日本に住みながら知らなかった事実。

悪い事をしていなくても県外に移動出来ない、就職出来ない、保険証も使えない、入管局での酷い扱い…

難民または外国人目線で描かれる日本人とのコミュニケーションは、ゲ
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.0

客観的に展開しそうな物語を、あみ子自身の一方的視点で描く事で、なにげない日常への新たなる発見を良くも悪くも教えてくれる。

その人の為を思って善意ある行動を起こしても悪意に捉えられる事もあるし、家族だ
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.0

JUST DO IT!

今日流行ったモノも明日には消える。というファッション界のセオリーを打ち破り続けるエアジョーダンの背景には、好きモノ中年オヤジ達の破壊と創造と熱量が詰まっていた。まるで池井戸潤
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クリープ 2(2017年製作の映画)

3.5

狂人おじさん再臨。

言動の読めなさは、前作に引き続き相変わらず不気味であり滑稽。主人公を何とかして驚かそうと必死に立ち回る姿は微笑ましいから嫌いになれない憎め無いおじさん。

評価は低いが、このクオ
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フィールド・オブ・ドリームス(1989年製作の映画)

3.3

学校の授業で何度も観たが記憶にございません。状態という事で、改めて観たわけだが、かなりブッ飛んだ展開と演出に唖然。

唐突なクライマックスにモヤモヤ。実際のMLB公式戦で今作の球場が使われているのは面
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トジコメ(2022年製作の映画)

3.7

シチュエーションスリラーでありながら、子育て映画でもある。可愛い子供には旅をさせよ。の究極系。

トジコメ部屋が告解とかリンゴとか聖痕とか…宗教メタファーをいちいちキメてくるドヤ感は説教臭くてノイズ。
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キャンディマン(2021年製作の映画)

3.5

鏡に向かって…唱えると…。合わせ鏡や紫鏡、ゲシュタルト崩壊。鏡にまつわる怪談や奇談の文化は日本にもあればアメリカにもあったのか。

人種差別に謎の奇病、都市伝説が芸術として継承されていく流れは、四谷怪
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.0

こういう時どんな顔をすればいいの?

冒頭のハイテンポ&バイオレンスな展開は今作における1番のハイライト。

アナログ的な昭和ライダーな方向の演出でやるのかと思いきや、切れ味悪いVFXをガンガン導入。
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女神の継承(2021年製作の映画)

4.0

エクスターミネーションなクライマックスに向けての"不穏と不気味さを積み重ねていく展開は、オカルトまたは怪談的に言う所の視界の端で起こっている現象感があって、イル。

リアリティな語り口調でありながら、
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シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)

3.5

オーヴァーロード感を匂わせながら、社会風刺も捻じ込んで来るトリッキーさ。

凶悪なグレムリンにアームバーを極めてフェイタリティするクロエちゃんはヒットガール。いわゆる怪作だ。

ブラック・フォン(2022年製作の映画)

3.8

俺の屍を越えてゆけ!

日の目を浴びない陰キャの主人公が積み重なったネガティブな念を、反撃能力に変換して倍返しする。ライカ半沢直樹。

ホラー映画としては消化不良でも、ジュブナイル映画としての熱量は、
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BIRD(2015年製作の映画)

3.5

スマホを紛失しても、ラジオからTVから、たまたま電話した相手から…止めど無く嫌な情報は流れて来る。

風景は明るいが、世界は混乱を極めているのかもしれない。信じるか?信じないか?はあなた次第です!

ファイアー・オブ・ラブ 火山に人生を捧げた夫婦(2022年製作の映画)

4.0

圧倒的にヤバい火山と密に仲良く触れ合う夫婦の風景を見てると、危険とされる火山も安全に見えてくるのだから興味深い。

火山で始まり火山で終わる。正にファイヤーオブラブ。納得のアカデミー賞。これは熱量の高
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.0

"じゃない方"のPTA。

恵まれた環境で育ち、強メンタルで人生を切り開いて行く怖いモノ知らずな、容姿以外は無敵な特殊設定の主人公に共感は中々できない。

しかし恋愛下手で、時折幼稚な言動をする辺りに
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.5

地平線の意識!

映画を撮る事は人をネガティブにもポジティブにもさせてしまう。映画に賛否両論は付き物だという事を改めて再確認。

最低も最高もウソも真実もカメラという呪物を使って編集し自分の理想を形に
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耳をすませば(1995年製作の映画)

4.3

観てるこちらが、恥ずかしくなる純粋無垢なセリフの数々にKOされる。エモでありセンチメンタル。

初見時は登場人物と近い年頃だったからこそ、展開されるシチュエーションに憧れ夢見がちだったが、今や大人にな
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ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)

3.8

良い人間、悪い人間。そこに肌の色は関係なく、善悪をフラットに描く事で見えてくる人種差別への警鐘。時にジョークを、グッドミュージックを交えながら重いテーマを表現していくスマートさに監督のスタイルが映えて>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

超壮大だけど身近であり変な家族映画。

色即是空の教えに習いながらも、その一分一秒その瞬間には意味がある。という哲学を語りつつ馬鹿も平気でやる。ジャッキーizm全開のカンフーアクションもキメるし、マル
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くじらびと(2021年製作の映画)

4.0

命懸けが詰まりに詰まった見応えのドキュメンタリー。

前半で村の文化や生活、人に触れ、後半に大迫力のクジラ漁を持ってくる構成が素晴らし過ぎた。

船をも破壊するパワーを誇る巨大なクジラ相手に、銛を片手
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ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

3.0

ポジティブに言うと爽やか。ネガティブに言うと退屈。つまり、良くも悪くも観た後に何も残らない印象で着地。

それでもチャニングテイタムの登場は笑ってしまったし、今作みたいな微妙な映画に出演するブラピに痺
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ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ(2015年製作の映画)

3.7

もう一つのラストアクションヒーロー。映画は愛を救うのか?

B級映画は期待を裏切らない。という裏を返せば期待値は越えて来ないぞ!という感情を越えてきた。

お馬鹿もできて、感動もできる。この用意周到さ
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ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

3.0

魅せるべきアクションが過剰なスローや、カット割りを含めた演出のせいで質より量になっていてノイズ。

多少の荒ぶりがある物語は納得できても、ジャンル映画で格好良くないシーンが目立つのは辛い。ミシェルヨー
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アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

3.8

FUCK言い過ぎな件。

何度も迫り来る難局をトークスキルと悪運で乗り越えて行くクズな主人公のアダムサンドラーは品川越えのおしゃべりクソ野郎だった。面白い。

状況の変化と共に、主人公の服装が比例する
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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

4.5

オーマイゴッド!

クライマックスの無神論者ダニエルvs有神論者サンデーのディベートバトルからのどんちゃん騒ぎは、笑いと狂気のケミストリーだ。今作における間違いないハイライトでしょう。

石油を掘りま
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バビロン(2021年製作の映画)

3.7

夢と希望と血と犠牲の上に今のハリウッドが成り立っています。と勘違いされてもおかしくない強気な内容にデイミアンチャゼルの覚悟を感じる。

映画好きならマストな作品である一方、過激でバイオレンスな方向に偏
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.8

吉田恵輔作品にしては、いつもの斬れ味は控えめな印象を受ける。というか去年の空白とblueが強烈過ぎた故の結果のような気もする。

さんかく、ばしゃうまさん〜のような日常の嫌な風景を彷彿させる人間ドラマ
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牛首村(2022年製作の映画)

3.2

心霊スポットがロケ地の一つだというのに全然使われてないのが勿体無さ過ぎる。

村の風習はなかなかエグ味があって良かったけど、牛の被り物は迫力に欠ける。村シリーズはこれで終わり?

次作のきかいじま。こ
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.6

金と欲望渦巻くGUCCI家のドロドロした風景は、種類さえ違うがゴッドファーザーな節があって面白い。

書籍や映画化され、更にネットでダークサイドなGUCCIの裏側が拡散されても、一流のブランドで在り続
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ポスト・モーテム 遺体写真家トーマス(2020年製作の映画)

3.3

ファットボーイスリムの数ある名曲の一つであるYa MamaのPVを彷彿とさせる憑かれた人達のモーションが最高だ!

死体写真という今では想像しづらいアングラな職業、そして孤立した村という設定も良い感じ
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

最初から最後までティチャラ王子の早過ぎる死に哀悼の意を示す内容に、チャドウィックボーズマンへのビッグリスペクトを感じる。RIP。しかし物語を展開していく上では喪に服し過ぎて冗長。ある意味ワカンダフォー>>続きを読む

チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ(2022年製作の映画)

3.6

これまでのディズニーが歩んだ道のりを集約したような演出と技術、ボーダレスなキャラクターが出演するエンタメ特化のリッチな内容が楽しい〜。

そしてフェイクは許さねー!という意気込みも感じた。恐るべしディ
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